おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

お茶の味

2020-07-20 23:24:29 | 読んだもの
 
 京都の一保堂の社長の奥様、渡辺都さんの「お茶の味」を読みました。いろいろな媒体に書かれたエッセイと単行本のための書き下ろしからなっています。

 内容紹介です。
 ゆったりと流れる時間、その時々で変化する風味、茶葉が持つ本来の美味しさ――お湯を沸かし、急須で淹れてこそ感じられるお茶の味わいがあります。江戸時代半ばから京都に店を構える老舗茶舗「一保堂」に嫁いで知った、代々が受け継ぎ伝えてきた知恵と経験、家族のこと、お店のいまと未来、出会いと発見に満ちた京都生活。お茶とともにある豊かな暮らしを綴った、心あたたまるエッセイ。

 平成27年に大きい本で出版され、今年文庫になりました。結構、好評だったってことなんでしょうね。それ、わかります。どこがどうとうまく言えませんが、本の中にはふわりと心安らぐ時間が流れていました。

 お茶を売っていらっしゃるので、美味しいお茶の淹れ方やちょっとした工夫はもちろんですが、お茶にまつわるあれこれが出てきます。例えば、夏場に飲む冷たい「グリーンティ」というのも一保堂さんが始められたそうです。お抹茶にグラニュー糖が入っていて、それを冷水で混ぜるものです。甘いものを控えている人には、お抹茶を一度茶こしで濾してから冷水を注いで茶筅を振ればノンシュガーのグリーンティができるそうです。

 そして、寺町二条のあの古い佇まいのお店でこじんまりとこつこつと家業に勤しんでいらっしゃる日常も描かれています。実際は、各地の百貨店に店舗があって、大きな“企業”になってるんですが、こちらのエッセイでは不思議と“企業”って感じがしないんです。

 美味しいお茶を淹れるためには、お茶葉はケチってはいけません。大匙でたっぷり2杯、紙パックとか急須の籠?とかは使わず、急須の中でお茶葉が十分に泳ぐようにしないといけないそうです。イマドキは急須のないお家もあるそうで、お茶と言えばペットボトル、あるいは日本茶を飲まない、そんな人が増えているそうです。ごはんには日本茶ですよね。食事の時は何を飲んでいらっしゃるんでしょうか。

 とエラそうに書いていますが、わが家も食事用の玄米茶のお茶葉があるのみです。お煎茶も抹茶も買い置きはありません。一人暮らしで会社勤めなので、いろいろなお茶を飲むタイミングがありません。お茶葉って100グラム単位で売ってはいますが(以前は1キロとか500グラムだったそうです。それを一保堂の先代の社長が200グラム袋とか100グラム袋とかで販売されるようになったそうです)、なかなかそれを短期間で消費できるものではありません。美味しい和菓子を買ってきたときなど、美味しいお煎茶を飲みたいなぁと思うのですが。

 父がお茶好きで、お煎茶を淹れてくれていました。お湯を冷ますために待って、十分お茶葉が開くのを待って、ようやくお茶碗に注がれたお茶は「え、こんだけ?」という量でした。一応、まだお煎茶用の急須や湯冷まし、お茶碗はあるので、淹れようと思えばできるのですが。でも、たぶん、1回か2回で終わりになりそうで…。湿気たお茶は炒ってほうじ茶にしたらいいそうですが。←「贈答でもらった上等なお茶を勿体ないと奥にしまい込んで、2年ぐらいして発見した」というお客さんからこういう質問がよくあるそうです。お茶葉もやはり生ものなので、できるだけ早く飲んでくださいと書いていらっしゃいました。

 毎日飲んでる日本茶、ペットボトルに駆逐されないように、頑張って飲もうと思いました。玄米茶ですが、ワタシが美味しいと思うのは一保堂か上林春松本店です。一保堂は大阪でも買えるのですが、上林春松本店は京都に行かないといけないのが難点です。
コメント (2)
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