10日間のご無沙汰でした。





別に身体の調子が良くなかったと言うわけではなく、日常の雑事に追われブログを記せなかっただけです。
この本は昨年一時帰国時に購入したのでほぼ9ヶ月間「積ん読」状態でした。

このまま「積ん読」が続きそうでしたが、独訳本が出版されたという新聞記事を読みようやく重い腰を上げました。
どちらかと言うとこの作家の作品は苦手でこれまでも数えるほどしか読んでいないのですが、
一時帰国時に話題になった本はとりあえず購入することにしているので今回も購入したわけです。

Haruki Murakamiはドイツでも大変な人気で我が家の町の小さな本屋さんでも早速平積みされていました。


読み始めたら予想に反して(?)かなり惹き込まれる内容で久しぶりに読み応えのある本に出会えて読書を楽しみました。
でも650ページ以上だったので読了まで2週間以上かかりました。
「あとがき」で作家自身が記しているように、元々は1980年に「文學界」に発表した中編小説を書き直し、
40年後に長編小説として出版された作品です。
作者はこの間31歳から71歳になっていました。
1980当時は「今の自分に何が書けるか、何が書けないかじゅうぶんに把握できていなかった」ということでこれまで元の中編小説については忸怩たる思いを抱いてきたのでしょう。
コロナで外出規制されていた3年間ほぼ引きこもり状態で執筆されたと言うことです。
内容を一言でいうと「自分と影との対峙」でしょうか。
真実と虚構、実体と仮象、夢と現(うつつ)の境の描写が多く登場します。
ところで町の本屋さんに平積みされていた本の表紙が「白無垢」の花嫁さんで目にとまりました。

ドイツ語のタイトルを直訳すると『色に秘められた人生』ということになるでしょうか。
著者のラウラ•今井•メッシーナさんは在日イタリア人作家で作品はイタリア語で記されています。
これまで出版された本の中でベストセラーとなり唯一邦訳もされているのは『天国への電話』です。
早速読んだという友人によると2作品共とても良い小説なので薦められたのですが手に取るのはいつになるでしょうかねぇ(^。^)。
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