アイルランド旅行の最終日、首都ダブリンにあるアイルランド最古の大学トリニティ・カレッジを訪れました。
この大学は1592年にイギリスのエリザベス1世によって創設されました。
この大学で有名なのは図書館と「ケルズの書」です。
(写真はネットからの拝借です)
この写真は図書館2階にあるロングルームで映画『スター・ウォーズ』のジェダイ図書館のモデルにもなったそうなのです。
(私自身は映画を観ていないので、映画ではどういう風になっているのか興味があります)
この図書館におさめられている『ケルズの書』は豪華な装飾が施された4つの福音書のことで、マタイ伝、マルコ伝、ルカ伝、ヨハネ伝が収められています。
これはローマに追われてアイルランドに定着したケルト人が残した聖書の福音書の写本でアイルランドの国宝です。
世界で最も美しい本とも呼ばれています。
ミュージアム・ショップで購入してきたガイドブックの表紙です。
トリニティ・カレッジの展示室ではガラスケースに収められた絵のページと文章のページの一部が開かれています。
定期的に展示されるページは変えられるらしいのですが、私たちが訪れた時は丁度このガイドブックの表紙の絵のオリジナルを鑑賞することができました。
この写本の制作者は9世紀初めにヴァイキングの襲来でスコットランド西方の島からケルズ(ダブリンの北西6KMほどにある地)へ避難してきた修道僧だそうです。
ラテン語で書かれた4つの福音書をもとにケルズの修道院で制作したのだそうです。
全部で340枚あり子牛の皮で作った羊皮紙(羊の皮ではないのにおかしな表現だといつも思っていますが)が使われています。
換算すると150頭もの子牛がこの本を作るために使われたことになります。
豪華な彩色が施されていますが、当時はもちろん合成顔料などはなく、今でも日本画の顔料に使われているいわゆる「岩絵具」が使われています。
顔料に関する展示もあり化学者の夫にとってはとても興味深かったようです。
夫が勤めていたドイツの化学会社は元々「合成染料」の会社としてスタートしたからです。
顔料の展示の中で興味を引いたのは「黄色」の顔料でした。
これは日本語で「雄黄」という岩石を使うのですが、この粉末を使うといわゆる黄金色での彩色が可能になります。
高価な金粉の代わりに中世ではよく用いられたようです。でもこれは「猛毒」なのです。
猛毒といえばウムベルト・エッコーのベストセラー「薔薇の名前」で使われた毒は「ヒ素」でした。
中世が舞台になっているあの小説では謎の連続殺人事件がテーマになっていますが、この殺人は羊皮紙の性質を利用したものでした。
書写紙として使用された羊皮紙は研磨されてあり表面が滑らかだったので、このような本を読む人々は指を唇や舌で湿らせてページを
めくるしかなかったのです。
それで禁書にしたかったアリストテレスの「笑い」に関する本のページにヒ素を塗り読者を死なせたというわけです。
この大学は1592年にイギリスのエリザベス1世によって創設されました。
この大学で有名なのは図書館と「ケルズの書」です。
(写真はネットからの拝借です)
この写真は図書館2階にあるロングルームで映画『スター・ウォーズ』のジェダイ図書館のモデルにもなったそうなのです。
(私自身は映画を観ていないので、映画ではどういう風になっているのか興味があります)
この図書館におさめられている『ケルズの書』は豪華な装飾が施された4つの福音書のことで、マタイ伝、マルコ伝、ルカ伝、ヨハネ伝が収められています。
これはローマに追われてアイルランドに定着したケルト人が残した聖書の福音書の写本でアイルランドの国宝です。
世界で最も美しい本とも呼ばれています。
ミュージアム・ショップで購入してきたガイドブックの表紙です。
トリニティ・カレッジの展示室ではガラスケースに収められた絵のページと文章のページの一部が開かれています。
定期的に展示されるページは変えられるらしいのですが、私たちが訪れた時は丁度このガイドブックの表紙の絵のオリジナルを鑑賞することができました。
この写本の制作者は9世紀初めにヴァイキングの襲来でスコットランド西方の島からケルズ(ダブリンの北西6KMほどにある地)へ避難してきた修道僧だそうです。
ラテン語で書かれた4つの福音書をもとにケルズの修道院で制作したのだそうです。
全部で340枚あり子牛の皮で作った羊皮紙(羊の皮ではないのにおかしな表現だといつも思っていますが)が使われています。
換算すると150頭もの子牛がこの本を作るために使われたことになります。
豪華な彩色が施されていますが、当時はもちろん合成顔料などはなく、今でも日本画の顔料に使われているいわゆる「岩絵具」が使われています。
顔料に関する展示もあり化学者の夫にとってはとても興味深かったようです。
夫が勤めていたドイツの化学会社は元々「合成染料」の会社としてスタートしたからです。
顔料の展示の中で興味を引いたのは「黄色」の顔料でした。
これは日本語で「雄黄」という岩石を使うのですが、この粉末を使うといわゆる黄金色での彩色が可能になります。
高価な金粉の代わりに中世ではよく用いられたようです。でもこれは「猛毒」なのです。
猛毒といえばウムベルト・エッコーのベストセラー「薔薇の名前」で使われた毒は「ヒ素」でした。
中世が舞台になっているあの小説では謎の連続殺人事件がテーマになっていますが、この殺人は羊皮紙の性質を利用したものでした。
書写紙として使用された羊皮紙は研磨されてあり表面が滑らかだったので、このような本を読む人々は指を唇や舌で湿らせてページを
めくるしかなかったのです。
それで禁書にしたかったアリストテレスの「笑い」に関する本のページにヒ素を塗り読者を死なせたというわけです。
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