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怒り③

2020-04-19 15:03:00 | 日記
これまでの「怒り」はアメリカファーストを唱える専横的な米国大統領に向けられていました。
今回の「怒り」は日本の為政者に向けられています。
友人が紹介してくれた以下の記事を読んだためです。


東京の四谷三丁目にある大病院(看護師だけで1000名)に従事する看護師からの憤怒の叫びです。
この記事に対してはデマではないかとの批判があるようです。
記事の作成者はこれまで2件しか記事をアップしていないこととか、病院内の逼迫した状況に疑問点があるからというのが理由です。
でも「各世帯に2枚マスクを配布する費用が466億円」というのは事実かと思われます。
「これだけの費用を隔離施設の建設にあてられないか」という作成者の疑問や、
「患者を助けられない」という医療従事者の嘆きは充分同意できます。

私は検査で陽性結果が出た人を無症状、軽症であっても入院させ隔離する日本のやり方では病院の収容力がすぐに逼迫してしまうことを危惧していました。
確かに日本の住宅事情を考えるとドイツのように無症状、軽症の陽性者とその濃厚接触者を在宅隔離するのは難しいと思います。
私の住む群の人口は28万人ですが、現在感染者数は340名、在宅隔離者は700名以上になっています。
けれども隔離者用の施設建設にはそれほど多額の費用は必要ではないと思いますし、
集中治療室の余裕があるといわれるベルリンでも見本市会場に大規模な臨時病院を建設中です。

感染者が出た初期の頃、「医療崩壊」に至らないようにするためにドイツ政府が行ったのはドイツ全国の集中治療室のベッド数と人工呼吸器の数を把握することでした。
救急ではない手術を延期したり、人工呼吸器を追加で発注したりして現在、集中治療室のベッド数はほぼ4万床、人工呼吸器は3万台といわれています。
そして感染拡大の状況に応じた「医療負荷」を予測しました。
このグラフがスタートでした。


次は基本再生産数(ひとりの感染者が新たに伝染する人数)による予測バリエーションです。


この基本再生産数がひとり以下でドイツの医療体制が維持できることになっています。
現在は0.72名です。
そして3月18日のロックダウンから一ヶ月経過して感染者数も減少傾向を示しています。


とはいっても新規感染者数は今だに3000人以上で、この数が1000人以下にならないと収束傾向にあるとはいえないということです。
シュパーン保健大臣も現在若干制御されているようにみえるのは、あくまで新型コロナウィルスの第1流行だけであって、今後第2流行を避けるためには緊張を緩めてはいけないと警告しています。

日本での「マスク2枚配布」や「総花式の10万円支給」などの場当たり的な施行は、ドイツの疫学上の数値や算定を基準とする周到な感染予防政策からは程遠く、感染拡大を防止する効果の程は疑問です。

ドイツの政治家に比べて、国の施政を委託された者に課せられた「国民を守る」という使命を日本の為政者はないがしろにしている事に私の怒りは向けられています。




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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おっしゃる通りです。 (hibari)
2020-04-20 10:50:39
日本の政治3流以下です。
466億のお金をかけて、2枚のマスクを国民に送り
ご丁寧に洗い方まで伝授する馬鹿さ加減。

一人当たり10万円支給というのは、経済の激しい落ち込みで、職を失った人や収入が落ち込んだ人たちへの当座の資金です。十分な支援とは思えませんが、とりあえず公共料金の支払いや家賃の支払いには、役立つと思われます。
日本には休業補償がないため、生活に早速困窮する人たちへの緊急措置です。あとは、早く支給できるよう政府がどう取り組むかの問題です。
全くお恥ずかしい話です。
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Unknown (yokodoitsu )
2020-04-20 23:38:24
hibariさんへ
日本の緊急事態宣言についてはドイツの新聞も(小さな記事でしたが)報道しました。
それで日本の休業補償について問われることもあるのですが、「マスク2枚配布と一律10万円(以前は収入減世帯に30万円でしたっけ?)」と答えると、「エッ? それだけ?」と逆に問われてしまいます。
でも休業要請された職種には何らかの援助金は出るのですよね?
返信する
長文失礼します (ティラミス)
2020-04-21 01:38:37
ときどきブログを読ませていただいています。穏やかな語り口と豊かな自然に気持ちが休まります。

さて、日本のコロナ対策が場当たり的ということですが、再生産指数を1以下に抑えることは、政府に委託された専門家たちが目標にしていることだと、素人である私でもテレビなどで知っています。
専門家会議やクラスター追跡班の尾身先生や押谷先生は、WHOで感染症対策の指揮を執っていた方々で、十分に信頼に値すると思っています。日本は最初から感染者数を把握することよりも死者数を抑えること、医療崩壊を起こさないことを主眼としてやってきていて、これまでのところ欧米に比べればかなりうまくやっているのではないでしょうか。2ヶ月たってドイツの死者数の20分の1です。
押谷教授はNHKの「新型コロナウィルス~瀬戸際の攻防~」(https://www.youtube.com/watch?v=3Mnf5Sh_8RI)で、都市封鎖を繰り返すと人の心が死ぬのでその状況を作らないようにしたいとおっしゃっていました。

グローバルに瞬時に情報がかけめぐる時代なので、災害に馴れない欧米では恐怖心が増幅され、言っちゃ悪いですが、集団ヒステリーのような状態じゃないかと感じます。日本は武漢の状況を分析して、欧米より早くから対策をとってきたのに、制限がゆるすぎるから今後欧米のようになると批判される根源には何があるのでしょう。そしてその批判を日本のマスゴミがありがたがって取り上げ、不安にあおられた看護師さんが海外ニュースで見たような状況をヒステリックに書き綴っているわけです。

死者数を実際に抑えている日本からは何も学ぶべきものがないのでしょうか。頭から日本を疑うより、もっと早くからマスクをして一時的にでも土足文化をやめればだいぶ違ったのではないでしょうか。ダイヤモンド・プリンセス号のときも、マスゴミはあら捜しばかりして感謝している人の声は伝えません。

日本では一日に平均すると3千人以上死に、うち50人くらいは自殺者です。今回2ヶ月で250弱くらいの死者数は、もちろんゼロであるのが理想ですが、許容するしかないのではないでしょうか。死因が何であっても悲しみに変わりありません。がん患者の手術を後回しにしたり、交通事故患者に手が回らなかったりしていいわけありません。

アベノマスクをバカにするのは簡単です。マスクに10万円入れてもっと早く配ればここまで言われることもなかっただろうにと、私はちょっと安倍さんに同情しています。布マスクを政府が配り、手作りマスクが流行ってくると、どこからともなく(高値で売れなくなって在庫をかかえたくない筋から)不織布マスクが現れて適正価格で売られるようになってきます。医療用マスクもそのうち十分に回るでしょう。それだけで466億円の元が取れるというものです。10万円にしても国民がマイナンバーと銀行口座を紐づけすればすぐに振り込まれるのに、政府に個人情報を渡したくない人たちがたくさんいます。要求だけはして、政府の権限を制限しておきたいのです。

東日本大震災のときの民主党政権のドタバタに比べれば、今回の安倍政権の対応はまあまあじゃないかと私は思っています。初動の遅れは、前回のSARSが日本では大したことがなかったので油断したせいもあるでしょう。いずれにしても、政府はコロナ不況で経済が壊滅しないようにしようとしていますし、感染症対策は専門家会議の先生方が必死に考えてくれていると思います。
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Unknown (あつこ)
2020-04-21 01:59:28
日本人は物事を全体的に冷静に理論的に考えるのが不得意な民族のようで、<可哀想に、とりあえず、いますぐ私に出来ることはーーー>と、情が先に行ってしまうようですね。 私自身も全体を捉えて物事を考えることができない全くの無能者ですので、ドイツ人のきっちりとした清々しい思考能力にはいつも尊敬の念を持っていますが、無能者ゆえに、マスクや現金支給なども解るような気がします。
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Unknown (yokodoitsu )
2020-04-21 02:49:42
テイラミスさんへ
拙ブログをご訪問下さっているとのことありがとうございます。
ドイツでもマスク着用の有用性が国民の間に広まりつつあります。
今日から種々の制限が緩和されました。
これが感染拡大にどのような影響が出るか、2週間後に検証されるそうです。
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Unknown (yokodoitsu )
2020-04-21 02:56:59
あつこさんへ
10万円支給も良いとは思いますが、あくまでも一時金なので、私は休業補償のようにある一定の期間支給されないと、休業を余儀なくされたところの人は困窮するのではないでしょうか。
ドイツの休業補償はこれまで給与の60%支給でしたが、これでは低すぎるというので、
現在80%(子供のいる家庭は87%)まであげようとしています。
アメリカの休業補償はどうなっていますか?
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