気がつけばふるさと離れて34年

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

堀文子画文集「命といふもの」

2019-02-23 14:33:56 | 読書

先月末、ご近所に住む日本人の友人でやはり私と同じく書道のお稽古に通っている(先生は違うのですが)方とお話ししていた折、彼女が「篠田桃紅さんこの間105歳になられたそうよ」と言うのを聞き、「そういえば堀文子さんもかなりご高齢なはずだけれど何歳になられたかしらねぇ」と二人で語り合いました。

その数日後に堀文子さんが100歳でご逝去されたというニュースが伝わってきたのでとても驚きました。

堀文子さんの画文集のことを知ったのはいつだったかもう覚えていませんが、彼女の凛とした絵と文章がとても好きで、この友人にも勧めたので二人とも3冊の画文集を持っています。



この画文集に「私の故郷」という文が収められています。



彼女が幼い頃を過ごした現在の千代田区麹町平河町あたりの風景が綴られています。
今から90年以上前のことで、子供たちが日がな一日遊び呆ける森や野原や池があり、春のつみ草、夏の蝉取り、秋のどんぐりや椎の実採りと、
できればタイムスリップしたいぐらいの懐かしい情景です。

彼女は晩年、神奈川の大磯にお住まいで、時折所用で都心を訪れていたようですが、現在の東京の空しさに狂喜さえ感じ、「用をすませば一目散で生命の溢れる森の庵に帰る」のだそうです。

冒頭に出てきた友人は今日一時帰国します。
彼女は日本にいる間、お姉さまのマンションに滞在します。
とても偶然なのですが、このマンションが堀さんが子供の頃過ごした麹町平河町にあるのだそうです。
彼女のドイツのお家は堀さんの大磯の庵のように緑溢れる地域にあるので、英国大使館の大木がある庭やお堀の周囲が唯一の緑という環境で長期間の滞在に耐えられるかと心配されていました。「堀さんのようにすぐ退散するわけにもいかないので頑張ってみます」ということです。

話は変わり、先日友人のお母様が亡くなられたというのでお悔みのカードを購入しました。


堀さんの画文集の絵と少し似ています。


画文集の春の項の表紙も素敵です。


昨日は母の命日でした。
画文集の絵を眺めて、母を偲びました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「翻訳できない世界の言葉」 | トップ | 焼締め展 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事