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ドリアン助川著「あん」&神谷美恵子先生のこと

2015-09-07 15:16:45 | 読書
日本に一時帰国中に公開された映画「あん」は時間の関係で鑑賞できませんでした。

それで購入してきた文庫本にこの間ようやく目を通すことができました。



映画で主演されていた樹木希林さんは昔、悠木千帆の芸名で「七人の孫」のお手伝い「としこさん」で出演されていた頃からのファンです。

「寺内貫太郎一家」のおばあちゃん役で「ジュリー!」と叫んでいたテレビでも随分と楽しませてもらいました。

どら焼きのあん作りの名人のおばあちゃん徳江さんが昔、ハンセン病の患者だったというのがストーリーの中心です。

日本で「らい予防法」が廃止されたのはほんの20年前、1996年だということも知りませんでしたし、

その後も隔離病棟に暮らしていたひとたちは今でも大変な苦労をされているということをこの本で知りました。

本を読んで思い出したのは神谷美恵子先生のことです。

私が大学に入学した頃、神谷先生の「精神医学集中講義」は必修科目でした。

もう40年以上前のことなので先生の講義内容など全然覚えていません。

神谷先生はその後、「皇后陛下の心の友とカウンセラー」ということで有名になりました。

先生のご著書や伝記が出版され、そのうち2冊が手元にあります。



先生は1960年に「癩に関する精神医学的研究」で大阪大学から博士号を授与されています。

この論文の執筆にあたって先生は瀬戸内市にある国立ハンセン病療養所の長島愛生園を訪れ患者の診断、調査をしています。

論文執筆後も定期的に愛生園を訪れ、1965年には愛生園の精神科医長に就任しています。

「あん」を読んで、ハンセン病患者の辛い人生に思いを馳せ、

精神医学に興味を抱くきっかけとなった神谷先生の講義を受講できたことに感謝しました。





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