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気がつけばふるさと離れて34年

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島での読書

2020-07-28 17:10:00 | 読書
ユイスト島滞在中に以下の三冊の本を読みました。

1)村上春樹著『職業としての小説家』



日本語の方は以前、ケルンの日本文化会館で借りて読みました。
ウルズラ・グレーフェさん訳の独語訳は既に購入済みでしたが、全てに目を通してはいなかったので
今回再読しようと思ったのです。
このエッセーは11章で構成されているので10日間の滞在中、1日だけ2章を読めば、あとは1日1章ずつ、
(夏休みの宿題のように)読み進めていけば良いかと思ったのです。
日本語の本の感想にも記したように「小説を書くとは」という難しい小説論などではなくて、
肩のこらない「自分と小説との関わり方」について記されています。

2)丸山真男・加藤周一対談 『翻訳と日本の近代』




この岩波新書も再読です。
これは『翻訳の思想』を編集されたお二人が最後に解説をまとめるために行われた対談をまとめたものです。
体調を崩された丸山さんに、解説を執筆する加藤さんが意見を求めた時の対談です。
お二人の深い知識量に圧倒されますが、対談をまとめたので話し言葉で記されていて読みやすいです。
鎖国後、明治の知識人が欧米の歴史、政治、文化を原書の翻訳によって精力的に取得し、それが日本の近代化に繋がるという経緯がお二人の対談を通して読者に解るようにうまくまとめられています。

3)須賀敦子著『本に読まれて』




この本も再読です。
この本は浜辺のビーチチェアではなく、朝食後サイクリングや浜に出かける前、部屋のバルコニーで潮風を感じながらページをめくりました。
50冊以上の本の書評や感想が集められています。
内容よりも須賀さんの凛とした美しい日本語が耳に心地よくて音読しました。
昔、放送局で仕事をしていた頃、スタジオで原稿を読んだ時のことなどを思い出しました。