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気がつけばふるさと離れて34年

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エミール・ノルデと和紙

2017-08-26 15:53:31 | 日記

先月北海のズュルト島を訪れた時にエミール・ノルデ美術館に寄らなかったのが悔やまれます。

ズュルト島からユイスト島へ移動する時に美術館のあるゼービュルへの寄り道は可能でしたから。

でも絵画にほとんど関心のない夫と一緒だったから無理だったかもしれません。




今年はドイツ表現主義の画家ノルデの生誕150周年ということで晩年を過ごしたゼービュルの美術館などで大規模な回顧展が開かれているのです。


ドイツ車フォルクスワーゲンの本社があるヴォルフスブルクの美術館では「エミール・ノルデと日本」と題する展覧会が開かれていました。
(この展示会も会期終了後に知ったので訪れることができませんでした)

ヴォルフスブルクでは1913年にノルデが3週間日本を訪れた折に制作された絵画が主に展示されていました。




ノルデは湿らせた和紙にたっぷりと水を含ませた絵筆で描く滲んだ画風で知られています。
日本を訪れた折に画材としての和紙の魅力を見つけたのでしょうか?

ナチスの迫害に遭い、戦時中、ノルデは描くことを禁じられました。
それでも描くことを諦めず、小さなサイズ、匂いのしない水彩画を制作し続けます。
この大戦中の絵は「描かれざる絵」としてノルデ美術館にも展示されています。

ノルデはかつてエッセンの美術館長に宛てた手紙の中で「私の芸術は故郷の土地に深く根ざしたものだ」と記していますが、彼の風景画は故郷北ドイツの低湿地の景色、草花を題材としています。


(ズュルト島へ行く途中の車窓からの風景です)

一時帰国から戻られた書道の先生から高品質のミツマタの清書用紙を購入しました。
和紙を好んだノルデを想いながら、万葉仮名の清書に励むことにしましょうかね。