削がれたもの

2012-11-12 06:29:26 |  ’12秋休み
'12秋休み その17



レンガに萌えつつさらに道を進み、10コ目のトンネルを抜けると、終着点の熊ノ平に到着。
新線と旧線のトンネルが4つ並んで口を開けていた。
新線は線路と架線がそのまま残されている。
廃線してすぐなら分からないでもないが、もう何年経ったのか。
普通廃線にしたら、全て撤去してしまうのでは?
こんな山の中だから引き取り手があるわけで無く、撤去費用もバカにならないから放置してあるのだろう。
そのおかげで遺構として見学できる。
ありがたい事だ。



途中の写真撮影に時間を取り過ぎて、早くも日が傾いて来た。
今から帰っても、シェルパくんの最終便には間に合わないな。
鉄道文化むらもほとんど見学できなかったし、これなら入場せず往復全て歩いたら良かった、とケチな思いが湧く。



帰りは流石に歩く人も少なく、だんだんと暗くなり、寂しい道行きとなった。
アプトの道は往復約13km。
普通に歩けば4時間弱とガイドにある。
写真を撮っていたからもう6時間が経過。
緩やかな傾斜に少しずつ削がれ続けた脚力が底を着こうとしている。
こんな遊歩道でへばっているようでは、山道なんて歩けやしない。
那須の山に雨と風で登る事ができず、山の神様に嫌われているようだと思ったが、「お前にまだ山は歩けんよ、足腰鍛えても一度来い。」 と私の歩く気を削いでくれたのかも、と思いを改めた。



17時、まるやま駅まで戻ってきた。
すねの筋肉がパンパンだ。
あと約1.3km、碓氷鉄道文化むらまで直線道を下らねばならない。
あれ、下から歩いて来る人がまだいる。
ああ、この近所の人のよう。
犬を連れていた。
夕方のお散歩道にしているんだ。
よろしいな。



ふう、文化むらの駐車場にようやく到着。
文化むらは当然閉園しており、駐車場に残るのも私の車だけ。
朝の景色がふたたび眼前にあった。
登山した後そのままの疲労感と充実感。
前屈し、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす。
うーん、気持ちいい。
整理運動していると、むらの職員さんが自動車で帰宅して行った。
お互い、お疲れ様。


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