黒い池と鉢伏山

2020-12-31 12:40:58 | 山行
低山縦走シリーズ『福井のバス停から銭原のバス停まで』
(その4)粟生岩阪→免山バス停

鉢伏自然歩道は粟生岩阪の集落の西の端にある神社の横から再び山へと入る。
竹藪を抜け、背の高い木の茂る林の中へ。
枯葉の降り積もった細い山道なのだが、道はまだ舗装されている。
木々の間から覗く空はいつの間にか灰色の雲で覆われ、辺りが暗くなった。
さっきより気温が下がった気がする。



道は木々に囲まれた開けた場所に出た。
周りでパラパラと音がするので何かと思えば小さなあられが降っていた。
枯葉の上を1mmくらいの白い粒が転がっている。
寒い訳だ。
ジャケットにもパリパリ当たるが、溶ける事なく転がり落ちて行く。



時を経た作業小屋の向こうに黒い池があった。
水は汚くはなさそうなので、光が池面に差さないゆえ黒く見えるようだ。
静まった水面にあられが水紋を作っていた。
静かである。



お腹が空いてきたのでザックを降ろしておにぎりを取り出す。
池畔に座って食べてもよかったのだが、長く休むと寒そうだし、あられが降ってるので敷物を出す気にならず、歩きながら食べた。
右手は耕作地跡に変わり、道しるべが立っている場所で左へ直角に曲がり、山の斜面へと取り付く。



ここにきてようやく舗装が無くなり、土と石を踏みしめて登る。
右側の急な斜面を直登する道があるのに気付く。
地図によると、自然歩道を離れ、鉢伏山山頂に行く道らしい。
再び日の差し始めた空の下、まだ鮮やかな葉っぱをつけた木を愛でながら進むと、程なく山頂に到着。



木製のベンチがいくつもあり、木の枝に299mと書かれた板がかかっていた。
皇族の方の登頂記念の石碑があった。
こんな山にどういった経緯があって来られたのだろうか。
木が刈られ開けた方を眺めると、すぐ横を通ってきた配送センターのビルがよく見えた。
なかなか良い眺めである。



地図によると山頂から下るには上ってきた道をピストンするしかないようなのだが、自然歩道をそのまま進んだ先へ降りられそうな方向に道があったので行ってみると、果たして左から来る自然歩道らしき道に合流した。
すぐに自然歩道の所々に立っている注意看板があったので、正しい道を歩いていることを確認。
この立看板、要所要所でいけないことをしないよう、その場所で誘惑に駆られる衝動を抑えるべく機能しようとさせている。
例えば、耕作地横では農作物を取らないようにとか、枯葉の多い場所では歩きタバコをしないようにとか、etc.etc.



林縁が近づいてきて舗装道が始まり、林を抜けると集落に出た。
左手上方に新名神の大きな橋梁が山を横切っている。
地図では免山バス停へと赤いルートは伸びているのだが、この眺めだと免山バス停まで右手に下り、それからあの新名神の橋の下まで再び上ることになりそう。
ここから直接橋梁方向に行けば、ガードレールの見える新名神工事で新たに作られた周辺道路に入って、下ることなく橋の所に出られそうなのだが、一般人は通れない道で門が閉ざされていたら嫌なので、ルート通りに一旦下る事にする。
歩きにきたんだから遠回りでもOKでしょ。



ここでも少し道を間違え、バス停近くにある信号より麓側で府道に出てしまった。
バス停を過ぎて府道を上ると、信号の交差点に細い道の入口があり、鉢伏自然歩道起点と書かれた道標が立っていた。
ここに出てこないといけなかったんだな。





さて、これが2020年最終話。
今年の年末年始は実家の家族と相談して帰省しないことになった。
これで1年以上帰らない事態となった。
大阪でたぶん初めて年末年始を過ごすはず。
あ、仕事で年を越してから帰省したことがあったかもしれない。
今は喪中なので、こちらの神社に初詣に行く訳にもいかず、お正月らしい雰囲気はTV番組でしか味わえなさそうだ。
お寺はお参りしてもいいらしいので、お寺を訪れてみようか。
なんにせよ、コロナに振り回された一年だった。
来年はみんな心置きなく旅できるようになるといいね。