漁場遺構

2016-08-09 23:00:25 |  北海道の…
余市蒸溜所を見学後、帰りのフェリーの時間まで間があったので、北海道で昔盛んだったニシン漁の漁場跡を訪れた。
旧余市福原漁場という。
海沿いの国道横を走っていたら、大きな木造建築があって見つけた。
建物が立派なんでびっくりした。
はじめはなんなのか分からなかったが行ってみると、ニシン漁全盛期に代表的漁場として使われてきた建物群の遺構だったのだ。



チケット売り場から建物の方に歩いて行くと、まずトロッコが出迎えてくれる。
レールは雰囲気出すために後付けで置いた感じだ。
手押しだろうか、ニシンをドバドバと入れて運んだのだろう。
なんてホイールベースが短いんだろう。
とても不安定な気がするが、どんな利点があってこうしたのかな。



トロッコの横にそびえ立つのが文書庫。
3階建ての立派なもので、これが一番目を惹いた。
窓の扉は漆喰で縦に3階分並んでいる。
建物はほぼ当時のままの状態で、一部復元されたあとが見えるくらい。
非常に良好な保存具合だった。



文書庫と番屋という建物は中に入れるので見学してみると、当時日常生活で使われていた備品やなんかが、これも保存状態よく残され展示されていた。
この福原漁場の最後の持ち主がいろいろと保管していたものを寄贈されたと説明書があったと思う。
漁とはまったく関係ないものもあり、昭和の生活資料館みたいな側面もあって、それはそれで面白かった。



それ以外に大きな建物は、米味噌倉と網倉があった。
文字通り米や味噌を入れておく倉と、網や浮き、縄なんかの仕事道具をしまう倉だ。
こちらは外から中を覗いて様子を伺える。
敷地にはこれら以外の建物が建っていた跡もあり、自分は行ったことはないが奈良なんかにありそうな古代遺跡の発掘地を公園にしたみたいな眺め。



ニシンなんて今ではニシン蕎麦かなんかで目に触れるくらいだが、当時は本当にたくさん獲れたようだ。
文書庫もそうだが、米味噌倉なんてただの倉なのに、神社の社みたいに凝った造りだ。
頑丈でもあるらしい。
主家の財力はいかばかりであったろうか。