また少し年をとった

2016-08-12 23:34:11 | お酒
今年より制定された休日、「山の日」。
さてどう遊ぼう。
我々山好きの為にお休みを作ってくれたようなので山に行くことも考えたが、帰省ラッシュのピーク日だと言うし、関東地方の天気予報もイマイチだし、ちょっと前に山の眺めは堪能したし、で山行き気分は今ひとつ盛り上がりに欠け、それより最近見つけた面白い文庫本4巻セットの小説を読み進めたく、街に遊びに行くのを理由にして、道中の電車や茶店で涼を取りつつ読書する日にした。
お前はホントに山好きなのか。

理由付けのための訪問先は、六本木駅前にあるフジフイルムスクエアの写真展にした。
無料で4つの展示を鑑賞。
鑑賞後、お昼を食べる店を探したが、東京ミッドタウンのお店はどこも満席で待ち行列が…。
フラリと屋外に出たら見つけてしまった、「バカルディミッドパークカフェ」。
緑の公園を後ろに芝生の上にテーブルとイスが点在し、いい雰囲気。
駅で見たポスターは夜間にオープンするとあったように思うが、お休みの日は昼からやってるようだ。
ようし、昼からちょっくらやっちまうか。
でもなあ…。

こういったお店で似た様なのが梅田にあって、「キリン一番搾りガーデン」だったか、ちょっと変わった一番搾りを屋外でいただけるお店。
そこに緑はないんだけど、洒落ててイメージはおんなじ感じ。
外で飲めるけどビアガーデンではなく、ガッツリ飲むというより「暑いしちょっと一杯飲んでく?」って感じで寄るとこ。
近くを通ればいつも気になっていたが、一人では飲みに入れず、昨夏の終わり、ようやく連れを伴って行ってきた。
さてそんな「バカルディミッドパークカフェ」、一人で入ろうか入るまいか。

ふうむ、思えば人生とは一人でできる物事を増やしていくことだ(そんな分けはない?
年がいくとだんだん図太くなっていくのを実感する。
若い頃は一人で居酒屋に入れなかった。
なかなか敷居が高かったが、ある時とうとう夕食を西中島南方の居酒屋で一人食べたのだった。
そういえば酒なしで食事だけだったな。
なんで居酒屋を選んだんだ?
入る時、食事だけできるか聞いてから入ったな。
若い頃はまだ晩酌なんてしてなかった。
だから余計に入りにくかったのかなあ。
今や旅先では一人居酒屋は普通である。

はじめてのおつかいではないが、一人でするようになったあれこれ。
一人映画館は結構速かった。
中学生の時だったな。
泊りがけの一人旅は社会人になってから。
食事付きの旅館で一人食事するのはなかなか、なんというか新鮮な経験だった。
一人××で勇気がいるのは、一般的に複数人で友達や恋人と行うのが普通の行為。
「キリン一番搾りガーデン」やら「バカルディミッドパークカフェ」みたいな、ちょっと洒落たお店で一人飲むのはちょっと場違いな感じがしてしまう。
実際他のお客さんは、カップルに女性グループに家族連ればかり。
人に「なんだあいつこんなところで一人で飲んで」みたいな視線を気にしてしまうのだ。



バカルディベースのカクテルはいろんな種類があった。
スイカを半分に切って身を崩し、そこにバカルディを注いでストローを複数差し込んだ楽しいカクテルなんかがあって、やっぱり複数人で楽しむとこなんだなあと思う。
そんなメニューを見ていたら自然と飲み物食べ物を注文してしまっていた。
私はビターモヒート、ラージサイズ。
うーんトロピカル。
西日本では各地猛暑日を記録した日だったが東京は幾分涼しく、屋外でも木陰であれば汗をかくことなく、冷たいカクテルで喉を潤し、小説の世界に身を浸せた。
こうしてまた一段、細かなことを気にしなくなった自分を見つけたのだった。