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赤目四十八滝

2024-08-08 06:43:07 | その他旅行き
前回の続き。
渓谷入口の水族館を出た所の遊歩道からは川面はまだ下に遠いが、すぐに流れの横を歩けるようになる。
四十八滝と名はついているが48コの滝があるわけではない。
入口でもらったパンフレットで数えると、名前のついている滝や岩の見所の数は25コだった。
一番奥の滝まで片道90分で、同じ道を帰って来なければいけない。
さらに奥は登山道となるのかもしれないが、香落渓というところまで歩くこともできるようだ。
その日は平日だったので、帰りのバスの時刻が早く、自分に使える時間は4時間半くらい。
写真を撮りながら歩くので、最奥の滝まで行って帰ってちょうどくらいと見込む。









その日も大阪は猛暑日だったが、ここにはムッとする暑さはなかった。
まず緑多い山の中であること、ほぼ木陰の下を歩くこと、そして渓流の水がさらに風の温度を下げてくれた。
歩くので汗はかくが熱中症になりそうな危険な感触は皆無。
思ったとおり暑さを凌ぐことができた。









谷は深いが川の流れは急ではない。
浅い瀬の水面は鏡面となって緑を写し、深い淵は水を湛えて暗く沈む。
滝にそれほど大きなものはないが、滝壺が広く深い。
長い年月岩を削ってきたのだなあ。
日の差すところと日陰の明暗差が激しく、面白い写真が撮れる。
滝そのものより次々と変化して現れる渓谷の美しさに魅了された。









遊歩道は適度に年を経て周りの自然に溶け込みいい感じ。
渓谷を遡って行くので上り基調ではあるが、川の流れが示すようにとてもなだらかな上り道だ。
時折垂直に切り立った岩が流れに迫ると、岩場を巻く階段の登り降りがある。









歩くのは一般の観光客とザックを背負ったハイカーが半々くらいか。
谷の南側にある長坂山に上るコースがあり、そこを歩く人もいるようだ。
また、外国人観光客が複数来ていて驚いた。
海外に名前が轟く程の観光地ではないと思うが、かつて忍者が修行した地としても宣伝してるから、そちらで興味を惹かれた人達か、あるいは自分と同じく在日の人達がお出かけ先として選択するのかもしれない。









さて、紹介した通りとても写真の撮り甲斐のある渓谷で、なかなか歩みが前に進まない。
帰りの時間を1時間半取って、行ける所まで行こうと歩く。
要所要所にコースの地図が立てられ、今どこまで来ているか確認できる。
あと17分くらい歩けば終着というところで時間切れ。
また来る時の為に見所を残すのもいいかと考え、残り3つの滝を見ることなく引き返すことにした。







帰りはサクサクと歩く。
すると渓谷入口へは予定到着時刻より25分も早く帰り着いてしまった。
うーむ、最後の滝まで歩けたなと少し後悔。
コースタイムには一般の人がかける見学時間も含まれていたようだ。
お土産でも買おうと買い物の時間も見越していたが、赤目滝の特産品というものは無いようで、覗くお店にめぼしいものはなく、早々にバス停に着いてしまい、ぼんやりバスを待つ時間を過ごしてしまった。
まあ、そんなこともあるさ。




涼を求めて

2024-08-06 06:27:21 | その他旅行き
年休を取ることができたので、三連休前ではあるが、どこかに出かけようと考える。
しかし次に心に浮かぶのは、この時期どこに行っても暑いぞというあきらめ。
暑くない行き先で思いつくのは高い山の上だ。
しかし日帰りで行ける近所にそんなところはない。
いつもここで行き詰まるのだが、今回は違った。
もう一つ涼しそうなところに渓谷の水辺がある。
寒い時に訪問先として見つけていた赤目四十八滝がその条件にピッタリであることに気づいた。
見つけたのが寒い時だったから、水辺は寒いだろうなと敬遠した行き先だ。
よく思い出したなあ。
赤目四十八滝は三重県名張市の奈良県境近くにある景勝地で、渓谷沿いにある遊歩道を歩き小さな滝を巡るところである。

<赤目口駅>


車で行くのが便利なんだろうけど、電車で行けないか調べてみた。
近鉄大阪線の赤目口駅からバスが出ていて、10分程の距離らしい。
電車で行くことにした。
鶴橋駅から伊勢中川行きの急行電車に乗り1時間10分で到着。











山の中の何もない駅なのだろうと思っていたが、大阪線が山から盆地に出たところにあって、駅前には喫茶店や電気屋さんが、遠くには学校らしい建物もあって、なかなか開けた駅だった。
平日だったのにまずまずの数のお客さんを乗せてバスは出発。
のどかな眺めの狭い道路をゆっくり走る。
道はだんだん山の中へ入っていき、滝に繋がっていると思われる渓流を横に見るようになる。
程なく赤目滝バス停に到着。





ひっそりと渓谷への入口があるのかと思ったら、こちらもイメージを破られ、しっかり観光地だった。
土産物屋や食堂が並び、歴史のありそうな大きな旅館まであった。
渓谷の入口には小さな水族館があり、そこで渓谷保全料の1000円を支払う。
水族館には渓谷に棲むというオオサンショウウオがいた。
渓谷の様子はまた次回。






キャンセル続き

2024-07-17 06:28:30 | その他旅行き
今年はカレンダーの日の巡りと仕事の関係で、夏に連続休暇を取るのを断念。
代わりに7月、8月にある三連休を利用して夏の旅を企画してきた。
まず7月の三連休は山行きを計画。
二泊三日で北八ヶ岳の池を巡るコースを設定して山小屋を予約。
雨が予想されるが、破れたカッパは新調したから大丈夫。
雨に沈む池の撮影も面白かろうと期待していた。
のにまたしても都合が悪くなった。
実家に帰る用事ができ、あえなく山行きは中止。
切符はまだ取ってなかったのでキャンセル料は掛からなかったが、5月のゴールデンウィークに続き悲しいキャンセル作業を行なった。
8月はまだ企画中だが、こちらは行けるといいなあ。



ところで、今回の宿は山小屋だったので、キャンセル連絡はネットの予約サイトからではなく、直接山小屋に電話が必要だった。
山小屋で電話を受けてくれた人の対応が二ヶ所で違い、思うところがあった。
キャンセルされるのだから残念なのは分かるが、それが声の調子に滲む一ヶ所目。
対して、またの機会によろしくお越しくださいと言ってくれた二ヶ所目。
電話後こちらの気分がずいぶんと違うことに気付く。
北八ヶ岳は魅力的だと思い行き先にした訳で、行きたくなくなったからキャンセルしたのではない。
次の山行きの目的地として行きたいランキングは上位にあるから、きっとまた行き先として選定するだろう。
その時にどちらの山小屋でも行程に問題が無ければ後者の対応をしてくれた方に行きたいと思うものだ。
自分も人と対する時は注意せねばなあと身をもって知ったのだった。


祇園新橋

2024-05-22 06:19:43 | その他旅行き
写真祭鑑賞の合間に祇園の町を歩いた。
昔ながらの建物の並ぶ通りもあれば、飲み屋のビルの並ぶ通りもあった。
祇園といえば花街で、飲み屋も居酒屋のようなところでなく、ナイトクラブのような店が多いように感じた。
総じて高級な感じ。









祇園新橋というところが重要伝統的建造物保存地区であるようで、なるほどそこはいい感じの通りだった。
料亭なんかにはとても入れないから、町屋造りの家を改装したカフェでお茶した。




両足院での展示

2024-05-20 06:25:02 | その他旅行き
カサブランカの次に見た展示は国際社会の影の部分を、何も知らずに平和に暮らす我々に突きつけるものだった。
残念ながらそうした事態、状況に対して自分の意見を表出できる人格を持っておらず、感想を述べることはできない。



三つ目の作品は建仁寺にある両足院で展示されていた。
「空(くう)をたぐる」
人間の引き起こした温暖化が人間に与える影響をフランスのシャンパンの醸造地で考察し、写真に落とし込んだ作品。
これも自分にとっては難しい種類の作品であった。



シャンパンを造る原料となるブドウの作付けに温暖化がどんな影響を及ばしているのか、葡萄畑の写真と醸造資料などを組み合わせ表現しようとしている。
こうしたアート作品は作者の意図が鑑賞者に伝わるかどうかが評価軸のひとつだと理解している。
写真はビジュアルだとも思ってるから、見た目もいい方がいい。
というか見た目に引っ張られてしまう。
葡萄畑の写真は地味で、だから正しく受け止めれたか自信がない。



そんななので興味は会場の両足院に向かってしまった。
多分ここに入ったのは初めてだ。
中庭があって、散策させてくれる。
中庭内の離れはたぶん茶室だろう。
そこにも一枚作品が展示されていた。










カサブランカの写真

2024-05-18 18:33:01 | その他旅行き
今年のGWに遊びに行けた唯一のお出かけ先が KYOTOGRAPHIE。
毎年この時期に開催される京都国際写真祭である。
病み上がりで無理はしたくなかったので、祇園四条辺りに固まって展示されていた三つの会場を巡った。



今回の記事はその一つ目。
「カサブランカは映画じゃない」
元ダンサーの写真家が撮った彼の地元モロッコの写真。
とても良かった。
こうした写真展の写真って、今の時代の最先端を表現してるよっ、て展示があったりするんだけど、そういうのって自分には難しくてよく分からない。
でもこの人のカサブランカの写真は難しいことは何もなくて、普通に市井の様子を写してる。
そしてその写真がいいのだ。



いつもいい写真ってなんだろう、と考えている。
誰かに教えてもらおうと本を読んだりネットの記事を検索したりする。
でもだれも文章で表現してくれない。
それだけ感覚的なものなんだと理解するにとどまる。
でもこの人の写真は、「ああ、いいな」と思えるものだった。



誰も文字にしてくれないから一つの例を頑張って書いてみる。
撮ってる人がいい雰囲気を発しているのだろう、人物写真はみな朗らかな印象。
撮られる人それぞれのその時々の自然な表情が写し取られていた。
色はカラフルで、でも不自然な色の盛り方はしておらず好感。
人物写真以外も被写体の存在感が迫ってくる。
日本の景色や事物でないから、物珍しいというのもあるのだろうけど、この人は日本で撮っても同じように撮れるんなだろうな。



会場は3階建てで、1階と2階はカサブランカの写真、3階は展示の為に作者が京都に来た時撮ったのだろう、インスタントカメラで撮影している様子が映像で流れていた。
インスタントカメラで撮った写真はフロアにラフな感じで置かれていた。
これは踊りながら撮ってるので1、2階の写真とは全く趣きの異なるもの。
自分にはその良さの分からないタイプの写真である。
最初に3階まで上り下へ順に見ていったので実はこちらを先に見ていて、ああ元ダンサーだからこういう作品を撮るのねと理解して2階に行ったから、きちんと?撮ったカサブランカの写真との相違にとても驚くことになった。
久しぶりに面白い、とても参考になる展示を見せてもらった。




参道ケーブルでの下山

2024-04-23 06:26:46 | その他旅行き
京阪電車の石清水八幡宮参道ケーブルのケーブル八幡宮山上駅は本殿裏手の展望台のすぐ下にある。
駅に着くとちょうど「こがね」が出発するところだった。
その日は15分間隔の運行。





ICカードを読取機に当ててホームに入ると、下から上ってきた「あかね」が入線。
車両はまだ新しいようで、ピカピカだった。
ほぼ満席のお客さんを降ろして、乗車側ドアが開いた。





車内は全ての椅子が下向きに設置されていて、一番後ろの運転台横のシートのみ上向きに設置されていた。
そこに陣取り、上方の眺めを確保する。
下り列車もほぼ満席となり出発した。

<トンネルの向こうに鉄橋とトンネルが見える>


いきなり短いトンネルをくぐり降下していく。
次に現れたのは鉄橋だ。
ケーブルカーに鉄橋があるって珍しいのではないだろうか。





鉄橋を過ぎるとまたトンネルがあり、そこで上りの車両と行き違った。
それほど長い運行路線ではないが、変化があって面白い。
その後右にカーブしてトンネルが見えなくなり、麓のケーブル八幡宮口駅に到着する。





地図を見ると、ケーブル路線と交わって道がついている。
山の方にある石清水八幡宮とは関係ない?不動尊へ行く参道のよう。
ここを歩いたら鉄橋を渡るケーブルカーが見れるのかもしれない。
チェックしておこう。






石清水八幡宮・本殿周り

2024-04-21 07:45:05 | その他旅行き
南総門は平成・令和の大修造が行われていて、工事の幕が張られて見ることはできず。
手水舎で手を清めて工事中の総門をくぐる。
楼門前の境内は賑わっていた。
来る時の参道の寂しさからして、やはりみんなケーブルカーを使用しているようだ。





楼門の向こう側にある本殿等は昇殿参拝(有料)に申し込まないと見れないようだ。
神職の説明付きで見学させてもらえるみたいだが、時間が決まっていて日に二回だけなので諦める。
楼門からお詣りして、廻廊が囲む本殿の周りをぐるり一周した。





歴史ある神社なので国宝以外にも見所いっぱい。
楠木正成が奉納した大楠や織田信長が奉納した土塀、鬼門封じの北東角や門に彫られた霊獣など、ガイドマップと一緒にもらった見所ガイドに記載のポイントを見て回った。





さて、下山しよう。
参道のうち、裏参道を歩いていないのが心残りだが、帰りはケーブルカーを使うことにした。
ケーブルカーの駅に向かう道の途中に展望台がありこれから行く(記事としては先に掲載した)背割堤の桜も見える。
石清水八幡宮のある男山は、周りは平らなのにそこだけぽっこりと山になってるので、なかなか見晴らしがよいところだった。






石清水八幡宮・参道

2024-04-19 06:13:44 | その他旅行き
高良神社から駐車場横を進むと二ノ鳥居があり、手前で参道は裏参道と表参道に分かれる。
二ノ鳥居は山上の本殿からすると北西方向にあり、表参道はそこから本殿の南側まで大きく回り込むように付いている。
なかなかに持って回ったルートだ。
本殿が南を向いてるから正面である南から参拝するよう参道があるのは分かるが、参道入口を南側に作れなかった理由はなんなんだろうと不思議に思った。





裏参道は二ノ鳥居からほぼ直線的に本殿横に繋がっているから、帰り道として使用されたのだろう。
当然、表参道から本殿に向かう。
二ノ鳥居から奥へ進むと参道はつづら折れの石段となり、さらに山の斜面をトラバースして緩やかな石段を上る。





右手の斜面には石垣があり、山城の城跡を歩いている気分になる。
廃仏毀釈が行われる明治より前、石清水八幡宮は神仏習合の神社で、石垣の上には僧坊が所狭しと並んでいたそう。
大きな坊のあった場所には当時の様子を紹介する説明版が立てられていた。





参道を歩いているのは小さなザックを背負ったハイカー風の観光客か、健康づくりしている手ぶらの地元の人がほとんどで、一般観光客の姿は少ない。
たぶんケーブルカーを使って往復するのだろう。
石段を上り切ると三ノ鳥居があり、さらに本殿まで真っ直ぐに参道が伸びる。
左右には寄進されたいろんな大きさ、意匠の石灯籠が並んでいておもしろい。






石清水八幡宮・麓の方

2024-04-17 06:21:48 | その他旅行き
背割堤の近くに石清水八幡宮がある。
近年になって、本殿や楼門が国宝指定されたそう。
日本三大八幡宮のひとつでとても由緒ある神社らしいが、あまり知らなかった。
花見の前にお詣りすることにした。





本殿は男山という山の上にある。
京阪電車の石清水八幡宮駅横から出ているケーブルカーで山上に行けるが、歩いて上る参道は歴史ある道のようで、歩いて行くことにした。
駅前の観光案内所で観光マップを手に入れ、参道入口の一ノ鳥居から境内に入る。





まず頓宮という石清水祭で神様が山上の本殿から降りて来られて、滞在する殿舎がある。
年に一度なのに神様が座す社だからかとても立派である。
祭りの催しが行われるのだろう、塀で囲まれた広場が意味ありげに広がっていた。



その隣には摂社の高良神社がある。
高良神社は徒然草の説話で有名なところ。
自分は知らなかったのだが、こんなお話し。
仁和寺の齢を重ねた法師が、石清水八幡宮にお詣りしたいとやってきて、高良神社と近くにあった極楽寺が壮大な造りだったので、ここが八幡宮本殿と思い込み、山上の本殿にお詣りせずに帰ってしまった、という。





極楽寺はその後いくさで焼けてしまい、今の高良神社は再建されたもの。
当時は神仏習合の宮寺もあって、僧坊が軒を連ねていたそうなので、山麓であっても大きな建物の並ぶ一帯だったのだろう。