テニ友の情報で、三重県多気町に大きなショッピング施設ができたと聞いていたので、帰省したついでにどんなところか覗いてきた。
伊勢自動車道の勢和多気ICの近くにあるのだが、行ってみて驚いた。
高速道路のサービスエリアか大きめの道の駅を想像していたのだが、ホテルなどの宿泊施設も備えたちょっとした街が山の中に現出していたのだ。
その名をVISON(ヴィソン)という。
どんなところか分からずとりあえず来たのだが、敷地に入り駐車場に行くまでに覗けた景色にその規模の大きさを垣間見た。
上手い具合に敷地中程の駐車スペースが空いていた。
車を止めて建物の間を抜け表に出ると、洒落た形の大きな建物が通りに沿って並んでいた。
お客さんもいっぱいだ。
スイーツのお店やら、果物・野菜をカッコよく並べたお店が細長く連なっている。
道路の走る浅い谷の向こうには、ブロック状に仕切られた部屋の並ぶ、宿泊施設っぽい建物が山の斜面を覆っていた。
お店の軒先に施設のガイドマップが置いてあり、それを見ると対岸の建物はやはりホテルであった。
敷地がとにかく広大で、山間のスペースを上手く利用した建物の配置。
緩やかな谷側にあるので敷地全体が見渡せる。
テーマ別にお店をグルーピングしているようだ。
とりあえず今いる棟続きの建物のお店をウインドウショッピング。
建物の脇にはキッチンカーがいたりして隙がない。
扱う食べ物は青果から肉、肉から魚介へと移っていく。
当然三重県産の生鮮食品や加工食品がメインのようだ。
なかなかいいお値段がするが、ディスプレイが洒落ているので相応の値段に見え、みんな財布の紐が緩むのでは。
そこここに行列ができていた。
スペースはとても広いので、食べる場所に困るということはなく、こんなに人がいるのにテーブルや椅子はどこかが空いていて、みんな軽食を手に楽しそうだ。
お肉エリアには凝ったステーキを出してくれそうなレストランがあったり、バーベキュースペースがあったり、とにかく考えられる飲食店の形態がどこかにあり、入ってくる視覚情報が目まぐるしい。
時間があまりないのでそのエリアの見学は切り上げ、対岸のホテルの方を見に行くことにした。
駐車場から最初に入ったスイーツのエリアに戻ると、その辺りはチョコレートのお店と洋菓子のお店、それからパン屋さんがあるようだ。
洋菓子屋さんの店内をひと巡りして先に進む。
(帰りにその隣りのパン屋さんで明日の朝食を買おうとしたが、行列の長さを見て諦めたのだった。)
対岸へは橋を渡って行くのだが、その袂に巨大な地図が設置されていた。
背後にバス停もあり、ここが正式な玄関となるようで、なかなかのインパクトだ。
まほろ橋と名付けられた橋で道路を越えると、右手にホテルがあるだけでなく、左手に旅籠なるものがあって、宿も選択できるようになっている。
その辺りはセバスチャン通りと名付けられ、お店のひとつに入ってみると、食器や雑貨、服飾関係のお店だった。
ほんとになんでもあるなあ。
そこの下には和ヴィソンというエリアがあり、日本酒や和食、調味料のお店があるのだった。
日本酒のお店にだけ入ってみると、地元で造られたお酒が売られていた。
私にはちょっとお高く購入しなかったが、店内に角打ちスペースもあり(座れるけど)、漬物を肴に飲んでる人がいた。
車でなければ一杯やってたかもしれない。
あと目に止まったのは植栽である。
まだ植えられて間がないのだろう。
建物の立派さに比べて、木々は細くて所在なさげだったのが印象的だった。
大ぶりなキックスケーターにハンドルが付いたような電動のスクーターに乗った人が沢山いた。
敷地が広いからアクティビティとしても楽しめる移動手段を提供するアイデアが素晴らしい。
バス停前に戻り、コーヒー屋さんでちょっと行列に並びコーヒーをテイクアウト。
帰ることにした。
ちょっと様子を見るだけのつもりが、お店のエリアを一通り回ってしまい、帰る時間が遅くなった。
それでもガイドマップを確認すると、ホテルの裏手にもまだ施設があり、お湯場やら農場エリアやらバギーに乗れるオフロードコースやら、見に行けなかった所がある。
また帰省した機会にでも遊びに来ることにしよう。
我が地元ながら元々何にもない辺鄙なところである。
伊勢自動車道の交通利便性とお伊勢参りに来る観光客を見込んで計画されたのだろう。
この二つがなければこんな山の中にこんな施設を作っても人は集まらない。
鳥羽や志摩には宿泊施設が数あるが、伊勢は泊まる所がないから、宿の需要もありそう。
土地代はかからないし、上手いこと考えたものだ。
いやあ、びっくりしたねえ、と連れと話しながら、混雑し始めた高速道路で帰途に着いた。