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開聞山麓自然公園とトカラ馬

2025-05-31 17:30:10 |  巡る鹿児島
旅は3日目。
この日はまず指宿の名山開聞岳の麓にある開聞山麓自然公園へと向かう。
ここにはトカラ馬という小型の馬が放し飼いされているという。
レンタカーのナビに従って走ると、遠かった開聞岳がどんどん近づいてきた。
そろそろ目的地に到着という頃、ドライブウェイの料金所のような建物が見えたところでナビが左折を要求した。
言われるがまま左折するとそこは細い道で、すぐに狭いトンネルに入ってしまう。
車が一台通れるくらいの幅で出口は見えない。
照明はなく明かり取りの小さな穴が天井に開いているだけ。
地上のすぐ下を通っているようだ。
この道本当にあってるの?と連れが疑問を呈するが、引き返せるスペースはない。
するとトンネルの途中でナビが、目的地周辺です、案内を終了します、と言う。
多分その位置の地上が目的地周辺なのだろう。
すれ違い用の待避エリアがあったがそれにしても狭いので行けるところまで行ってみようと車を進める。
トンネル内を走っているのは我々の車だけ。
この先どうなっているのか、行き止まるのか、不安が募る。
するとようやくトンネルの出口が見え、外に出た。
がトンネルの天井が無くなっただけで道幅は狭いまま壁に挟まれている。
すぐ先でまたトンネルへ入っていく。
ふと、千と千尋の神隠しを思い出した。
状況は違うがこのまま進むと神様の住まう地へ出てしまいそうな怪しい雰囲気。
次のトンネルはさっきより短く、ようやく壁で挟まれていない道に出た。
左側は海のようで、開聞岳の縁にそって海との間を走ってきたようだ。
道は樹々に覆われた林道になってこの先も続いている。
どこに繋がっているのか少し気になったが引き返すことにした。
草の茂る路肩に突っ込んでUターンし、再びトンネルに突入。
今度は余裕が出来て途中で止まって車中からトンネルの写真を撮ったりして進んでいると、前方から車がやってきた。
すぐ後ろに待避スペースがあったのでこちらでバックしてすれ違った。
他県のナンバーだったから、我々と同じように迷い込んだか、海岸沿いの道を走り続けるドライブをしているかなのだろう。





間違えて左折したところまで戻ってきた。
ドライブウェイの料金所のようなところへ行くと、そこが公園の入口だった。
連れが係のおじさんにさっきの道は何なのか聞いていた。
先に畑かなにかがあって、そこに行く人しか通らないから行かない方がいいですよ、と言う。
いや、行ってしまったんですけど・・。
料金を支払って入園。
園内は車で移動するところらしい。
入ってすぐの道路脇でいきなりトカラ馬が2頭草を喰んでいた。
その先には柵があり、中に複数のトカラ馬が。
ここは最後に寄ろう。
もらった小さな案内図にある三つのビューポイントにまず行くことにした。











第一ビューポイントには広い駐車場があり、車を停めて景色が開けていそうな方へ歩く。
するととてもいい眺めが広がった。
短い草に覆われた開聞岳の裾野がなだらかに海に向かって伸びている。
手前の草原ではトカラ馬が草を喰む。
背後には開聞岳が間近、というかここは開聞岳の山腹だ。
なんともいい景色であった。
駐車場の横には廃墟と化しつつある建物があり、そこでトイレを借りた。
女性はとても用を足せない美しさで、公園の奥にあるゴルフ場のクラブハウスのトイレを使用するよう書いてあった。







第二ビューポイントは小さな駐車場で、標高が少し上がって見晴らしが良くなる。
第三ビューポイントは車で行ける道路の終点。
開聞岳の円錐を迫力ある目線で感じる事ができる。
第二ビューポイントよりさらに見晴らしが良くなるが、第一ビューポイントの眺めが一番良かったな。









最後に公園入口近くにいたトカラ馬に会いに行った。
柵に囲まれた場所があるのだが、その内側にも外側にも馬がいる不思議な光景が広がっていた。
どういう違いがあるのかと観察すると、柵内にいるのは仔馬とその母馬。
柵外はそれ以外の馬なのかなと見えた。
この春4頭の仔馬が生まれたそうだ。
事故に遭わないよう仔馬は安全なところに匿っているのだろう。
外にいる馬はなんとなく近寄ってくる。
トカラ馬は大人しい性質らしいが、あまり近づくと噛んだり蹴られたりすることもあるそうなので、そっと距離を取りつつ見物した。


砂むし温泉と指宿焼酎

2025-05-29 06:34:34 |  巡る鹿児島
その日の宿は指宿温泉である。
指宿温泉と言えば砂むし温泉。
地熱なのか温泉なのかで温まった砂をかぶって汗を流すやつである。
海岸の砂浜に埋まる絵をよく見るが、その日泊まるホテルは海沿いにあり、館内に砂むし温泉もあるとのことで、そちらで体験することにした。



チェックインの時にもらった無料券を持って浴場の入口へ行くと、バスローブを渡され、裸になった上に着て小さいタオルだけ持ってやってくるよう言われた。
更衣室は砂むし温泉と普通の温泉風呂の共用で、服を脱ぎバスローブを来て砂むし温泉場へのドアを開ける。
屋根付きの広いスペースで何十人も横になれるよう黒い砂が敷かれていた。
その時埋まっていたのは数名で、先に連れが埋められていた。
その隣にバスローブのまま横になる。
小さいタオルを首に巻くよう言われ、木の枕に頭を乗せた。
両脇には身体に被せる用の砂が盛り上がっており、大きなスコップを持ったおじさんとおばさんが迫ってくる。
両腕を身体に沿わせて気をつけの格好をするよう言われそうすると、横に盛り上がった砂を左右から手際よく身体に被せられた。
首元から胸、腹、脚と被せられるのだが、最初顔の近くに鋭利なスコップの先端が迫ってくるのがなかなかの恐怖だった。
被せられた砂は結構な重さで、生き埋めの気分を味わえる。
先端恐怖症や閉所恐怖症の人は難しいかもしれない。

被さった砂も温かいが主な熱は背中やお尻からやってくる。
だいたい12〜3分くらい温まるのが目安とのこと。
壁に時計があり10分を超えたのだが一向に汗が出てこない。
サウナにでも入ってるかのように汗だくになるのかと思っていたのだが。
隣で連れがお尻が熱い熱いというので出る事にした。
出る時は自分で砂を崩して起き上がる。
砂まみれの状態で更衣室から来たのとは別のドアから温泉風呂の洗い場に入り、入口にある掛け湯場でバスローブを脱いで掛け湯を浴びて砂を落とすのだ。
その後は普通に温泉風呂に入った。
なかなか面白かったが、一番記憶に残ったのはスコップの切先が顔の(実際には首の)横近くにまで迫ってきた事だった。



夕食は大きな食堂で食べた。
料理は和食のコースが出てくる一般的なものだが、珍しかったのが90分飲み放題というシステム。
ドリンクバーがありセルフサービスで飲みたい物を入れていく。
一杯目はビールサーバーから生ビールを注いだ。
ありがたかったのが指宿産の焼酎が6種も瓶のまま置いてあったこと。
(上の写真の上段の6本)
4本が芋の白で1本が芋の黒、1本が麦。
芋の5本を全て味見した。
グラスで注文したら5杯はとても飲めないが、自分が飲める分量なら大丈夫。
ちょびっとづつロックで味わった。
ロックにしたからか意外とあっさりした味のものが多く、一番好みのモノは最後に飲んだ白だった。
旅先でお土産を買う時はジャケ買いになってしまうが、ジャケ買いするだろう順に飲んで、一番最後に回ったデザインのものが一番好みの味だった。
食事後ホテルの売店に行ってみると同じモノが置いてあったので購入しておいた。
ジャケ買いでは辿り着けない1本に会えて良かった。





翌朝、朝食前に海岸をお散歩。
砂浜を歩いたのは久しぶりだなあ。
この辺りの砂が黒っぽいのは砂鉄が混ざっているからだと何かで読んだ。
小さな川の堤防の向こうに漁港があり、船が何艘も出ていくのを見送った。












指宿スカイラインとハイゼット

2025-05-27 06:33:53 |  巡る鹿児島
横川ICから九州道に乗った。
次の目的地は遥か南、指宿である。
九州道を南に下り、鹿児島ICから指宿スカイラインに入る。
指宿スカイラインは南北に伸びる薩摩半島の山上を走る道路だ。
山の中なので新緑がとても美しかった。
まあここだけでなく、これまで走ってきたのは田舎道ばかりだったから、ずっと新緑を堪能してきたのではあるが。

<これは発電所跡のモコモコ>


この辺りには大阪ではあまり見かけないモコモコ膨らんだ黄色い木がそこかしこにある。
ずいぶんと黄色い葉っぱだなと最初思ったが、多分ああした広葉樹に咲く地味な花の色なのだろう。
発電所遺構を見に行った時、遊歩道の近くに該当の木が茂っていて、間近で確認できた。やはり黄色い花で木全体を覆うようにすごい数咲いているのだった。



山の景色だけでなく海もある。
錦江湾側を走るので海と一緒に桜島もちらちら見える。
いくつか展望台があり、そこからは眺望が開けていた。
桜島はいつも噴煙を上げているイメージがあった。
そんな写真ばかり見てるからだな。
噴煙を上げていない桜島は大人しい山に見えた。
旅から帰ってしばらくした5月15日に桜島が噴火したというニュースを読んだ。
火山灰とか大変なのだろうけど、噴煙を上げた桜島も見たかったな。



錦江湾には原油貯蔵施設があり、幾つも石油タンクが並んでいるのも眺める事ができた。
川辺ICと知覧ICの間にはメロディロードなるものがあった。
道路に刻まれた細かな溝がタイヤの走行音に音程を持たせ音楽が聞こえる。
曲は長渕剛の乾杯のサビ部分。
制限速度の50kmで走るとちょうど良く聞こえるらしく、50kmで突入。
なるほど、出だしは上手く聴き取れなかったが、途中から分かるようになった。
最後の部分が上り坂になったのかアクセルを緩めてしまったのか、スピードが落ちて変調してしまったのが面白かった。









ところで今回借りたレンタカーはちょっと面白かった。
いつもは一番小さな普通車か軽を借りるのだが、予約するのが遅くなり少し大きめの普通車(料金も高め)からしか残っていなかった。
それで少しでも料金を抑えるため軽の商用車を借りたのだ。
電話で予約する時、係のお姉さんに「貨物車でよろしいんですか?」と聞かれ、なるほど貨物車とも言うのかと笑ってしまった。
志布志港で見た貨物車の第一印象は、軽にしては大きいなというもの。
ドアの鍵はキーを鍵穴に突き刺して回し開ける旧来のタイプ。
ドアを開けると窓ガラスも取っ手をクルクル回して上げ下げする奴だった。
懐かしいなあ。
そんなだから古い型なのかと思ったが、アイドリングストップ機能が付いた(我が家の車には付いていないのに)新しいタイプで、新旧混然となった装備が面白い。
シートは真っ平らで運転していたら30分でお尻が痛くなってきた。
そのうち慣れてしまったが。
走行性能はなんとも言い難い低さだった。
坂道を上ってくれないのだ。
いや、上ってはくれるが坂道に入ってから加速することができない。
今回は山の中の道が多くアップダウンばかり。
上り坂を前方に確認したらあらかじめスピードを上げておかないと上り始めたらそれ以上スピードを上げられない。
車体が大きいからそうなっちゃうんだろうなあ。
それからブレーキも効きが悪かった。
いつもの踏みしろだと止まらない止まらない。
急ブレーキに相当するくらい踏んでちょうど良いのだった。





実現可能かどうかは分からないが、小さな車を改造して、キャンピングカーとまでは言わないが車内で寝泊まりできる車が欲しいなあと思っている。
商用車ベースだとこんな感じの走り心地なんだなということを知れて良かった。
走りを楽しむというより、車の本来の目的である移動すること、運ぶことを目的にする場合、これで充分なのだろう。


大隅横川駅

2025-05-25 17:58:53 |  巡る鹿児島
お昼を食べたお店の駐車場に、満車の場合は大隅横川駅の駐車場を利用するよう書いてあった。
駅はすぐ近くらしい。
食後、駐車場から車を出して、鉄路を少し見るくらいのつもりで交差点を曲がった。
小さな無人駅を想像していたら、とても立派な駅舎があってビックリ。
しかもこれは年代物だと分かる古さ。
ちょろっと見るだけでは済まなくなった。
なるほど、駅の横には大きな駐車場があって停め放題。







近くで見てもやはり年代物だ。
明治の建築で開業当時の駅舎だそう。
同じ時期に開業したもう一つの駅とともに鹿児島県に現存する駅舎で最古参らしい。
列車が来る時間でもないのに観光客が常時数名見学していた。
自分たちは知らなかったが隠れた観光名所のひとつとして知られているのかもしれない。








横川の古民家カフェ

2025-05-23 06:26:35 |  巡る鹿児島
そろそろお昼。
朝ご飯をたらふく食べたのでまだお腹は空いていなかったが、この後は高速道路での移動となるので何か軽く食べておく事にした。
連れに高速道路に乗るまでの間にお店がないか調べてもらい、JR肥薩線の大隅横川駅の近くに見つけたところに入る事にした。
これが大当たりだった。





古い民家をカフェにリノベーションしたお店で、カフェだけでなく古着を売ってたり民芸小物を置いてたり、雑貨屋な雰囲気もあるところ。
座敷のテーブル席はいっぱいだったので、板間のカウンター席につく。
たぶん土間だったところだ。
軽く食べるつもりだったのが美味しそうなランチメニューがあったのでガッツリ食べてしまった。







地元で採れた根菜類を水無しで煮込んだポタージュは素朴な甘さ。
「げたんは」と呼ばれる黒糖のお菓子をベースにしたキッシュ。
つやつやご飯。
あっさりした鶏肉とサラダにかけるドレッシングも美味しかった。
食後はゆっくりとホットコーヒーを飲んで、舞い込んだ幸運を味わった。





お会計する時、連れは個包装の「げたんは」をお土産に購入していた。
帰って食べたら、その日食べた料理のキッシュとは違い、黒糖の甘みたっぷりな純粋なお菓子だった。
このお店の建物と横にある石造りの蔵は国の登録有形文化財に指定されているようなところ。
店員さんは皆若い子ばかりで頑張っていた。
古い家が長く現役でいられることを願う。








水力発電所跡

2025-05-21 06:24:49 |  巡る鹿児島
曽木の滝の下流にはダムがあり、ダム湖が水を湛えている。
その湖に沈んだ水力発電所がある。
明治時代に近くの金山に電力を供給するため作られた発電所らしい。
曽木の滝の位置で取水し、山の中に管を通してそこまで水を引いたようだ。
冬の間はほとんどが水に沈んでしまうが、4月ころから水位が下がるとレンガ造りの建物が姿を現すそう。
対岸から見る事ができるらしいので行ってみた。







あまり現地の情報を得ずに訪れたので、ダム湖に沿って作られた道路から見るものと思っていた。
車を停めるスペースとかあるのか心配だったが、展望公園なるものが整備されていて、駐車場もあった。
安心して車を停めて遊歩道を歩く。
すると見えてきた見えてきた。
おー、素敵である。
補強工事をしているのか鉄の板が渡された部分があるが、遺構の雰囲気は壊れていない。
本当は建物の下の方が水没しているくらいが良かったのだが、水面は遥か下で構造物の全てが露わになっていた。
水位の変移が分かる図が説明版とともに掲示されていて、4月の始め頃に来れればよかったようだ。









見学できるのは一ヶ所からだけなので同じ角度の写真しか撮れず少し残念。
しかし対岸にも上流からの道があり、三人家族らしい観光客が導水管設置跡の頂上部に上ったりしているのが見えた。
歩いて帰っていった。
建物の近くまで車でやってくることはできないが、歩いてなら見学に来れるのかもしれない。
建物にはどれくらい近づけるのだろう。
近くで見てみたかったがそんな時間は予定になく諦めた。



遊歩道を戻ると右手の林の中にレンガの壁があった。
これも遺構の一部なのかと近づいてみると、何かのモニュメントのようだ。
レンガが比較的新しいし、建物の程をなしていない。
説明版とかもなく何物なのかは分からなかった。


曽木の滝

2025-05-19 06:24:48 |  巡る鹿児島
旅は2日目。
この日の最初の目的地は曽木の滝というところ。
東洋のナイアガラと別名のある滝だ。
霧島温泉から北西方向に車を走らせた。
JR肥薩線と九州道を越えてさらに西へと進むと幅のある川の横を走るようになる。







滝周辺は公園になっており、広い駐車場があったのでそこに駐車。
売店やレストランがあるのか賑やかな一画を遠目に、案内に従って行くと滝が見えてきた。
おー、別名の通り広い川幅いっぱいに背の低い滝がいくつも落ちていた。
壮観である。
高さを見る滝ではなく広がりを見る滝だな。







手前岸に人工的な滝があると思ったら、水力発電所の取水口だった。
小さな沈砂池があり、流流と水を取り込んでいた。
規模はとても小さい発電所だ。







滝を見る展望台は川の右岸に連続してあり、下流側には川の中央辺りから上流を眺められ、その全貌をよく観察できる。
滝の上流側は川幅広く落差は低いが、下流側の川幅はグッと狭くなり両岸は切り立った崖だ。
さらに下流はダム湖となり川面は遠い。







なかなかの人気で観光客がたくさんやってきていた。
この規模なら当然だよな。
今回鹿児島旅行するにあたってガイドブックを調べたのでこの滝の存在を知ったが、もっと有名であってもいいのにと思う。


一風変わった宿

2025-05-17 17:52:07 |  巡る鹿児島
泊まった霧島温泉の宿は小さな露天風呂をいくつも持つ少し変わったスタイルのところ。
家族風呂のように入る。
我々は行かなかったが、プール付きの露天風呂もいくつもあったようだ。
プールと言っても小さなもののようだが、泳げる深さのある風呂を想像した。
泉質は単純泉だが、寝る時に自分の身体から温泉の匂いがした。
温泉成分は濃そうなところだった。





チェックインの時間に余裕があるしとカフェに寄り道したからか、夕食の時間が一番遅い枠しかなく、それまで時間を潰さねばいけなくなった。
温泉に入りに来る人は早くにチェックインしてお風呂に入り、部屋でゆっくりするものなのだ。
ここが今回の旅で一番贅沢な宿。
ドリンクやお菓子の置いてある広い共用スペースがあったり、小さな卓球台やエアホッケーで遊べるプレイエリアがある。
そんなところで時間を使った。

<ずいぶん北の方の山の中なのに桜島が見えた>




食事は全てとても美味しかった。
中でも美味しかったのが「桜島鶏」の焼物。
卓上の小さなコンロで焼くのだが、全くの生から焼くのでなくあらかじめ表面を軽く炙ったような状態で出てきた。
あれが美味しさの秘密なのかもしれない。
卓上コンロの鉄板でしっかり焼いたのにとてもジューシーな焼き上がりで、齧った肉の断面から透明な肉汁が染み出してきてびっくりした。
食事の量も程よく、旅館の夕食はいつも食べきれないのに、ご飯までしっかり食べられた。
その理由は最後のデザートにあったかもしれない。
スイーツの盛り合わせが出てきたからだ。
ケーキやフルーツの四種盛りとでも言うべきものだった。
これを食べさせるための分量だったに違いない。





部屋にも変わったサービスがあった。
広い洋室でベッドが並ぶ横にウォーターサーバーがある。
窓側にはカウンターチェアの付いた小さなカウンターテーブルがあって、横の棚にシェイカーとアイスペール、マドラー、グラスが置かれていた。
説明書があり、冷蔵庫に桜島産の小みかんを使ったジンとオレンジジュース、氷が入っているから、カクテルが作れますよと書かれていた。
連れはアルコールが飲めないが、シェイカーは振ってみたかったらしく、にわかバーテンダーになってカクテルを作ってくれた。





用意に時間がかかるからか、ゆっくり過ごしてもらうことを第一義に考えているからか、朝食の時間も遅かった。
チェックインの時、朝食時刻の選択で一番早い開始時刻が7時50分からと案内された。
これも遅く着いたからだなと思ったのだがそうではなく、それが一番早い時刻だった。
朝、食事処に行ってみると我々が一番乗りでその事に気づいたのだった。





朝食も和食で美味しかった。
分量は朝食にしては少し多いかなというくらいで食べ切れそうだった。
ところが、最後に自家製のパンをサービスですと出された。
朝から焼いたものだそうだ。
とても美味しそうなパンで両方食べたかったのだが、クロワッサンしか食べられなかった。
残念だ。




霧島のほうじ茶ラテ

2025-05-15 06:26:29 |  巡る鹿児島
その日の宿は霧島温泉である。
「霧島アートの森」から山の中の道を走る。
辺りはお茶の産地であるようで、きれいに整えられた茶畑が広がっていた。
そういえば高速道路を走っていた時も茶畑が延々と広がり扇風機の林立する場所があった。
知覧茶というのは聞いた事があるが、この辺りのは霧島茶と呼ぶよう。



宿のチェックインの時間まで余裕があるので寄り道することにした。
お茶屋さんがやってるカフェを連れが見つけたのでそこへ。
広い駐車場に車を止め、こぢんまりとしたお店に入る。
厨房横のカウンターでメニューを見て注文。
連れは抹茶とお菓子のセット、自分はアイスのほうじ茶ラテにした。



窓際のカウンター席とテーブル席があり、中央のテーブル席に着いた。
ウッディな内装はまだ新しい。
開け放った大きな窓の向こうには新緑輝く里山が眺められとても気持ちいい。
やってきたほうじ茶ラテはアイスなのにほうじ茶の香りがふんわりと立ち、ミルクの自然な甘みと相まってとても美味しかった。
五感で新緑の季節を感じたティータイムとなった。



この記事を書くのに日本のお茶の産地を調べてみた。
すると鹿児島県って静岡県と生産量日本一を競う程のお茶の産地だった。
自分の知識は小学校だか中学校の頃の情報で止まってしまっていて、1位が静岡県、2位が京都府、3位が三重県だった記憶がある。
地元の三重県が3番目なので覚えやすかった。
三重県のお茶畑も見た事があるが、今回鹿児島で見たような大規模なものではなかった。
そうなのか、お茶は鹿児島の名産品だったのね。
新知見である。




鹿児島県霧島アートの森

2025-05-13 06:28:08 |  巡る鹿児島
志布志港からはレンタカーで移動。
志布志港近くにはレンタカー屋さんはなく、最寄りはトヨタレンタカーの鹿屋店。
「電話」予約すると志布志港に配車してくれる。
ここから高速道路で霧島温泉方面へと向かう。
九州道の栗野ICで降りたくて事前に調べたところでは、都城志布志道路と宮崎道で霧島連峰の北側を通るのが料金もお安く時間もかからないルートだったが、レンタカーのカーナビで検索すると東九州道から九州道に入る西回りのルートしか表示されない。
自分の車にはカーナビが付いていないので使い慣れておらず別ルート表示の方法が分からない。
仕方なく言われるがまま少しだけ時間と料金のかかるルートを走行した。





霧島の一つ目の訪問先は鹿児島県霧島アートの森。
屋外にアート作品が展示されていて、それを歩いて見て回るのだ。
敷地の入口で草間彌生の水玉の花が出迎えてくれた。
駐車場に車を止めて入口のアートホールでチケットを購入。
なんと大人320円という安さ。





まずは腹ごしらえ。
アートホールにある眺めのよいカフェでパスタを食べた。
広々とした芝生の広場が広がり、アート作品が点在しているのが見える。
とても良い気候で、320円というちょっとした公園の入場料とさして変わらない金額で入れるなら、お昼を食べるためにお弁当を持ってきて芝生でお昼寝してもいい。
気持ちのいいところ。





食後、ガイドマップを見ながら園内散策した。
ゆるやかな起伏のある開けた芝生のエリアと、木漏れ日揺れる遊歩道が繋ぐ森林エリアが接している。
旅の前半のメインの見どころに据えたので、時間はたっぷり取っていた。
ゆっくりと全作品を鑑賞した。





個人的に面白かったのは「森の観測所」と「ベレシート(初めに)」。
「森の観測所」は樹々に埋もれた白い壁とベンチ。
白い壁が緑に染まり葉の影を映す。
自分一人しかいなければ、そこに座って読書でもしたくなる空間だった。





「ベレシート(初めに)」は錆びた鉄枠のトンネルを進んだ先に高原の景色が広がる仕掛け。
意外と高台にいたことを知る。





アートホールに戻ってきた。
屋内の展示室で見る作品もあるようだが、そちらはパスした。
再びカフェでコーヒーを飲んで一服。
カフェの隣の部屋は工作室で、その日はトートバッグに塗料を落としてマイトートを作るワークショップが開催されていた。