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植物図鑑

2013-04-23 01:28:44 | 音楽&本&映画
お昼休みは食事後お昼寝というか居眠りに時間を使うようになって本を読まなくなり、読書量は激減。
昔は平日の仕事外の時間は小説ばかり読んでいた。
そろそろ新しい物語に飢えてきた。
そんな知的娯楽栄養素を欲っす頭の欲求に応えるべく、文庫本を購入。
最近何冊か続けて読んでいる。
そしたら、私の趣味にピッタリ合致した作品に出会った。
有川浩 著「植物図鑑」。
小説でこっちの方面の趣味に合ったのを読むのは初めてでないか?

内容は共同生活する若い男女二人とその身の回りの山野草を主題にした短編集。
女の方が主役。
男の方がやたらと植物に詳しい。
毎話、彼女が狩と称する山菜取りに二人で出掛ける。
そこの描写がいい。

季節は雪の残る早春から始まり、春、夏と進む。
私が一番好きな季節の草花の佇まいが描かれている。
近くの川原に散歩したり、郊外へ自転車で出掛け、山裾の沢に降りたりして、知らぬ者が見たら雑草にしか見えない食べれる草を採取する。
季節の気候や風景、野草の葉を付ける様子。
視線は下方、道端へ。
流石に小説家は語彙が豊富で表現力豊か。
小生、山菜は採らないが、野花に向ける視線は彼らが目当ての野草を探すのと同様。
里山の畦道や草原で注目する草花が登場したりして楽しい。

この彼氏は料理も上手いので、収穫した山菜で腕を振るい彼女を喜ばす。
下ごしらえから調理方法までストーリーの中に組み込んで書かれているので、料理好きの方も面白く読めるのでは。
そしてこれは恋の物語でもあるので、読んでて恥ずかしい展開になったりする。
ストレートな恋愛ものはあまり読んだことが無く、慣れてないようで。
それにしても男の作家の女性が主役の小説は、どうやってその心情を想像して書くのだろうと不思議だ。
小説家たるもの、それ位お手の物なのかな。
この小説でも揺れる乙女心が語られているが、女性が読んでも違和感はないのだろうか?
少し疑問。

うがった解釈も私の自由

2013-03-16 22:28:43 | 音楽&本&映画
タイミングと偶然、あるいは趣味の機会の重なりか。
フフンと口角が上がる出来事があった。

マンガ家あだち充の「MIX」第2巻を読んだ時の事。
主人公らの所属する野球部が都の大会で試合に負けるのだが、監督の選手起用の悪さのせいだと内心の悔しさを出さず、サバサバとして帰る主人公を描き、合わせて本当はこうありたいという心境を表すのに次の文章を使っていた。
「勝ったら全身で喜び、」
「負けたら心底くやしがる。」
「そんな選手にわたしはなりたい。」

これって宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の最後を意識してるよなあ。
と勝手に解釈。
 -サウイフモノニワタシハナリタイ-

私は宮沢賢治は詳しくなく、「雨ニモマケズ」の存在は知っていたが、詩を読んだことは無し。
その詩の内容を知ったのはつい最近のこと。
NHKのETV特集で作曲家冨田勲が新たに交響曲を作曲し、その初演までの軌跡を追う番組を放映していた。
「イーハトーヴ交響曲」という名から分かる通り、冨田の持つ宮沢賢治の心象世界を楽曲にしたもの。
(なんて書いてるが、イーハトーブという言葉を知ったのもその時 。宮沢賢治の造語だとか。)

第6楽章で「雨ニモマケズ」の詩が合唱される。
録画したものを何度も聴いている内に憶えてしまった。
 -そういうものに わたしはなりたい-
そうした時に上記のマンガで上記の言葉に巡り合った。
昔から宮沢賢治の作品をよく知っていたら、別になんとも思わなかっただろう。
また、この番組を見ていなければ、そんな関連付けは行われず、そのまま読み流したろう。

これら偶然?がいい頃合いに重なったので、なんてことはない事柄に、おりょりょと思う。
今の私だから受け取れる感じ取り方がある。
そんな事に気付くのがなにやら嬉しい。

歌の力

2013-01-08 00:00:33 | 音楽&本&映画
「レ・ミゼラブル」を観てきました。
ミュージカルを映画にした作品を見るのは今回が初めて。
出だしから歌で始まって、おっとこれはミュージカルだったと早くも忘れていた事実を思い出しました。
スクリーンに映る映像に普通に映画を観る感覚に陥っていたもので…。

通常の映画やドラマだと、ある場面の心情表現は仕種や表情で表すしかありません。
それでは伝えきれるものではなく、独白したり心情吐露する場面を作って言葉で説明する手間を加えます。
如何に自然にそのシーンを加えるかが脚本家の腕だったりします。
でもミュージカルはその手間がなく、物語の流れを損なう事無く、劇中で心中を歌い表現できるのだという事を知りました。

台詞はほとんど全て歌です。
歌でない台詞は一割に満たないのではないか。
舞台でやるミュージカルでも、もっとただの台詞があるのではないでしょうか?

「音楽」はご存知の通りその場面がどういったシーンなのか分からしめるのに最も有効な手段。
楽しいのか哀しいのか鼓舞するのか寂しいのか。
台詞がこの「音楽」の一種である「歌」であるという事は、さらにダイレクトに感情を伝え得る方法となるのですね。
どんなに名優の演技でも、「歌」による感情表現には敵わないのではと思わせる作りでした。

その「歌」は歌手の歌う歌の様に、歌として完結せねばならぬものではなく、台詞であるが故、小節を歌い切る事無く途切れて終えたり、声高らかに歌い上げたりして、観る者の心を揺さぶります。
演出は通常の映画より大袈裟ですが、隠す事無く心の中を赤裸々に表現するならば、見ていられない位恥ずかしいものであることは自明。
これが正しいのでしょう。

ミュージカルの舞台を観た事はありませんが、想像するに役者の表情は前の方の席でないとハッキリとは見えないのでは。
後方の座席で確認しようとしたら、双眼鏡とか必要なのではないでしょうか。
それが映画ならスクリーンいっぱいに大写しされるので、僅かな表情の違いから歌う最中に移り行く心中の機微まで、座席が何処だろうと読み取れます。

映画の得意分野、舞台装置では到底作ることはできない奥行ある景色や壮大な場面も、特殊撮影(今はCGか)で見せることができます。
音響も重低音とサラウンドが効果抜群。
ミュージカルと映画の良いところを合わせた作品になってました。
なかなかにお薦めですよ。
ストーリーについては触れないでおきます。


イタリアでのお仕事

2012-08-01 00:42:10 | 音楽&本&映画

先日、非日常の世界に身を置きたくなって、そうするのに一番手っ取り早い方法である映画を見る事にしました。
その時の非日常のイメージはSFの未来世界。
未来のメカ が登場し、悪い奴らをやっつける、スカッとするのんがいいな。
それはなんでか「ターミネーター4」のイメージだったので、DVDソフトを買おうとお店に行きました。

あったあった、ありました。
複数買うと値引きしてくれる廉価版の棚に発見。
合わせて買って安くしてやろうと、他に良さそうな作品がないかジャケットの背表紙を物色していたら、なんとも珍しいものを見つけてしまいました。
「ミニミニ大作戦」(古い方)です。
おー、DVDで出てたんだ。
すぐさま手に取って、キープ。

大昔、まだビデオレンタル屋さんが町にたくさんあった頃、借りて見たことがありました。
泥棒集団が金塊を盗み、ミニクーパを使ってチョロチョロ逃げ回る。
簡単に言うとそんなお話し。
大作ではなく、内容を具体的には覚えてなくて、なにやら楽しいイメージと、とても間の抜けた最後だったのが印象に残ってます。
買っちゃいました。

2003年にリメイクされたので、そちらを見られた方は多いのでは。
リメイク版は普通の泥棒アクションものですが、こちらの古い方は今見るととても個性的な造りに思えました。
昔の映画はどれもこんなだったのでしょうか。
出てくる登場人物がみんなどこか抜けてて微笑ましい。
ストーリーも「警察はそんなにあまくないでしょう」という突っ込みどころ満載。
細かな辻褄が気になる方には向きません。
「なんだそりゃー」とにやけつつ、多少ハラハラして見る映画です。

それと、車好きにはうれしいかも。
制作は1969年なので、当時のスポーツカーや大衆車がたくさん出てきます。
物語の展開上大事には扱われず、高価そうなスポーツカーも活躍したミニも、無茶苦茶にされますけど。
監督は車が好きなのか嫌いなのかよく分からない。

最後のシーンにはやはり笑ってしまいました。
あの唐突な終わり方の間は天才的。
目を点にさせます。
よくよく考えると含蓄を含み、でもやっぱりおバカ。
私の文章力ではその場面の面白さは伝えれません。
気になる方はあらゆる手段を講じて入手すべし。

2日に渡ってSFアクション映画のちょっと歪んだ達成感と、力の抜けるアクション映画の非達成感を得られて、狙った通り非日常の世界+αへ行ってこれました。
珍しくついてたのかな。

脳内異空間

2012-06-30 00:23:16 | 音楽&本&映画

最近空想しなくなった。
学生の頃まで、現実逃避方法は一番お金のかからない空想だった。
そもそもお金がないから、他に逃避する先がない。
話題作が来たときに映画を見に行くくらいだったろうか。

そういえば、若い頃は集中力が高かったのか、のめり込み方が激しかった。
映画はSFしか見なかったが、見終えて外に出ても頭の中はまだ作品世界に居て、現実の風景が逆に非現実的だった。
ふわふわした浮遊感の中、帰宅した事を覚えている。
今はもう面白い映画を見ても、そんな事はなくなってしまった。
面白い映画は年若い時に見るのが、最高の楽しみ方だと思う。

空想する先は映画だけでなく、音楽 を端緒にする事も多かった。
富田勲の、クラシック音楽を使いシンセサイザーで仮想世界を表現したアルバムがお気に入りで、SF小説やSF映画などで得たイメージを当てはめて、空想の世界に遊んだものだった。

それが今はテニスに旅行に山に自転車、お昼寝と 、現実逃避先はよりどりみどり。
だから空想する機会が減っちゃったようで。
頭を自由に使える時でも、空想には使わず、上記のお遊びの遊び方検討してるか放心しているか。
それが先日、あるサントラの音楽がふと甦り、昔の感覚を思い出した
子供の頃は遊ぶ時間はあるが遊ぶお金がなく、今は遊ぶお金はあるが遊ぶ時間がない。
この両者が揃わないとき、心は空想に向かうみたい。

ずいぶんとご無沙汰していたので、やり方を忘れてしまった。
あの頃どんな風に心を空想の世界に飛ばしていたのだろうと思い出している。
もっとも、今週になって自分の時間を取り戻しつつあるので、これまでの週末の過ごし方に興味が戻りつつある。
せっかく旧くて新しい余暇の過ごし方を思い出したんだから、それで楽しむ時間も復活させてあげないとね。

飛び出す絵本

2012-04-13 01:50:31 | 音楽&本&映画
行ってきましたよ、スターウォーズ3D。
果たして、後付けの3D映像はどんななのか。
まずは本編上映前の予告編で、タイタニックの3D版が映写されました。
おお、しっかり3Dでした。
出来るんだ。

さて本編。
出だしは宇宙空間を進む船。
引いた映像では立体感は感じにくいですが、行く先の惑星と船の間に確かに奥行きがある。
続いて船のコクピット内。
狭い船室の手前から、乗客、乗員、計器盤、窓の外、と段々に見えます。
おー、立体立体、3D3D。

船は通商連合母艦のデッキに着艦。
船首ノーズ部が手前に飛び出す構図。
ウンウン、それらしいなあ。
と、バリバリ3D映像だったのはその辺りまでで、ジェダイの二人がドロイドと対するシーンは、立体感が薄まった感じ。
CG映像部分と実写部分で、でこぼこ感に差があります。
やはりCG映像は3Dに加工しやすく、実写映像は加工しにくいみたいです。
もしかしたらCGは3D用に再度作成し直しているのかもしれませんね。
生身の人間やセットの背景は撮り直す訳にいかず、効果は控え目になるようで。

物語が進むに連れ、実写部の3D化の手法がだんだん分かってきました。
手前の人物や建物の壁などを画面から切り取って、背景と位相を変えて張り付けてるんだ。
顕著だったのは、タトゥーインのポッドレースの待機ピット。
背後にうごめく有象無象はピットの石の壁と一緒に平板な背景となり、その前にぷくりとガラクタ屋主人が羽ばたいてたりする。
アナキンやクワイガンは浮き出ているのに平べったい。
何かに似ていると思ったら、子供の頃に見た飛び出す絵本だと気がつきました。

最近の飛び出す絵本はなんだか凝ってて、本の幅くらいの高さに立ち上がるのを見た事がありますが、そんな豪華なのでなく、昔の一段二段と背景の絵に平行に飛び出す奴。
やろうと思えばもっと細かく分割して盛り上げれるかもしれませんが、さすがに手間暇かかるのでしょう。
後から考えると、予告編のタイタニックの映像もうまく立体感の出せたシーンを取り上げていたように思う。
おー、すごーい、と思って貰わないと見に来て貰えませんからね。
全編完全に3D化するのは大変なのでしょうね。

そうそう、本来?の作品にはなかったシーンがいくつも追加されてました。
ストーリーに影響しないので、編集時選択省略されたシーンのよう。
大量に追加されていたのがポッドレースのレース直前、グリッドに並ぶ各車の様子。
CG画像故に3Dに変換しやすく、立体映像を楽しんでもらう為にプラスしたようです。
こうして見ると、3D版は別バージョンと言ってもいいかも。

今回注目する対象は当然3D化の出来でしたが、まったく重きを置いていなかった映画そのものの展開に、なぜだか意外にもドキドキして見る事ができました。
結末を知っているのに、ポッドレースの行方にハラハラし、シスとジェダイの対決に気を揉み、女王さまの安否を気にかける。
久しぶりに見たからか、大画面だからか、3Dだからか。
ストーリーを楽しめるとは思いもよらなかった。

他のエピソードも3D化されるようです。
3D化の技術もどんどん進むでしょうから、最古のエピソードが3D化される頃には、実写部も違和感少なく3D化できるようになってるかもしれません。
当時の映像にCGは無いですからね。
期待しておきましょう。



出だしは辺境が多いです

2012-03-08 02:06:28 | 音楽&本&映画
写真集を買ってみた。
石川直樹の「世界を見に行く。」という奴。

先日、NHKの日曜美術館で、写真家木村伊兵衛の「天然色でパリを撮る」という番組を放映していて、偶然にも見る事ができた。
彼の写真集である「木村伊兵衛のパリ」は、1955年頃のパリの下町を当時開発されたばかりのカラーフィルムを使って撮影したもので、この写真集を題材に掲載作品の紹介と、パリの撮影場所を巡り、木村の人となりに思いを馳せる内容だった。
面白かった。
番組で紹介された以外の作品も見てみたく、大きな本屋さんに行ってその写真集を探したが見当たらず、代わりに見つけたのが頭のそれ。

私は木村伊兵衛も知らなかったし、石川直樹も知らない。

石川は世界中を旅して歩き、写真を撮る写真家のようで、この写真集は「ほぼ日刊イトイ新聞」というウェブサイトで週一連載していた作品を集めたものらしい。
掲載期間は1年だったのか、52枚で出来ている。

本当に世界中、それもまんべんなく、人口密度の高い所も低い所も旅しているみたいで、それはもういろんな場所が、人が、情景が、ページをめくるたび現れる。
写真も面白いけど、撮影地での出来事やその時の気分を、編集者が石川から聞き、綴った短い文章が添えられ、それが撮影地の臨場感を伝えてる。
これが良くできてる。
読む前と後で、写真の密度が変わる。
第一印象に、思いもしなかった情報が加わる。
そこの匂いや音までも感じとれる具体性を帯びる。

どこにも旅立てない私は毎朝、一ヶ所か二ヶ所、彼の訪問地へ彼の目線と気分を借りて、訪れている。


驚嘆、感心、疑問、期待、称賛

2012-02-22 00:01:54 | 音楽&本&映画
今、映画は何が公開中なのか調べようと、ネットで映画館のサイトを見に行ったら、あるバナーに目が止まりました。
スターウォーズのEpisode1が3Dで公開されるとある。
…ええー、どういうことなんでしょう。

そのバナーしか見てませんが、3D用に取り直した訳でなく、中身は既に公開したものそのままのようです。
2Dの画像を3Dに変換できると言う事ですよね。
へえー、そんな事が可能なんだ。
凄いですねえ、最近の技術は。
CG映像ならなんか加工出来そうな感じですが、人物など実写部分はどう処理しているのでしょう。
違和感なく映像は作れているのでしょうか。

なんにせよ、スターウォーズシリーズは私も大好きなので、少しでも見え方が違うとなれば観に行かずにはいられません。
最初から3Dとして撮影した映画と比べれば、今ひとつなのかもしれませんが、まあそれも一興。
あの映像が奥行きを持って見えるなんてワクワクします。

いろいろとアイデアを絞り、実現させてくる映画業界。
やりますね。
近い未来に楽しみが出来て、うれし。

サイレント&メロウな夜に

2011-11-05 00:02:44 | 音楽&本&映画
買ってから数年たつCDが今面白い。
遅い旬を迎えているのは、映画「ブレードランナー」のサントラです。
音楽を担当したのはバンゲリス。

実はこのサントラ、映画の公開から12年を経過してから発売されたもの。
映画を見た当初はエンディングテーマが気に入り、サントラが欲しいと探したのですが見つからず。
それもそのはず、発売されてなかったんですね。

それから時が経つ事二十数年、ある日CD屋さんのサントラコーナーを物色していたら置いてありました。
背表紙に目が止まった時、なにか違和感があったのですがその正体は分からず。
古い映画があるなあと指を掛け引き出し、ジャケットのコピーを読んで気が付きました。
そうだ、欲しかったのに手に入らなかったんだ。
思い出しました。

ジャケットの絵は当時のパンフレットの表紙みたいな劇画調のハリソン。
それは2007年に再度プレスされたもののようです。
初版からもさらに13年経ちました。
ハリソンも年を取る訳だ。

レプリカントと呼ばれる人造人間の悲哀を描いた映画なので、曲調はどれも悲しげ。
アクション映画だった記憶があったので、想像していた内容と違い、買った時は眠い曲ばかりだなあと感じ、しばらくお蔵入り。
その後、静かな音楽の良さに気付いてから、一時夜のドライブで好んで流していました。

全曲に渡り耳に障らずでしゃばる所がないので、安心して聴いていられます。
ブログ記載時のBGMにいいなと春から度々聴いていたら、はまってしまいました。
今、しんみりとした秋の夜に雰囲気が合い、音量を落として毎晩のように聞いています。

次から次へと静穏なナンバーが続き、でもどの曲も似通った所が無く、曲目が変わればその度に新たな静けさに包まれる。
心染み入る感じ。
バンゲリスの豊かな才能にいまさら脱帽。
映画は何度も見た訳で無いので、劇中の使用シーンに繋がらないナンバーも多数。
曲そのものを単体で、物悲しいイメージで聴けるのもいいのかもしれません。

ここまで書いて、なんだか昔同じような記事を書いた気がしてきました…。
確認してみると、…なはは書いてました。
その時は対象をぼかして書いてるけど、今回明記しちゃったなぁ。
どうやら二回目のピークが来ているようです。
前回は主題扱いじゃなかったからまあいいか。
このまま載せちゃいます。



私も時空を跳んだ?

2011-09-07 00:34:19 | 音楽&本&映画
金曜日、浮かれて買った「テルマエ・ロマエ」。
面白かった。
真面目なギャグ(なのか?)漫画です。

ほぼ一話完結の短編集。
古代ローマ時代の浴場建築技師が自身の仕事の難題にぶつかった時、何故か現代日本にタイムワープしてしまう。
毎話。
そこには彼の持つ難題に対し、非常に参考になる日本のお風呂文化が存在する。
その有り様を学び、ローマへ再びタイムワープして戻った後、記憶にある事物を再現し成功するという物語。

こう書くと、なんだその都合のいいお話しは、と思うが、ホントに都合のいいお話しなので仕方がありません。
いろんな漫画賞を受賞しているようなので、その面白さのありかを詳しく知りたい方は、沢山出ているだろう書評を読んでいただければと思います。
あ、いや、実物を読むのをお薦めします。

で、物語は物語で面白いのですが、私にはそれにプラスして嬉しかった事がありました。
お風呂の話なので、温泉が舞台となる回もあります。
温泉街の描写があり、物語に惹き込まれ、私も実際に温泉地を歩いている気分になれたのです。
最後に温泉街を歩いたのはいつだったろう。
旅には出るものの、しばらく旅先で温泉に入ってなかったな…。

テレビなんかで旅番組の温泉特集なんか見ても、旅しているような気分にはそうそうならないのですが、今回はどうした事でしょう。
ストーリーとは直接関係しない背景の一コマに、歩いた事のある温泉の町を重ねてました。
その上、その時のほやっとした湯上りの感覚、温泉の街の平和な空気感も一緒に甦ってきました。
作者の温泉に対する愛情というか、大好きな場所を大切に描きたいという姿勢に共感してしまったのかもしれません。
期せずして温泉旅行に行ったような、リラックスした心持ちになれたお休みでした。