風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

なんとなく春だから

2016年04月07日 | 「詩集2016」


わいは無口な郵便ポストだす
黙々と花の便りを配ってますねん

  *

花だから咲いたらすぐに散ります
誰かが言いました

わたしは薄いうすい一枚の紙です
折り鶴が言いました

わしは古いふるい一本の木だよ
仏像が言いました

ぼくは孤独でまぬけな人間なんだ
木偶(でく)の坊が言いました

なんとなく春だから
あたしの恋文は空をさまよう
風の便りが言いました


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