熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
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作品 文章 写真 販売品

春の嵐

2009-02-14 17:52:02 | 文章
2月14日(土)、朝方、太陽の日の光があったように思ったが、すぐに曇たまま。

今朝、障子を開けると、南側の窓ガラスいっぱいに雨粒の跡。
寝ていた時は、全く気がつかなかったのですが、夜中か明け方に春一番、春の嵐が吹きまくったようです。

今日は、漆の蒔絵の色紙箱とすずり箱の修理、それに土鍋の修理をしました。
色紙箱は京都か輪島の製品。すずり箱は奈良の正倉院文様の螺鈿です。
いずれもおそらく昭和の初期、戦前のものですが、痛んだところを自分で修理することを楽しもうというものです。

修理には、多分2週間か3週間かかるのではないかと漠然と考えていますが、その間は十分楽しめるし、経験を通じて漆の勉強にもなると思っています。

土鍋は、4~5年前から毎日ご飯を炊いていた四日市の万古焼きで、昨日あたりから水漏れがしだしたと家内が言うので、それなら修理してやろうということになりました。これでご飯を炊くと大変旨いです。

新しいものを買えば、せいぜい何千円かで済むわけですが、修理をして使えるものは捨てないで使うべし、というのが小生なりの考え方であり、修理できることを実証したいという思いもあります。

何事も経験。色紙箱や硯箱の修理に関しても同じです。

色紙箱は、蓋の裏の金梨地のところに、誰かの作者銘が入っている良いもので、その雰囲気を壊さないで修理するのがポイントです。

硯箱は、漆がやせていたりして、すでに誰かが修理の手を加えたところがあるのですが、もっと上手く直してやろうと言うことです。

土鍋は、実は1年くらい前に一度修理したのですが、今回再び水が漏れ出したというトラブルです。

前回は、土鍋の底から上部にかけてヒビが入っていて、もうすぐパカンと2つに弾けそうでしたので、これ以上ヒビが大きくならないように外側に細い銅線を10回ぐらい鉢巻して締め上げてか、割れ目に生漆を何回も染込ませてヒビを接着したわけです。

今回は、前回修理した底部にあるY字状のヒビ割れのところが、ホンの少し欠けて土色の地肌が出ており、水が染み出したものでしょう。
そのY字状の部分を中心に、再び生漆を染込ませました。

漆は昔から強力な接着剤です。陶器や瀬戸物の修理「金継ぎ」という方法がありますが、土鍋には「金」こそ使いませんが、それを応用しました。
あと1~2回漆を染込ませるとまた、1年ぐらいは十分使い続けることができるでしょう。

まあ、色んなことに手を出すのは、仕事の合間の気分転換でもあるわけです。
いろいろするのは、面白いんですネ。

では、また。




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