A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

もうひとつのオールアメリカンリズムセクション。

2007-05-18 | CONCORD
RHYTHM WILLIE / Herb Ellis & Freddie Green

オールアメリカンリズムセクションといえば、言わずと知れたカウントベーシーのリズムセクション。
そのキーマンは、ギターのフレディーグリーン。
生涯の大部分をベイシーバンドと共に過ごし、すべてをベイシーに捧げたと言っても過言ではない。
普段は裏方に徹していることもあり、彼の名を冠したアルバムはほとんど聞かない。

Concordレーベルは、設立当初からギタリストにこだわっていたが、10作目にして、このフレディーグリーンにも白羽の矢をたてた。
ひょっとして、フレディーのソロプレーでも聴けるのかと妙な期待を持って聞いたが、そのようなことは無かった。
いつもと同じ。フレディーのギターは普段どおり確実で完璧なリズムを刻んでいる。

ジャズのギターはクリスチャンの登場以降、ソロ楽器としての地位は確立していったが、リズム楽器としての役割は反対に低下していった。
もちろんバックに廻った時、ドキッとするようなリズムの使い方をするプレーは多いのだが、全編リズムに徹するとなるとフレディー以外はなかなか思い浮かばない。

フレディーの相棒となる今回のリズム隊は、コンコルドが誇るスイングコンビ。
レイブラウンとジェイクハナ。
これに、プレディグリーンが加わればリズムセクションは鬼に金棒だ。
本家、ベイシーのリズム隊に負けない、「オールアメリカンリズムチーム」が編成された。

そして、ピアノのロス・トンプキンス。
よくスイングするオールマイティーのピアニストだがConcordには初登場。
AL&ZOOTに加わっていたりしたが、70年代はロスでスタジオ入り。
この時もテレビのTonight Showの、Doc Severinsenのオーケストラにレギュラーで加わっていたそうだが、表舞台からは遠ざかっていた。

しかし、この機会を期に一線に復帰。その後、Concordに何枚もアルバムを残すようになる。Concordレーベルが、その後もこのように埋もれていたプレーヤーを再発掘した功績は大きい。
もしこのレーベルが無ければ、当時、西海岸のどこかで行われた話題にもならないような正統派の楽しいセッションを、今、このように聞くことはできなかったであろう。

そしてこの、リズム隊を引っ張るのは、初期のConcordレーベルのスター”Herb Ellis”。
これだけ役者が揃えばSwingしないわけが無い。
最後の、アップテンポでのOrange, Brown and Greenで、エリスのソロを支えるフレディーのリズムは圧巻。

究極のリズムギターだ。

1 .It Had to Be You  Kahn,Jones 4:05
2 .Rhythm Willie Ellis&Brown 5:52
3 .Gee Baby, Ain't I Good to You, Razaf, Redman 3:34
4 .Smooth One Goodman,  Christian 5:05
5 .When My Dreamboat Comes Home Friend,  Franklin 4:19
6 .Conversations ,    Ellis 4:03
7 .I Want a Little Girl Mencher, Moll 4:21
8 .Orange, Brown and Green Brown 5:38

Herb Ellis (g)
Freddie Green(g)
Ross Tompkins (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

  Recorded in 1975
コメント
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