「富岡市立小野小学校」での学校キャラバン
11月16日「富岡市立小野小学校」にて、学校キャラバンの「座繰り体験」を行ってきました。今期新たに加わった富岡市内10の小学校、11日間に及ぶキャラバンで、今回は4年生27名が対象、最終校となりました。
会場の設営を終えた後、並木校長への挨拶を行いました。ここで、「グランドデザイン」という学校の経営方針を記したA4版のパンフレットを示され、説明を受けました。この中に、学校の課題として「体験重視」の1項目がありました。「座繰り体験」を通して、何を伝え、何を体験してもらうか、限られた時間内で実施したことを踏まえて記すことといたします。
(1)「座繰り体験」では2人1組、1人は右手のみごぼうき操作。もう1人は左手の糸巻き操作を分担し、途中で交代します。操作中に繭からの糸の出る様子と、座繰り器の機構を端的に説明します。ひととうり終わった後希望者には1人で座繰り体験をしてもらいました。全員がいとも簡単に1人で操作していました。習得の早さには驚きでした。
(2)煮繭された繭から、糸口を見つけ糸を引き出す体験を実際やってもらいました。もうこれは子供の世界です。大人が口を出す余裕はありません。廊下まで行く者、座って指にひたすら巻き取っている者、実体験そのものでした。
(3)最後はS井伝道師から全員にパネルの説明を頂き、その後質疑応答に移り、N島(進)伝道師から「官営製糸場がなぜ富岡に出来たのか」の質問に、期せずして生徒から「繭のとれる所だから」との返答がありました。この一言が如何に重要であるかは学校キャラバンの活動の趣旨と、学校の課題がまさにこの一点に集約されているからです。
生き物の蚕を育て、繭を作り、これから糸を引き出し、生糸を作るという一連の実体験を通し、一方で、富岡の地に明治5年に官営製糸場が出来、平成26年3資産(田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴)を含めて世界遺産になった歴史的背景の一端を話し伝えるという伝道師の使命を実感した次第です。
今回の活動はY田、N島(進)S井、H岡の4名の伝道師が担当しました。
(M.H 記)