「刑事コロンボ」のテーマ

「刑事コロンボ」のテーマ / ヘンリー・マンシーニ

「刑事コロンボ」（原題: Columbo）は、アメリカで制作・放映されたサスペンス・テレビ映画シリーズです。（全69話）。

日本においては、アメリカでの初放映が1968年から1978年までの45本は「刑事コロンボ」、アメリカでの初放映が1989年から2003年までの24本は「新・刑事コロンボ」との邦題で放映されました。

最初に完全犯罪を企む犯人の周到な犯行を視聴者に見せた後、一見して隙のない犯人が見落としたほんの僅かな手がかりを元にコロンボ警部が犯行を突き止める物語となっています。

これはもともと本当に犯人が主役の舞台劇であったものの、主人公を追い詰めるコロンボ刑事に人気が出てスピンオフ化したのだそうです。

これはミステリー小説では倒叙物と呼ばれる形式ですが、視聴者はあらかじめ犯人とその犯行を知っているので、「犯人と視聴者は一体何を見落としていたのか」「コロンボがどうやって尻尾をつかんで犯人を追い詰めるか」「犯人側の心境に重ねる緊張や焦り」などのコロンボとの心理的駆引き、対決、彼らのキャラクター性に全集中力が向くのです。

トリックを見破る過程や動機を知るためにはラストまで見たくなる人間の「知りたい」という欲求をくすぐっているのでしょうが、傑作だと思います。