ひとりぼっちの部屋 高木麻早

2023-04-09 00:01:45 | フォーク&ニュー・ミュージック
ひとりぼっちの部屋 - 高木麻早



今ひとり部屋の隅にいて
今ひとりひざを抱いて眠る
ギターのつまびき それは昨日
甘いささやき それは明日
今ひとり部屋の隅にいて
今ひとり想う あなたのこと

今ひとりソファー 横になって
今ひとり時計ながめている
おやすみなさい それは昨日
いつもの駅で それは明日
今ひとりソファー 横になって
今ひとり想う あなたのこと
ララララララララ………



ひとつひとつは、まぶしい輝きなのに、木々の葉に見え隠れする木洩れ陽の優しさ。

そんな木洩れ陽のように深夜のラジオから流れてくるこの歌とそのおしゃべり。

恋に恋する頃というのがありますが、あるいはあの頃が一番しあわせな頃だったかもしれません。

カントリータッチでありながら、いかにも甘切ないメロディーです。

ねぇ、マスター!

うちのパソコンのせいかもしれないけど、ちょっと、今回の歌詞文字、なんか、おかしくないですか?

さわやかで、明るい曲の歌詞文字にしては、ちょっと地味というか、暗いというか・・・、なんか、ミスマッチとちゃいますかぁ。

そんな抗議の声が出る前に、言訳しときます。(笑)

やはり、「あの頃」の想い出というと、やはりその色調は、総天然色(カラー)ではなくて、セピア色が似合うのかなぁ・・・と思い浮かんだのです。

そこで、素直で頑固なふうちゃんは、今回の歌詞文字はセピア色にしようと、固く決心したのでした。(笑)

しかし、セピアカラーも、濃淡とともに色調にしても、色々とあって迷ったのですが、とりあえず、ウェブ用の色見本としてセピア色の基本的とされるRGB値コード「#483C2C」に近い色として採用した結果がこの歌詞文字なんです。

う~ん、ちょっと頑固者も後悔してるかな。(笑)

でも、いま、あなたが見ている色は、まぎれもない、正真正銘のセピア色です。(笑)

そう・・・、あなたは、いま、あなたのはるかな想い出のような、セピア色に包まれているのです。(笑)

でも・・・、え~っ、セピアって、こんな色だったのかって、とまどっている方も、多いかもしれませんね。

えっ、なんですか?

ねぇ、セピアって、もっと白っぽくて、軽くって、ふわふわとしたものと思っていました・・・ですか?

う~ん、ちょっと、奥さん、それはセピアじゃなくて、ネピアじゃありませんこと?(笑)

あれっ、その奥さんの横で、「ソイヤ、ソイヤ」って、相槌を打ってる人、なんのマネでしょうか。

えっ、だから、「ソイヤ、ソイヤ」・・・ですか?

ああ、それはセピアじゃなくて、、一世風靡セピアじゃありませんこと?(笑)

せや、せや~、素意や 素意や~(笑)

     咲きほこる花は 散るからこそに美しい
     散った花片は 後は土へと遷るだけ
            「前略、道の上より」 一世風靡セピア

柳葉敏郎さんは、一世風靡セピアの頃から、セピアの色は、土色と知っていたんでしょうか。

さぁ、みなさん、ご一緒に!

♪よ~く考えよ~う。(笑)

ちなみに、セピア(sepia)は、ギリシア語の「甲烏賊(イカ)」を語源として、そのイカの墨から作った絵の具の色、つまり黒褐色か、暗褐色、または黒茶色です。

ところで、古い昔の写真には、茶色っぽいセピア色の写真があることを、ご存知ですよね。

えっ、実家のタンスの奥にあった、お母様の女学校時代の写真で見たことがありますって?

はいはい、ご自身の写真は、もうすでにカラー写真になっていたということをおっしゃりたいのですね。

はいはい、ハナシを続けたいので、異議申し立てせずに、そういうことにしときましょう。(笑)

さて、誤解されている方も多いと思いますが、セピア写真というのは、白黒写真が色褪せてきて、セピア色になったものではありません。

確かに、白黒写真が、茶色ぽくセピア調に変色することがありますが、これは、白黒写真に含まれていた銀粒子が、空気中の硫化水素によって硫化されて、硫化銀となって変色するせいです。

ほんとうのセピア写真は、フィルムも専用のがあり、暗褐色の単色で印画されたものです。

古い写真館なんかでは、セピア写真が好んで使われた時代があるので、決して、その写真は白黒写真が色褪せたものではないのです。

これは映画でも同じことで、白黒映画が古くなって、セピア色になるのではありません。

     セピア色した映画が好き
     やさしくて哀しい愛があるから
     スクリーン見つめて 濡れたその頬を
     ぼくの肩に 押しあてていたね
               「哀愁のカサブランカ」 郷ひろみ

セピア色は、古くから、哀愁をそそる色として用いられ、総天然映画(オールカラー)映画になっても、想い出シーンを強調するための白黒場面への転換の橋渡しにセピア色が使われています。

     想い出は モノクローム 色を点けてくれ
     もう一度 そばに来て
     はなやいで うるわしの Color Girl
                  「君は天然色」 大瀧詠一

ちなみに、モノクローム(monochrome)は、モノクロと白黒の語感が似ているためか、白黒と同義と思われていますが、もともとは、一色だけで描かれた絵画のことで、単色画、単彩画のことをいいます。

ところで、日本におけるデジタルカメラの売上額が、2000年(平成12年)に、それまでの一般的なカメラとして普及していた銀塩フィルムカメラを上回りました。

デジタルカメラは、色情報も電子データとして保持しますから、圧縮などの変換をしなければ、理論的には、色褪せることはありません。

ただ、幸か不幸か、人の記憶はデジタルではありませんから、過ぎた日の想い出は、時間(とき)の経過とともに、かならず輪郭がぼやけ色褪せてきます。

しかし、もちろん、想い出たちが、色褪せていき、セピア色になって、モノクロームになるからこそ、懐かしく想い起こせるのかもしれません。

想い出が、もし、デジタルビデオの画像のように、忠実な映像として再生されるものならば、おそらく人は目をそむけ、それを封印したくなるかもしれません。

もっとも、デジタルカメラなどの画像も、簡単に白黒やセピア調に変換することが可能ですから、これからは想い出たちも、すぐセピアに変換されるのかも。

便利になったものです・・・って言っていいのか(^^ゞ。

ひとつひとつは、まぶしい輝きなのに、木々の葉に見え隠れする木洩れ陽はやさしいですね。

そんな木洩れ陽のような想い出たち。

恋に恋する頃というのがありますが、あるいはその頃が一番しあわせな頃なのかもしれませんね。

いつか王子様が私を迎えに来てくれると考えている女性心理について、シンデレラ症候群(Cinderella syndrome)と名付けられて、心理学的にあるいは社会学的に分析が試みられています。

もっとも、シンデレラにしては、迷惑な話です。

教訓好きのペローやグリムのシンデレラ寓話だけでなく、ディズニーのシンデレラでさえも、シンデレラは、継母や姉にいじめられてもけなげに耐えて、一生懸命、掃除や洗濯をこなして、自分より弱き小さき者たちへは優しく愛しむ心を忘れない女性です。

だからこその、シンデレラなのです。

シンデレラ症候群の女性は、ひがな、ボーとしていて、自分のことしか見えない、考えない、人にしてもらうことがあたりまえで、自分からしようとしない、人にしてあげるということができないような人が多いですから、きっとお迎えが来るのは、かぼちゃの馬車ではなく、介護施設の専用自動車くらいでしょうか。(笑)

男性の場合には、女性のシンデレラ症候群に対して、いつまでも大人の階段を昇れない現実逃避のネバーランドのピータパンになぞらえたピータパン症候群(Peter Pan syndrome) をあげるのが普通ですが、シンデレラボーイという言葉もあります。

しかし、これとて、試合もせずにチャンピオンになったり、なんの実績もないのに抜擢人事があったり、なんて、青年コミック週刊誌にありがちな夢物語は、やはり絶対にありません。

もちろん、場末の飲み屋では、タクシー代を節約し、山の神から午前さまの天罰を受けないようにと、終電に間に合うように、12時までには帰らなきゃという、シンデレラボーイは、多いですけどね。(笑)

シンデレラにしてもピーターパンにしても、やはり、それは、ファンタジーの世界の中の住人です。

わたしたちは、現実(いま)を生きている人間です。

いつでもこのサイトは、みなさまに、「“あの頃”という名の駅で下りて、“昔通り”を歩く」、ご案内のお手伝いを微力ながらしていますが、それは、想い出の国に逃亡するためではなくて、キラリと輝いていた想い出たちと出会って、忘れていたその輝きを取り戻して、現実(いま)に戻ってきてほしいからです。

現実(いま)が苦しい方も大勢いらっしゃるでしょうが、現実(いま)もまた、未来(あした)からみれば、なつかしく振り向ける日が、きっとあるのですから・・・。




























































































































































































































































































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