きょうは久しぶりの出社。 そして出張5ケ所を回りました。
ずっと話し続けていたので、終わるころには声がかすれていました。
最後に訪問したところが比較的自宅に近い場所だったので、近鉄小倉駅で降ろしてもらい、そこからは電車で帰ることになりました。
乗り降りしたことのない駅。 ぼんやりと歩いていると、「あ、ふじたさん!!」と呼ばれて、ぼんやりとした頭で声の主を見ると、以前一緒に仕事をしたことのあるKさんでした。
「あー 懐かしい、元気?」 としばらく近況を話し合い・・・・
私「そうそう、まえにKさんに取材して歌の連作作ったの覚えてる?」
Kさん「覚えてるよ。<検針員K>やろ?」
私「そう! よく覚えてるねぇ」
Kさん「いや、忘れようにも忘れられないよぉ」
そう。 このKさんというのは、私の第二歌集『白へ』に入れた連作「検針員K」のモデルなのでした。 2012年の偶数月に「塔」で作品を20首×6回の連載の機会をもらい、隣の犬をモチーフに6回シリーズの物語を歌で作ろうと思い立ったとき、隣の犬が何度も人を噛んでいたことを思い出しました。 ガスか水道の検針員を噛んだこともあって、ちょうどというか、ガスの検針員の仕事を掛け持ちでしていたKさんに取材を申し込みました。 まえに犬に噛まれたことがあると、話にきいていたのでした。
会社の帰り、お鍋をたべながら、日に何軒くらいまわるの? とか、雨の日ってどうするの? とか。 犬に噛まれたときどうだった? とか、いろいろ細かく質問する私にとても丁寧に答えてくれました。
そして、かなりたくさんの歌を作って、20首連作にまとめました。 あの6回の連作のなかでも、「検針員K」のところはやけにリアルで具体性があるというコメントをいただいたことがあるのですが、実際に取材をした結果だったのです。
もちろん、『白へ』ができたとき、Kさんにも送りました。 ちゃんと読んでくれて、「こんな形で私が登場するなんて!」と面白がってくれました。
なかなか会えなかったKさんと、初めての駅で偶然会うなんて、やはり縁があるのだなぁと思いました。
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