自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

理想と現実~真に国民を大切にする政治はどこに?

2016-09-27 18:22:25 | 自然と人為

 「響かない理想」 (サンデーモーニング "風をよむ" 2016年9月25日 録画)は、オバマ大統領の理想が弱すぎたのか、これに反対する勢力が強すぎたのか。アメリカの政治にはリベラルや平等よりも、経済や軍事で世界を制覇しないと許されない土壌があるのかも知れない。
 我々はグローバル化とは人々が世界的に交流できる良き時代と思っているが、その背景には国家の枠組みを壊してまで輸出による収益を求める多国籍大企業と新自由主義がある。その上、アメリカの産軍複合体を支える政治力も強大だ。アメリカは大統領さえも「平等と平和」の為に政治力を発揮しようとすると「ケネディの暗殺」が待っている国かも知れない。それでも「決断と実行」がないと政治家じゃない、・・・それは現実が見えない私の強がりで、個人的には優しい彼が暗殺されないで良かったと思っている。

 ブッシュ大統領のイラク戦争の大失政とリーマン・ショック対策の7000億ドルもの金銭支援の後遺症の残る中、「オバマ大統領は Change Yes We Can! のスローガンを掲げて就任したが、再選後に行われた勝利演説で強く語られたのは、work、fight、jobという単語からも分かるように 『まだ成すべき仕事は終わっていない』 ということだった。」(セレゴ・ジャパン)
 参考: 「チェンジ」なき再選、オバマ辛勝の意味 2012年11月07日(水)17時18分
      イラク戦争とブッシュ大統領の信仰
      ブッシュ大統領がイラクでしたこと、アフガンでやったこと


 オバマ大統領の見識がアメリカの政治で力を発揮できなていないが、私には彼の見識とされる言葉にエリート臭は感じても「ど根性」がないと気になることがあった。彼はオサマ・ビンラディン暗殺をパキスタンに米海軍特殊部隊を侵入させて実行し、それを官邸?でスタッフと見守っていた。「9.11同時多発テロの報いが暗殺かよ」と、真偽は別にしても、 大統領が暗殺を見守っていたことは報道された事実なので、これが民主主義国家を自認するアメリカのすることかと疑問符もあった。ただ、こわばって緊張しているオバマ大統領の存在が小さく見えた報道写真が印象に残っている。また、初の広島訪問時も計画と実施のどこに問題があったのか、「あれっ!もう?」と思う程、原爆資料館の滞在は形だけに見えた。それに世界から核廃止をと言うなら、ロシアや中国との交渉をまず第一に優先して交渉の糸口を見つけるべきで、新型核兵器の開発予算を何故許可したのか。言葉と実践の乖離が大きすぎる。さらにTPPは国内消費よりは輸出、国民よりは多国籍大企業を優遇して景気を刺激しようとするもので、当初は消費者も含め労働者には利益が還元されないTPPをオバマ大統領は批判していたはずだ。
 参考: 核兵器開発を容認するオバマ大統領が広島を訪問するワケ 
      TPPの背後にある新自由主義とどう向き合うか(動画)
      オバマ新大統領と「打倒! 自由主義経済」
      オバマ氏当選の意味と課題~新自由・保守連合は終焉
      アベノミクスと日本経済の未来①  
      アベノミクス政治から国民のための政治経済へ
      「アベノミクス」の嘘と非知性的で不誠実な政治

 
 アメリカの政治は新自由主義経済と産軍複合体によって身動きがとれなくなっているにしても、安倍政権は何故、「核先制不使用」に反対し、国連の核兵器禁止条約にも賛同しないで、沖縄の声、国民の声を踏みにじるのか。
 アメリカに隷属しているから仕方がないと言っても、アメリカの民主党と共和党は対立している。戦後、日本を占領支配したGHQにおいてもGS(民生局=民主党)とGⅡ(情報治安局=共和党)の対立があり、その対立は日本の戦後の政治やメディアにおいても受け継がれ、アメリカの意向がどちらの意向なのか注意が必要である。

 A級戦犯容疑者であった岸信介がCIAを介して好戦的な共和党と繋がり無実で保釈され、岸を尊敬する安倍首相が反共的で好戦的な共和党と繋がっていることは容易に推察できる。共和党はアメリカ南部、中西部を中心とする古き良き強き時代を理想とする白人中心の政党であったが、米大統領選2016においてトランプ旋風が起きているように、アメリカ人は巨大政治資金で政治が動くことに怒っている

 日本も安倍政権の本質は、(エセ)保守主義と新自由主義の結合と言われているように、アベノミクスで輸出力ばかり考えて、高齢化と少子化で人口が減少し社会が劇的に変化する「縮小ニッポンの衝撃」(動画)や、必ず発生すると言われている関東大地震等への備えよりも2020年オリンピック真夏開催への不正を交えた準備に熱心で、この状態だと日本沈没も考えられる。安倍首相は軍事やアベノミクスに熱心で、真に国民を大切にする政治が期待できないとすれば、我々はどのようにして政治の力を国民主権に取り戻せるのだろうか。遠回りだけど他者を思う、利他的な言動の訓練から始める必要があろう。
 参考: 「日本人が知らない『二つのアメリカ』の世界戦略 / 深田 匠」
      【米大統領選2016】なぜアメリカ人はそんなに怒っているのか
      【報告書】「アメリカ政治の現状と課題」 - 21世紀政策研究所
      安倍晋三と書いて、新自由主義者と読む
      安倍政権の本質: 保守主義と新自由主義の結合
      改憲軍拡ゴング
      北朝鮮のような安倍賛美の光景に、超保守派からも批判
      安倍首相の所信表明演説、演説の原稿に「拍手」の文字!
      熊本地震と原発、オリンピック、東京の懸念を無視するバカの壁
      「赤信号、私が渡れば怖くない」~憲法の歯止めを首相自らが壊す政治的認知症
      自然の力とチームの力~地域を豊かにし次の世代に伝える


初稿 2016.9.27