自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

アベノミクス政治から国民のための政治経済へ

2016-08-10 17:29:00 | 自然と人為

 「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」という日本経済の課題を克服するため、安倍政権はアベノミクス「3本の矢」、(第1の矢)市場のお金を増やしてデフレ脱却!、(第2の矢)政府支出でスタートダッシュ!!、(第3矢)規制緩和でビジネスを自由に!!! で持続的な経済成長(富の拡大)を目指している。アベノミクスはトリクルダウンにより、富が富裕層や大企業から庶民に滴り落ちると言うが、庶民の富の底上げをしなければ真面目に働いても暮らしは良くならない。
 この国民の真の幸福を誠実に考えない経済政策と仮想敵国に対する抑止力を強調する平和安全法制を閣議決定した安倍政治をアベノミクス政治と呼ぶことにする。

 安倍政治は経済政策(アベノミクス)により格差を拡大させて実質賃金 (2)を低下させるとともに、国民生活の原点である農業を選択的規模拡大から、さらに今では輸出力のある産業として生き残ることしか考慮しないため、TPPにより輸出産業を重視して食糧自給による国民生活の安定を無視し、農業と地域コミュニティを破壊し続けている。
 また、戦争は政治と軍需産業によりつくられる (2)。わが国でも戦争抑止のためと言う口実で平和安全法制により軍事力を増強する一方で、福祉予算を削減し、大切な中国との関係の緊張を高めて貿易や交流の積極的推進に支障をきたし、沖縄を仮想戦時前線基地として充実させて基地撤去という住民の願いを踏みにじる一方で、沖縄基地があることで北方4島の返還にも支障をきたしている。

 アベノミクス政治とは、このように国民生活を大切にしないでアメリカに精神的にも政治的にも従属する先の見えない経済政策、軍事政策、原子力政策を続け、関東で心配されている大地震に対する対策より熱射病が心配な真夏に開催予定のオリンピックを重視し、国民の幸福のための人口・福祉・教育・環境政策等を考えず、自分たちの利益と妄想ばかり追求している安倍政治のことを言う。

 持続的な経済成長(富の拡大)は国際貿易によってのみ得られるものではない。むしろ国際貿易を重視することで国内経済は停滞する。時代は政治により一つの方向に誘導され、国民は思考停止になっていく。高度成長期が始まる時、我々の町の一本の主要道路が舗装され、子供たちは珍しがり集まってローラースケートで遊んだ。そのうち町のバス停にテレビが設置され、多くの人が集まり、雪が降っているような土俵の画面で私は吉葉山を応援した。世界一幸福な国と言われるブータンに電線が張られ、テレビの購入が国民の楽しみになっていると聞くが、我々も子供の頃は貧しくとも幸福であった。我々は戦後の貧しい時代に育ち、古き良き時代を知っているが、今の若者の環境は様変わりしている。それが世代間の考え方のギャップを生むが、今の政治は自然を大切にすることを忘れ、人工的な環境で幸福が生まれると思っているようで、これも時代が生んだ思考停止の世界と言えよう。

 思考停止のアベノミクス政治から、真面目に働いたら暮らしが良くなる国民のための政治経済への転換を考える必要がある。考えるべきことは多いが私の経験から、戦後のアメリカの余剰農産物を利用し、アメリカに追いつき追い越せと規模拡大を続けてきた思考停止の畜産界の反省を中心に、日本の農業と地域コミュニティを重視する政治経済について考えることを次回から始めることにする。

初稿 2016.8.10

最新の画像もっと見る

コメントを投稿