自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

写真家・セバスチャン・サルガドとジャーナリスト・後藤健二さん

2015-10-28 18:08:33 | 自然と人為
 映画「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」 シネマ尾道で上映決定!とこのブログで紹介しているが、この映画のドイツの映画監督のヴィム・ヴェンダース (2)さんも映画界ではよく知られ、ご夫婦は写真家でもあり京都から尾道・鞆の浦・直島へと旅の道中の原風景を収めた写真展を開催されてもいる。この映画が全国5映画館に次いで尾道で上映されることになったご縁を感じる。なお、ブログ「Tatsuyaの独り言」によれば監督が2名になっているのは、サルガドさんの息子さんジュリアーノ・リベイロ・サルガドさんが撮りためてきた膨大な記録映像を取りまとめるために、ヴィム・ヴェンダース監督が指名されたといういきさつがあるようだ。息子さんがお父さんを尊敬し、その仕事ぶりを映像に残すなんて素晴らしい!

 ここではこの映画を知るきっかけになったEテレ「スーパープレゼンテーション」の紹介部分とTEDの講演「写真が見せるサイレントドラマ」 (英語字幕)を紹介して、もう一度この映画を推薦したい。

参考:映画予告「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」

 セバスチャン・サルガドの写真からは崇高な人物像が胸に刺さり、報道というより芸術を感じていたが、サルガドさんは写真で飢餓、難民、内戦等を紹介していて大虐殺の悲惨さを目にし、肉体的にも精神的にも病に倒れ社会に目を向けた写真を撮れなくなったという。そして故郷のブラジルの牧場に戻り、奥さんの提案で乱開発ではげ山になった牧場周辺の植林を始め、250万本、200種の植林で熱帯雨林を復活させた。その自然の復活、生命力に感動して再びカメラで自然を撮った。自らが自然に生かされているという感動、Genesis、生命の起源を見つめて!

 サルガド夫妻のお二人で仕事も人生もともに歩んでいる姿はうらやましい。そして、お二人とも生きることに誠実で真面目だ。生きることに誠実で真面目で、危険な「イスラム国」に死を覚悟して入り、子供や女性や老人に寄り添おうとしたジャーナリスト・後藤健二さんは「イスラム国」に捉えられ殺害された。惜しい人を失った。後藤さんは志を止めさせられた悔しは残るであろうが、死への悔しさはないものとご冥福をお祈りしたい。

 国境は欧米列強によって強制され、イラクがアメリカの傀儡政権となった等、「イスラム国」にどんな悔しい理由があろうと、個人の命を組織の目的のために犠牲にすることは許されない。「イスラム国」支配下の市民や世界の信頼は得られないであろう。
 そして「積極的平和主義」と称して積極的に敵をつくり、戦争放棄の憲法を無視して武器輸出禁止の3原則を廃止した安倍政権は、「イスラム国」から「安倍」と名指しで敵視された。

 安倍首相も後藤健二さんも同じ一人の人間だ。一国の首相は国民の生死に関わる権限を持つだけに、海外での言動には熟慮が必用だ。インターネットに人質に対する要求が出されるまでに相当の交渉時間があったはずだ。憲法を無視して自分の信念で政治活動をしていることは国民無視の重罪である。首相の言動で国民が惨殺されても、テロリストの罪を償わすために国際社会と連携していく「憎しみの連鎖」を叫ぶ愚を正義だと勘違いしている。

 人間は自然から生まれ、様々な物語を生きて自然に還る。人と人との対立は自己中心的な考えから生まれる。平和は自然を崇拝して生きてこそ守られる。戦争は絶対悪で、抑止力が戦争の芽を育てる。この世に生まれた奇跡を感謝し、自然への畏敬を原点にした物語を私は生きたいと思う。映画「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」を推薦し多くの方に観てもらいたいと思う私の思いは、熱帯雨林の生態系を復活させたサルガドさんに比べればホンのちっぽけなことにすぎないが、今の私にできる精一杯の仕事だと思っている。

初稿 2015.10.28 更新 2015.10.30

意識と意識革命について考える

2015-10-25 14:08:02 | 自然と人為
 意識は脳のあらゆる感覚、知覚、運動領域の膨大なネットワークの統合で生まれる。その情報の統合は人それぞれの状況に対する反応で生まれるが、反応には不意打ちのような経験しない反応もあれば、条件反射的に身に付いた反応もあろう。反応のメカニズムまでは知らないが、どのようなネットワークが生まれるかは千数百個億の脳神経のネットワークなので人によって異なり、この地球上に同じ意識を持った人はいないはずだ。意識が同じグループが存在するとしたら、それはあるコト、モノへの反応が似通っているだけで、その反応に意識が集中することで連帯感が生まれるのであろう。

参考:統合情報理論 (動画)
    意識の統合情報理論

 人は熟睡すると意識はなくなる。夢は無意識の世界で脳のネットワークが動いているのだろう。死んだら無になるので他者の意識には残っても、その人の意識が天国に行くことはないと思う。ただ他者を思う気持ちが他者に残るので、他者を尊重して生きていくことは死後も報われると思いますよ!

 さらに人は想像もする。「人間は想像力があるから文化や文明をつくる。しかし、その想像力があるから、人間は誤った記憶や感覚を本物だと信じてしまう生き物でもある(フォールスメモリー( Youtube: 立花隆の脳死体験 2.心・意識のありか))」 その一方で、ものごとに熱中すると時間が早く進むのを感じ、興味のないことを教えられるよりは自分で学びたくて学ぶ方が身に付き想像力も高まるのは、意識の活性化の反応の違いにあるのだろう。

 その想像が独自のものか、他者から教えられた知識からか、巨人の肩の上に立つものか、いろいろあろうが無から有は生まれないので、想像の種は自然から与えられたものに違いはない。他者の仕事からヒントを得る問題も多いが、それが盗作だと騒がれる理由には他者の想像力への尊敬がどこかで欠けてしまった場合だと思う。我々は自然から生まれ、様々な物語を生きて、自然に還る。自然には動物も人類も、自己も他者も、原子や素粒子も含まれる。我々は独りでは生きていけない。他者を尊重し他者と共に生きるることが、自己を知る生き方であろう。

 他者を尊重し他者と共に生きることは、時に煩わしい。文明とは人類の自己家畜化だと言われるが、我々は便利さを求めて自己孤独化の道を歩んでいる。自己中心は視野を狭くし、目の先のことで生き、生きる物語をつまらなくする。経済はお金を求め、政治は支配を求めることが、この世を住みにくくしている。経済も政治も人のために尽くすことで報われるはずだ。ことに政治家や官僚等の公務員が、国民のためとうそぶいて自己中心的に仕事をすることは憲法違反だ!我々の仕事は次の世代により良い世界を残すこと。子供たちが自然で遊ぶ子供の世界を取り戻すこと。

 意識改革とは、常識だと思っていた自分の意識が何かをきっかけに目から鱗が落ちるように新しくなること。自己中心的にものごとを考えるのではなく、自己が他者によって生かされていることに気づくこと。自己と他者が対立していたのでは平和は訪れない。右翼だとか左翼だと言って意識が作り出した世界で対立することは、寂しい物語を生きていると私には思える。

 私たちの意識の根拠は自然にあり、映画「セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター」を是非観ていただきたいのは、意識の根底に自然を感じて欲しいから。

初稿 2015.10.25

サンデーモーニング "風をよむ"

2015-10-22 11:24:33 | 自然と人為
サンデーモーニング

 サンデーモーニング ”風をよむ”は、時代の流れを示す大切なテーマについてスパイスの効いた論評をしてくれるコーナーである。昨年5月には「憲法を考える」(動画)について4週に亙って取り上げていた。それ以来、毎週録画しているので、このページに紹介しておきたい。

 日本人の従順さ、真面目さは、上のものに逆らわない集団主義のプラスの面もあるが、支配者を暴走させてしまう脆さも併せ持つ。集団主義を克服することは自己を磨き、他者に勝つのではなく自己に勝って他者を尊重することだと思う。日本は市民革命を経験しないで先進国に仲間入りしたつもりでいる。今は市民革命は内戦に繋がるので、集団主義を克服してなおかつ従順で真面目であり続けるには意識革命しかないと思う。そして、サンデーモーニング”風をよむ”が意識革命のスパイス、刺激剤になてくれるような気がする。

 2015年12月27日のサンデーモーニングは年末スペシャルであった。
  part1 part2 part3
 ことに後半(part2~part3)はカオスの時代「答えなき世界」の問題を提起した特別番組であったので、ここに私なりに解釈したタイトルを附して紹介しておきたい。
  格差と絶望~なぜ若者はイスラム国へ?(削除)
  格差と絶望と存在意義(削除)
  拡大する”格差”(削除)
  格差と優越感(削除)
  自己とは他者を含めた自然の一部~自然を大切に生きて行こう(削除)

 組織と個人、国と個人の関係については、憲法を考えることから始めたい。そこでまず冒頭では、「押し付けられた」と言われる憲法の公布までのいきさつと、自衛隊創設にあたっての日米の攻防、そして日米関係から民族自決と国民主権を考えるため、NHK番組を紹介することから始めたい。

   「日本国憲法を生んだ密室の九日間」(1993.2.5 放送)
   NHKスペシャル「日本国憲法誕生 全編」(書き起こし)
   ETV特集「焼け跡から生まれた憲法草案」 現在、調査中!
   自衛隊と憲法~日米の攻防
   歴史ヒストリアム「はるかなる琉球王国~南の島の失われた記憶
 さらに、日本が真珠湾攻撃でアメリカとの戦争に突入する1年前に、国民のための政治に誠心誠意取り組み、国会での反軍演説に命を懸けた斉藤隆夫の番組も紹介したい。
   NHK英雄たちの選択 「開戦前夜!政治家 斉藤隆夫の挑戦」(動画)
   (1) 斉藤隆夫 必死の演説(削除)
   (2) 二・二六事件と粛軍演説(削除)
   (3) 斉藤隆夫の素顔と苦悩(削除)
   (4) 反軍演説と議員除名(削除)
   (5) 斉藤隆夫からのメッセージ(削除)

  サンデーモーニング ”風をよむ”については、まず2014年の「考・憲法」から録画順に紹介し、次に2015年については新しい放送順に紹介したい。
「考・憲法1 押しつけ?」”風をよむ”2014年5月4日
「考・憲法2 古い・・・?」”風をよむ” 2014年5月11日
「考・憲法3 中国・北朝鮮の脅威?」 ”風をよむ” 2014年5月18日
「考・憲法4 国民か、国家か」 ”風をよむ” 2014年5月25日

これ以降の動画は削除されていますが、順次、回復させます。それまではタイトルの記録のみ残しておきます。

「Gゼロ?の時代」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年6月1日
「ワールドカップの陰で」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年6月8日
「アフリカの風」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年6月15日
「サポータの善意」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年6月22日
「蟻の一穴」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年6月29日

「有権者と政治家」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年7月6日
「脱法ハーブ」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年7月13日
「ビッグイベントの未来」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年7月20日
「言い換え」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年7月27日
「抑止力・・・?」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年8月3日
「69回目の終戦」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年8月10日
「戦争を語り継ぐ」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年8月17日
「代理出産の波紋」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年8月24日
「自然からの警鐘」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年8月31日
「イスラム国の脅威」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年9月7日
「自分がまいた種は・・・」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年9月14日
「二つの祖国」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年9月21日
「国連」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年9月28日
「土井たか子さん逝く」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年10月5日
「なぜ”イスラム国”なのか」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年10月12日

'14/10/19 放送 「エボラと世界経済」は録画していないので下記ニュースに替えています。
ニュース「特定秘密保護法施行」 サンデーモーニング 2014年10月19日

「通称 IR推進法案」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年10月26日
「風化」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年11月2日
「死の選択」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年11月9日
「解散風」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年11月16日
「沖縄の選択」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年11月23日
「民意のうねり」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年11月30日
「宇宙開発の光と影」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年12月7日
「ノーベル賞ウイーク」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年12月14日
「21世紀の資本」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年12月21日
「墓碑銘 2014」 サンデーモーニング ”風をよむ” 2014年12月28日


▼風をよむ バックナンバー 2016年
  11月放送
'16/11/27 権力とメディア
'16/11/6 権力者の孤独
  10月放送
'16/10/30 三笠宮さま ご逝去
'16/10/23 リンゴの木
'16/10/16 大停電
'16/10/9 「基礎研究の危機」
'16/10/2 また、弱者が標的に・・・
  9月放送
'16/9/25 響かない理想
'16/9/18 「やられる前に・・・?」
'16/9/11 「指導者の経済感覚」
'16/9/4 北海道の異変
  8月放送
'16/8/28 たいまつとSEALDs
'16/8/14 8月15日 終戦の日
'16/8/7  2016年 原爆の日
  7月放送
'16/7/31 ヘイトクライム 憎悪犯罪
'16/7/24 スポーツとナショナリズム
'16/7/17 参院選終わってみれば・・・
'16/7/10 参院選 きょう投票日
'16/7/3 7月10日 参院選投票日③
  6月放送
'16/6/26 7月10日 参院選投票日②
'16/6/19 7月10日 参院選投票日
'16/6/12 参院選の”争点”
'16/6/5   この国の分かれ道”参院選
  5月放送
'16/5/29  広島からのメッセージ
'16/5/22  ”依存心”の落とし穴
'16/5/15  "はびこる「暴言」"
'16/5/8  "トランプ大統領"?(削除)
'16/5/1  5月3日 憲法記念日
  4月放送
'16/4/24  ラテンアメリカの混迷(削除)
'16/4/17  ジャーナリズムは今・・・(削除)
'16/4/10  壁・壁・壁・・・(削除)
'16/4/3   小衆社会
  3月放送
'16/3/27 キューバとアメリカ(削除)
'16/3/20 ”名前”の力(削除)
'16/3/13 複雑化するドーピング(削除)
  2月放送
'16/2/28 ”「アラブの春」から5年”
'16/2/21 介護の現場(削除)
'16/2/14 力の時代 いつまで・・・(削除)
'16/2/7 臨時ニュースのため中止
      報道1 安倍首相”9条改正”言及(削除)
      報道2 TPP担当大臣甘利氏の”政治とカネ”(削除)
  1月放送
'16/1/31 ”政治とカネ”いつまで・・・?(削除)
'16/1/24 クジラ(GPIF)は どこへ・・・(削除)
'16/1/17 貫けるか・・・人類の理想
'16/1/10 恐怖と抑止力

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サンデーモーニング

▼風をよむ バックナンバー 2015年
  12月放送
'15/12/20 墓碑銘 2015
'15/12/13 排外主義
'15/12/6 テロと温暖化
  11月放送
'15/11/29 トルコの役割
'15/11/22 有志連合
'15/11/08 台湾と中国、そして日本
'15/11/01 もの言えぬ空気
  10月放送
'15/10/25 大企業の不祥事
'15/10/18 エディ・ヘッドコーチの苦言
'15/10/11 アメリカの誤爆
'15/10/04 国連の“機能不全”
2015年
  9月放送
'15/09/27 デジャヴ…?
'15/09/20 悔いと憂い
'15/09/13 政治家の“気概”
'15/09/06 声を上げはじめた人々
2015年
  8月放送
'15/08/16 母たちの安保法案
'15/08/02 戦後70年・夏
2015年
  7月放送
'15/07/26 夏休みの安保法案
'15/07/19 議会制民主主義
'15/07/12 爆買い・暴落、中国は今
'15/07/05 若者たちは今・・・
2015年
  6月放送
'15/06/28 オール沖縄・オール日本
'15/06/21  学者と政治家
'15/06/14 「少年」とは
'15/06/07 金のなる木?
2015年
  5月放送
'15/05/31 自衛隊のリスク
'15/05/24 住民投票と民主主義
'15/05/17 沖縄返還から43年
'15/05/10 軍艦島
'15/05/03 憲法記念日
2015年
  4月放送
'15/04/26 現代文明とエネルギー
'15/04/19 人為的ミス…?
'15/04/12 戦後70年“慰霊の旅”
'15/04/05 外交官の証言
2015年
  3月放送
'15/03/29 戦後70年 覇権の行方
'15/03/22 使えない兵器…核
'15/03/15 戦後70年の日本とドイツ
'15/03/01 こころの傷
2015年
  2月放送
'15/02/22 戦後70年談話
'15/02/15 ネットに揺れる世界
'15/02/08 憎しみの連鎖
2015年
  1月放送
'15/01/18 のりしろ
'15/01/11 イスラム

初稿 2015.10.22 更新 2020.10..8 削除された動画の回復を含めて全面改修を始める。

日本人の従順さ、真面目さの次のステップは?

2015-10-19 17:25:38 | 自然と人為
 昨日、10月18日のサンデーモーニングの”風をよむ” (コピー) では日本のラグビーの「エディー・ヘッドコーチの苦言」をテーマに、日本人の従順さ、真面目さが生まれた時代背景を考えるとともに、スポーツや物事に熱中することによって人間の心身が成長して行くことを教えてくれた。
 数日前、10月12日にNHKドキュメンタリー 「奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち 」テニス編 (2)(スペインテニス協会のダビッド・サンズ・リバスさんの指導)の再放送を見たばかりであったが、テニスを遊びながら熱中し成長する子どもたちの姿がラグビーのヘッドコーチの言葉と重なる。

 私は子供時代に野球の遊びに熱中し、中学時代は野球部の印象しかないほど野球に熱中し、勉強に熱中した記憶は皆無だが、確かにこの時期にスポーツに熱中したことが、その後の私の仕事や人生の財産になっていると思う。

 知識を教えることは固定観念からモノ、コトを観る第一歩にはなるが、自由な発想にとっては弊害だ。スポーツは身体を鍛えるが、瞬時の判断が必要で、試合中の激しい動きの中でその判断力が持続することも大切だ。練習に熱中することで、身体と頭を鍛えることが大切なのだが、これまでの日本では身体を鍛えるために頑張ることしか教えてこなかった。身体のトレーニングにおいてもテクニックを教えることが重視されてきた。ここに日本の教育の弊害があることを、今回紹介した2つの番組は教えてくれる。

 確かに何事でも熱中しなければ成長しない。「牛に引かれて善光寺参り」という言葉があるが、「牛」とはスポーツや仕事の何かであり、「引かれる」とは強制的に引くのではなく自ずから熱中していくこと、そうすれば「善光寺参り」、仏さんが見えてくる、今日では「成長しますよ」ということとも解釈できよう。

 先に大谷山里山牧場を紹介したブログで、私の母校松永高校と下駄の町松永の近況を紹介したが、一時荒れていると言われた高校が「キャリア教育」優良学校として平成25年度に文部科学大臣表彰を受賞するまでに成長した原因として、教師と遊びながら熱中できる「牛」を見つけ、それに熱中したことが考えられるのではなかろうか。

 これからの時代に必要で、それぞれの人が幸福を見つける道は、それぞれの人が熱中できる「牛」を見つけて自己実現を目指し、心身を鍛えることで他者を尊重できる社会を実現していくことではなかろうか。

初稿 2015.10.19




福山まちづくり大学 大谷山里山牧場

2015-10-18 13:57:34 | 自然と人為
 シルバー世代が作った牧場でお知らせしていましたが、福山まちづくり大学のフィールドワークが2015年10月10日、福山市神村公民館での講演と大谷山里山牧場の現地見学会が実施されました。

挨拶「神村学区まちづくり事業について」
       神村学区まちづくり推進委員会委員長 佐藤幸道さん
 地図をクリックすると拡大します



講演「おじいさん達の草刈り、まき割、牛飼い暮らし
       大谷山里山牧場リーダー 安部裕之さん 
1.集落の現状
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2.和牛放牧を始めた背景
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放牧活動実施の経緯
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3.和牛放牧への事前検討
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大谷山里山牧場の活動と作業内容
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4.牧場づくり 牛の導入~4年後
 牧場づくり

5.まき割、エサ、EM菌、来場者の安全確保
 牧場づくりと活動資金
 飼料
 牛の日常管理
 環境改善
 来場者の安全確保

6.活動日のスケジュール・メリット・課題、まとめ
 活動日のスケジュール
 草刈り、まき割、牛飼い暮らしの感想
 今後の取り組み
 まとめ

なお、大谷山里山牧場の現地見学とメンバーの紹介はビデオカメラの操作ミスがあり、後日に開催される当牧場の見学会と合わせて紹介させていただきます。

初稿 2015.10.18