自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

熊本地震と原発、オリンピック、東京の懸念を無視するバカの壁

2016-04-26 20:31:23 | 自然と人為

 エリートとは常に日の当たるところで安眠したがるバカの壁。本人の自覚がなくても男尊女卑の体質が身に付き、「民主主義」を多数決で決めるという程度に知り、他者への思いは訓練によって得られることを知らない人には、転向とは日当たりを求めて態度を変える風見鶏。これを国の権力という日の当たるところでやられると国民はたまったもんじゃあない。そこから「人民としては生きられない国民」の悲劇が始まる。ここでは、「バカの壁」を読んでバカの壁と言っている訳ではない。日本をダメにしている「エリートの壁」、国民を犠牲にしても自分は日の当たる所に居たいと政府権力にしがみつく卑しいバカ連中の壁という意味で使っている。

 このバカの壁が明治以降日本をバカな戦争に向かわせ、国民も国がやる戦争に協力するしかなかった。今でもそうだ。原子力規制委員会は原子力規制ではなく、無理やり原発を稼働させるための許可を与える組織。巨大地震に対する備えが出来るはずもないのに、福島原発事故の問題を何一つ解決できていないのに、稼働するための科学的根拠とかやらを持ち出して政府の政策を守るバカな連中は、戦争を止められなかったバカと同じ構造。今や民放でもTBS「時事放談」(2026年4月24日)サンデーモーニング (2016.4.24)では、「熊本地震~まず原発稼働停止を」と言っている。

 サンデーモーニングのコメンテーター・涌井雅之氏は、
 『これから様々な地震が想定されるが、経験の体系化が出来ていない。政策の具体性に欠けている。つまり場当たり的です。一元的な政策が採られない限り、周到に準備し、大胆に行動する自然災害に対する原則ができない。災害救助に関する常設の部隊を置いて、病院船を含めた緊急災害対応の船を造って、様々な事態に対応できるようになれば、日本は世界の災害に対してある種のリーダーシップを取ることができる。』と具体的に提言している。

 自衛隊を災害救助に関する常設の部隊とし、駆逐艦を廃止して病院船にすれば、日本の造船技術も活かせるし、お金の無駄遣いもしなくて財政上も助かる。
 ムヒカ氏が北朝鮮の軍事費を「ジャガイモを植えるために使え」(動画:4分23秒~)と言ったのと同じ発想をすれば、国民の命も守れるし、世界平和にも貢献できる。

 「NHKスペシャル 巨大災害 地震列島」(動画)は優れた取材で、熊本地震の理解に日本の若い研究者は大きな貢献をしていると思うが、エリート集団の報道部は籾井会長の下で戦時中の大本営発表機関のように、政府の都合の悪い地震と原発との関係については全く触れようとしない。

 しかし映像は言葉で誤魔化せない。川内原発は止めない!〜田中委員長「想定外じゃありません。 想定内で判断しています、全て」と言う目が昼寝か冬眠を邪魔された穴熊のようにうつろで泳いでいる。
 地震には個人で準備しておけと言われ、福島の原発事故では沖縄に逃げた人もいたが、国の責任で国民を守らねば、東京一極集中の被害は個人では防ぎようがない。東京オリンピックで健康よりお金を大事にしている場合でもない。
 我々が生きている時間と距離を越えた巨大地震の可能性への対応を真剣に考えようともしないで、政府は原発を売りまくり、東京一極集中の危険性を一考だにしないで、国民のために何をしているのか。

 原発の問題は地震による事故の問題だけではない。原発を稼働させることは、近い将来における汚染核物質の最終処理は不能で何万年という次の世代にその負担を押し付けることになる。チェルノブイリ原発事故のように、何らかの事故等により人類が地球に住めなくなる可能性もある。科学的な処理技術の開発を待てと言うが、危険な原発稼働を停止して待つよりほかはなかろう。
 今日はチェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)から30年になる。
BS世界のドキュメンタリー「チェルノブイリ~消せない“負の遺産”~」は、事故当時の映像や廃炉に向けてのドイツ原発を紹介しているので、ここで紹介しておきたい。
チェルノブイリ原発事故とドイツ原発の廃炉作業
原発の町プリピャチとキエフの病院、原発廃炉作業・核汚染廃棄物の地下処理の疑問
石棺チェルノブイリ原発の廃炉作業と巨大セルター~終わらない廃炉
制作(イギリス/ドイツ) スタッフ

 動画:チェルノブイリ事故30年(ドイツZDF)ワールドニュース(2016年4月26日)
    チェルノブイリ事故30年(ロシアTV)ワールドニュース(2016年4月26日)
    チェルノブイリ原発事故からあすで30年に(NHKニュース)
 参考:チェルノブイリ原発事故とは - チェルノブイリ医療支援ネットワーク
    悲劇から30年 チェルノブイリの実相:日本経済新聞
    汚染された村、時止まり森に チェルノブイリ事故30年

 地震国の日本では汚染核物質の最終処理も出来ないし、大震災で日本は原発とともに沈没するかも知れない。その時、今のバカの壁たちはもういないだろう。そうして誰も責任を取らない日本が国民の不安の中で続いていく。何時になったら何を芯にして転向するのか、出来るのか?
 サンデーモーニング "風をよむ" (2016/4/24)では「ラテンアメリカの混迷」でホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領の話を紹介していた。今こそ真剣に、ムヒカ氏の「国民と政治が一体になって幸せを求めなさい」という言葉を学ぶ時だと思う。

初稿 2016.4.26 追加更新 2016.4.27 








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