自然とデザイン 目次 動画集 理性と感性 生きるということ
リテラ (2) ニュースドットコム 「ジャーナリスト同盟」 (2) 経済を学ぶ
私の推薦動画 田中宇の国際情勢解説 海外記事 杉並からの情報発信 (動画)
政治も経済も情報である①,②,③,④,⑤,⑥,⑦,⑧,⑨ 畜産システム研究会
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17世紀、「神」の中に真理があると信じられていた時代に、スピノザは精神的にも身体的にも真理は「体得」するものであり、人間の成長と共に「変化する」とした。17世紀のデカルトは「真理」は正しい知識であるとする現代の考え方に受け継がれているが、「真理」を「体得」することで自己を成長させるスピノザの哲学、それは17世紀まで受け継がれてきた自己をレベルアップする「真理」の獲得を、神の力・「霊性」によってではなく、哲学として論理一貫性のある説明をしたものである。「真理」を知って自分が大きくなる、深まる感動を中世の人々は大切にしたが、スピノザもその感動を大切にしたのだろう。デカルトの「真理」に馴染んでいる我々は、「真理」を知るべき知識とは考えるが、「真理」が自分を変える感動に関係しているとは、日常的には思わない。中世の人々は「真理」を知った結果として感動するのではなく、「真理」を知るためには神の力、即ち「霊性」が必要と考えたのであろう。いずれにしても、デカルトの「真理」に馴染んでいる我々は、スピノザの「真理」を「潜在能力の開花」と解釈しておこう。
フーコーによると、ピタゴラスからソクラテス、プラトン等は哲学の真理にどう到達するかという問題と、真理に到達するためには、主体にどのような変身が必要かという霊性の問題が分離されたことはないとした。認識行為をも包含した「主体」の変形こそが、ソクラテス以降、およそ千年以上も古典古代に拡がりをみせた『主体と解釈』の関係であると言う。また、古代の哲学において「真理」への到達と「主体」の変形が分離された顕著な例外として、フーコーはアリストテレスを指摘している。アリストテレスにとっては「霊性」は関心の対象にならず、それ故に長く教会の教義と合致する、ただひとりの哲学者と認められていた。当時は「霊性」は教会の領域の仕事であり、「哲学」との棲み分けをしたのがアリストテレスともいえよう。『神学大全』を著したトマス・アクィナスが「哲学者」と呼んだアリストテレスが、西洋の哲学,(2)の意味での哲学の基礎を確立したのである。ただし、フーコーはアリストテレスは古代哲学の頂点ではなく、ひとつの例外であることを強調した。
しかし近代になると、主体が真理に到達する条件は認識だけであり、「主体」の変形は必要とされなくなった。フーコーが「デカルト的瞬間」と呼ぶのはこの違いを示すためであり、「真理の歴史において近代が始まるのは、真理に到達するために必要なのは認識であり、認識だけであるとされるようになった瞬間と言えよう」。近代は人間にとって進歩なのだろうか? 視点を変えれば人間の軽薄化への道とも言えよう。
参考:フーコーの『主体と解釈学』読解 フーコーにおける「自己への配慮」
近代科学の形成と還元主義的機械論科学の特質
科学知は受験生の評価にとって重要視されているが、ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑・京大名誉教授,(2),(3),受賞会見1,受賞会見2は、常識を疑え!教科書を信じるな!と、好奇心と「簡単に信じないこと」の重要性を強調。「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割」と語り、自分の目で確かめることの大切さを説いた。科学は憶えるものではなく、とことん疑う好奇心が大切であり、そこに、これまでの常識を覆す「真理」と感動が生まれることを指摘されていると思う。
「人工知能(AI)が人間の仕事を奪うか」が問題にされている。コンピュータは大量の情報を短時間で処理できるが、あくまで人間の仕事を手伝うために改良されてきた。しかし、コストダウンや利益最大化等の問題は、経済が人間を大切にしているかどうかの問題でもあり、AIが提起している問題も同じである。
参考:「AIが仕事を奪う」はウソかもしれない
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
「AIで人間の仕事がなくなる?」の経済学的解明
イェール大学 経済学部 伊神 満 准教授インタビュー
AIが奪う仕事 vs 少子化で減る人手
圧倒的な不平等が世界にいずれ蔓延する理由
人工知能(AI)がもたらす社会やビジネスの将来像
文明の発達により、都市での生活を求めて人口の都市への集中が起きている。また、移民難民の問題が欧州や米国で問題となり、トランプ大統領はアメリカ第一主義を唱え、メキシコとの国境に壁を作ることに拘っている。しかし、「大陸衝突が生んだ“文明の十字路”」が教えてくれることは、人口の都市集中や自国第一主義は愚かなことだということだ。大陸は今も移動している。大陸移動を含む地球の活動と、それに伴う自然災害の被害を小さくするためには、人口分散と人類の共存しかない。今のまま行くと文明の発達を誇ることは、人類の不幸に繋がることになりかねない。大陸移動を単なる知識として持つだけではなく、身近な地震対策と自分を有利にすると思う「常識」を疑うことも必要であろう。
参考:「大陸衝突が生んだ“文明の十字路”」
大陸衝突と文明 スペイン アンダルシア グアダルキビル断層 大陸衝突の現場
海底火山のマグマ 赤い川 地中海湖干上がり 文明の十字路
世界のプレート運動
初稿 2019.1.21