138億年前、宇宙は空間も時間もない無(真空のゆらぎ)からインフレーション(空間の急膨張)により、真空の相転移(真空のエネルギーが物質のエネルギーに相転移)による莫大なエネルギーを発生したビックバンよって物質、空間、時間が生まれ、いまだに膨張している。
このビッグバンは宇宙誕生から約38万年後の「宇宙の晴れ上がり」による宇宙背景放射,(2)で証明されているが、ビッグバンで生まれた物質は4%で、23%の暗黒物質(ダークマター)は、網の目状の宇宙の構造をつくり、星や銀河の運動を維持する重力となっている。一方、真空エネルギーはビッグバンにより宇宙の73%を占めるダークエネルギーとなり、今も宇宙を膨張させている。
真空の相転移で宇宙が生まれるとすると、今の宇宙とは別の宇宙がある可能性があるが、ここでは今の宇宙に生まれた地球の歴史について考えたい。
参考: 宇宙はどのように生まれたのか? - 国立天文台
宇宙の基本要素である物質・時間・空間・エネルギー
インフレーション宇宙の痕跡が見つかる?(確認されず)
ダークマター(暗黒物質) の正体は何か?
ブラックボックスの衝突による重力波の発見
ヒッグス粒子 ヒッグス粒子ってなあに? ゆらぎ ―宇宙と生命の源―
超弦理論-重力と量子論の統一を目指して-(今後の勉強課題)
動画: コズミックフロントNEXT 発見!? 宇宙最初の星 ファーストスター
コズミック フロント☆NEXT「宇宙の果てのミステリー」
コズミックフロント ダークマターの謎に挑む~暗黒物質 科学者たちの格闘~
宇宙 暗黒物質 - 暗黒エネルギー
サイエンスZERO「ついに解明!“ブラックホール成長の謎”」
ビッグバンにより水素とヘリウムからなる最初の世代の星(ファーストスターズ)が生まれた。ファーストスターは生まれて数百万年の核融合の後に爆発して一生を終え、その時に放出されたガスや物質の星雲が集まり再び核融合が起こり次の星が生まれる。太陽はそうして生まれた多くの元素を含む数世代目の星である。太陽の前の世代の星が爆発した後、46億年前に太陽が生まれ、その後、微惑星の衝突を繰り返して、45億年前に“ティア”と呼ばれる火星ほどの大きさの原始惑星が大きくなった地球の重力により斜めに削り取るように衝突したジャイアントインパクト(動画)により月と現在の地球が生まれた。宇宙の成長過程で生まれた我々の生きる地球も、地球上の生物も、すべて起源は同じなんだと、まずは確認したい。
地球が生まれた当時の地表は熱いマグマで覆われ、このマグマの海(マグマオーシャン)に微惑星が大量に衝突した。その瞬間に微惑星の運動エネルギーが熱となり、水が蒸発して水蒸気となった。水蒸気は他の成分と一緒になって地球を覆い大気の層(原始大気)を作り、地表のマグマが冷え始めた頃、空の水蒸気が雨となって激しく降り始め、やがて激流となって地表を覆い海ができた。このことは科学的に推定できるが、地球誕生後10億年は当時の地球の状況を証明する痕跡は非常に少ない。月にクレーターがあるように、残った微惑星の衝突は続いた。
地球で見つかった最古(44億年前)の鉱物粒子ジルコンは高い酸素同位体比を示し、低温下で液体の水との相互作用を受けたものと解釈された。また、陸地を構成する主要な岩石である花崗岩は海がないとできず、最古の花崗岩は約40億年前のものであることや、土砂が海底で堆積してできる最古の堆積岩も40億年前のもので、40億年前には海ができていた証拠が残されている。
一方、この時期の地球には太陽系に残されている直径500km以上の微惑星が衝突(動画)して全海洋蒸発したとされているので、海ができた時代を固定することは困難であろうが、38億年前には、海底に噴出した溶岩が固まってできる枕状溶岩が残っている。また、当時の岩石から現在の生物と同じ炭素同位体組成(12C/13C 比)等が確認され生命の痕跡である証拠も見つかっているので、38億年前には海があり、生物がいたことは間違いない。
参考: 宇宙誕生から人類誕生までの137億年を振り返る 太陽系と地球の誕生
地球史最初の10億年に迫る(2013.2.6)/(ウエブマガジン) 44億年前のジルコン
生命の誕生と40億年の進化 地球から細胞が生まれた
全海洋蒸発、40億年前、海が消えた 全海洋蒸発
38億年前 最古の生命の痕跡発見! 35億年前バクテリアのコロニーの化石
生命の進化 シアノバクテリア ストロマトライト
動画: コズミックフロントNEXT 地球誕生のミステリー
地球誕生45億年の旅 NHK 海の誕生
地球大進化~46億年 第1集 大衝突からの始まり
宇宙と地球と生命の誕生について知ることは興味深いだけでなく、今を考える原点として必要だと思い、私の関心にしたがってWeb上の資料を集めてみた。私の物語には理解不足もあるだろうが、考えを整理するには根拠となる資料が必要だ。今を考える材料として、これからも新しい資料と私の解釈の誤りを見つけたら、補充し修正していきたい。
初稿 2016.12.26