2017年10月21日(土)に開催される畜産システム研究会のテーマ「自然と地域につながる肉牛生産」について一般の方にも理解していただくために、次の4本の動画
森の哲学者 メイナク族 (37分)
牛が拓いた斉藤晶牧場(北海道旭川)(19分) 斉藤晶「おん牛と営農 」
「アインシュタインからビッグヒストリーへ」
E=mc2 エネルギーは物質の質量に光速の2乗をかけたものに等しい
E=mc2 ~アインシュタインと世界一美しい方程式~
E=mc^2~アインシュタインと世界一美しい方程式~
TED日本語:ビッグ・ヒストリー(デビッド・クリスチャン)18分
を「我々は何処から来たのか?何処へ行くのか?」と題し説明したい。
表1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/15/cf/0533d9dc05a386591271e606dabc4e90_s.jpg)
当日は5分程度で説明しなければならないので表1を中心に話すが、大切なことを言い忘れないように表2については、「TEDのビッグ・ヒストリーの話し」より短く10分でここに語っておきたい。
表2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1c/48/02ce7429d8707623966d15a62f4c8c60_s.jpg)
「我々は何処から来たのか?」は神話から科学で説明できるようになった。138億年前のビッグバンの宇宙の誕生から始まるビッグヒストリーでは、20万年前に人類が誕生し、1万年前から農業を始めたことになる。そして、人間は家族と小集団で地域に生きてきたが、機械化、分業化、都市化、グローバル化と生きる環境と生き方を変えながら、一方では生物のおかげで蓄積された石油を浪費して異常気象を発生させ、一方では核分裂や核融合の最先端技術と誇る原発や原爆、水爆の放射能で地球を住めなくして、現代の我々は「何処へ行くのか?」の問題に直面している。それは一人一人の生き方を問うと同時に、集団としての人間のあり方が問われる時代になったということだ。
生活が便利になれば個人で生きていけるかのように、人は利己的になる。一方、個人の自由な発言は組織化が進むにつれ、組織を意識した窮屈なものにもなる。
小集団の一人として必要とされる幸福から、集団が大きくなるにつれ個人の幸福を考えるのが常識ともなる。
人類は集団で生きてきたので、将来においても個人と集団の関係は変わらない。ただ、その関係が曖昧であり、生物としての本能を拭い去り、集団として悟りの境地に至ることはできないかもしれないが、「個人の尊厳」は「他者の尊重」と同じであることを深く認識することが、人類の未来を幸福にするかどうかの重要な鍵となろう。
最も重要な話はこれだけだ。しかし、「神話から科学へ」の話のためにも、宇宙の話のためにも、そして原発や原爆、水爆の話のためにもアインシュタインが欠かせない。彼はこれまでの100年を変えた20世紀の偉大な科学者となったが、物事を深く追及する若い才能は誰にも認められず、大学卒業後にスイスの特許庁にやっと職を得た。それでもずーっと光とエネルギーのことを考え続けた。我々は想像で物語を語るが、物語を数学で考え表現し、筆と紙さえあれば何処にいようが考え続け、表現することが出来るのは稀有な才能だ。
原爆の開発はユダヤを迫害したナチスドイツの原爆開発を恐れてアインシュタインがアメリカに提言した。7月16日の原爆実験成功の際にはドイツは降伏していたので原爆投下に反対する声もあったが、実験から一ヶ月も経たないうちに、8月6日に広島、8月9日には長崎に投下した。宇宙の理解に貢献した理論は人間社会で実用化されると究極の競争である戦争に利用される。今も抑止力を理由に使えないはずの核兵器を持ち続け、小型化、高層圏爆発化と多用途に使える兵器にしている。
北朝鮮も日本も政治が2代目、3代目と私物化され、思想の近交退化で国民を忘れた独裁政治が敵を理由に国民を鼓舞させる。戦前は純粋な愛国少年がいたが、今ではアメリカの植民地化政策に賛同する変な民族主義者が、アメリカとともに戦うことを国粋主義とする矛盾した国になってしまったものだ。これも現実だと言うのだろうか。
参考:敗戦から70年 日本とドイツの異なる戦後
現在の近代化とグローバル化は人類の競争がもたらした進歩であり、必然であると教えられて来たし、それが現実であると考える人は多い。しかし、その現実が問題を引き起こしていることこそが現代病なのだ。例えば石油や石炭を燃やすことから発生する炭酸ガスが地球温暖化をもたらすので、原発エネルギーに依存せざるを得ないという。石油か原発かの論議は、夜遅くまで輝くネオンの生活を前提にし、国際競争力のために日夜働き続けて電力を消費することを肯定する現代の常識が前提にある。
「規模拡大によるコストダウンと競争力の強化」という神話は工業から商業、そして農業までも常識とされている。それが現実だと多くの人が思っているが、それはビッグヒストリーから見れば一瞬の出来事だ。でもその一瞬に人は人生を賭けている。人類としては破滅に向かって走っていても、人それぞれの立ち位置によっては、破滅ではなく希望の道に見えるのだろう。
人間の集団はものごとを右か左かの論理で判断するが、私は中心に自然を置き、自然を大切にするかどうかを判断基準にしている。人類は自然の一員だからこの判断は難しいことではない。ビッグヒストリーにおいても考えられる基準だ。これが基準でないとすれば、人類はいつから人間から脱却したと言うのだろう。
私の話が現実的でないと思われる方に、日本の政治の現実を紹介しておこう。
小池百合子に騙されるな! 極右に「希望」などない.(現在:検索不能)
保守・極右の小池百合子都知事が「希望の党」代表とは喜劇か,民進党との野合は日本の政治全体をさらに安倍晋三「化」させる
LETERA「小池百合子に騙されるな! 極右に『希望』などない」.
小池は第二の安倍か<本澤二郎の「日本の風景」
日本国民よ!今度こそ騙されるな!安倍晋三と小池百合子と前原誠司と橋下徹は皆裏でつながっている!
山尾志桜里衆院議員の応援集会、漫画家・小林よしのり氏と山尾氏がそれぞれトーク
政治家が国民を軽んじ馬鹿にするのは、政治家を会社や大学の裏口入社や入学に利用できる人という程度にしか考えていない国民が、選択に迷ったら自民党に入れる伝統があるからだろう。そう思っていたら「感情的な日本人」を心配する精神科医に教えられた。感情的とは理性的でないことで、周囲に同調して「現状維持バイアス」がかかり、自分の感情を殺すことと解釈したがどうだろう?
参考:解散は詐欺師の手口 和田秀樹氏が懸念する感情的な日本人
ここで少し政治の話に入ってしまうが、今回の小池劇場は政治家の本音が見えて参考になる。安倍内閣には退陣してもらいたいが、政治手法としては希望の党に合流するのは稚拙だ。改憲派の保守一色になるのは危険なので、民主リベラルには頑張っていただきたい。新しい党を立ち上げることには賛成だけど、立憲民主党は明治を連想させてセンスがない。真面目で愚直なことは評価するが、大衆は小池劇場に踊らされているのだから、小池さんに安倍内閣を倒してもらい、中身は愚直だが看板は「平和党」のように近寄りやすいものにして、排除ではなく憲法を守る野党連合で1/3以上を取れるよう必死で頑張っていただきたい。今回の勝敗の決め手は1/3にある。
参考:リベラル新党が政権選択!<本澤二郎の「日本の風景」
それにしても、現代はサラリーマンという組織人間が多くなり、機械だけでなく人間もロボット化することを懸念していたが、自分の感情を殺すことがストレスとはならず、日本人の美徳として社会的には賛美されるようになるのだろうか?
いずれにしても、競争が社会を進歩させるという現実は、日本人を幸せにはしないと思う。「現実からのスタートではなく、現実からの脱却」こそが日本には必要だと、私は確信する。
初稿 2017.9.30 更新 2020.9.12