自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

憲法9条「戦争放棄」と「中村哲医師の志」は人類の希望である。

2019-12-31 19:32:36 | 自然と人為

 NHK番組『武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~
    ーーーーー番組の冒頭部分のナレーションからーーーーー
 この時、アフガニスタンは100年に一度と言われる大干ばつに襲われていた。飢えと渇きが、既に多くの人々の命を奪っていたのである。中村哲は医師として何ができるか、現地で考え続けていた。
 「診療所を100個つくるよりも用水路を1本つくった方が、どれだけ、みんなの健康に役立つのかわからないと、医者としては思いつきますよね。」
 中村は白衣を脱ぎ、乾いた大地を潤す用水路の建設に乗り出した。
「アフガニスタン!茶褐色の動かぬ大地、労苦を共にして水を得て喜び合った村人、尽きぬ回顧の中で確かなのは、漠々たる水なし地獄の修羅場にもかかわらず、アフガニスタンが私に動かぬ「人間」を見せてくれたことである。」(中村哲「医者、用水路を拓く」より)

 あれから15年。干からびた不毛の大地は、今、緑の沃野へと姿を変え始めた。戦乱のやまぬアフガニスタンで、干ばつと闘い続けてきた医師・中村哲の記録です。
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 中村哲医師が人生をアフガニスタンに捧げた理由は、『「不平等に対する復讐」』であり、住民の幸福を守るために、『戦争と、飢餓と、終わらない暴力の連鎖(等により、)世界で最も危険な国の一つであるアフガニスタンで、だからこそ、そこに住む人たちを決して見捨てず、人生の大半をささげてきた。最後は本人が否定し続けてきた暴力によって、命を落とした。73歳だった。』

 中村哲医師の銃撃死亡事件については、【NHKニュース9(11分/59分=19%)】【報道ステーション(22分/76分=29%)】もトップで報道したが、【NHK】では「首相談話」を報道しなかった。【報道ステーション】では安倍首相がインタビューに答えていたが、形式的なお悔やみで、さっさとインタビューから逃げたように見えた。
 【NHK】中村哲医師 死去 政界の反応 2019年12月5日でも、官房長官談話はあるが安倍首相は何も反応していない。「武器ではなく命の水を」「中村哲医師の貫いた志」は、アメリカに空爆される危険なアフガニスタンで、医師にも拘らず、否、医師だからこそ命を守るために、井戸掘りや農業用灌漑の整備に取り組んだ。
 一方、「日本の憲法は占領軍(GHQ)によって押し付けられたものであり、自国を守るためには武器が必要」として、憲法9条を改正してアメリカに協力して戦争ができる国にすることを政治使命としている安倍晋三との志の違いを見せつけられた。
 一方は民間人の志として、一方は世界と日本の国民に責任を持つ首相の志として。しかも、憲法改正を進めることは国民の声(12:12-17:50)としながら、「桜を見る会」で税金を私物化したのではないかという質問(国民の声)には、公文書管理の責任を無視して、「参加者名簿等は廃棄し、復元できない」とシャ―シャーと嘘を言い、「今後 私自身の責任において招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討する」と言う。「桜を見る会」は総理の仕事ではないだろうに、そんなに暇を持て余しているのか!
 公文書管理には無責任で、権力私物化の安倍首相が、「憲法改正」を志とすることほど危険なことはない。
 参考:武器ではなく命の水を 医師中村哲とアフガニスタン
     クローズアップ現代「中村哲医師 貫いた志」
     【報ステ】アフガニスタンで銃撃 中村哲医師が死亡
     【NHKニュース9】アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡
     【NHK】中村哲医師 死去 政界の反応 2019年12月5日
     米CIAのスパイだった岸信介!安倍晋三と麻生太郎が支配する米国の傀儡政権!
     安倍内閣総理大臣記者会見 2019.12.9(テロップ版)
     総理会見の舞台裏 語ります【官邸キャップ篠原の「永田町ウラ話」9】テレ東NEWS
     未来ビジョン073『安倍晋三元総理が訴える憲法9条改正論』2011.9.3
     首相記者会見 憲法改正「私の手で成し遂げていきたい」
     麻生氏「安倍4選」に言及ノーカット
     桜を見る会問題
     「桜を見る会」問題で「検察が動かない」理由~
     「詰んでいる」のは安倍首相の「説明」


 未来ビジョン073『安倍晋三元総理が訴える憲法9条改正論』 2011.9.3 は、冒頭で60年も前に作られた憲法は時代に遇っていないのではないか、ことに防衛問題に関して憲法9条が論議とされているとし、番組制作の意図が語られている。安倍は歴史は学者が語るべきと言いながら、「憲法はGHQの指示で作られたから自分たちの憲法を作る必要がある」と主張している。戦後のドイツ憲法はヒットラーの過ちを繰り返さないために、憲法改正には慎重である。「戦争放棄」という戦争のない平和の国を目指す志がなく、戦争ができる国にするために憲法改正を常識とする自民党や安倍晋三の理念こそがおかしい。安倍総理が危険人物であることを、メディアは何故報じない。麻生氏「安倍4選」に言及(8:50-11:00)においても、麻生副総理は「岸(元総理)は一番激しい憲法改正論者だった。安倍さんがやらなかったら岸の二の舞になるじゃないの。」と安倍4選を支持している。しかも、「ドイツのワイマール憲法が誰も知らないうちに(ナチス憲法)に変わった。あれを見習わなくてはいけない」とも発言している。自民党支配者の本音(常識)は、まるで一周遅れで日本にやってきたヒットラーのようだ。しかも、親分アメリカのご機嫌を伺いながら。

 日本の政治は日本国憲法に従って実施されている。その憲法の改正を党是として、1955年(昭和30年)に保守合同によって誕生した自民党は、日本の政治を支配し続けてきた。国民は憲法改正に積極的ではないのに、憲法改正を党是とし、憲法改正が進まぬことを批判する自民党が日本の政治を支配している。これでは政権についてから緊急事態条項の追加と全権委任法により、独裁から戦争に向かったドイツのヒットラーと同じだ。ドイツの「ナチ党台頭に学ぶ憲法改正」では、現ドイツ憲法にはナチ独裁の反省の上に立つ根本原則である憲法改正を通しても変えられない基本条項(人間の尊厳の不可侵性や基本的人権、民主的かつ社会的連邦国家、立憲主義等)があり、その上で、自由で民主主義的な憲法秩序を脅かす者への抵抗権」を定めているとしている。しかし、自民党の憲法改正草案にはナチ党の独裁を許した「緊急事態条項」が盛り込まれている。しかも日本は首相により「外部からの武力攻撃であれ、自然災害であれ、緊急事態を確認でき、内閣の発する政令は法律同等とされ、独裁的な国政運営が可能」になると警告している。この点の詳細は、「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!(動画)をぜひご覧いただきたい。
 参考:麻生氏「安倍4選」に言及
     麻生太郎副総理の記者会見に「まるで反社のよう」と批判殺到
     麻生副総理の「ナチス憲法」発言の音声
     麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書
     辻元清美
     衆議院議員辻元清美君提出
     麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問
     に対する答弁書 内閣総理大臣 安倍晋三
     ワイマール憲法下のドイツがヒトラーを生んだ。
     この教訓は全ての国の人が学ぶべき!
     ナチスの手口に学んだ憲法改正はいけない!
     前文部科学事務次官 前川喜平氏講演会 「憲法とわたし」 2018.4.17
     田原総一朗「ドイツ(現)憲法の『緊急事態条項』と自民党案の決定的な違い」
     憲法改正「緊急事態条項」は本当に必要なのか?
     被災者を支援してきた弁護士が分析


 戦争への備え(国を守るための軍備)が、戦争を生む原点となる。使えないはずの核兵器を小型化することは、小型の破壊、殺戮兵器なら使うことを想定しており、将来の戦争は敵味方ともに多くの国民を破滅させることは必然である。したがって「戦争放棄」は、人類の将来に必要であり、武器よりも信頼と他者を尊重する外交こそが人類の責任である。政治は日本や世界の国民を幸福にする責任がある。国民の幸福を示さないで、日本を大改造するために憲法改正を考えるとは、日本の未来を、そして国民をどこに導こうと言うのであろう。

 中村哲医師は、100年に一度と言われる大干ばつに襲われたアフガニスタンで、白衣を脱ぎ、乾いた大地を潤す用水路の建設に乗り出した。民間人が民間の寄付金3億円の事業で、アフガンの人々の命を救い、生きる希望を与えた。しかし、大地は広くまだまだ残された土地は膨大だ。
 これに対して日本の安倍内閣は憲法の「戦争放棄」が、国民のためではなく親分のアメリカの指示に従って軍事支援するためには邪魔だと考え、「専守防衛」であるはずの自衛隊に、1機116億円もする敵地攻撃用の米国の最新鋭ステルス戦闘機・F35戦闘機を購入し、その発着艦とするために海自護衛艦「いずも」を31億円で「空母化」した。さらに、安倍政権は新たな中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度の5ヵ年計画)で約 27.5 兆円の大軍拡計画を決定し、来年度予算案では軍事費 5兆 2574 億円を計上している。これだけの経費をアフガニスタン支援等に使い、自衛隊の任務を殺戮破壊ではなく、自然環境を守り、災害救助等を任務とする国際支援隊に武装解除する方が、世界の人類の未来に大きな希望を持たせることになる。言葉はその人の信じている物語を紡ぐが、それが真実かどうかは科学的思考力を必要とする。

 消費税を10%に引き上げて国民生活に負担をかける一方で、軍事費を膨大化させ、戦争のできる国にする政治家など国民にとって迷惑な存在で、いらない!総理も副総理も国家権力を私物化し、憲法改正を目指す等、志も理念もない、アメリカを親分とする史上最低最悪の反社会的政治家達だ。しかし、国民にも戦争に対する責任があるにもかかわらず、その国民が戦争の可能性を増した長期政権を認めている。過去の戦争も大変だったが、次の戦争は小型核兵器の使用も含めて、人類滅亡の可能性もある。それでも良いのだろうか?


初稿 2019.12.14 更新 2019.12.31(動画等追加)

「BSE問題について考える」論説(復旧版)

2019-12-29 20:45:36 | 自然と人為

1. 三谷克之輔BSEの感染源について考える
  畜産システム研究会報,30号,105-120.(2006)

2. シンポジウム「BSEと飼料問題」
  共催 日本獣医畜産大学ハイテクリサーチセンター
  日本獣医畜産大学ハイテクリサーチセンター様には、大変お世話になりありがとうございました。畜産システム研究会会報29号30号を含めて、このブログで公開させていただく予定ですが、ここでは私が直接発表した部分(BSEの感染源について考える)のみを公開させていただきました。
 2-1) BSE調査報告書の問題点と今後の課題
      畜産システム研究会報,29号,17-40.(2005)
       (参考資料1)  (参考資料2-1)  (参考資料2-1-2)
       (参考資料2-2)  (参考資料2-3) (pdfファイル)
 2-2) BSE全頭検査は非常識か? --BSEの常識を考える--
      畜産システム研究会報,29号,93-98.(2005)  (pdfファイル)

3. 「代用乳使用とBSE発生は関係があるとはいえない」のは本当か?--BSE疫学調査報告書におけるカイ二乗検定の問題点--
   畜産システム研究会報,27号,127-132.(2004) (pdfファイル)


 この調査の時点において、BSE患畜は全国で7頭しか確認されていないのに、BSE発生農家の周辺を調査して「代用乳使用とBSE発生は関係があるとはいえない」という。これは、統計的方法ではなくてフィクションである。

4.農水省によるBSEの感染源及び感染経路の調査
 4-1)BSEの感染源 及び感染経路の調査について

   https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/bse/b_kansen/pdf/h150930.pdf
        (農水省 平成15年9月) 2003.9.30 p.43-46(カイ二乗検定の解説)

4-2) 第2次中間報告の概要 平成14年3月 農林水産省生産局
        https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/bse/b_kansen/pdf/h140315-1.pdf

4-3) 感染源及び感染経路の調査 平成13年~平成19年

5. 英国とEUにおけるBSE発生と防除対策
  肉用牛研究会報,特別号,21-47.2002. (pdfファイル) 現在、データー回復検討中
6. BSEによる生産・流通・消費システムの破綻と再構築
  畜産の研究,56(12),1267-1276.2002. (pdfファイル) 現在、データー回復検討中
 「Yahoo!ジオシティーズ」終了のため、無料FTPソフトでデータを回復したいと思っていますが、うまく使えません。2020年3月末までに成功しないと、消去されてしまいます。それまでに回復しない場合は、この部分はカットさせていただきます。

なぜ突然、ここでBSEなのか?
 農林水産省の「温厚で常に冷静」であった元事務次官が長男を殺害した不幸な事件があった。現在76歳なので私と同年齢だ。同年齢で農水省の高官なら、BSE事件に関係があったはずだ!彼は「2001年に事務次官に就任」したが。2002年に国内でBSEが発生し、「BSE問題の責任を問われる形で退官」している。彼は理性で出世したが、病的症状の息子さんに対しては、「できるだけ寄り添ってきたつもりだが辛い人生を送らせた」と言う。愛情で理屈抜きに息子さんを抱きしめることがなかったのかもしれない。この事件について私には語る資格はないが、この事件を知ったことで、私が興味を持ち、仕事としてきた畜産システム研究会の内容(会報)をブログに残しておこうと思った。これがその最初の作業となる。
 参考:「羽鳥慎一モーニングショー」 2019年12月17日(火)放送内容
     元農水事務次官の長男殺害に懲役6年、なぜ事件は防げなかったのか



2014.12.11 ブログ移転更新 2019.12.29 復旧版作成 更新 2020.5.6

ネットで学ぶ「終戦~新憲法制定まで」:旧憲法下で内閣がしたことの意味

2019-12-08 21:41:31 | 憲法を考える

 安倍首相の愚かな政治権力の私物化は、戦後の自民党政治の伝統であり、馬鹿げた利害関係のみで成立している政治は、もう終焉を願いたいものだ。

 旧憲法下の終戦時の鈴木貫太郎内閣(1945年4月7日から1945年8月17日)の置かれた状況は、『5月8日にドイツ軍が無条件降伏し、日本本土空襲も日増しに激しくなり、産業の現状から継戦は困難であったが、徹底抗戦を求める軍部の圧力を受けて「敢闘精神を補えば本土決戦は可能」とした。しかし、6月23日には沖縄における組織的戦闘が終結し、日本の敗色は濃厚となっていった。6月22日の御前会議で「ソ連を仲介とした米英との講和交渉」を決定した』が、すでに2月に実施されていた米英ソの首脳によるヤルタ会談の密約で対日参戦を決めていたソ連はこれを拒絶した。

 『7月26日にアメリカ合衆国・中国・イギリスの首脳名で発表された降伏勧告ポツダム宣言に対して、鈴木首相は同月28日に「政府としては重大な価値あるものとは認めず黙殺し、斷固戰争完遂に邁進する。」とコメントした。しかし8月6日に広島、8月9日には長崎に原子爆弾が投下されて壊滅的な被害を受け、同じ9日にはソ連軍が満州国に侵攻した(ソ連対日参戦)。この8月9日深更から開かれた最高戦争指導会議および閣議の御前会議は、ポツダム宣言を受諾して降伏するか、あくまでも本土決戦を期して戦争を遂行するかで議論は紛糾した。鈴木首相は昭和天皇の聖断を仰ぎ、「国体護持」を条件として、ポツダム宣言受諾に意見統一し、国民に対しては8月15日正午から、ラジオ放送を通じて、天皇自ら終戦の詔書を朗読する形で、ポツダム宣言の受諾が伝えられた(玉音放送)。』なお、『』の部分は鈴木貫太郎内閣から抜粋引用した。

 敗戦の責任を取り辞職した鈴木貫太郎の後を継いで、『ポツダム宣言受諾(降伏予告)の3日後にあたる1945年(昭和20年)8月17日、憲政史上最初で最後の皇族である東久邇宮稔彦王が内閣総理大臣に任命された。日本の降伏予告に納得しない陸軍の武装を解き、ポツダム宣言に基づく終戦にともなう手続を円滑に進めるためには、皇族であり陸軍大将でもあった東久邇宮がふさわしいと考えられたためであり、昭和天皇もこれを了承した。東久邇宮は最初、総理拝命を固辞しようと考えていたが、敗戦にやつれた天皇に懇願されて意思を変えたという。連合国による占領統治の開始が滞りなく開始されるように、受け入れ準備に万全を期し、玉音放送が行われて18日後の9月2日には東京湾沖のミズーリ号上で日本軍ならびに日本国政府全権代表により日本の降伏文書に調印がされ(日本の降伏)、正式に太平洋戦争(大東亜戦争)は終結し、軍の解体と復員、行政機構の平時化、占領軍受け入れ等を実施した。』

 また、『平和運動の第一人者だった賀川豊彦と戦後の秩序回復と生き方について相談し、「早急に国民に呼び掛けて、キリスト教徒もそうでない者も一つになって、過去における生き方、考え方を反省し、懺悔をする運動を起こしたらどうでしょうか」と提案を受けて、「一億総懺悔」』を実施した。これは単なる為政者側の責任逃れではない。戦時中は、反戦の言動は「非国民」と世間から爪弾きされた。今日でも平和に恵まれながら、他者を尊重しないで自己の利益のみ考えている人は多い。親から、神から授かった「命」を大切にしないで、日本人はどっちを向いて歩いているのだろう。今も「一億総懺悔」が必要と思うのは、私だけであろうか?

 一方、『内務省は、モーニングコートを着用し直立する「現人神」の昭和天皇が、略装の軍服を着用し腰に両手を当ててやや体を傾ける姿勢のダグラス・マッカーサーと並び立っている会見写真の公表を阻止するために、山崎巌内務大臣の権限で記事掲載制限及び差止め措置(発禁処分)を実施し、東久邇宮も同意したが、GHQは日本政府に対して会見写真の公表を迫り、これに従わない場合は山崎を逮捕して軍事裁判にかけ、内閣には総辞職を命じるとの通告を行った。これを受けて、山崎内相は発禁処分を撤回した。GHQは10月4日に「政治的、公民的及び宗教的自由に対する制限の除去の件(覚書)」(人権指令)を指令し、治安維持法などの国体及び日本政府に対する自由な討議を阻害する法律の撤廃、特別高等警察の廃止、内務大臣以下、警保局長、警視総監、道府県警察部長、特高課長などの一斉罷免を求めた。 (中略) 東久邇宮と内閣の大番頭緒方竹虎は対応を協議し、GHQの指令の不合理に対する抗議の意思を明らかにするために辞職するとの結論に至り、翌日内閣総辞職した。』
 なお、東久邇宮は『1960年(昭和35年)、六十年安保闘争をめぐる騒動で、石橋湛山・片山哲とともに三人の首相経験者の連名で時の首相岸信介に退陣を勧告』していることも、戦後の自民党政治とは一線を画するものであった。『』の部分は「東久邇宮稔彦王」より引用。

 戦後の新憲法は、大正末から昭和初期にかけて対英米協調を旨とする幣原外交を展開していた幣原喜重郎が首相となり制定したもので、日本国憲法をつくった男 宰相 幣原喜重郎 (朝日文庫) という本も出版されている。ことに幣原喜重郎元首相が語った 日本国憲法 - 戦争放棄条項等の生まれた事情について幣原喜重郎の「憲法9条」掛け軸発見 軍備よりソフトパワーに認められる憲法9条の「戦争放棄」は世界に誇れる偉大な業績だ。

 『「日本国憲法 - 戦争放棄条項等の生まれた事情について」は、幣原が亡くなる10日ほど前の、1951年・昭和26年の2月下旬に行われ、幣原は、『口外無用』として衆議院議員であり、幣原の秘書官であった平野三郎に語ったとされる。平野は、「昨今の憲法制定の経緯に関する論議の状況にかんがみてあえて公にすることにした」とし、『幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について』と題されたその文書は、1964年・昭和39年の2月に憲法調査会事務局によって印刷に付され調査会の参考資料として正式に採択された。』
 参考:衆議院憲法審査会
     高柳賢三

 幣原は憲法9条の戦争放棄について、次のように語っている。『次の戦争は短時間のうちに交戦国の大小都市が悉く灰燼に帰して終うことになるだろう。そうなれば世界は真剣に戦争をやめることを考えなければならない。そして戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証になる。』

 (他日独立した場合、敵が口実をつけて侵略したら)との質問に対しては、
 『その場合でもこの精神を貫くべきだと僕は信じている。そうでなければ今までの戦争の歴史を繰り返すだけである。然も次の戦争は今までとは訳が違う。僕は第九条を堅持することが日本の安全のためにも必要だと思う。』

 (憲法は先生の独自の御判断で出来たものですか。一般に信じられているところは、マッカーサー元帥の命令の結果ということになっています)に対しては、
 『そのことは此処だけの話にして置いて貰わねばならないが、〈中略〉憲法は押しつけられたという形をとった訳であるが、当時の実情としてそういう形でなかったら実際に出来ることではなかった。そこで僕はマッカーサーに進言し、命令として出して貰うように決心したのだが、これは実に重大なことであって、一歩誤れば首相自らが国体と祖国の命運を売り渡す国賊行為の汚名を覚悟しなければならぬ。〈中略〉幸い僕の風邪は肺炎ということで元帥からペニシリンというアメリカの新薬を貰いそれによって全快した。そのお礼ということで僕が元帥を訪問したのである。それは昭和二十一年の一月二十四日である。その日、僕は元帥と二人切りで長い時間話し込んだ。すべてはそこで決まった訳だ。世界の共通の敵は戦争それ自体である。』『』の内容は「幣原喜重郎元首相が語った 日本国憲法 - 戦争放棄条項等の生まれた事情について」から引用した。現在の改憲論者に熟読をしてもらいたいものだ。

 本日は真珠湾攻撃(太平洋戦争開戦)から78年目を迎えた。「おしん」(動画)は1983年(昭和58年)4月4日から1984年(昭和59年)3月31日まで放送されていたNHK連続テレビ小説で、現在も再放送中だが、戦争がどんなに庶民の生活を破綻させるかを訴えた反戦ドラマだと思う。「戦争は将来を含めて終わらせる。軍備は廃棄する。」という意味を含めて、今回の戦争も敗戦ではなく、終戦宣言と言うべきだ!そして、「自衛隊」をアメリカの戦争に参加させるのではなく、武器を捨て「世界災害救助隊」にすることこそ、憲法9条の「戦争放棄」の趣旨に沿ったものとなろう。


初稿 2019.12.8


ブログ等から学ぶ人生と政治・経済

2019-12-05 12:48:26 | 自然と人為
himikana.TV 目からウロコの財政金融基礎知識/大西つねき 質疑応答 2016/10/02
新党憲法9条 天木直人✕フェア党 大西つねき特別対談「自由・自立・共生への道」
大西つねきの週刊動画コラム
vol.39 「日本の戦後について(1)」 2018.8.13 vol.41「日本の戦後について(2)」 2018.8.27
vol.1_2017.11.14:衆議院選の総括と今後の活動について
vol.2_2017.11.20:何故、あえて政治家か?
vol.3_2017.11.27:大西つねきの色々秘話
vol.4_2017.12.4:大きな時代の流れ
vol.5_2017.12.11:パラダイムシフト
vol.6_2017.12.18:財源論をぶち壊せ
vol.7_2017.12.25:お金の発行のしくみ
vol.8_2018.1.8:政府の借金=お金の発行
vol.9_2018.1.15:お金の発行の仕組みの本質
vol.10_2018.1.22:天木さんとの対談を受けて
vol.11_2018.1.29:仮想通貨とブロックチェーン
vol.12_2018.2.5:仮想通貨補足と党大会お知らせ
vol.13_2018.2.12:若者たちよ怒れ!
vol.14_2018.2.19「マイナンバーと個人情報 」
vol.15_2018.2.26「経済成長信仰を打破せよ! 」
vol.16_2018.3.5「フェア党の理念 」
vol.17_2018.3.12「真実の時代へ 」
vol.18_2018.3.19「財務省のウソ(1) 」
vol.19_2018.3.26「財務省のウソ(2) 」
vol.20_2018.4.2「財務省のウソ(3) 」
vol.21_2018.4.9「政府通貨の疑問に答える 」
vol.22_2018.4.16「政府通貨の疑問に答える (2)」
vol.23_2018.4.23「正しいベーシックインカム(1)」
vol.24_2018.4.30「正しいベーシックインカム(2)」
vol.25_2018.5.7「国家経営の本質」
vol.26_2018.5.14「個人の自立と他者への尊重」
vol.27_2018.5.21「日本から世界を変えよう」
vol.28_2018.5.28「売国政策を糾弾する」
vol.29_2018.6.4「アベノミクスの功罪(1)」
vol.30_2018.6.11「アベノミクスの功罪(2)」
vol.31_2018.6.18「アベノミクスの功罪(3)」
vol.32_2018.6.25「告知、その他いろいろ」
vol.33_2018.7.2「脱資本主義の旗を掲げろ」
vol.34_2018.7.9「個人の自由が全て」
vol.35_2018.7.16「資本主義がダメな理由(1)」
vol.36_2018.7.23「資本主義がダメな理由(2)」
vol.37_2018.7.30「生産を強制する社会」
vol.38_2018.8.6「民主主義について」
vol.39_2018.8.13「日本の戦後について(1)」
vol.40_2018.8.20「Japan should help Turkey」in English
vol.41_2018.8.27「日本の戦後について(2)」
vol.42_2018.9.3「皆さん、政治のお時間です」
vol.43_2018.9.10「今後についてもろもろ」
vol.44_2018.9.17「東京オリンピックを真剣に返上しよう」
vol.45_2018.9.24「大西つねきの政治の原点(1)金融編」
vol.46_2018.10.1「大西つねきの政治の原点(2)震災編」
vol.47_2018.10.15「消費税と今後の活動について」
vol.48_2018.10.22「オリンピック返上と消費税ゼロ集会」
vol.49_2018.10.29「個人の心の自由」
vol.50_2018.11.5「新オフィスと色々やりたいこと」
vol.51_2018.11.12「新しい著書のご紹介」
vol.52_2018.11.19「土佐桂浜より」
vol.53_2018.11.26「新潟講演を終えて〜ほうちゃんゲスト」
vol.54_2018.12.3「外国人労働者について」
vol.55_2018.12.10「いい加減にしなさい!」
vol.56_2018.12.17「憲法改正について」
vol.57_2018.12.24「イエローベスト運動について」
vol.58_2018.12.31「経済バカを断捨離せよ」
vol.59_2019.1.7「今年についていろいろ」
vol.60_2019.1.14「大きな戦略」
vol.61_2019.1.21「告知いろいろ」
vol.62_2019.1.28「真剣に政党政治をやりましょう」
vol.63_2019.2.4「我々自身が変わらなければいけない」
vol.64_2019.2.11「日本病の正体(1)」
vol.65_2019.2.18「日本病の正体(2)」
vol.66_2019.2.25「日本病の正体(3)〜土地問題」
vol.67_2019.3.4「日本病の正体(4)~どうすべきか?」
vol.68_2019.3.11「震災から8年」
vol.69_2019.3.18「フェア党活動活性化」
vol.70_2019.3.25「本質的に変えよう」
vol.72_2019.4.2「本当の自分を生きるには」
vol.73_2019.4.8「ワクワクする選挙をやるには」
vol.74_2019.4.15「どうやって政治をやろう?」
vol.75_2019.4.22「自由のために戦え」
vol.76_2019.4.29「MMT(現代貨幣理論)について」
vol.77_2019.5.6「山本太郎氏のれいわ新選組について」
vol.78_2019.5.13「MMT(現代貨幣理論)の前に理解すべきこと(1)」
vol.79_2019.5.20「MMT(現代貨幣理論)の前に理解すべきこと(2)」
vol.80_2019.5.27「日銀と通貨発行権の誤解について」
vol.81_2019.6.3「日本の不動産について」
vol.82_2019.6.10「日本一まともな年金の話」
vol.83_2019.6.17「理想主義者が世界を変える」
vol.84_2019.6.24「お金で考えてはいけない」
vol.85_2019.7.1「銀行業のあり方」

vol.1B_2019.5.8 「なぜ若者たちがやりたいことを見つけられないか?」
vol.2B_2019.5.16 「自由と反逆の作法」
vol.3B_2019.5.23 「自由とエゴと愛と」
vol.4B_2019.5.30 「借金ってなあに?〜9歳の女子からの質問」
vol.5B_2019.6.6 「仕事の概念と男女の役割」
vol.6B_2019.6.13 「私の時間の使い方」
vol.7B_2019.6.20 「れいわ新選組と大西つねき」
vol.8B_2019.6.27 「投資って何だ?」
vol.9B_2019.7.4「参議院選挙」

大西つねき 公式ウェブサイト(2)

『じっくり学ぼう!日本経済』予告編 第1回~41回 上念司編 
2013/06/03 第1回バブルの原因・・・の原因になった事件?
2013/06/10 第2回プラザ合意は、なんで起こった?
2013/06/17 第3回プラザ合意でどうなった?なんで株高?
2013/06/24 第4回バブル崩壊の最初の一歩は街金業者?
2013/07/01 第5回土地バブルの原因は...日銀の窓口?
2013/07/08 第6回 アベノミクスとバブル期は大違い!でも、日銀は...
2013/07/15 第7回 経済報道に気をつけろ!ダマシ報道3つのポイント
2013/09/14 第8回 池上彰の台本を粉砕?議論をするな、印象操作をしろ!
2013/10/15 第9回 橋下徹にもの申す!理論的に、とにかく繰り返し語れ!
2013/10/27 第10回 池上彰のそうだったんだ!も要注意?ものごとを逆さまに捉える!
2013/10/27 第11回 株価暴落の原因は...年金?!〜壮大なスケールで語れ!
第12回 ちょっと危険な思い込み?お花畑な「思考停止のキーワードとメカニズム」
第13回 「最低でも両論併記に持ち込め!」世界って中国・韓国・ドイツだけ?
第14回 消費税増税もTPPも設計主義?スパイの嘘に騙されてる人のロジックとは?
第15回 「エリート無謬説」高学歴官僚、ユニクロ柳井正氏のような有名経営者は全て正しいの?
第16回 農本主義・反TPPは攘夷論?極端な反論・思考停止には要注意
第17回 大爆笑!お母さんはニセ札づくりの名人!? 国家財政を家計で語る愚かさ
第18回【超スペシャル版】 KAZUYAが訊く!じっくり学ぼう日本経済
第19回【超スペシャル版 PART 2】 KAZUYAが訊く! じっくり学ぼう日本経済
第20回 消費増税レトリックの矛盾を突く ~ 財政均衡主義
第21回 基軸通貨は加山雄三、若大将?!紫のナニかが海の向こうからぞわぞわ〜っ!
第22回 『経済学者達の闘い』 ~ 反リフレ派の分類とは
第23回 マクロ経済政策無効論 ~ 構造改革至上主義とは
第24回 財政政策至上主義~公共事業万能論とは
第25回 デフレだっていいじゃない!?~良いデフレ論の罠とは
第26回 構造的デフレ説!?
第27回 ソ連が崩壊した理由
第28回 嘘つきに騙されない為に
第29回 新自由主義批判を点検する!~批判の家元たち、その衝撃の素性~
第30回 新自由主義批判を点検する!~【歴史歪曲】ケインズ経済学は共産主義です!~
第31回 新自由主義批判を点検する!~新自由主義の最大の敵は市場原理主義~
第32回 新自由主義批判を点検する!~ツッコミ上手に対案不要、ひたすらdisれ資本主義!
第33回 新自由主義批判を点検する!~世界は新自由主義化?但し、例外の方が多い
第34回 新自由主義批判を点検する!~嫁いびり遺伝子は新自由主義の防波堤
第35回 新自由主義批判を点検する!~結局、新自由主義批判は新〇〇主義だった!
第36回 タイトル失敗!?『悪中論』が誕生秘話
第37回 閲覧注意!グロすぎるチャイナショックの中身
第38回 大躍進したら4500万人も死んでしまった理由
第39回 危険すぎる資源外交の裏側
第40回 独立採算?人民解放軍という「会社」
第41回 回避不可!?悪性インフレと金融メルトダウン


『じっくり学ぼう!日本経済』第42回~56回 大西つねき編

第42回 経済システムの問題点! 〜何がいけないのかを知る〜 2015/11/30
第43回 税金で国の借金は返せない!? 〜そもそも国債って何?〜 2015/12/7
第44回 お金って何?誰が発行するの? 2015/12/14
第45回 借金がお金を増やす仕組みだった!? 2015/12/21
第46回 お金のヒエラルキーと経済 2015/12/28
第47回 お金が裏付ける価値を考える 2016/1/6
第48回 「経済」の意味に背くお金のシステム 2016/1/13
第49回 一億総借金漬け!〜利息で増え続けるお金の謎〜 2016/1/20
第50回 植民地支配的になってしまった経済活動 2016/1/27
第51回 1兆円紙幣を年間100枚で国債問題は解決!? 〜政府紙幣発行のすすめ 2016/2/3
第52回 インフレの方が人間らしい暮らしに!? 〜政府紙幣発行の弊害を考察〜 2016/2/10
第53回 日本人の生産性が低いのはウソ 〜日本の巨大貿易黒字から考える 2016/4/25
第54回 300兆円のタダ働きをしてきた日本人 2016/4/27
第55回 バブルの功績と罪 〜問題は土地担保融資制度 2016/4/29
第56回 企業経営とは違う!国家経営の本質 2016/4/30

大西つねきNo.42-No.56 天野統康No.57(1-4) 長野聡No.65-69 松田学No.70-76

第57回-1 誰に支配されている!? 〜お金に支配された民主主義 天野統康
第57回-2 なぜ増えない?日本のGDP 〜経済学の作為 天野統康
第57回-3 見えざる権力者が欺く!資本主義経済の世界 天野統康
第57回-4 アベノミクス三本の矢と歪んだ経済学 天野統康
第58回 経済ハルマゲドン本の現在〜 【CGS 日本経済 上念司】
第59回 国家は破綻する!?・日銀は倒産するのか? 【CGS 日本経済 上念司】
第60回 衝撃の本!? 〜実はノーリスク信仰の言い訳?〜 【CGS 日本経済 上念司】
第61回 ハルマゲドン本 〜国家破産は本当に起きるのか?〜 【CGS 日本経済 上念司】
第62回 2025年に国家破産!〜そんな予想は間違ってる?〜 【CGS 日本経済 上念司】
第63回 日本国債が暴落!?〜逆神が語る経済予想〜 【CGS 日本経済 上念司】
第64回 時代遅れの経済本〜実態の無い経済予想〜【CGS 日本経済 上念司】
第65回 紙幣主義日本【CGS 長野聡 日本経済】
第66回 信用とお金の関係性、お金の本質とは?【CGS 長野聡 日本経済】
第67回 お金の信用はドコからくるのか?【CGS 長野聡 日本経済】
第68回 仮想通貨の仕組みと将来【CGS 長野聡 日本経済】
第69回 一隅を照らすために【CGS 長野聡 日本経済】
第70回 どうなってるの?日本の財政【CGS 松田学 日本経済】
第71回 消費税 ホントのハナシ【CGS 松田学 日本経済】
第72回 まだ話足りない!消費税 ホントのハナシ2【CGS 松田学 日本経済】
第73回 ここがヘンだよ日本の税金!!【CGS 松田学 日本経済】
第74回 財務省なんていらない!?【CGS 松田学 日本経済】
第75回 見える化すれば財政は良くなる!?【CGS 松田学 日本経済】
第76回 暗号通貨で未来が変わる!〜「みらいのお金」のお話〜【CGS 松田学 日本経済】


安冨歩、経済学を語る!
自分を強くする真の知的思考と虚勢と弱さしか身につかない偽りの知的思考の違い 安冨歩東京大学教授
偽りの人生を抜けて真実の人生を生きる方法〜他人からの押しつけから逃れてやりたい事をやる〜安冨東大教授


初稿 2019.12.5 更新 2020.2.20(ブログ目次削除) 目次修正 2020.2.24


ギブミーチョコレート!

2019-12-02 11:02:18 | 物語


 戦時中生まれの私の戦後の思い出は、幼少時代に山陽道を走る占領軍のジープの列を見つけると、「ギブミーチョコレート!」と年長者について追ったことだ。その時の子供の心には、多少は卑しさを恥じる心はあったけど、日本を破壊した鬼畜米兵だという思いはない。広島県生まれだが、岡山県に近い町で育ったので、原爆の脅威も怒りも実感はしていなかった。それが子供なのだとは思うが、DISH//「ギブミーチョコレート!」(動画)には驚いた!!戦争を知らない世代かもしれないが、関係者がこの言葉の意味を誰も知らないことはないはずだ。貧しい子供の世界の歌でもない。不良っぽい高校生?が不良っぽい若い女の子に「ギブミーチョコレート!」とは?! 今の時代の価値観というか、感じ求める力が変わってしまったのか?

 ローマ教皇が核兵器の抑止力も否定も、「現実の政治と宗教とのせめぎ合い」ではない。平和のために動かない政治に対して、沈黙できない宗教の叫びだ!堕落した政治を日本では宗教団体が支えている。安倍一強ではなく、価値観の多様化でもなく、価値観の麻痺であり、今は生きる意味を喪失した時代だと思う。
 先日、中曽根康弘元首相がなくなった。“昭和を知る最後の首相”とメディアはその功績を称えている。亡き人に温かい感謝の意を注ぐのが日本の伝統とは思うが、海軍将校として終戦を迎えた中曽根氏は、1947年に衆議院議員に初当選、その後、「不沈空母」発言や憲法改正等で日本を戦前に引き戻す政治家だったと思う。明治維新がそうであったように、市民革命を知らない日本には国民第一の真の民主主義政治は育っていない。

 ここに敗戦直後に長崎で、米軍カメラマン、ジョー・オダネル氏により撮られた一枚の写真がある。
  「焼き場に立つ少年」(動画)
  『「焼き場に立つ少年」の証言』(動画)
 1枚の写真は状況を語ることはないけど、戦争の悲惨さを強く伝えてくれる。例えこの少年が母を探していたとしても、おんぶした幼子が2か月後に亡くなったとしても、写真の伝える戦争の悲惨さが変わるものではない。そして今でも、戦勝国であれ敗戦国であれ、戦争の悲惨さは変わらない。むしろ核兵器の小型化は市民の被害の可能性を高めている。太平洋戦争における日本の戦争責任は今も、いつまでも忘れられるものでもない。自衛隊と言うけど世界の平和は戦争の準備で守られるものでは決してない。憲法違反だから自衛隊を持てるように憲法を変えるなど、本末転倒だ。世界に災害をもたらす軍備を廃棄して、世界の災害救助や、災害防止に自衛隊の任務と装備を変えるべきだ。それが人類の進歩というものだろう。

 今こそ、戦争というものの実態を見つめて、フィクションとして語られる仮想敵国への備え、すなわち戦争への備えの愚かなことを、そしてその道を歩む政治を許さないように、日本の戦争記録について心に刻んでおこう。世界の志向は、国粋的思考から地球市民的思考へと確実に移行している。万が一、無防備な国を侵略する泥棒のような野蛮な連中がいたとしても、そこに住む人々のしっかり確立した個人の尊厳な魂まで奪うことはできない。仮想敵国のフィクションこそが、人類が生きる尊厳を奪ってしまうことをしっかりと肝に銘じておこう。
 原爆投下後の長崎で微笑む少女(動画)
 占領時代、米軍の日本での行動が赤裸裸に記録されていた
    動画:Japan: Our Far East Partner - The Big Picture
       (極東アジアでの朋友:日本【ザ・ビッグ・ピクチャー】)
 戦後すぐの日本を捉えた映像記事4選
 神戸大空襲で破壊し尽くされた街並みが衝撃的
 【昭和20年代の沖縄】アメリカ支配下にあった沖縄の貴重映像


初稿 2019.12.2 更新 2019.2.4