自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

「国を守る」ことは「憲法を守る」こと~何故、憲法9条を「戦争放棄」と素直に表現しないのか!(追記)

2019-05-21 22:42:17 | 自然と人為

 最近、YoutubeにNHK番組を投稿したら著作権違反で、使用できなくなった。さらにFacebookに投稿していた動画も見れなくなったので、ブログ「自然とデザイン」に動画を掲載する方法はOnedriveしかないかと思っていた。そうしたらブログ「ジャーナリスト同盟」も強制的に閉鎖!されたようで、これは新「日本の風景」として紹介させていただくことにした。令和の最初の「憲法記念日」に放送された「令和の時代 憲法を考える」(動画)も一時消去されたので、早めにご覧いただき、とりあえず動画のアドレスを記録しておくことにする。
https://www.facebook.com/100029053170448/videos/200657564246015/?id=100029053170448
 いずれにしても、YoutubeもFacebookも、メディアもネット社会も、政府に従って言論統制に協力する嫌な時代になったもんだと思う。

 私のブログで、『憲法の「平和主義」と「戦争放棄」の違い』について書いたことがある。今、「平和主義」の名のもとに「平和」が脅かされそうな危険な政治が蠢く「令和」の時代を迎えている。
 「平和主義」の表現は曖昧で、「平和主義」と言いながら、一方では国を守るために武力の保持は当然だという考え方が前面に出てくる。武力で国を守るのが、現実的で平和だという考えだ。こうして日本が世界に宣言している「戦争放棄」の憲法は否定され、戦争は世界からなくならない。平和は一国だけでは守れないから、世界に呼びかける必要がある。かといって、気に入った国同士が徒党を組もうと呼びかけるのはみっともない。日本は戦争の責任を取り、自ら「戦争放棄」を宣言した。一方、仮想敵国を作ることは、アメリカ属国を続けるには有利に働く。NHKは何故、北朝鮮のロケット発射を騒ぎ立てるのか。北の脅威を国民の日常生活に持ち込むこと自体が、「戦争放棄」の憲法違反行為だとも言えるぐらい、憲法9条は気高い理想を掲げている。
 日本国憲法第2章に明記されている【戦争放棄】は、明瞭に【軍備及び交戦権の否認】を世界に宣言している。「平和主義」と「戦争放棄」は同じ4文字なのに、何故、憲法9条に明確に書かれている「戦争放棄」をNHK、自民党、公明党、日本維新の会、希望の党などは使わないのか。2枚舌、二重人格だ!

 令和の最初の「憲法記念日」に放送された「令和の時代 憲法を考える」(動画・削除! Facebook:動画で、NHKは自民党の指示に従ったのか、しきりに「憲法改正の是非」を問うている。私は「憲法記念日」は憲法を大切に考える日だと確信しているので、ここでは何故、国民が求めていない「憲法改正の是非」を憲法記念日にNHKは問うのか考えてみたい。


 自民党の憲法改正案について、上記4項目(自衛隊の明記、緊急事項、参議院の合区解消、教育の充実)を改正すべきとし、自衛隊を「国防軍」にする話がないまま、NHK番組では4項目の是非を問うている。「参議院の合区解消」と「教育の充実」は憲法を改正する必要はないので、明らかにカモフラージュだと思うが、まさか「軍国主義教育」を復活させるために憲法9条が邪魔だと思っているのではなかろうね?! 一方、「緊急事項」については一切論議されていないが、これこそ憲法改正の真の目的だからそーっとしているのか?「緊急事項」の問題については、「5.3憲法集会2019」で 高山佳奈子氏 (京都大学教授)(動画)が指摘しているように、災害対策基本法で対応できる。自然災害以外の緊急事項とは何を示すのであろうか?憲法に「緊急事項」を入れることには多くの問題が指摘されている。
 参考:護憲 vs 改憲 アベ改憲のアレがそーとーキテる(動画)
     ヤバすぎる緊急事態条項特集(動画)
     「改憲のもう一つの危険な狙い 自民党草案(緊急事態条項)」(動画)
     自民党の憲法改正の本丸・緊急事項の危険性(動画)
     殆どの日本人が知らない自民党憲法草案の危険性② 「緊急事態条項」(動画)
     「令和新時代に新憲法を」の大合唱が始まる!?(動画)


 NHK番組では、憲法に「自衛隊の明記」することの「憲法改正の是非」が問われ、自民党は、「自衛の措置をとるための実力組織として自衛隊を保持」することは、今までの9条の「戦争放棄・軍備及び交戦権の否認」と矛盾するものではないと主張し、学者が自衛隊は憲法違反だというから、憲法9条に自衛隊の存在を明記したいと言う。自衛隊をアメリカの誤ったイラク戦争に派遣するなど、海外に活動の場を拡大している理由も、自衛のためだと説明するのか?正直者の顔をしながら、堂々たる詭弁に徹する政治家。国を守るために「武力」が必要と、「戦争放棄」の崇高な「日本国憲法」の意志を無視し、嘘を嘘とも思わない人間性なのか、それが泥沼を歩く「政治家」の現実的仕事だと思っているのか。いずれにしても、失礼ながら理想も清々しくもない嫌な政治家のイメージだが、下記のNHKの「条文イメージ」も卑劣だ。



 災害救助で国民に信頼されている自衛隊は、軍隊と規定するよりも「国際災害救助隊」と改名し、憲法に則って軍艦も飛行隊も廃棄すべきであり、アメリカの要望に応じて軍備を拡大する必要は全くない。
 朝鮮戦争勃発直後の1950年8月、GHQの指示で始まった日本の再軍備で、最初に組織された警察予備隊は、軍人が公職追放の対象になっていたため、全国の警察から集められた隊員が米軍キャンプで訓練を受けた。まもなく1951年3月、GHQは旧軍の下級将校を追放解除とし、警察予備隊幹部として迎えた。
 自衛隊にはアメリカの属国としての歴史がある。第2次世界大戦では、ドイツ占領地を奪回する戦いで、米ソは西と東からともにドイツと戦い、エルベ川での出会いでは共に勝利を喜んだ。その後、独裁者・スターリンとの米ソ冷戦が始まり、アメリカは「戦争放棄」した日本に同盟国として再軍備を求めた。しかし、国民の憲法に対する愛着が深いので、解釈改憲により自衛隊の存在を曖昧にしてきたが、自衛隊の暴走を抑えるためにも曖昧で組織に欲求不満をもたらす軍ではなく、「国際災害救助隊」として世界に貢献する名誉ある組織とすべきであろう。

 憲法改正は自民党の党是だと胸を張っているが、「国を守る」とは「憲法を守る」こと。憲法第2章の「戦争放棄」は、「GHQにより作られたものではなく、当時の幣原総理の提案」(動画)であったという証言が残されている。憲法がアメリカにより押し付けられたとし、「憲法改正」を主張したのは、戦犯により公職追放された人々であり、自分と国を同一視し、政治を私物化をしている議員と同じ行為だ。それが首相ともなれば影響が大きく、国民を守るための憲法が危うくなる。戦後70年以上も経過して、世界の状況は変わってきたと安倍首相は何故、国民に定着している憲法を改正しようとするのか。国民に人気のあった田中角栄首相は、「憲法はすでに4分の1世紀以上の歴史の中にあります。しかも国民に消化され定着しております。」と1972年に明言している。自民党の党是と言うには、首相によってあまりに国民との距離の違いがありすぎる。

 参考:日本国憲法誕生 全編
     総理の祖父・岸内閣“改憲の原点”『憲法調査会』肉声を発見(動画)
      2016.2.25 報道ステーション

     戦後史の一つの事実: 安倍晋三の祖父、岸信介と自民党の正体(朗読)
      (CIA・アメリカ・日米安保)2013.2.2

     自民党は改憲政党だったのか
     「改憲は立党以来の党是」という安倍首相の大嘘
     【報ステ】安倍総理“2020年に憲法改正を実現”(19/05/03)(動画)
     <社説>安倍首相の改憲姿勢 憲法軽視の弊害もたらす
      琉球新報 2019年5月8日     
     2014.06.08 「憲法を知らぬ保守を叱る!」by小林よしのり(動画)
     第九十九条【憲法尊重擁護の義務】
      天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を
      尊重し擁護する義務を負ふ。

      参考:自民党日本国憲法改正草案
       第2章「戦争の放棄」を「安全保障」とし、第9条 2を「前項の規定は、自衛権の
       発動を妨げるものではない」とし、これに9条の2「国防軍」を追記している。これは
       憲法の理想を首相が否定し、国民が憲法を縛る明確な第99条違反だ。


 1955年の自由党(吉田茂)と民主党(鳩山一郎)の保守合同により自由民主党が結党され、55年体制といわれる保守と革新の2大政党の時代を迎えた。しかし、その一方では米ソ冷戦を背景として、1954年(昭和29年)から1964年(昭和39年)にかけて、米CIAが自民党に秘密資金を提供していたことをアメリカは公表(2007年)している。
 発足時の自民党綱領には、「五、平和外交の積極的展開」として、「原水爆の禁止を世界に訴える」とあるが、安倍政権は自国第一主義のトランプにポチのように尾を振り、かつて広島、長崎に原爆を落としたアメリカの意向に従って原水爆禁止に消極的だ。「六、独立体制の整備」には「現行憲法の自主的改正をはかり、また占領諸法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う」とし、「世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える」とある。「現行憲法の自主的改正」とはアメリカからの独立を前提としたものであろうが、戦後70年経てもなお属国に甘んじているので、「自主的改正」とは言えない。

 「戦争放棄」を「安全保障」とし、自衛隊を「国防軍」にするという自民党の改憲草案の本音は、NHKの討論では表に出されていない。これまでは、解釈改憲で自衛隊の活動範囲を拡大し、「美しい国、日本」を「誇りなき国、日本」にしてきたが、「戦争放棄」を止めて自衛隊を「国防軍」としてアメリカとともに戦うとは、すでに「国防」の拡大解釈であり、日本を何の理想に向かわせようとしているのか? 「戦争放棄」を止めて自衛隊を「国防軍」としてアメリカとともに戦争に参加させることは、再び日本を戦争への危険な道を歩ませることになる。「国防」と美しい?接頭語をつけても、「軍」は人を殺し、街を破壊する。核戦争になれば人類滅亡さえ危惧されている。もう本気で戦争はできなくなっている。現在の日本国憲法の「戦争放棄」を世界中が尊重し、他国を尊重しなければならない時代になっている。国際政治に求められる戦争のない道を歩む努力に、日本は冷や水を浴びせるのか!
 自民党の立党宣言には「第一に、ひたすら議会民主政治の大道を歩むにある。第二に、個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本的条件となす。故に、権力による専制と階級主義に反対する」とある。これは日本だけでなく、世界の人々に共通であり、各国に求められる時代となっている。安倍首相は「党是」を私物化解釈をして、「緊急事項」で、さらに国まで私物化しようとしているのか?!立党宣言に示された自民党員の尊厳を党首自らがが崩すのか? 怒れ! 自民党員!
 参考:「平和といのちと人権を! 5.3憲法集会2019 ―許すな!安倍改憲発議―」(動画)
     元NHKプロデューサー・永田浩三さんのスピーチ産経新聞
     自民党60年 立党の精神は今(上) (下)


 「令和の時代 憲法を考える」(動画)では、国民投票についての議論がなされたが、国民投票法の条文が見つからないので、ここでは参考資料のみを紹介しておく。
 参考:国民投票法で何が決まったのか(前編) (後編)
     南部さんの国民投票法講座
     日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)一部改正案について


 自民党の「日本国憲法改正草案」を読んだ。もっと検討すべき箇所は多いが、ここでは大幅に追記するにとどめた。新しい時代、「令和」に入ったからこそ、もっと「戦争放棄」を大切に考え続けたいと思う。
 参考:乱心トランプ、衆参ダブル濃厚?! あたふた安倍(デモクラシータイムス) 動画
     改憲へ 自民党広報が本気を出してきた(デモクラシータイムス) 動画
     “TOKIOが安倍首相と会食”で露呈したジャニーズ情報番組進出の危険性!
     「日本の戦後について(1)」大西つねき (2)
     安倍首相の改憲行為は憲法99条違反!しかし、今の日本はアメリカの属国なので、
     アメリカの意向で動く限り、三権分立はなく首相の思うままの行政が許される。
     スピノザ「エチカ4真理」 主体の解釈学(デカルト的契機)
     主体は真理に到達できるが、真理は主体を救うことができない時代となってしまった。
     “戦争で取り返すしか” 日本維新の会 丸山議員
     「北方領土を戦争で取り返す」日本維新の会はネトウヨの巣窟だ!
     日本(世界)支配の構造⑨ 戦争は作られる!
     「安保法制改正等議案」 主要各社の社説の表題と冒頭でどう読み取る
     【憲法学者・樋口陽一氏の危惧:
     今回の改憲論は『政治的な主張』と呼べるレベルのものではなく、「フェイク(虚偽)」
     です】そう!フェイクです。自国第一主義のトランプは軍需産業の儲けのため、
     日本の若者を戦場で戦わせたい。それを安倍首相は、日本を守るためと言う。
     「安倍首相は世界の恥」「悪名が歴史に残る」
     国民のためではなく、アメリカのために生きて、薄笑いの安倍首相!
     前文部科学事務次官 前川喜平氏講演会 「憲法とわたし」
     古館伊知郎が訴える緊急事態条項の危うさ



初稿 2019.5.10 更新 2019.5.21
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日本沈没、地方沈没と自然の積極的活用(追記)

2019-05-21 22:41:04 | 自然と人為

 1973年に発表された小松左京の「日本沈没」映画化 (予告:動画)されて大反響を得た。当時は新しかった「プレートテクトニクス」理論の壮大な拡大解釈(2)を背景に、日本という愛すべき国土を失ったとき、日本人は世界で孤立しないで生きていけるかを問う小説(映画)であった。
 参考:(解説 町山智浩 × 春日太一の映画塾!:59分(動画) 荻昌弘氏の解説(動画)

 そして最近、「日本地図から四国が消滅。イギリス国立鉄道博物館が驚愕の展示という記事を見つけた。新幹線だけしか考えていない外国人にとっては、「四国」の意識はなく、「四国沈没」を展示しても、気にしなかったのだろう。これと似た現象として、日本を愛せない「政治経済の志の低さ」と自然を愛せないで「人工の世界」を良しとする社会的現象により、大阪や東京等大都市への人口集中による「地方沈没」が始まっている。

 「日本沈没」が発表されて37年、2010年2月18日の日本経済新聞夕刊は、「工業化で疲弊する農業」(画面右下をクリックして150%にする)と題して、日本の農業(畜産)に対する私の思いを取り上げてくれた。最後の部分をここに再録させていただく。
 「三谷さんは35年も牛のハイブリッド生産の研究と普及にこだわり続けてきた。
 F1牛(交雑牛)は乳牛の副産物だから安く、強健で繁殖能力も高い。種を組み合わせれば相当なものを作れるという。米国に負けない自信の技術を研究10年で確立、全国に普及するために「畜産システム研究会」を立ち上げた。そして10年でF1牛の肥育は全国に普及定着した。
 「ところが、北海道旭川市の斉藤晶さんの牧場と出合って、自分は現場のことを考えて一生懸命やってきたつもりだったが、斎藤牧場が見せてくれる自然の大きさ、美しさ、それを作り出す牛と斎藤さんのすごさに比べて何とちっぽけなことかと教えられた。」
 早春に牛を放牧すると、牛は草がまだ短く少ないので、懸命に草を探して食べ歩く。草は地をはうように生き残る芝の草地となり、石ころだらけの厳しい山が庭石の美しい庭園に生まれ変わっている。
 「牛がどうしようもない山をまさに宝の山にして見せてくれた。あそこで学んだのは、牛と自然の関係、人と自然の関係という意味で非常にいい勉強をした。これは日本の宝だと思った。
 三谷さんはF1雌牛を里山に放牧して、子牛を生産するシステムを考え出した。放牧牛が評価され、牛の放牧で里山を管理する夢が一歩動き出した。
 「農業には多様な役割があり、農業が報われる道を探したい。」
                          (編集委員 工藤憲雄)

 参考: 牛が拓いた斉藤晶牧場 

 残念ながら日本経済新聞夕刊「工業化で疲弊する農業」は、クリックしても読めない。直接、新聞のコピーを掲載しておくべきだった。この新聞発表の前年の2009年11月14日(土)、15日(日)に富士山岡村牧場(動画)で研修会を開催し、懇親会に70名、講演会のみの参加14名を加えて84名の参加をいただいた。この「富士山岡村牧場」は「大谷山里山牧場」とともに、2017年10月21日に広島県で開催された第31回畜産システム研究会:テーマ「自然と地域につながる肉牛生産」で発表して頂いた。また、「ふくやま環境会議」の依頼で定年退職を記念して「ハイブリッド社会の共創」と題して講演したこともある。
  

 しかし、2010年に口蹄疫が発生し、ブログ「牛豚と鬼」を発信し始め、「口蹄疫」を勉強するのに時間を取られてしまった。専門でないことに頭を突っ込んで「里山の放牧管理」の仕事がおろそかになってしまった。ブログ「自然とデザイン」に改名したのは2013年9月からだが、この頃からテレビ放映された番組を皆さんと共有することに、また時間を割いてしまっている。 参考: 「自然とデザイン」ライブラリの回覧 2013-09-25
 また、この頃すでに「現場に行くことが出来なくなって1年を経過し、現場での情報交換ができなくなっていますので、しばらく休ませていただきます」と記しているので、2012年秋には里山の放牧管理の仕事は出来なくなったようだ。大谷山里山牧場シルバー世代が作った牧場(動画))に放牧牛が到着(2011.8.29)し、途中から預かっていたもう1頭の放牧牛を返した日(2012.6.24)までは牧場に行き写真を撮ったが、子牛(弟)が生まれた(2013.2.28)の写真は「朝日新聞」から切り抜いている。

 私の仕事は「自然とデザイン、システムの共創」に関するものだったが、地方から若者が流出して高齢化社会となり、空き家が多くなり、顔なじみの住民も少なくなり、お祭りも廃れ、お葬式と墓参りも少なくなり、お寺の維持さえ困難が予想される時代になった。これからの放牧による里山管理は、経済的行為というよりも社会的維持管理の側面が強くなるのではないか? 県単位の畜産や農業試験場は土地の所有と維持管理に自治体としての責任を持ち、その管理を民間に委託する方法を検討する時期に来ているのではなかろうか。里山の放牧は自治体が民間に委託する方法を検討しては如何であろうか。大学や試験研究機関と行政と住民、政治が信頼をもって語り合い、「地方沈没」を防ぎ、地方で豊かに生活できる町づくりに真剣に取り組んでいただきたい。

 若者の都市への流出の一方で、農業の高齢化も進み、既に町へのクマ、サル、イノシシの出没が話題にされるようになった。高齢者が農業を維持できなくなると、里山は人が住めない野生動物の楽園に戻る。経済成長を追い、国防軍で日本を守るのではなく、自衛隊を「国際災害救助隊」として、世界から感謝される組織にするだけでなく、「牛の放牧」を含めて里山を管理し、いつまでも「美しい日本」を守って欲しい。
 参考:スピノザ「エチカ4真理」 主体の解釈学(デカルト的契機)
     主体は真理に到達できるが、真理は主体を救うことができない時代となってしまった。


 渡辺京二「逝きし世の面影」は、明治以降、日本の文明は滅んだという。「維新」と云う幻想(山伏太賢さまのブログより転載)では、『明治以前の「循環と調和」を尊ぶ、即ち「和を以って尊しと為す価値観」、これこそが我が国最大最高の武器である』としているが、戦争を放棄し、自然の循環と調和を尊び、和を以て貴しとなすことこそ、『日本沈没』や『地方沈没』ではなく、『日本人が世界の人の目標』となれる道ではなかろうか。


初稿 2018.5.16 更新 2019.5.21
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戦中・戦後~平成・「平成とは何だったのか(日本記者クラブ)!」 そして未来へ。

2019-05-01 21:57:37 | 自然と人為

 民間報道番組「NEWS23」は、『冤罪事件から10年。村木厚子さん「新たな挑戦」』を2019年4月4日放送した。平成から令和へと新しい時代となったが、2009年6月14日 大阪地検特捜部により逮捕されて10年経過した冤罪事件(障害者郵便制度悪用事件(2))を、平成時代に国民の記憶に残しておこうという深い配慮だったと思う。記憶に残る番組に感謝したい。

 2019年4月30日は、天皇の「退位礼正殿の儀(動画)」の日であった。天皇は多感な若いころ戦争体験をし、天皇の戦争責任を痛切に感じられたのだと思う。災害の見舞いだけでなく、長崎広島沖縄サイパンパラオ・ペリリュー島等の慰霊の旅をされ、「象徴天皇」としての道(動画)を誠心誠意創りながら歩み続けられた。老齢化していくと平和と国民の幸福を誠心誠意祈る行動が困難になるとの天皇自身の御自覚から、強い譲位の意志によって退位された。
 参考:特攻隊員が妹に送った手紙(動画)
     象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成28年8月8日)
     退位礼正殿の儀 2019.4.30 (動画)
     天皇陛下 最後のおことば(動画)


 平成は1989年1月8日に始まるが、戦中・戦後、ことに天皇とともに戦争への懺悔を切り離しては語れない。ここでは、たまたま目についた3点の資料を紹介しておく。一つは「特攻隊員が妹に送った手紙」。もう一つは、戦後日本を代表する国際的な知識人であり、たえず全体的視野で深く人を愛し、戦争を拒否し、平和を愛した加藤周一氏(1919―2008)の作品である映画「しかしそれだけではない。加藤周一 幽霊と語る」(予告編)(DVD)(解説)。そして、もう一点は、2018/11/03【大竹まこと×姜尚中×室井佑月】の「終わりつつある戦後! 崩れ行く価値観」である。元厚生省の事務次官であった村木厚子氏の冤罪事件と3点の資料については、このブログでは資料の紹介に意義があると思っている。私もこれから勉強したい。
  
 平成が終わるのを受けて「日本記者クラブ」は、この30年を多角的に振り返り、現在の立ち位置を確認し、未来への視座を得ようと言う狙いの「平成とは何だったのか」シリーズを企画し、政治、経済、エネルギー、文化と各界の一級の識者21名が、平成という時代を総括している。各自の見解を自由に語っていただいてるはずだが、2名の録画が欠けている。報道の自由を仕事としている「日本記者クラブ」で何故?
(1) ノンフィクション作家・保阪正康氏 2018.5.16会見レポート
(2) 佐々木毅・元東京大学学長 2018.5.18会見レポート
(3) 吉川洋・立正大学教授 2018.5.31 会見レポート
(4) 宗像紀夫・元東京地検特捜部長(会見レポート)2018.6.14
 参考:検察の役割と政治をめぐって 2009/4/20
     宗像紀夫弁護士の見解に対する反論
     甘利問題、今なお消極見解を述べる宗像紀夫弁護士・内閣官房参与

(5) 佐佐木幸綱・歌人・「心の花」主宰 2018.6.27会見レポート
(6) 五味廣文・元金融庁長官 2018.7.2会見レポート
(7) 田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長 2018.7.3会見レポート
(8) 吉川弘之・元東京大学学長・元日本学術会議会長 2018.7.24会見レポート
(9) 山崎史郎・元厚生労働省社会・援護局長 2018.8.22会見レポート
(10) 室﨑益輝・神戸大学名誉教授 2018.9.10会見レポート
(11) 経済学者 野口悠紀雄氏 2018.9.27会見レポート
(12) 俵万智・歌人 2018.11.2会見レポート
(13) 渥美公秀・大阪大学教授 2018.11.26会見レポート
(14) 斉藤惇・元日本取引所グループCEO 2018.12.04会見レポート
(15) 平成政治、そして国会改革 2018.12.14会見レポート
(16) 王貞治・福岡ソフトバンクホークス会長 2019.1.18(会見レポート)
 参考:ソフトB王会長「平成」語り尽くす 日本記者クラブで会見
(17) 原武史・放送大学教授 2019.3.29(会見レポート)
(18) 樋口恵子・評論家 2019.4.02会見レポート
(19) 井上亮・日本経済新聞編集委員(皇室、近現代史担当)2019.4.5会見レポート
(20) 東郷重興・元日本債券信用銀行頭取 2019.4.10会見レポート
(21) 番匠幸一郎・元陸上自衛隊西部方面総監 2019.4.12 会見レポート

 2019年5月1日からは令和の時代となり、剣璽等承継の儀(動画)即位後朝見の儀(動画)、そして皇族方から祝賀(動画)が行われた。即位礼正殿の儀は2019年10月22日に行われるようだ。
 「象徴天皇」として、明仁(あきひと)上皇が創られた「平和と国民を守る道」を今上天皇が誠心誠意歩まれるには、「象徴天皇」の地位と名誉にかけて、戦争は絶対阻止することが使命となろう。それは政治に天皇が口を出すことでは絶対にない。そのことこそ、憲法に示されている今上天皇の「象徴天皇」としての義務である。「国体の維持」とは、誰かのイメージを守ることではなく、具体的に「憲法を守る」ことである。

 日本国憲法は是非読んでいただきたい。ことに、第1章天皇第1条【天皇の地位・国民主権】および第2章戦争の放棄第9条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】は記憶するほど読んでいただきたい。
 憲法の前文では、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」に始まり、「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」そして、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とある。
 そして「第一章 天皇」では、第一条【天皇の地位・国民主権】で、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とあり、第二条【皇位の継承】、第三条【天皇の国事行為と内閣の責任】、第四条【天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任】、第五条【摂政】、第六条【天皇の任命権】、第七条【天皇の国事行為】、第八条【皇室の財産授受の制限】と続いている。
 さらに、今日論議されている「第ニ章・戦争放棄」の第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】に次の2項が明記されている。
 1  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 参考:『映画 日本国憲法』予告編(動画)
     ビデオニュース 2013.5.3世界は日本国憲法をどう見ているのか(動画)


 平成天皇・皇后(現上皇ご夫妻)が、「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」され、「象徴天皇」を誠心誠意、具現化されながら歩まれた道は偉大だと思う。国民や他者を尊重することから、自立した個人が生まれるが、世界の国々には、他者に勝つことに快感を覚える人々がまだまだ多い。他者を尊重し、自我に克つことこそ、世界に誇れる日本人だと思っている。それを象徴しているのが「象徴天皇」だと確信している。令和天皇の最初のお仕事が、「自国第一主義と武力を誇りとするアメリカ大統領を国賓として迎えること」とは、日米首脳は皮肉な政治道徳を恥ともしないのであろうか?

 私の未来への夢は、他者を尊重して自立する人々が多いのが世界常識となることだ。そして、国は税金を何に使うかではなく、何のためにお金を発行するかを考えねばならない。そのことで政治の方向と責任をさらに明確なものにすることができる。大西つねき氏の「「個人の心の自由」(動画)と、「『お金の発行』方法(動画)で世界をリードして行く」という意識と誇りを多くの国民が持つことも夢となった。
 参考:「MMT(現代貨幣理論)について」大西つねきの週刊動画コラムvol.76
     「MMT(現代貨幣理論)の論理構造と実践的意義」
      京都大学レジリエンス実践ユニット・MMT勉強会【講師:青木泰樹】
     「現代貨幣理論(MMT)が大論争」週刊西田一問一答
     水野和夫氏基調講演「資本主義の終焉 未来をつくる脱成長モデル」

     CGS新番組「ケミストリー」
     「経済学を三人が斬る!」【 第1回 武田邦彦 松田学 大西つねき】  第2回
     第3回  第4回  第5回  第6回


初稿 2019.5.1 更新 2019.5.3(憲法記念日) 更新2 2019.5.8
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日本の未来~“生きる価値”を大切にする経済と政治を考える

2019-04-27 12:10:33 | 自然と人為

 経済は儲け主義、政治はアメリカに支配された権力争いで、いずれも自立した個人の仕事とは思えず、あまり好きではなかった。むしろ政治には拒絶反応さえあった。しかし、大西つねき氏の動画と出会ってから、私のブログ「自然とデザイン」に『政治も経済も「情報」である』をシリーズにして書きながら、経済と政治について考えてきた。大西さんの話には自立した個人と生活の質についてワクワクしながら考える純粋さがある。そこで、大西つねき氏の話を一人でも多くの方に聞いてもらいたいと、私の住んでいる地域にある「福山市西部市民センターホール(地図)」で、平成最後の日曜日、4月28日に講演をお願いしている。経済については全くの無知であったので、今、猛勉強中であるが、講演を契機に私が考えてきた『政治も経済も「情報」である』をここにまとめて紹介させていただく。
 なお、下図は、当日、会場で配布する予定の資料ですが、このブログでは参考資料も紹介できますので、ここに紹介しておきます。ただし、これは大西つねき氏の動画を私なりに解釈している内容ですので、当日の講演内容と同じものではありません。講演参加は予約不要ですので、できるだけ多くの皆様方にご参加いただき、講演を聞いて、皆様方一人一人でお考え下さいますようにお願いいたします。
図をクリックすると拡大します。

 私が大西つねき氏から学んだ「現代の政治・経済のあり方」は、自分自身が自立した個人であるかを問う哲学の問題から、“権力や強者を求める”現在の政治・経済から“生きる価値を大切にする”政治・経済を実践的に追及する未来への夢を与えてくれた。ことに物々交換から貨幣を媒体にした現在の市場において、お金の発行が「生活の価値」を高めることに使われているのか?お金が「生活の価値」を向上するためではなく、「生活の格差」を拡大させる媒体となっているのではないでしょうか?本来は「生活の価値」を向上させるために発行されるお金が暴走してしまうのを止めるには、「お金の発行量」=「生活の価値の量」とし、我々一人ひとりの価値観を見つめ直すことから始めなければいけないのではないでしょうか?      --- 三谷克之輔 ---

参考:大西つねきの週刊動画コラムvol.9:お金の発行の仕組みの本質(3:43-13:03)

 30年間変わらない大卒初任給

---マネーストック(M2) ---国債残高(政府借金) ---GDP(国内総生産) ---銀行貸出残高
大西つねきの週刊動画コラムvol.63:我々自身が変わらなければいけない(14:07-15:29)


 マネーストック(2)とは、従来マネーサプライと呼べれていたもので、金融部門から経済全体に供給されている「通貨」の総量のことで、通貨残高ともいう。小泉内閣のもと2005年に郵政民営化法が成立し、2007年から郵便公社は郵便、保険、郵貯、孫口の4つの株式会社に分割された。これに伴い、「マネーサプライ統計」については、2008年6月9日公表分(2008年5月速報計数)から、内容の見直しを行うとともに統計名称を「マネーストック統計」に変更された。マネーストック統計には、通貨の範囲に応じてM1、M2、M3、広義流動性の4つの指標があるが、最大の変更点は、M1の対象金融機関が「ゆうちょ銀行」などのすべての預金取り扱い金融機関に拡張されたことだが、統計データの連続性を重視してゆうちょ銀行等(※2)を除外した日本銀行や国内銀行等(※1)のM2が利用されることが多い。
 マネーストック:M1=※1+※2(定期預金等除く),M2=※1,M3=※1+※2(定期預金等含む)
   ※1 日本銀行、国内銀行(除くゆうちょ銀)、外国銀行在日支店、信用金庫・信金中金、
      農林中央金庫、商工組合中央金庫
   ※2 ゆうちょ銀行、農協・信農連、漁協・信魚連、労金・労金連、信用組合・全信組連


 「お金は現金である」という常識で生きてきたが、今や電子情報の時代になった。日本は貿易と海外資産(証券投資と直接投資)により経常的に得られる所得は世界一と大きい。しかし、政府としては大赤字で、消費税増税の必要ばかり強調し、ドルで蓄積された黒字の使い方を考えていない。しかも経済は「お金の量=価値の量」で成立することの意味を政府は全く考えていない。「一人ひとりの人間の尊厳が守られ、魂の自立が支えられ、すべての人々が市民的権利を最大限に享受できる社会(宇沢弘文・動画)」、即ち「生きる価値」と「自立した個人」を尊重しない経済と政治は破綻する。
 参考:エンデの遺言 ~根源からお金を問う~(動画)
     耳をすませば「経済学者・宇沢弘文と俳優・菅原文太」(動画)
     27年連続「世界一のお金持ち国家」の意味(動画)
 対外資産統計
    日本は世界最大の金持ち国!? 政府が赤字でも国が豊かな理由
    第14話・なぜ日本は強いのか? 黒字体質その1・恒常的な貿易黒字
    第15話・なぜ日本は強いのか? 黒字体質その2・有望な第一次所得収支
    第16話・なぜ日本は強いのか? 黒字体質その3・やたらと現ナマ持ってる国
    宇沢弘文「経済学の考え方」 宇沢弘文「経済学の考え方」を読む
    宇沢弘文・内橋 克人 「始まっている未来」新しい経済学は可能か

政治も経済も「情報」である①経世済民
 農学は生物学に根拠を持つ現場の科学だが、現場の研究とは、現場の常識に疑問を持つことで生まれる。 経世済民(2)という言葉は「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意味であり、「政治」と「経済」は分離されていない。政治学も経済学も現場の問題を研究する学問であり、いずれも民を救うためにあるが、机上の学問として限定した問題を求めて詰めてゆくと、現場から離れて益々理解できなくなる。農学も政治学も経済学も、もっと現場から学び、現場に疑問を持つことから始める必要があろう。

政治も経済も「情報」である②経済について大西先生から学ぶ
 経済はお金が循環することにより繁栄する。だから消費税により、民間のお金の循環の一部を政府が吸い上げるのはおかしい、そう素朴に思っていたら、大西つねき氏が、消費税(動画)お金の発行のしくみ(動画)を、きちっと説明していただいた。
 お金よりも「自然と人間」を大切にする里山資本主義(2)が見直される時代が来ている。また、NHK番組「ヒューマン~なぜ人間になれたのか」
は、人間が生まれた歴史を興味深く教えてくれる。その中で第4集「そしてお金が生まれた」(動画)から、お金のことを考えると面白い。

政治も経済も「情報」である③誰も否定できない前提
 人それぞれの考え方や生き方はあるが、人の集団がバラバラに生きているわけでもない。ある考え方で集団ができるとしても、その考え方には科学的真理のように、誰にも否定できない前提が必要である。
 ① 人間は地球に生きる生物の一員であること
 ② 人間の尊厳は不可侵であること
 ③ 経済は「お金の量=価値の量」で成立すること
この3点を、個人でも集団でも考える前提とし、世界の常識とする必要がある。

政治も経済も「情報」である④人間=動物+道具+情報
 人間は動物+道具ではなく、動物+道具+情報である。しかも道具と情報には誰も否定できない前提がある。その前提は人間として生きる3条件で、③誰も否定できない前提で説明した。人間は個人でも集団でも自由に生きる権利があると思っている人も、この前提を無視すると狂暴な動物に成り下がる。例えば、憲法は日本の社会のありようを決めている。象徴天皇=国民の一人一人の幸福を本気で願う。それが象徴天皇の仕事。経済活動において会社の社長は社員、政治において首相は国民の一人一人の幸福を、天皇のように本気で願っているか?

政治も経済も「情報」である⑤敗戦と新憲法
 日本国憲法は「戦争放棄」を宣言した国際的な責任を持つ。政治や経済は憲法を大切にしているだろうか。
 『映画 日本国憲法』予告編(動画)  2分34秒 必見!!
  ジャン・ユンカーマン(John Junkerman)映画監督
  映画「日本国憲法」 監督(2005年)
 ビデオニュース 2013.5.3世界は日本国憲法をどう見ているのか(動画)

    日本独自の長男中心の「家」制度(下記「家族」を訂正)
             から自立した個人へ

 
政治も経済も「情報」である⑥“生きる価値”を問う
 経済を主導する「金融システム」が“生きる価値”を無視した勝者を生み、格差を拡大させている。科学的根拠のない政治や経済は「ジャンケン」と同じで、「民主主義」も物事の価値判断を自分でする責任を持つ「自立した個人」が育たない限り、つまるところ既存の常識に基づく既存勢力の勝ち負けの問題に流されるに過ぎない。“生きる価値”とは自立した個人の自由と尊厳を守ることである。

政治も経済も「情報」である⑦戦後(独立後)の政治
 憲法は占領軍(GHQ)の下で制定実施されたので、「押し付けられた」とか、「日本の意志が入っていない」とよく言われる。しかし、当時の日本は家族制度の下で、男女平等もなかった日本の「常識」を がらりと変えた憲法24条があることを多くの人は知らない。
 また、本来は日本が戦争をできないようにするためのGHQの政策に対して、戦争責任で公職追放された人々は戦後の憲法を否定した。戦後の政治は、「改憲をめぐる攻防から始まった」のである。今も、憲法改正論議は公職追放の岸信介の孫である自民党安倍首相の陣頭指揮で続いている。
 「対米従属」と「憲法改正」という矛盾に満ちた自民党結党以来、「対米従属」のためにアメリカに協力して「戦争ができる国」にするために、安倍首相は「憲法改正」を政治家の使命としている。憲法は権力が国民を支配することを禁止するためにあるのに、その禁じ手を首相自ら破ろうとしている。まるでヒトラー再現だ。憲法に無関心で、憲法と民主主義を守る「自立した個人」が育たない日本の国内問題もあるが、それよりも日本国憲法9条は、多様な価値観を持つ世界の人々が平和に生きる国際的な土台(動画)である。人間の集団が狂暴になるのは戦争中だけではない。ドイツ敗戦後にヒトラーへの復讐心に燃えた集団の狂気の異常を、アフター・ヒトラー 前編後編(動画)は教えてくれる。戦争には正義も理由も何もない。戦争は絶対悪である! 終戦直後は日本の武装解除を目指した米国は、時が経つに従い「平和」のためと称して敵国を作り、産軍複合体が防衛戦略で儲ける国になってしまった。戦争を放棄した日本の主体性を主張しないで、没落の傾向が見え始めた「米国」と共に戦う憲法改悪に何の意味があるのか!

政治も経済も「情報」である⑧常識とは何だ!
 「歴史」は勝者によって書かれるように、「常識」はその時代の支配者によってつくられる。人によって“生きる価値”の尊さと重みは変わらないし、「お金」や経済も人によってその機能が変わるものでもない。全ての人々が“生きる価値”を全うするために、「お金」と「経済」は本来はある。しかし、人類が生きていく本来の姿から、今の資本主義の「常識」は2つの道を誤っている。
 その一つ、物々交換を補う役目であった貨幣が、今では主人公になってしまった。もう一つ、現在の資本主義は、人類が生きる自然と生態系を無視している。そのことを指摘しているのが、“里山資本主義(動画)”だ。
 参考:日本解剖~経済大国の源泉~戦後40年の歴史
     日本の経済 NHKスペシャル 20年後(2029年)の日本
     お金の仕組みと資本主義社会の崩壊! 
     NHKスペシャル「21世紀への奔流 第8回 マネーが国家を揺るがす」
      (NHKアーカイブ)
     マネーワールト資本主義の未来
     (1)世界の成長は続くのか?(動画) (2)国家vs.超巨大企業(動画)
     (3)巨大格差 その果てに(動画)
     マネーワールト資本主義の未来第1集「お金が消える!?」(動画)
                        第2集「仕事がなくなる!?」(動画)
                        第3集 借金に潰される!?(動画)


政治も経済も「情報」である⑨カルロス・ゴーン事件
 カルロス・ゴーン事件は日本もフランスも政府が絡んでいる。もともと政治と経済は一体であったにしても、民のためではなく財界のため、富裕層が絡んだ政治・経済の事件である。従業員と系列会社を切り捨てて、経営が軌道に乗ったと評価され、会社の支配者になったら、会社の金を私物化して億単位のお金を自由に使ってどこが悪いと開き直る。欲望の行きつく先の例だ。欲望の資本主義と政治で汚してしまった悲しい日本の社会の裾野は広く、かつ深いことを示す事件の一旦かも知れない。

政治も経済も「情報」である⑩新しい政治・経済を考える
 岸、佐藤、安倍という同族政権はアメリカ従属を大義名分とし、そのことが有利な大企業支配の政治を続けてきたが、高度経済成長期を経て、規模拡大によるコストダウンの時代から、里山資源を活用し、生活の質を考える政治の時代が来ている。科学も人工の世界を求めるのではなく、生物学や生態学を含めて、自然に生かされた生活を求め、それが幸福と思うようになるのではないか。生活の質を考えるとは、幸せとは何かを考えることでもあり、自然の一員である人間が自然を征服することではなかろう。人間が自然を征服できるはずもない。

政治も経済も情報である⑪日本と世界の半世紀(1960年~2010年代)
 今、時代は大きく変化しているが、国民にとって意味不明に政権が長期化すると、支配者は国民の真の幸せが見えず、自分の思い込みを大切にする弊害があちこちに噴出する。今はそういう時代だと思う。
 1960年、安保闘争で倒れた岸内閣を引き継いだ池田内閣は、「所得倍増計画」で政治から経済の時代に転換した。1964年の東海道新幹線営業開始東京オリンピック開催は国家的事業として心に残り、堺屋太一(1961年)の「巨人・大鵬・卵焼き」も懐かしい。そして、1970年代の日本大阪万博に始まり、田中角栄の「日本列島改造論(72年)」と続くが、第1次オイルショック第2次オイルショック(73年、79年)で高度経済成長は終焉する。

 「経済成長」よりも「生活の質」が問われる時代になったが、これは政治状況にも影響し、宮澤喜一政権(1991年11月5日-1993年8月9日)の後、自民党が分裂して細川内閣、羽田内閣、村山内閣の非自民・非共産連立政権が出現した。この自民党からの政権移行は麻生内閣(2008年9月24日- 2009年9月16日(358日)後の鳩山、菅、野田内閣(2009年9月16日-2012年12月26日(888日)でも続いた。しかし、その後は安倍内閣(2012年12月26日-)の長期政権が続き、「生活の質」を追求するよりは、「政治の質」がますます劣化しているように思う。

 アメリカのトランプ大統領は、国民の支持を意識してアメリカ第一主義を謳い、英国国民は「EU離脱」を選択した。いずれも移民受け入れに拒否反応を示し、協調よりも独立を求めるのは、庶民の生活感覚から来るものだろう。国の独立は、個人の独立により守られる。国民の幸せを守るには何が必要かを政府も国民も共に考え、混沌とした時代だからこそ、共に自然と生きる夢と幸福を語り、追う必要があろう。
 参考: グローバル化の疲弊 民主主義の危機(動画)


初稿 2019.4.27

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日本と世界の半世紀(1960年~2010年代)~政治も経済も情報である⑪

2019-04-26 13:12:49 | 自然と人為

 古希を過ぎれば、1960年からの半世紀以上の歴史を青春から体験しながら生きてきたことになる。その経済と政治の日本と世界の動きを、当時はどう捉えていたかは別にして、今の私から眺めてみたい。

 人は他者との関係で生きている。しかし、他者という対象は見えるが、自己の姿は普通は見えないので、競争社会を意識すると、「自己に克」より「他者に勝」ことに熱心になる。厳密に言えば、「人それぞれの生き方には違いがある」が、「組織に生きる」と組織外の人を含めて、他者のためより自己のために生きるようになる。組織や国のためとは、その組織や国に住む全ての人民を含むが、往々にして「自分の考える組織や国」のために生きていることに気が付かない。そうして、物事の捉え方は、我々庶民と支配者では違うことを知ったばかりだ。
 今、時代は大きく変化しているが、国民にとって意味不明に政権が長期化すると、支配者は国民の真の幸せが見えず、自分の思い込みを大切にする弊害があちこちに噴出する。今はそういう時代だと思う。

 私にとっての半世紀の歴史は、「三種の神器」の「神武景気」を含めて、高度経済成長期(動画)の青春から始まる。
 1960年、安保闘争で倒れた岸内閣を引き継いだ池田内閣は、「所得倍増計画」で政治から経済の時代に転換した。1964年の東海道新幹線営業開始東京オリンピック開催は国家的事業として心に残り、堺屋太一(1961年)の「巨人・大鵬・卵焼き」も懐かしい。そして、1970年代の日本大阪万博に始まり、田中角栄の「日本列島改造論(72年)」と続くが、第1次オイルショック第2次オイルショック(73年、79年)で高度経済成長は終焉する。
 参考:慾望の経済史~日本戦後編~第2回 奇跡の高度成長の裏で~60s(動画)
     高度経済成長の前後解説
     日本経済『第2の転換期』
     【日本のエネルギー、150年の歴史④】
      2度のオイルショックを経て、エネルギー政策の見直しが進む
     慾望の経済史~日本戦後編~第3回 繁栄の光と影が交錯する~70s(動画)


 一方、アメリカは1960年に民主党のケネディが共和党のニクソンを破り、翌年43歳で第35代アメリカ合衆国大統領に就任し、1963年11月に暗殺されるまで、キューバ危機、東ドイツにより作られ、ケネディ大統領とフルシチョフの直接協議によっても除去されなかったベルリンの壁、ソ連優位の宇宙開発競争、人種差別反対の公民権運動が高まり、マーティン・ルーサー・キングの演説「私には夢がある。(動画)」で有名な「ワシントン大行進」(1963年8月)等を経験した。
 1970年代に入ると、ニクソン・ショック(71年)の「ドルと金の兌換停止」によって、ドルを基軸とする国際通貨制度(ブレトンウッズ体制:1944年)が崩壊した。その裏でドルと金の交換ではなく、エネルギー(石油)をドル基軸で支配する体制(ペトロダラーシステムペトロ(石油)とドルをくっつけた造語)をニクソンは用意していた。1973年に、イスラエル・エジプト・シリア間の戦争が原因で、サウジアラビアがイスラエルの同盟国である米国への原油輸出を停止し、石油輸出国機構(OPEC)加盟国は、原油価格を4倍に吊り上げ、世界にオイルショックを与えた。
 しかし、1974年にはアメリカはサウジアラビアとペトロダラーシステムの密約(ワシントン・リヤド密約)をし、さらにこのシステムは他のOPECのメンバーに拡大され、現在に至っている。
 参考:日本の金融史(12)ニクソン・ショックと石油・ドル本位制
     中国、「ペトロダラー再循環」体制への挑戦
     ユーロ:「基軸通貨」の夢でなく「多極化」への適応
     ロシアとドル:「新冷戦」か「歴史の始まり」か?
     サウジが45年ぶりに破ったタブー、原油の「政治的武器」利用示唆か
     谷口智彦「通貨燃ゆ」


 アメリカにとってお金がドル基軸で世界を回れば、莫大な貿易赤字(経常赤字)と財政赤字の双子の赤字があっても、お金(ドル)はいくらでも発行できる。アメリカの支配者にとっては、原子力をはじめとしてエネルギーと軍は必須なのだ。日本の貿易黒字も日本で使われないで、利益を求めてアメリカの資産、株、国債等に戻っていく。
 中国とアメリカの関係はベトナム戦争の終結と関係し、1972年にニクソン訪中、米中国交正常化が1979年にカーター政権下で実現した。
 なお、中華民国(台湾)の蒋介石は1975年に死亡しているが、中国にとっては激動の1976年であった。周恩来(1月)、朱徳(7月)が死去し、7月には死者25万人と言われる唐山大地震も発生し、9月には毛沢東が死去。10月には四人組逮捕により10年に及んだ文化大革命が終了した。そして、鄧小平は日本をモデルとした改革開放(動画)(2)を進め、今ではアメリカとの貿易、金融戦争(動画)(2)を始めている。
 参考:米国の歴史の概要 – 変動の時代:1960~1980年
     中国改革開放を支えた日本人(前編)(後編)
     アメリカvs.中国 前編 “情報・金融覇権”に挑む中国 ―ブロックチェーンめぐる攻防
     アメリカvs.中国 後編 “ハイテク覇権”をめぐる攻防 ―舞台裏に密着 そして日本は


 EC(European Communities:欧州共同体)が1967年に誕生し、1969年にイギリスの加盟に反対していたフランスのド・ゴール大統領が退陣し、1973年に第1次オイル・ショックが起きて、ヨーロッパ経済の統合の必要性がさらに高まったことが要因で、英国は1973年に加盟し、1981年にはギリシア、86年にスペイン、ポルトガルが軍事独裁政権が倒れ、民主化が進んだ結果ECに加盟し、12ヵ国体制となった。さらに、1993年にはECに加えて外交、内務の3つの柱を持ったEU(European Union:欧州連合)が発足している。ユーロ(2)は、1999年に決済用仮想通貨として導入され、3年後の2002年に現金通貨としてのユーロが発足した。ユーロはヨーロッパでは25の国で使用され、そのうち19か国が欧州連合加盟国である。英国は今でもポンドを使用しているので、ユーロによる通貨の世界基軸化には興味はないのだろう。それよりも、英国国民は「EU離脱」を選択した。移民受け入れに拒否反応を示し、統合よりも独立を求めるのは、アメリカを含めてエリートに反発する庶民の生活感覚から来るものだろう。国の独立は、個人の独立により守られる。エリートは庶民の幸せを守るには何が必要かを考え、混沌とした時代だからこそ、利害対立より共に夢を追う必要があろう。

 1979年、ソ連のブレジネフ政権が社会主義を掲げる親ソ派政権を支援するためにアフガニスタン侵攻したが、ソ連軍の駐留は10年に及び泥沼化した。このため1980年のモスクワ・オリンピックをアメリカのカーター大統領がボイコットを呼びかけ、イギリス、フランス、西ドイツ、イタリア、日本などが不参加を表明した。結局、中国も含め60ヵ国が参加しないという、オリンピック史上政治に翻弄された最悪の大会となった。なお、日本には柔道の山下泰裕選手、マラソンの瀬古利彦選手などがいた。
 ゴルバチョフは1985年からソ連共産党書記長としてペレストロイカを掲げて改革にあたり、市場経済の導入を図り、1988年にアフガニスタン撤退を決定し、89年までに完了した。89年にはソ連首脳としては30年ぶりに中国を訪問し、中ソの国交を正常化させた。さらに、89年に東欧革命が起こった。同年11月にベルリンの壁が開放されて、ドイツ統一が実現したことを受けて、同年12月にブッシュ(父)・アメリカ大統領とのマルタ会談で冷戦の終結を宣言した。1990年のノーベル平和賞(動画)を受賞した。91年、ソ連邦初代にして最後の大統領となった。
 参考:ゴルバチョフ、87歳の自己評価【前編】
      「グラスノスチなくしてこの世界に自由はなかった」
     ゴルバチョフ、87歳の自己評価【後編】
      「プーチンに言ったよ、自分を神の代理だと思っているのかと」


 1980年には日本の自動車生産量がアメリカを抜いて世界一となり、ジャパン・アズ・ナンバーワンの夢(動画)を追っていたが、米英仏独が日本に円高を迫り、アメリカとの貿易摩擦の過熱を解消するために、為替レートを円高に誘導することを容認した1985年9月のプラザ合意により、中小企業を中心に円高不況に見舞われた。日本政府は円高を憂慮し、通貨量を増大させた。通貨発行量を増やしても円安にはできなかったが、円高を食い止めることはできた。そして、通貨発行量が増大したことで、お金が行き場を失う。それが、バブル景気を招くことにつながった。しかし、石油や鉄鉱石などの原料は輸入に頼っていたため、当初は原料を安く仕入れることができるという円高メリットもあった。急激な円高にも関わらず金融緩和もあり、日本経済は不動産バブルを含めて好調であり、1989年末(昭和最後の年)は株価が最高値を付けた。
 参考:日本は2度「敗戦」した?プラザ合意が産業界に落とした影【書評】
     プラザ合意


 一方、1981年にアメリカの大統領に就任したレーガン大統領は、アメリカの経済力と軍事力の強化を図ろうとした。それまでのケインズ政策とちがって「小さな政府」を主張したレーガンは、政府支出の抑制、大幅な減税、規制緩和などのレーガノミクスと呼ばれる政策を行った。 
 しかし、一方で、軍事支出の激増によって財政赤字は拡大し、アメリカは高金利政策をとったのでドル高になり、アメリカの輸出競争力を弱めた。1980年代のアメリカは財政赤字と経常収支の赤字が同時に進行する「双子の赤字」 に悩まされ、アメリカ国内では保護主義が台頭し始めた。
 参考:レーガノミクスとは何か:バラ色のシナリオ
     レーガノミクスで減税と公共事業は高金利の悪影響に勝てなかった
     トランプはレーガンと似ている?1980年代のアメリカに学ぶ今後の見通し


 1990年代に入ると日本は「平成」となり、バブルに浮かれ、バブルが弾けても「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と集団で動き自己の確立ができず、失われた10年、20年、そして30年と、新しい日本の進むべき道が見えないまま、平成は終わろうとしている。それを象徴しているのが、儲け第一主義により経営破綻し、自主廃業?!した「山一証券(動画)」だと思う。これと比較し、日本の実績と収入に甘えることなく、自分の投球方法に拘り、世界の野球で通用することを目指して、ノーヒット・ノーランを成し遂げ、身体に変調を感じながらもリーグを移ってまでやり直し、2度もノーヒット・ノーランを達成した「野茂英雄(動画)」は、これまでの「日本人の殻」を破った「新しい日本人」だと思う。
 参考:マーケットの歴史 1983~2017年
     バブル経済と平成不況
     慾望の経済史~日本戦後編~
      5 崩壊 失われた羅針盤~90s
      最終回「改革の嵐の中で~2000年代
     平成史スクープドキュメント
      第1回 大リーガー NOMO~“トルネード” 日米の衝撃~
      第2回 バブル 終わらない清算~山一証券破綻の深層


 日本の国際的地位は90年代以降大きく低下し、「国際社会に名誉ある地位を占めるための7 つの提言」では、「グローバルな視点から日本の行方を考える」とし、90年代の「失われた10年」に続く低迷の長期化と財政事情の悪化により、その世界的な役割に「かげり」が出ているとし、高齢化問題や人口減少問題への前向きな対策が必要と提言している。「平成5年(1993年)年次経済報告 バブルの教訓と新たな発展への課題 経済企画庁」においても、長引く景気の低迷、浸透するバブルの崩壊の影響、経常収支黒字の急増など、1992年から93年前半にかけての日本経済は,多くの課題に直面することとなった。・・・まさに日本経済にとって大きな試練の時期だったと言えよう」としている。
 「経済成長」よりも「生活の質」が問われる時代になったが、これは政治状況にも影響し、宮澤喜一政権(1991年11月5日-1993年8月9日:644日)の後、自民党が分裂して細川内閣、羽田内閣、村山内閣の非自民・非共産連立政権が出現した。この自民党からの政権移行は麻生内閣(2008年9月24日- 2009年9月16日(358日)後の鳩山、菅、野田内閣(2009年9月16日-2012年12月26日(888日)でも続いた。しかし、その後は安倍内閣(2012年12月26日-)の長期政権が続き、「生活の質」を問うよりも「政治の質」が劣化しているように思う。
 参考:トランプ経済が「レーガノミクスの再来」ではない理由
     レーガノミクス vs トランポノミクス
     バブルを招いた「レーガノミクス」 はたしてトランプ氏は?
     レーガノミクスとの共通点と相違点 トランプノミクスが日本に与える影響は?
     トランプの政策はレーガノミクスと異なる
     アベノミクスとレーガノミクスとの相違と類似
     レーガノミクスはインフレ退治法、アベノミクスはデフレ退治法


 日本が低成長にあえいでいる間にアメリカは高成長を謳歌し、ヨーロッパは通貨統合を成し遂げ、中国は躍進した。97年から98年にかけて深刻な経済危機を経験したアジア諸国さえ、急速に回復している。ただ、ロシアの市場経済への移行はもたついているそうだ。アメリカでは1990年代後半に入って、マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンが台頭した。今ではグーグル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップル(5社まとめてGAFMA)というそうだ。いずれも無国籍大企業であり、マイクロソフトがアップルから世界首位を奪ったそうだが、フェイスブックやスマホを使いこなせない「老いぼれ」には論評の資格はないし、どう評価すべきかはもう少し考えたい。ここでは、今の時代を考える資料を紹介しておきたい。
 参考:「明日の日本を神奈川から考えるつどい」
     第一部 「これからの日本のリベラル政治」講師 寺島 実郎
     第二部 シンポジウム
        「アベノミクスで本当に経済は良くなるのか」 水野 和夫氏
        「今、私たちに求められていること」 山口 二郎氏
     多摩大学創立20周年記念シンポジウム
       寺島実郎学長基調講演 1/42/43/44/4
     1990年代日本をとらえなおす - 東京大学
     90年代以降の日本と世界- 鹿児島国際大学
     3月11日の東日本大震災をきっかけに一気に急落。
     金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 著者インタビュー(1)(2)
     「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」水野和夫
     見えたり、金融資本主義の正体
     藻谷浩介氏:データで見る日本経済の本当の病状
     なぜ日本経済の一人負けが続くのか
     日銀が株価を維持 安倍首相が自慢する「株価が高い」
     何故か日本ではお金持ちが急増中!


 21世紀の資本
 資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい。資本から得られる収益率が経済成長率を上回れば上回るほど、それだけ富は資本家へ蓄積される。そして、富が公平に再分配されないことによって、貧困が社会や経済の不安定を引き起こすということを主題にしている。
  実はみんな読み切れないトマ・ピケティ『21世紀の資本』
  21世紀の資本主義はどこへ ~トマ・ピケティに問う~
  21世紀の経済社会を構想する -政治経済学の視点
  21世紀のドイツ 政治・経済・社会からみた過去・現在・未来
  21世紀のガバナンス:日本の課題とアメリカの経験総括論文


初稿:2019.4.26

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