自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

「自然とデザイン」ライブラリの回覧

2013-09-25 20:54:57 | 自然と人為

 今、日本は東日本大震災と福島の原発事故からの復興の見通しが立たず、原発による放射能汚染は山河と故郷を奪い、汚染水は今も海に流れ続けています。それにもかかわらず、東京都知事と日本の首相は出場選手の健康のことは配慮せず、日本で一番暑い7月24日~8月9日に東京オリンピックを誘致するために、「福島の原発事故の安全は守られていて、今も将来も健康に問題はない」と大嘘を海外に宣言しました。また、国連総会の一般演説で、日本が世界の平和と安定に貢献する「積極的平和主義」を目指すことを演説するのだそうです。 尖閣諸島に国境問題を生じさせ、与那国島に自衛隊を配備することが「積極的平和主義」なのでしようか。災害派遣を任務としてきた自衛隊は、今何よりも福島原発事故の被害拡大を食い止め、廃炉に向けて専門知識と放射能防具を充実させ、福島原発廃炉のために働くことが求められているのではないでしょうか。それでこそ日本と世界の安全に積極的に貢献する自衛隊として世界に認められるのではないでしょうか。


 2013年8月15日にNHKが放送した「戦後68年、いま“ニッポンの平和”を考える」では、日本の平和に対する不安を煽り、自衛隊の軍事力強化を正当化しようとしています。口蹄疫では英国やEUの実態を報道しないで農林省の広報機関に堕していましたが、平和の名の下に戦争を煽るNHKの態度は戦前に似てきたのではないかと思います。NHKの報道が平和の名の下に戦争を煽ることになっていないか、皆様とともに検証するために、一部の番組の文字起こしをし、これからもNHKの問題点について発言をしていきたいと思います。 このためOCNブログ「牛豚と牛」を、口蹄疫だけでなく「命と自由を守る民間ネット(2013年9月22日)」に変更し、さらに「OCNブログ」が2014年11月30日に閉鎖されたため「gooブログ」に移転しました。また、ブログ「私の専門は生きること」をブログ「自然とデザイン」に変更しました。「里山と牛」から「自然とデザイン」への脱皮です。


 大谷山里山牧場等牧場関係のブログは現場の記録と情報交換の意味で続けてきましたが、現場に行くことが出来なくなって1年を経過し、現場での情報交換ができなくなっていますので、しばらく休ませていただきます。


 なお、NHKの番組は録画して1番組につきBD(ブルーレイディスク)に10枚までダビングできます。これを含めて手持ちのDVDを「自然とデザイン」ライブラリとして皆様と共有したいと思います。


 現在は下記の通りライブラリを準備し、今回はこれらのセットを1~2ヵ月お貸しし、希望者が多い場合はメール連絡をしますので、「レターパック」350円で希望者に転送していただき皆様で回覧していただければと思います。 回覧希望の方は送り先、郵便番号、電話番号、お名前を satousi1@yahoo.oc.jp にご連絡ください。(申し訳ありませんが、メールアドレスを変更していました。また、公開は最低限とし、Facebookに投稿しています。また、下記に紹介している番組の紹介もすでに消去されたものもありますが、番組名だけ残しておきます。 2020/10/17記す。)



 なお、NHKオンデマンドは全番組を登録し、受信料を支払っている視聴者には安く公開すべきだと思います。NHKの報道姿勢と内容を視聴者で検証できるシステムを保障することが、正しい情報を視聴者で共有するためには必要です。

「未来への責任~自然とデザイン」:ライブラリA  BD-R 25GB ① 美輪明宏スペシャル 2013.8.21② 焼け跡から生まれた憲法草案 2007.2.10③ 自衛隊と憲法 日米の攻防 2013.8.11 ソラァラ日記 文字起こし④ 摩文仁 沖縄戦 それぞれの慰霊 2013.8.31⑤ 戦後68年 いま“ニッポンの平和”を考える 2013.8.15    文字起こし 1 6.飯舘村 放射能と闘う農家 2013.9.37.オリバー・ストーンとヒロシマ 2013.9.68.宮崎 命のあしあと(口蹄疫惨禍ドラマ) 文字起こし9.音楽ドキュメント 「涙の女書」⑩ 森の牧場(斎藤晶牧場)


 ①~⑤,⑩ Panasonic DMR-BW700 HE(4倍モード)は他機種との互換性がないので、下記のライブラリを追加しました。


「未来への責任~自然とデザイン」:ライブラリNO.1「日本の平和と憲法を考える」 (BD-R 25GB 標準SP画質)1.美輪明宏スペシャル 2013.8.212.焼け跡から生まれた憲法草案 2007.2.103.自衛隊と憲法 日本の攻防 2013.8.114.戦後68年 いま“ニッポンの平和”を考える 2013.8.155.摩文仁 沖縄戦 それぞれの慰霊 2013.8.316.N響コンサート タン・ドゥン作曲・指揮    TheTears of Nature~マリンバとオーケストラのため       日本の津波犠牲者の追憶に    バレエ組曲「火の鳥」ストラヴィンスキー作曲    涙の女書(にゅうしゅう)The Secret Songs of Women7.コズミック・フロント「モンスター・ブラックホール」8.宮崎駿と半藤一利 「風立ちぬ」9.里山:森の牧場(斎藤晶牧場),松島の雄島10. 世界遺産:ブレーメンレー,ゲンスブルグ


「未来への責任~自然とデザイン」: ライブラリ NO.2 「心と原爆・原発」 (BD-R 25GB) ①~⑤ 標準(SP)編集モート,6~10 標準(5倍)モード① N響コンサート タン・ドゥン作曲・指揮 2013.8.11  TheTears of Nature~マリンバとオーケストラ       日本の津波犠牲者の追憶に  バレエ組曲「火の鳥」ストラヴィンスキー作曲  涙の女書(にゅうしゅう)② こころの時代}    内村鑑三② 第4回 真理と寛容 2013.7.21          ③ 第5回 死者との対話 2013.8.18          ④ 第6回 宇宙完成の祈り 2013.9.15⑤ フランクルの思想「生きる意味」 山田邦男  2013.8.25(再)6.音楽ドキュメント 「涙の女書」  2013.8.97.ブロークン・アロー 隠された核兵器事故  2013.9.68.フクシマ・プラン 国際協力チームの廃炉戦略  2013.9.169.キュリー夫人と放射能の時代  2013.9.1710. 海の放射能に立ち向かった日本人「ビキニ事件と俊鶻丸」  2013.9.28「未来への責任~自然とデザイン」: ライブラリ NO.3 「里山資本主義と金融資本主義」 BD-R 25GB①~④,⑫,⑯標準(SP)編集モート,5~11, 13~15標準(5倍)モード① フェイス 里山資本主義  2013.10.20再放送② 里山 森の牧場 ③岩泉の短角放牧 ④水俣の海と里山5.プロフェッショナル いつも1年生、自然のままに 浅野悦男  2013.7.156.仕事ハッケン伝 岩泉・中洞牧場の体験(堤下敦)  2013.7.237."プロフェッショナル 幻のチーズ農家 吉田全作   2013.10.148. TED ダン・バーバー「僕は魚に恋をした」 自然と養殖9. 中国激動 空前の農民移住(重慶)  2013.10.610. 中国激動 さまよえる人民のこころ  2013.10.1311. 奪われた大地 飯舘村 放射能と闘う農家2013.9.3⑫. 揺れる海人の漁場~日台漁業取り決めの波紋  2013.10.1513. BS世界のドキュメンタリ「バブルがはじけるとき」  2013.9.1914.  同上    ウォ‐ル街の“アンタッチャブル”  2013.9.2015. TED ローレンス・レッシング「政治と金」⑯.  里山 シイタケとクヌギ  津軽の三厩駅

「未来への責任~自然とデザイン」: ライブラリ NO.4(BD-R 25GB)    「芸術と数学と宇宙~感性と理性と肉体①」  ④⑤⑨⑩⑫⑬ 標準(SP)編集モート,その他 標準(5倍)モード1.ストラディヴァリウスの謎   2013.11.32.芸術と数学、隠れた数学者たち   2013.10.183.シンメントリー(対称性)   2013.10.11④.神の数式①この世は何からできているのか   2013.9.21⑤.神の数式②宇宙はなぜ生まれたのか   2013.9.226.コズミックフロント「素粒子と宇宙の始まり」   2013.10.47.オックスフォード白熱教室 マーカス・デユ・ソートイ  数学が教える知の限界   2013.10.258.TED 芸術の発想 フィル・ハンセン:制約からの発想   2013.10.7⑨.マイセン300年の時間旅行   2013.11.2⑩. フランシス・ベーコンと田中泯   2013.11.211. 鑑真に挑む、国宝誕生の謎   2013.8.28⑫.世界遺産 オシオス・ルスカのモザイク画、水の王宮:アルハンブラ宮殿⑬. もういちど日本 倉敷の美術館 祇園


「未来への責任~自然とデザイン」:   ライブラリ(パソコン用,Windows 7)    B(DVD)  森の哲学者メイナク族      https://www.youtube.com/watch?v=wNywm_Y8CTY    C (DVD) 山地酪農      ① 北日本編(北海道旭川 斎藤晶牧場)      ② 西日本編(高知 斉藤陽一)


を含めて全てのライブラリは、BD(ブルーレイディスク)ドライブ付きのパソコンで観ることができます。 PowerDVDB(DVD)は、ドライブにセットすると観ることができるはずです。C(DVD)は、ファイル名(VTS_01_0)をクリックして観てください。


「未来への責任~自然とデザイン」: ライブラリ NO.3-2  「経済のグローバル化と地域化(里山資本主義)」   ①②③⑨⑩ 標準(SP)編集モート,その他 標準(5倍)モード


① フェイス 里山資本主義   2013.10.20再放送② 里山資本主義 ~共感と実践の現場から~   2013.11.15③ デザインのチカラ 梅原真   2013.11.134. フェイス「チャンスは里山にあり」   2013.11.15.21世紀は警告する   2013.10.26(再:1985年放送)6.島耕作アジア立志伝スペシャル   2013.11.87.モリス・チャン:半導体ビジネスモデルの転換   2013.11.98.躍進とリストラのはざまで(韓国)   2013.11.9⑨ 成長か、死か ~ユニクロの世界戦略   2013.11.17⑩ 土と生きる:菌類のチカラ   2013.6.2811. プライムニュース「美瑛町の町づくり」   2013.11.17


第1回回覧は、ライブラリA,B,CおよびNO.1,2,3,3-2,4の合計8部です。



更新 2013.12.15 ブログ移転更新 2014.12.6 一部更新 2020.10.17




平和への不安を煽るNHK報道部

2013-09-23 14:18:56 | NHK

NHKスペシャル「戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える」を考える

問題提起  (平和への不安が高まる中、ニッポンの平和をどう守るのか)  前篇(35分)

司会A「世論調査で日本が戦争や紛争に巻き込まれたり、他の国から侵略を受けたりする危険があると答えた人は69%に上りました。」 : NHK世論調査(全国20歳以上、男女2500人。うち、1503人が回答)
自衛隊行進の映像、
司会A「日本の平和を守るために、防衛力の強化が必要だと考える人も増えています。」

岩田「戦後60年間、我々が平和であったのは平和憲法があったからではなくて、自衛隊が一生懸命働いていただいたこと、それと強固な日米同盟があった、要するに軍事力があった、ここに尽きていると思います。」

岡本「外交が大事なのはもちろんですね。だけど防衛と外交は二者選択ではなくて、まず外交でやるべきですよね。危なくなった時のセーフティーネットとして防衛力がある、抑止力がある。抑止力とは何かというと、端的に言えば、例えば、横須賀に置いてあるアメリカの第7艦隊ですよ。あれはジョージ・ワシントンという航空母艦を含めて全体が3~4兆円のお金がかかっているんですね。もっとかも知れません。そういう巨額の金を投じた艦隊が日本の首都のすぐ隣に置いてあるということが、周辺諸国に対して自分たちは日本を守るぞという強い決意になっている。だから、仮にどっかの国が日本の自衛隊は怖くないと言って来たって、アメリカと戦争する、アメリカから報復されるのはいやだからどこも日本にチョッカイをださない。そういうメカニズムがある。」

この番組への疑問

 「平和への不安が高まる」ことを前提に、「どう平和を守るか」と問うことは、軍事力の強化を望む答えを求めているようなもの。最近の原発事故の報道も真実に迫るのではなく政府の広報機関に堕していたが、この番組はそれをさらに逸脱して軍国主義化を煽った戦前と同じNHKではないかと思いました。

 ここでは、世論調査の扱い方、討論参加者の人選(シナリオと番組の編集)、世論を代弁していない市民討論等の疑問点を指摘したいと思います。

1.世論調査の扱い方

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 「日本が戦争や紛争に巻き込まれたり他の国から侵略を受けたりする危険」があると答えた69%はマスメディアの報道の影響を受けたものであり、「安全保障や外交に関して日本人の意識は変わってきている」と答えた65%とほぼ一致しています。むしろ危険と思っても、安全保障や外交に関して日本人の意識が変わったと思う人は4%少ないと読むこともできます。

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  自衛隊の防衛力についても、増強したほうが良いと答えたのが24.8%に増加していることを強調していますが、今の程度で良いが60%あり、平成21年度の65%より5%減少しているにすぎません。危機感を煽っても自衛隊の防衛力は60%が今の程度で良いと答えているのです。
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 また、日本と中国の人の中で、相手国に「良くない印象」を持っている人が2013年に90%を超えたとしていまが、2010年の中国は56%と日本の72%より低く、2012年までは日本より低かったものが、2013年に93%と日本の90%より高くなったものであり、日本の尖閣諸島の国有化が中国を刺激したものであり、中国の脅威が増していると言うのは、むしろ日本政府に問題があります。

 与那国島の町長選挙の先頭に自民党の小池議員がいて、菅官房長官が「自衛隊の与那国配備というのは、私たちは必要だと考えております。」と断言している政府の前のめりな姿は、尖閣諸島の問題は政府の責任が大きいことを示していると言えましょう。

2.報道の基本を踏み外した取材

 我々には尖閣諸島周辺で何が起こっているのか分かりません。それを正確に伝えるのが報道の基本です。この番組では、「島では漁業関係者の間で、自衛隊の配備を望む声が高まっていました。去年、日本が尖閣諸島を国有化して以来、中国の監視船と頻繁に遭遇するようになったからです。」 というナレーションに続いて漁民Aが仲間から聞いた話「尖閣に行っている仲間がいるんで、すごいと言っていましたね。日本の漁船を見ると追いかけ回してくるって。」を紹介しています。まず、聞いた話ではなく直接経験した本人を登場させるべきですし、それよりも。「中国の監視船が日本の漁船を追い回すことはない」という情報もありますので、中国の監視船が日本の漁船を追い回している映像を紹介するのが報道の鉄則です。また、漁業権で中国と台湾を分断するために、地元の漁業者に相談することもなく『日台漁業取り決め』が締結されて以降、台湾の漁船が急増しているニュースは無視しています。

 尖閣諸島の歴史的問題については、岡田充著『尖閣問題―領土ナショナリズムの魔力』が、最も信頼がおける情報だと思いますが、これを推薦しているブログでは、『NHKなど自らが手を染めた「国民の右傾化」を白々しく「世の中が右傾化していますね」などと他人事のように話す無責任極まりないオトボケぶり。自らの無能さを隠すための属米外務官僚らの世論誘導そのまま垂れ流す始末。いま、マスメディアを中心とし歴史的事実を捻じ曲げようと行われているのは、心理学的にあるそうだが、事実でないことでも延々と言い続けると、それがあたかも「事実」であるかのような錯覚に陥るマインドコントロールである。国民を洗脳するための「ウソ」を言い続ける』と論じています。

3.討論参加者の人選(シナリオと番組の編集)

 司会者は論議の冒頭で「今夜は生放送で議論していきます。」と言っていますが、自由な論議を時間内にまとめることはできません。しかも報道と市民討論を挟んでの論議であり、NHKが政府の広報機関であるという立場からも、政府の政策に直接異議申し出ないよう討論者の選抜を含めて、シナリオが作成され編集されたと考える方が自然でしょう。

 例えば、岩田氏や岡本氏の発言は明瞭にして論理不在の感がありますが、半藤、伊勢崎氏はこれに明確な反論を与えず、論理あれども不明瞭な印象を与えています。このことから改憲に疑問を抱く若手の宇野氏から、「保守の人は明確な回答を持っている。改憲して、国軍を作って、重武装化してという回答を持っている。これに対抗するリベラルの人達の処方箋が全然ない。とりあえず反対とかで具体案がない。その差が世論調査にも出ているのではないか」 と言わせる結果となったように思います。「保守は改憲と国軍の重武装化という明確な回答を持つ」けれども、それは手段の明確化であり安全の解決には決してなりません。しかも、手段は「絶対に戦争はしない」ために選択すべきです

 NHKの報道や今回の論議のシナリオの危険性はここにあります。安全の解決に関する個々の論点につきましては、後半の論議で検証したいと思います。

4.世論を代弁していない市民討論

 市民討論は18名で実施されています。世論調査では自衛力を増強した方が良いのは25%であったので、世論を代弁するなら4~5名が自衛力増強派で残りはこのままで良いか縮小派となるはずです。しかし、市民討論の結果「国の守りを強化すべきかどうか議論が分かれた」とし、「意識の変化をどう考えるか」から議論に入っています。このシナリオで議論を誘導することは、世論を誘導こそすれ、世論を代弁するものではありません。

 日本の世論の実態はどこにあるのでしょうか。不安を煽れば強くありたいと願うでしょう。しかし、銃で身を守るアメリカ社会は市民が市民を殺し、他国からのテロ攻撃の対象とされています。軍事力を行使して強くなろうとすることが、他国に嫌われこそすれ安全を守ることにはつながっていないことが、アメリカの悩みであり、平和を考える確実な第一歩ではないでしょうか。


戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える(2)

2013-09-23 08:12:38 | NHK

NHKスペシャル 「戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える」

アメリカとの関係は (後編 40分)

司会A「ここで日米同盟を巡る両国の最新の動き、そしてそれを受けた市民の討論をご覧いただいて、再び話をしようと思います。」

ナレーション「今年6月、自衛隊とアメリカ軍による大規模な上陸訓練が行われました。今回は陸上自衛隊に加え、初めて海上自衛隊が参加。過去最大のおよそ千人の隊員が派遣されました。離島の防衛に必要な作戦のノウハウを学ぶのが目的です。背景にあるのは台頭する中国の存在です。見直しが進む防衛計画の大綱。その中間報告では、中国の軍事力の急速な近代化や海洋活動の活発化が、地域の安全保障上の懸念となっている、としています。現在、安倍総理大臣はこれまで歴代の政府が憲法解釈上許されないとしてきた集団的自衛権の行使について、それを可能とする憲法解釈の見直しに意欲を示しています。第一次安倍内閣の時に設けた有識者による懇談会を5年ぶりに再会しました。」

安倍首相「東シナ海や南シナ海の情勢も変化している。日米同盟の責任はますます重たくなってきている。」

ナレーション「有識者懇談会では、共同で活動中のアメリカ軍の艦艇が公海上で攻撃された場合、自衛隊が守れるようにすることなど様々な検討を進めています。こうした日本の動きを同盟国アメリカはどう見ているのか。ケリー国務長官に政策提言を行っているケント・カルダー氏、日本が集団的自衛権の行使を可能にすることは日米同盟を強化するために重要だと考えています。」

ケント・カルダー「実際の紛争でアメリカ軍が攻撃を受けた時に日本の自衛隊が助けてくれるかどうかは、日米同盟の根幹に関わる問題です。それができないとなれば、日米同盟はうまく機能しなくなると思います。」

ナレーション「一方、アメリカにとって国際社会での影響力を強める中国は無視できない存在になっています。中国との新たな関係を模索するオバマ政権はアジア外交の重要なパートナーである日本が中国と過度に対立することを望んでいないとカルダーさんは指摘します。」

ケント・カルダー「日本はアメリカにとって重要な同盟国で、アメリカのアジア戦略において大きな役割を果たす要石です。ただ、アメリカとしては国益にそれほど関係のない理由で不必要な紛争に引きずり込まれることを望んではいないのです。

ナレーション「国際情勢が大きく変化していく中、アメリカとの同盟関係をどうしていくのか。番組が行った世論調査では、今より強めるべきが26%、今のままで良い50%、今より弱めるべきが8%、解消すべき5%という結果でした。」

Heiwa18 司会B「アメリカとの付き合い方、どういう風にしていったら良いと思いますか。」

Aさん・同盟関係を強化すべき(66)「今、アメリカの発言をみると、日米同盟もこのままでは危ないんじゃないかと思う。アメリカも自分の国の国益が一番だと思う。日米同盟ももう少し深化させていく努力が必要。」

Lさん・このままでよい(22)「今日まで自衛隊の戦死者がゼロであったのは9条のお蔭というよりも、米国との同盟関係に守ってもらっているということも忘れてはいけない。」

司会B「Mさんはアメリカにお住まいだったのですね。」

Mさん・同盟関係を弱めるべき(48)「私ごとになりますが、テロに巻き込まれて主人は亡くなっている。テロ事件が起きてからのアメリカの迷走ぶりというか、一気にアメリカの名の下に我々は集結していくんだという感じで、殆ど戦争ムード、もしかしたら本当に大きな戦争が起きて日本も巻き込まれていくんじゃないかという恐怖感が今でも残っている。本当に道を誤って欲しくないと、それはものすごく感じた。」

Nさん・同盟関係を弱めるべき(58)「アメリカに、しっかり自立したというか距離を置くことが必要だ。例えば、中国と韓国、周りの国々との関係をきっちりと作っていくことが、アメリカとの対等な関係を作ることに重要なことだと思う。」

Oさん・このままで良い(65)「結局、アメリカともアジアとも仲良くしていかねばならないということですね。」

Nさん・同盟関係を弱めるべき(58)「もちろん、そうでないとダメだと思います。」

Pさん・同盟関係を強化すべき(36)「正直、アメリカしかないんじゃないの。いろいろやらかしているし、100%信任はできないけど、周りを見たときにしょうがないからアメリカを選ぶという、そういった使い方をしていくしかないと思っている。」

Heiwa19 司会B「現実的な選択肢として日米同盟の強化が必要なのではないか、という声の一方でアメリカの戦争に巻き込まれる恐れもあるのではないかという声もありました。アメリカとの関係をどう考えていくべきか、岡本さん、どうお考えですか。」

岡本「日本の防衛費はGDP比では世界で130番目以下です。本当の軽負担で済んでいる。日本は戦後、防衛費にお金を使わないで、その分を全部、経済発展につぎ込んでくることができたから今日の繁栄がある。それはアメリカ軍という抑止力があるから日本は誰からも攻撃される心配がなかった。でも今の集団的自衛権というのは、同盟国としてやらないといけない最小限のことはある。例えば、今も議論していますが、今の法制局の見解では、北朝鮮がミサイルを発射した。日本に向かっている。撃ち落そうかと思ったら、あれはサンフランシスコに向かっている。アー、万歳。と言って日本は何もしない。行ってらっしゃいてなもんですよ。そんなことで同盟関係が成り立つ訳がない。だって、結局は人間の心理の問題ですからね。我々は安全というものを痛みを伴うことなく貰うことはずーっと慣れてきていますが、少しでも痛み、つまり集団的自衛権に関わる部分が出てくるといやだいやだと、それは通用しなくなってきている。それくらい国際情勢が今、緊迫化してきているということだと思います。」

司会A「一方、市民討論でも、アメリカに巻き込まれていくんではないかという心配が出ていましたが、半藤さん、いかがお考えですか。」

半藤「私は集団的自衛権というのを、何のためにやるのかいつも思っている。岡本さんの話は、よく例にあがる話ですからそうだろうなとは思いますが、安保条約をよく読んだってアメリカが日本を守ることは書いてありますが、日本がアメリカを守るとは1行も書いてないですよ。アメリカ議会は上院も下院も批准している。アメリカは安保条約を見る限り日本に守ってもらおうということなんて何も考えていないと思いますよ。ですから例としては分かり易いが、本当に日本が集団的自衛権をやるとなると決めると、一番喜ぶのは中国だと思います。中国の軍部が一番喜ぶんではないか。日本はやっと昔の日本らしく平和主義を棄てたと中国国民に言える訳ですよ。大ぴらに、今度はね。」

司会A「岡本さん、今の指摘どうでしょうか。アメリカを守るとはもともと書いてないし、アメリカも納得していたんではないかという指摘ですが。」

岡本「事実としては、その通りですね。韓米相互防衛条約はアメリカと韓国の間、あれは両方共が集団的自衛権を持っていますからお互いに守り合う。日本は集団的自衛権を持っているけど、それを憲法のもとで行使しない、という不思議な法制局の結論がありますから日本はアメリカを守れない。その代わりに日本はアメリカに120ヵ所以上の施設区域 、基地を提供して日米の義務と権利をバランスさしているというこういう感じですね。日本は全然お腹を痛めることなくアメリカにやっぱり守ってもらっている、とこういう仕組みですね。これは別に悪いことではない。日本が守られているという意味では大変に得な制度だと思います。」

司会A「伊勢崎さん、如何でしょうか。」

伊勢崎「アメリカは火力(兵器)という意味で日本に貢献を期待しているかどうか、それは政治的な局面では、これは外交ですから、絶対それを要求してきますが、現場のレベルではあまりそういう感じは億は受けていない。」

司会A「どういうことですか。」

伊勢崎「海上自衛隊(海自)を例にとっていますが、日本はご存知のように単年度予算でイージス艦一隻も作れませんよね。ご存知のように、防衛庁の枠がありますから。それを一番分かっているのはアメリカで、だから海自は米をいかに補完するか、例えば哨戒能力は日本は大変優れていますから、それは米も頼っている。偵察能力ですね。そういった意味で米が持っていないものを、日本も現場では海自も補完して来ている。それで同盟を築いて、このままいくことに何も不満はない。米も日本が防衛費を今以上に何十倍も割いてイージス艦を一杯持てとか、原潜も作れ、空母も作れという風にはなっていない、現場の人間の理解では。」

司会A「半藤さんは協力していくことそのものに心配しているということですが、伊勢崎さんはちょっと違っていて、もっと日本にできることが日米関係の中でもあるかもしれないということですね。」

伊勢崎「そうですね。」

司会A「今の指摘はどうでしょうか。」

半藤「まあ、あると言えばあるかも知れませんね。でもなにも日本の国そのものを不利にするような拡張をする必要はない。」

伊勢崎「そうです、そうです。」

司会A「岡本さん、今の指摘、いかがでしょうか。」

岡本「例えば、インド洋に日本は海上自衛隊の補給艦を提供して給油活動をした。あれはアフガニスタンにいるタリバンやアルカイーダが麻薬を持ってイエメンとかソマリアとか対岸にインド洋を越えて行こうとする。それをインターセプト(遮断)するというミッション(使命)を持ったのは日本の補給艦ではなくて、各国がやっている警備部隊なんですね。日本は安全なところにいて、その警備部隊に油を提供する。これだけでも各国は非情に喜んだし、日本自身はテロとの戦いに安全な形で参加したんですね。ですから伊勢崎さんも仰ったように、日本ができる範囲で、もちろん憲法なんかと全く抵触しないやりかたで、国際的な協力に参加することはいくらでもできる。」

司会A「伊勢崎さん、アメリカとの関係を強めるということが、他の国の人達が日本を見る目にどういう影響を与えると思いますか。」

伊勢崎「これは僕の個人的な経験ですが、アフガニスタンでの対テロ戦で米軍(後にはNATO軍)による占領政策に国の代表として2002年、2003年頃関わったが、その時の現場レベルでの感覚ですが、僕の付き合いのある米軍の将軍の人達は、日本の良さを火力での期待ではなくて、日本の持っている平和的なイメージを米が占領政策、人心掌握のためにうまく使ったという例がある。それが武装解除だったんですけど、これが対米協力という意味で非情に米が利用した。これも米が持ってない資質なんですね。米は火力を圧倒的に内在しているから現地社会では嫌われる。それをいかに受け入れさすかで日本を使った。その補完関係が非情にうまくいった例が一番アフガニスタンなんですね。

司会A「それでも相手から見れば日本とアメリカが一体と、いうそういう感じは。」

伊勢崎「一応、米の占領下ですから、アフガニスタンは。米と仲がいいとは分かっている訳です。だけど沖縄の状況、アフガニスタン人を沖縄につれていくとびっくりするでしょうね。日本はアメリカの軍事基地ですから。あそこに連れて行けば分かっちゃう訳ですが、そういう感覚は彼らは知らない。米の司令官が僕に言ったことですが、日本は美しく誤解されていると。」

司会A「美しく誤解されている?」

伊勢崎「はい、実態は知らなくて日本のイメージがある訳ですね。」

司会A「半藤さん、アメリカと一緒になる、それは世界から見られることは、半藤さんはどう思われますか?」

半藤「だってもう、世界はそう見ていますよ。私がどう見るより何よりも、伊勢崎さんが言うように世界中がアメリカのために働いているというのは見てますよ。それは良いですよ。日米同盟というか条約を評価するためには悪いことではないので、それは結構だと思いますよ。だけど、今度は日本自らが条約の先を言って、条約以上のことをやって、日本が世界中に嫌われるような形になる不利なことをする必要は全くないということなんです。」

司会A「条約以上のことをやると何故嫌われる?」

半藤「だって、日本が平和国家であるということを止めることを表明するみたいなもんですから。」

司会A「・・・・」

半藤「つまり集団的自衛権を行使するということは、例に上がりましたように北朝鮮の弾が(ミサイルが上がって)くるかどうかは別にして、日本は攻撃的になる訳ですから。」

司会A「・・・・」

半藤「日本は攻撃国家になる訳ですから。」

司会A「宇野さん、どう受け止められますか。」

宇野「皆さんの議論を聴いていて、この問題って本質的な対立はないですよ。どう考えても短、中期的にはアメリカとの同盟を前提にしながら、どうやっていくかの問題だけですよ。かと言って100%言いなりになるのは馬鹿じゃないですか。だから9条でもなんでもいいし、カードを使いながら駆け引きをして、どう日本人の安全と国際平和への貢献を獲得していくかという問題があるだけですよ。長期的にはアメリカだけではなくて中国とか韓国とかを含めて包括的な東アジアの安全保障の枠組みを作っていきましょうという問題があるだけで、あとは技術論だと思うんですよ。逆に言うと、なんでこういう議論を今まで70年近く出来てこなかったのかという問題ですね。」

司会A「岩田さん、どう思いますか。」

岩田「今、宇野さんが仰った通りだと思います。これは技術論だと思いますけど、技術論も大事な部分で、先ほど岡本さんが仰った通りミサイルが飛んできた時に、これを日本が打ち落とすというのは、半藤さんが攻撃的と仰ったが、飛んできたミサイルは飛ばした方が攻撃的なのであって、打ち落とす方は攻撃的ではないと思う。集団的自衛権をアメリカに巻き込まれる巻き込まれると極端な議論だけが先行していて、現実的にどういう風に貢献できるかをリアリズムの立場で考えることが一番大事だと思います。だから技術論といば技術論です。」

半藤「技術論なんです。今、仰るように。ですから、あんまりやっても意味がないんです。」

司会A「そこのところが次の重要な議論のテーマになると思います。これまでは、冷戦時代はアメリカと一緒にいることが一番大事な選択肢で疑いがなかったと思いますが、テロが多発していますし、世界が不安定化しています。

司会B「そういった不安定化している中で、ニッポンはこれからどうしていくべきか。宇野さん、どう思いますか。」

宇野「その点ですか。今、僕言ったと思いますが。ひとつ前に言ったことをそのままコピーして貼り付けたら答えになると思うけど。」

司会B「じゃあ伊勢崎さん、いかがですか。」

伊勢崎「あのー、テロとの戦いですね。テロというのは、これは概念との戦いなんですね。テロリストというのは、多分僕自身明日なるかも知れない。アメリカ自身の中にもいますし、、同盟諸国の中にもいますし、これは概念との戦い、やっかいな戦争に今、我々は突入して、多分これから半世紀ぐらいは続くのかなと思いますね。これに一番苦しんでいるのはアメリカなんです。で、同盟諸国もその被害を受けている。アメリカ自身が苦しんでいる例としてスノーデン事件がありましたね。国内に脅威があるからホームセキュリティと対テロ戦が一直線上にある。それが暴露されたのがスノーデン事件です。そういう問題です。概念というのはこういう厄介な問題、アメリカが一番考えているのは、いかに過激化を防ぐか、ご存知ですね、「Counterinsurgency」と言ってアメリカの軍事マニュアルにもなっている。つまり、人心をどう掌握するか、火力を使わないで、いかに信頼を増して対アメリカの激しい憎悪を抑えるかがアメリカの基本戦略なんです。でもアメリカにはできない。何故かというと火力を内在しているから。見えない訳ですね。これをセキュリティジレンマ、ジレンマとして捉えている。つまり自分たちの内在している実態と自分たちがやりたいことのギャップ、これをジレンマとして彼らは戦略的に意識している。」

司会A「そこは、日本はどうなんです。できるんですか?」

伊勢崎「日本は同盟国でありながらその対極にいる訳です。我々は火力を使わないで外交をやる、戦争はやらないと言っている訳ですから、そもそも日本みたいな国に国境問題がある方がおかしい訳です。この辺は外交して来なかった。半藤さんの意見に大賛成ですけど。とにかくアメリカが一番苦しんでいる。ジレンマを抱えながらジレンマを意識しながら今苦しんでいる問題がテロとの戦いで、これはこれからずーっと続く。その時に日本の立ち位置はどうなるのか。日米同盟を強化するのは当たり前、強化と逆の方になりようはないじゃあないですか。日本はアメリカの基地なんだから。そうではなくて、今、大切な同盟国が今、本当に苦しんでいる。その苦しんでいることをどうしたら良いかは彼らは分かっている。でもできない、この現実を我々が一番重要な同盟国としてどう理解するか。この感覚が政治家には全然達足りていない、右も左も全然足りていない。」

司会A「平和を看板にしてきたものだからできることがあるという今の指摘、土井さんどう受け取られます。」

土井「対テロ戦争まで話が広がるとは思っていませんでしたが、対テロ戦争の原因、テロの原因は人権問題ですよ。カシミール問題あり、パレスチナ問題あり、国内の問題もありましたが、どこにもかしこにも全部に不正義があり、人権の問題がありなので、そこを解決するべきですね。日本はその能力がありながら戦後、残念ですが外交の力をほとんど発揮してこなかったと私も思います。ただ、我々が今、現実に脅威として直面しているのは中国と北朝鮮ですよね。この国がもし自由と民主主義を基盤とする国であれば、日本にミサイルを飛ばして来たり、衝突をして来たりするでしょうか、多分しないでしょう。とすればこの国の人々が、まさに人権や民主主義や法の支配をすごく欲しているのですよ。中国の防衛費はすごく大きいですが、中国の治安、維持費、国内に向けて銃を向けている、この費用の方が高い。そういう国な訳ですね、中国の国民が欲している平和を日本が作る手助けすることこそが、新しい積極的平和外交とでも言うべきでしょうか、戦後もっとやって欲しかった。しかし最近、結構外務省も始めていますが、少しずつ。中国の民間に 働きかけ、中国で民主主義を欲し、法の支配を欲して闘っている人達がいますから、この人たちを支援する民間外交とへっぴり腰にならずにちゃんと中国政府に対して人権、民主主義をしっかりやりなさいと言う外交、二つの外交が本当は平和に直結すると思いますけど。」

司会A「岡本さん、日本の新しいありように対する提言だと思いますけど。」

岡本「テロの原因が人権問題というは僕は必ずしも賛成しない、それだけではない。アルカイダが9.11にワールドトレードセンターを攻撃したのは、文明というものに対する彼らの見方ですよ。預言者ムハンマドが来てからの千何百年間かの今の文明というのは全て悪であると彼らの書いたものにも出ていますけどね。そういうことで来ている。だけども人権問題を一生懸命やらなきゃいけない。それはその通りだと思いますね。中国の間でもそれをやらなければいけない。まあしかし、中国との間でもう40年以上日本はソフトパワーを一生懸命やってきたけど、どんどん状況が悪くなってきたから・・。」

土井「まだ、やって来てない。」

岡本「まだやって来ていない?そうですか。」

土井「だって、そういう風に言うべきでしょ。」

岡本「日本の生きていく道というのは、いろいろ安全保障も大事です。だけども自ずから制約がありますから、なんといっても経済協力が大事ですよ。ところが日本は軍事的な面では協力できないが平和的にやりますと世界に胸を張っていた。事実、1997年は日本は世界最大の援助供与国だったんですね。それがまあ、どんどんどんどんアメリカに抜かれ、イギリスに抜かれ、フランスに抜かれ、ドイツに抜かれ、当時の当初予算ベースでみれば半分になっている、日本の経済協力予算は。まずは日本は経済を復活させて強い日本になること、それが大事だと思いますね。そうするとさっきから申し上げているような軍事的な面での集団的自衛権で憲法に抵触しない部分も、いろんなことができるようになっていくと思います。」

司会A「日本は平和を表看板に掲げて外交で何か出来ることがあるんではないかという指摘、半藤さん、どう思われますか。」

半藤「その通りだと思います。外交は本当に岡本さんには申し訳ないが、もう少し磨いて欲しいですよ、外交力を。そうすれば武力ではなく経済力を背景において、もっと平和外交は出来ると思うんですよ、日本は。少々、不安であっても日本人は、不安であってもそれに耐えながら、戦後ずーと持ってきた平和主義、平和国家というものの理論を世界に広めていくと、それぐらいの意欲を持って、理想論かも知れませんが世界に発言していった方が日本の平和を守るためにもっと良くなると思います。」

司会A「岡本さん、いかがですか。」

岡本「全くその通りだと思いますね。でも、僕は別に外務省の代表ではないですが、彼らの気の毒なのは主要国の外務省の規模に比べて人員は半分以下なんですね。本当に苦労して良くいろんな所で良くやっていますよ。もう少し予算を増やして、人を増やしてやってください。」

司会A「日本の良さを生かす道というのが、あるかも知れませんね。」

司会B「それではここで市民討論をご覧ください。」

ナレーション「議論の終盤、市民の一人から日本という国の在り方をもっと考えるべきだという声が上がりました。」

Qさん・沖縄在住(41)「僕は細かいことは分かりません。ただ沖縄に住んでいるというだけですが、「私たちは何を目的に、日本という国を運営していきたいのか」、もっとそこの所を話し合わないと手段の部分がずれてくるんではないかと思う。「本当の日本らしさとは何なのか」、ここをもう一回戻った方が良いのかなと。難しいかも知れないけど、「絶対に戦争はしません」ここが基本じゃないかなと私は思います。」

Rさん・元船員(71)「あのー、ちょっとよろしですか。私の職業的体験から言いますと、海上輸送がないと日本という国は成り立たない。資源はない。資源を輸入して加工して輸出する。日本の生きる道はこれしかない。だから安全をどう維持するかを考えていかないといけない。」

Mさん・主婦(48)「ぶれない部分、ぶれない部分を持ってなさすぎるのが日本なのかなと、お話を伺っていて思ったのですが、日本って何をしたい、どうしていたい国際社会でというと、何か今一つはっきりしていないような気がするんですね。」

司会B「今の市民の方々の声をどうお聞きになったでしょうか、岩田さん、いかがですか。」

岩田「大変重要な指摘だと思います。これからの日本はどうあるべきかと言いますと、先ほどらい議論してきましたが、アメリカに助けてもらうことを前提として話してある。これは戦略戦術論として正しいのはその通りですが、基本的に独立自尊、自分の国は自分で守るという精神を持つことが第一に大事だと思う。第二にナショナリズムを正面から見直すことです。ナショナリズムが変な形で今の日本では出ているのではないかと思えてなりません。本来あるべきナショナリズムは何かと言ったら、私は今の日本では二つあると思う。一つは福島県民に対する思いはもう忘れているのではないかと思います。もう一つは沖縄です。沖縄は大東亜戦争で地上戦までやった。最期に後世格別のご高配をと言った。現在、現地にあるのは米軍基地ですよ。後世格別のご高配が米軍基地で良いのかというのは、日本人として心のどこかに持っているべきだと思う。したがって独立自尊の心を持つことと、健全なナショナリズムを復権させること、これが大事だと思います。」

司会A「土井さん、いかがですか。」

土井「日本の国を守るということは、最低限のことですよね。それにプラスして、日本が今後どういう国になるべきかという意味では、世界の平和、世界の人々の幸福に貢献する国でなくてはならない。そういった意味では先ほどもちょっと申し上げましたけど、今までの日本は自分が戦争をしなければ良いという発想でしたね。それだけでは全然足りなくて、何故なら世界中には本当に多くの紛争があって、今日もエジプトでは何百人も撃ち殺されたということもありました。シリアでも紛争が起きています。我々のビジネスマンが沢山行っているミャンマーでも内戦が続いています。北朝鮮では20万人の人が政治犯収容所にいます。様々な問題がある訳です。これに対して行動する新しい積極的な平和外交を、これは外務省ももちろんやるべきですが、民間もできることですね。民間の交流もあります。そして人権や民主主義について、今まで日本政府は基本的には黙っている、公の場ではあまり言わないという立場でしたが、そうではなくてしっかり現地と手を結んだ上で、はっきり声に出して世界に向かって政治力を使っていく外交、それが新しい日本の姿ではないかと思っています。」

司会A「外交に目を向けるべきだと皆さんから出ているのですが、宇野さん。」

宇野「今日ここに来て、特に左のお三方の話を聞いて、こんなに外交とか国際貢献でポジティブなことを日本はやってきたんだと勉強になった。もっとこういう話を伝えるべきだと思う。ジャーナリズムとか言論が、今までの日本の外交とか軍事に関する議論を硬直化させてきた。最たるのは憲法とかナショナリズムの論議で、僕は憲法もナショナリズムも道具だと思う。獲得すべきは日本人の安全とか日本社会の秩序とか、あとは国際平和だと思う。なのに、いつの間にか憲法を守ったり変えたりすることが目的になっている。そして文化論になってしまう。9条を守ること、変えることが自分探しと結びついていて、精神論ばかりして喧嘩して、ぐちゃぐちゃになって、結局、話は何も進まないことをこの50年とか、戦後ずっと繰り返してきた気がする。僕はゼロから考えれば良いと思う。今日も言ったように軍事と外交は一択だと思う。特に短期、中期的には。それをどう実現していくのははっきりしているので、そこから逆算して9条が使えれば残したら良いし、足を引っ張るのなら変える変えないの議論をしても良いし、そういうことをゼロからやらないで、かくあるべし、こうしないと日本人の誇りがといったところから入ると、また同じ形態を繰り返すと思う。」

司会A「大事な議論だけど、そういう議論がなかったよねというのが、宇野さんの指摘ですね。伊勢崎さん、どうですか」

伊勢崎「日本の領海内の平和の維持に関して、日米の協力は日本は補完、米も日本が経済的発展を犠牲にしてまで火力を増強するということは望んでいないと思う、そこまでは。いかに米がないものを補完していくか、そして日本の周辺を守っていくか。もちろん同盟国として一番大切なのは世界戦ですね。米が一番頭を悩ましている。アフガニスタンからも軍事的勝利なしで逃げ出したんですからね。これほど苦しんでいる。」

司会A「この国にとって何が国益かという議論がなかったのは、何故だ思います。」

伊勢崎「多分、リベラルとか左とか護憲派に属する我々の責任だと思う。国益という言葉を使うと、お前は右翼かという話になってしまうので国益の話を忌諱していた。そうではなくて、僕は9条をこのまま保った方が国益になるという議論を今しようとしているのですが、9条を失うことによって日本のブランディングの力が弱まることによって失う国益、そこをちゃんと国民に見せて最終的に判断してもらうことを我々がしないとダメですね。そこは半藤さんの意見と同じだと思うが、具体的に見せないといけない。それは私のアフガニスタンの小さな体験ですし、同盟国のアメリカが一番苦労していること、そこを補完するとうこと。」

司会A「なかなか議論がなかったということ、岡本さん、番組の始めの方で戦争を見つめ直すことがちゃんとできていないと仰ったが、私たちはどういう国にするかの議論がないのも、そこに関係していますか。」

岡本「はい、そう思います。皆さん、外交の重要性を仰るが、外交を推し進めても壁が常にあるのは、まず二つある。一つは戦争をどう総括するかという問題ですね。あの戦争、名前すら我々はつけてない。先の大戦とかね。第2次大戦とは言われるが、あれは第2次大戦のほんの一部ですからね。例えば、私はあれはアジア・太平洋戦争と命名すべきだと思いますが。皆が、なんとなくあの戦争のことはとね、先の大戦ということで、それ以上中に入っていかない。何が本当に悪かったのか、悪くなかった部分は何なのか、じゃあそれは今でも使っていいじゃあないか。それはいろんなことがあると思いますよ。そこを総括しない。それともう一つは歴史認識の問題なんですね。2006年に日本が安保理の常任理事国に立候補したときに、中国はアジア諸国に大キャンペーンを張って、日本を安保理の常任理事国にしてはいけないと、彼らの血には好戦的な血がDNAとして流れていると大キャンペーンをやったんですよね。それを聞いてしまったアジアの諸国もある。我々はそれに対して有効が反論できるように、歴史認識についても国論が割れているが、事実は一つなんですから、きちっともう一回見直すべきですね。」

司会A「半藤さん、一言、今私たちに一番求められていること、なんだと思いますか。」

半藤「私は歴史を一生懸命に学べ学べと言っている。日本の近代史をきちっと学べば自ずから日本がどう進めば良いのかは出て来ると思う。本当の話。世界中の国が日本は昔と同じ国かと思わせないためにもしっかりと学んで、平和主義を世界に拡げていく、国民がそういう気持ちになった方が日本の平和はまもれると思う。」

司会A「今日は市民の皆さんの議論も受けて、平和を守るためにどうしたら良いか話をしてきました。根源的な問いかけがあったと思います。ありがとうございます。」

司会B「ありがとうございました。最期に土井さん、母親でもありますが、今日の議論をどうお聞きになりましたか。」

土井「平和主義というのは非情に尊いもので、私のように世界を見ているものからしますと68年前だけではなくて今この瞬間にも、自分の子供の命を亡くしている母親、父親は沢山いるんですね。そのために日本ができることはたくさんある。平和的手段で今すぐできることもある。今、いろいろ議論されていることもありますが、それに向けて行動が必要なのが今だと思います。」

司会A「宇野さん、一言。」

宇野「リベラルの人達はもっと頑張るべきですね、僕らも含めて。重武装だけが答えではないというポジティブなビジョンが圧倒的に足りないですよ。」

司会A「そうですか、ありがとうございます。どういう国を目指すべきか、みんなの議論が問われている、ということが分かったと思います。今日はどうもありがとうございました。」

2013年8月15日  終り


戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える(1)

2013-09-23 08:11:43 | NHK

NHKスペシャル「戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える」

問題提起  (平和への不安が高まる中、ニッポンの平和をどう守るのか)  前篇(35分)

司会A「今回、番組で行った世論調査で、終戦の日を8月15日と答えられなかった人は33%、3人に1人に上りました。」 
Heiwa3b_4
太平洋戦争の映像
司会A「薄れいく戦争の記憶。」

尖閣諸島と中国海警の映像、
司会A「その一方で、今、平和への不安の声が高まっています。」

北海道A氏「尖閣に関してはすごく心配はしています。お互いの利権のために争っているわけで。」


大阪B氏「戦争が始まるんじゃないかとか、攻撃を受けるんではないかという危険はある。」

広島C氏「いつ日本が巻き込まれるか分からない。不確かな状況であることは間違いない。」

司会A「世論調査でも、日本が戦争や紛争に巻き込まれたり、他の国から侵略を受けたりする危険があると答えた人は69%に上りました。」

Heiwa5_4自衛隊行進の映像、
司会A「日本の平和を守るために、防衛力の強化が必要だと考える人も増えています。」

D氏「武力を放棄してなくせば、本当に平和が行くのかと。」

司会A「これまで国の防衛にあまり関心のなかった人たちが、活発な議論を交わし始めています。」

E氏「家族を守るためには、そういうの(防衛力の強化)が必要なのかな。」

司会A「一方、こうした動きに懸念を抱く人たちもいます。この主婦のグループでは、防衛力の強化がかえって平和を脅かすことにつながるのではないかと考え、チラシで訴え始めました。」

F氏「強い日本の方がいいというふうに思わされている。」

G氏「なんとなく流されて、気付いたら手遅れになっていたとならないか、私は心配している。」

司会A「ニッポンの平和をどう守るのか。戦後68年の終戦の日、皆さんも一緒に考えてみませんか。」

討論(1)

司会A「5人に4人が戦後の生まれ。戦争の記憶が薄れていく一方で、平和への不安が高まっています。ニッポンの平和をどう守っていったらいいのか。今夜は生放送で議論していきます。」
司会B「スタジオには戦時中を知る作家、外交や国際貢献の現場を知る方々、そして若手の論客など、様々な立場の方にお集まりいただきました。皆さん、よろしくお願いします。」

出演: 半藤一利  岡本行夫  伊勢崎賢治  宇野常寛  土井香苗  岩田温

(参考:リチャード・アーミテージ氏、マイケル・グリーン氏、ジョセフ・ナイ氏ら「ジャパンハンドラー」と加藤良三元駐米大使(飛ぶ球に名前を印字したプロ野球コミッショナー)、岡本行夫氏らが「日米安保研究会」を発足。 批判ブログ1 批判ブログ2

 

司会A「戦後68年の終戦の日、どんな想いでお迎えか? 色んな想いがあると思いますが、半藤さん一言で言うとどんなお気持ちですか?」

半藤「私は昭和20年3月10日に(東京大)空襲に会いまして、もう本当に死んだ、半分死んだことがある訳ですね。その時、助かったんですが、それからもう83歳になりました。よくまあ生きてきたもんだと、自分で今そう思っています。

司会B「戦後生まれの宇野さんはどうお考えですか?」

宇野「僕はですね、亡くなった父親が自衛官だったんですね。そこで、全国を転々としていたんですが、比較的僕は、平和とか戦争の問題を考えさせられる機会が多かったんですよ。でも今のVTRを見ると、僕が小学生の頃とはだいぶ空気が違っていますね。皆さんの防衛とかに対しての意識って、自衛官の息子でもないと考えないですよ、逆に。そんなにクラスで平和について一生懸命議論しようとか、道徳のビデオを見ると、皆しらけるんですよ。でも今のビデオを観るとそんなことはなくて、気が付いたら冷戦の頃よりも、軍事とか防衛とか外交について皆で考えて行こうという空気は出来ているのではないかと思いますね。」

司会A「元外交官の岡本さんは、戦後68年の今の日本の置かれた状況をどう思われます?」

岡本「私は昭和20年の終戦直後の生まれで、今年68歳。さっき三宅(司会A)さんが仰った5人に4人がという、戦後生まれの一番先頭なのですね。で、この68年間、ずっと日本を見てきました。そして、貧困から立ち上がって、復興、繁栄と来たわけですね。しかし、終戦記念日なんて言うものは、時とともにだんだんその意義も薄れて歴史に埋没して行くものかと思っていたら、冗談じゃあない、逆にその今日的な意義が益々問われるようになってきた。今の日本の状況が戦後今までかつてなかったぐらいに深刻な状況になってきたんじゃあないか、そのせいではないかと思っています。」
・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・
司会A「戦後68年、ニッポンの平和はどうなるのだろうという漠たる不安が漂いますね。」
司会B「日本を取り巻く状況は大きく変化しています。それに伴って私たち日本人の意識も変わってきています。」

 

 いま高まる不安

ナレーション「尖閣諸島の南、150km、日本の最も西にある与那国島です。「自衛隊配備、頑張ろう!」の映像。
ナレーション「今月行われた町長選挙で、陸上自衛隊配備計画をめぐって島を二分する激しい戦いが繰り広げられました。」
現町長「今回の選挙を勝ち抜いて、自衛隊の配備をし、」
反対派「是非、この戦い、大事な戦いでございます。」

ナレーション「国もこの選挙の行方に注目していました。」

菅房長官「南西諸島の防衛に万全を期すために、自衛隊の与那国配備というのは、私たちは必要だと考えております。」

Heiwa7_2ナレーション「島では漁業関係者の間で、自衛隊の配備を望む声が高まっていました。去年、日本が尖閣諸島を国有化して以来、中国の監視船と頻繁に遭遇するようになったからです。」

漁民A「尖閣に行っている仲間がいるんで、すごいと言っていましたね。日本の漁船を見ると追いかけ回してくるって。」

漁民A「普通の国だったら、国境というと、軍隊がバーと守っているでしょう。特に力をいれて。警察官2人しかいない。」

Heiwa72
ナレーション
「一方、自衛隊の配備に反対しているのは、女性と高齢者です。沖縄戦の時、この島にアメリカ軍が上陸して来なかったのは、日本軍の基地がなかったからだと考えているからです。」

島民A「火種を作っちゃうんですね。基地があることで安心ではないんですよ。まったく逆なんですね。」

島民B「基地があってギリギリで、睨み合っているという事態が、とても危険と思う。」

「バンザーイ。バンザーイ。」の映像。
ナレーション「当選したのは、自衛隊の配備を訴えていた現職の町長。今後、住民の理解を得ながら計画を進めて行きたいとしています。」

ナレーション「尖閣諸島を巡る問題や北朝鮮の脅威などを背景に、今、人々の意識に変化が起きています。番組が行った世論調査でも、安全保障や外交に関する日本人の意識は近年変わってきているか?という問いに、近年変わってきていると答えたのは65%に上りました。」

Heiwa9講師A「…、他国が攻めてきたときに、僕は立ち上がります。・・・」の映像。

ナレーション「今月、大阪で開いた日本の将来について考える勉強会です。この日は日本の防衛力について話し合われました。」

講師A「武力を放棄してなくせば、本当に平和がいくのかと。」
ナレーション「参加者の多くは、これまで国の防衛や外交などに、あまり関心がなかった20代から40代の人たちです。」

参加者A「結局、何かが起きた時に誰かのせいにして、だから日本はこんなになっちゃんたんだよ、という姿勢で生きてるのは絶対にしたくない。」

ナレーション「この勉強会を始めたのは、群馬県の病院で働く伊藤勝さんです。二人の子供のためにも、日本の将来を話し合う場が必要だと考えました。」

講師A「どんどん、どんどん日本にとって不利なことがたくさん起きてきて、まず同じ土俵に立つためにも、それなりの強さを持ってなきゃいけないのかなという風に、僕は思っていますね。」

ナレーション「防衛力の強化を望む声は増えています。内閣府が定期的におこなっている世論調査では、自衛隊の防衛力を増強したほうが良いという人は、4年前(平成21年)の14.1%から去年(平成24年)は24.8%になっています。」

Heiwa10_3ナレーション「ニッポンの平和について、人々は今、どう考えているのか?今回(今月4日)番組では異なる意見を持つ20代から80代の方々に、直接話し合ってもらうことにしました。」

ナレーション「以前とは考え方が変わったという男性がいました。」
Aさん・防衛力強化(66)「私も平和憲法で外国も日本を攻めないだろうとずうっと思っていました。しかし、昨今の尖閣の関係とかですね、やはり自衛力の強化は絶対必要だと思っています。」

Bさん・防衛力強化(34)「喧嘩に例えれば幼稚になってしまいますが、殴られたら殴られっぱなしでボコボコにされて、自分のお金も全部持っていかれていいのかなと。」

Cさん・防衛力強化(20)「軍備の強化というのが交渉のカードの一枚になると思っていまして、勝ち目のない戦いは他国もしてこないと思います。」

Dさん・防衛力強化不要(50)「軍備をどこまでやったら、専守防衛だとしてもどこまでやったら対等なのかということが、冷戦時代のことを学ぶと、それをやっていてどこに未来があるのかと思ってしまう。 」

Eさん・防衛力強化不要(38)「私自身、広島で育って、被爆者の声を沢山聞いて育っているのですが、何故あの戦争を止められなかったのかという疑問がずっとありました。で、今、そちらの流れに少しずつ近づいているような気がして、強い日本にしなければならないという方向に向かわされているんじゃないかと危惧しています。」

ナレーション「議論が続く中、一人の大学生から声が上がりました。」

Fさん・防衛力強化不要(22)「純粋な疑問ですが、アメリカの抑止力は働かないという前提なのですか?」

Gさん・防衛力強化(82)「日本の国は日本が守る。アメリカにばかり頼っているのではなくて、日本人が守らなくてどうするんですか。そういうことを私は言いたいです。」

Hさん・防衛力強化(44)「他の国は皆そうですからね。自分の国は自分で守りましょうと。それを日本で言い出すと、それはおかしいではないかと。」

Gさん(82)「そう、右傾化と言われる。」
Hさん(44)「なぜか、皆、ああそうかと思ってしまう。」

ナレーション「こうした意見に対して、子供たちへの影響を懸念する声が上がります。」

Iさん・防衛力強化不要(39)「世間の流れが国のために戦うべきだとなったら、子供って信じやすいし素直だから、かつての68年前がそうだったじゃないですか。日本のために僕たちは行くんだとなっていたんじゃないですか。」

Jさん・防衛力強化「(49)「私は20年海外で仕事をしていたので、ちょっと見方がずれているかも知れないのですが、日本に帰ってみて、何故皆、平和で安心していられるんだろうと危機感をすごく感じています。このままだったら誰かがボンとやったら私たち全滅するんではないかというくらい危機感を私は思っています。

Kさん・防衛力強化不要(84)「私はね、私はそういう考え方には反対なんです。私は国を守るということで、15歳で戦争に行ってきたんですね。志願した訳ですね。それは国を守るためと思っていた訳です。平和のためという名目で戦争は開始されるんです。人と人が殺し合うのが戦争なんだ。そういうことは絶対にしてはならない、ということを考える必要があるんではないですか。」

Jさん「(49)「必要性と言う点では分かりますが、それで国が守れるのかとなると、私は非常に不安に思います。」

討論(2)

司会B「世論調査にもありましたが、今、人々の意識大きく変わってきています。今回集まっていただいたのも主婦、学生、会社員とごく一般の方達なんですね。その方達が日本の防衛をどうするべきか、自分の言葉で熱く語っていました。」

司会A「国の守りを強化すべきかどうか議論が分かれていましたが、その議論の前に今画面の下に出ている人々の意識、これをどう考えるか。そこから話をしていきたいと思うんですけど。」

Heiwa15司会B「保守思想の研究をされている岩田さん、29歳、最年少ですがどうお考えですか。」

岩田「私はこういう議論をすること自体は非情に良いことだとまず思います。意見の左右は別にしてですね、良いことだと思います。私はこの今のVTRを見ていて、一つの戦後にあった無理な部分、それは平和主義という憲法、平和憲法という思想の欺瞞が暴かれつつあるんだろうと思います。つまり諸国民の公正と信義に信頼していれば我々の平和は安全なのだという考え方を建前にしてきたが、実際には自衛隊と日米安保によって我々の平和は守られてきた。この現実に国民は向き合い始めたということだと思います。」

司会B「国際貢献の活動をされてきた土井さん、いかがですか。」

土井「紛争が起きている現場ですとかに我々もうずっと行ってきていますので、日本は平和でしたけど世界は平和ではなかったんですよね。そういった紛争などが始まってしまったら、武力衝突が始まってしまったらもう本当に悲惨なことになりますので、それを予防するためにどうしたら良いのか、そこの議論は全然深まっていないなというのが、ここ今、現状でもですね、そういう印象を抱きますね。」

司会A「昭和史を見つめてこられた半藤さん。」

半藤「ちょっと今の話と違うんですけど、日本の近代史を勉強してきますと日本の国というのはね、守れない国なんですよ、基本的には。明治維新の近代国家が日本は出来上がってからこのかた、日本の政治家も軍人も、この国をいかにして守ろうかと皆知恵を絞ったんですよ。結局この国は北の端から南の端まで、北海道から沖縄の方まで、すごい海岸線なんですよ。この海岸線の長さは世界で6番目です。アメリカや豪州よりも長いんです。しかも海に面して開け広げなんです。しかも山脈が日本の中央を貫いている。私たち国民は岸辺に住んでいる。こんなに奥行きのない、どこにも逃げようがない海岸線に住んでいる民族はないんですよ。」

司会A「その人々の今の気持ちですね。」

半藤「だから、そういうことが分かっていないから、そう(防衛力強化と)言うんですよ、今の人たちは。」

司会A「えっ!」

半藤「今の人たちは、日本の置かれた地政学的な位置の、日本がいかに守りずらい国なのかということを知らないんですよ、皆さん、勉強していないから。きちっと勉強すればこの国は武力なんかでは守れないんですよ。明治以来、明治、大正、昭和と守ろうと思うから外に出て行ったんです。」

司会A「そうすると、今のこのままの議論だとどこか心配なところがありますか。」

半藤「心配ですよ、もちろん。何も知らないからこの国を武力で守ろうなんていう議論になっているんですから。」

司会A「岩田さん、どう思います。」

岩田「私はそう思いません。武力によって守れると思っています。」

半藤「守れませんよ。」

岩田「戦後60年間、我々が平和であったのは平和憲法があったからではなくて、自衛隊が一生懸命働いていただいたこと、それと強固な日米同盟があった、要するに軍事力があった、ここに尽きていると思います。」

半藤「それはそうですよ。もちろん。それはそれで良いですよ。今のように武力によって国を守ろう、守れると考えている人が多くなっているのは(歴史を)知らないからですよ。」

岩田「武力だけで守れるかどうかは分かりませんが、武力は有効な手段の一つではあると思います。」

司会A「国際貢献の活動をされている伊勢崎さんは、半藤さんの心配をどう受け止めますか。」

伊勢崎「今多分、日本人は右と左に分けるとしたら、どちらも老若男女、全ての人間が自衛に対する渇望が最高潮に達している時期だと思います。それはもうしようがないというか、でそれはなんでかというと、大震災がありましたね。原発事故がありました。放射能の恐怖があった。戦後民主運動として一番大きな反原発、脱原発運動が沸き起こって、結果、止まりませんでしたね。多分、この恐怖感が深層心理に残っていて、次に日本人が考えるのは、これはタカ派の政治家が利用しようと思えば利用できることで、原発施設が狙われる恐怖、これが多分、自衛に対する渇望が止められない状況になっていくと思います。」

宇野「僕はあのVTRちょっと驚きでした。ネトウヨ(ネット右翼)とか、若者が右傾化しているとか言われている、マスコミとかで。僕は寂しい人とか社会的に不遇な人が不安を和らげるためにナショナリストになったり、タカ派の言説にまかれているというイメージを漠然と持っていた。でも今のVTRは全然違いますね。ごく普通の人達がこのままの日本外交で大丈夫かとか、本当に軍隊を今のまま続けて良いのかと真剣に考え始めている。この漠然とした外交に対する不安に対して、保守の人は明確な回答を持っている。改憲して、国軍を作って、重武装化してという回答を持っている。僕は個人としては自民党の改憲案は全然良いとは思わないし、そんなタカ派政策で大丈夫なのと怖い方なんです。でもね、これに対抗するリベラルの人達の処方箋が全然ないんです。なんとなく憲法最高(?)とか、とりあえず反対とかで具体案がない。その差が世論調査にも出ているのではないかと思う。」

司会A「半藤さん、如何ですか。」

半藤「私もそう思っている。私たちが良い処方箋が出せないからだめなんだと思っている。でもね、処方箋というのは右から左へ出るようなものではない。原発の話がありましたが、原発は海岸線に54機もある。これどうするんですか狙われたら。これ防げませんよ。放射能が一気に出てきますよ。」

司会A「ここで一つデータを見ていただきたい。日中両国で、お互いどういう風に相手の国を見ているか、最近調査されたもので画面に数値が出ていますが、「良くない印象」を持っている人が日中双方共に9割に上っている。」

Heiwa12_2 司会A「お互いによくない。伊勢崎さん、いかがですか。」

伊勢崎「こういう時期に、つまり恐怖を体験して自衛への渇望があるときに、いろんなことが起こると、尖閣問題などとか外交上のチョッカイをお互いにやりだすと民衆が盛り上がる。これはパターン化していて、歴史上でも。こういうものがあると政治家は脅威がある、今ままでのやり方ではだめだと必ず言う。どんな戦争が始まるときも。そうすると、社会に一番大切な憲法を変えなければ今のままではダメだから、こうしなければいけないということになって。最悪の場合は先制攻撃、平和のために先制攻撃することも起きています。」

司会A「岩田さん、いかがですか。そういう懸念。」

岩田「私は改憲論者で、憲法改正を断行すべきだと思います。また、国軍も必要だと考えています。そういう状況になると政治家が利用すると言われましたが、利用ではなくて今のままではいけないんだと国民も思い、政治家も思い、そして変えようとしている。これが現状であろうと思います。」

司会A「土井さん、どう受け取りますか。」

土井「この9割という数字はすごく重要な数字だと思います。これをただ出して見るのではなく、何故これを変えようと思わないのか。半藤さんも仰っておられますが、戦争になったらいけない。予防に最大の力を注がなくてはならない。この9割が日本を嫌いだという中国の世論を変えなくてはいけない。そのためにはやれることが沢山ある。特に中国の民間に働きかける日本のソフトパワーの外交とかやっていない。少しづつはやり始めていますが、まだまだ足りないことが沢山ある。なぜそこに行かないのかというのが私のいつもフラストレーションですね。」

司会A「岡本さん、こういう緊張が高まっている中で、なんらかの衝突が起きないかと心配する声もあるのですが、岡本さんはどう考えていますか。」

岡本「偶発的な軍事衝突の可能性は常に排除できないと思いますね。特に今、尖閣周辺にいる中国、この間レーダー照射事件が、中国の艦船から自衛隊に対してありましたが、乗り組んでいる下士官とか将校は94年以来の江沢民の大変強い反日教育の下で育ってきた世代ですから、日本との武力衝突をどうしても抑止しようという意識が比較的低い人達ですから、これはやっぱり危ないですね。先ほど市民の人達の中で防衛力強化の必要性の認識が高まっているのは、周辺の状況から見れば日本はどんどん危ない状況に置かれていますから当然だと思いますね。それに対して防衛力強化の必要はないという人達は、皆、戦争の時の体験に根差す思い出に戻る訳ですね。ですから私は戦争を日本はまだ総括していない。今、だってあんなことになりようがないのに、しかしどのように今の日本が当時の日本とは違うのか、あの戦争のどこが悪かったのかということを総括しないものだから、あっちの方の人達は依然として防衛力の強化はダメだということになっている。戦争の総括が今はもう必要だと思いますね。」

司会A「まさに世代で考え方が違いますからね。そこには戦争というものをどう総括するのかということがあるかも知れませんね。」

司会A「ニッポンは平和憲法のもと、これまで68年間、一度も戦火を交えずに来ました。しかしですね、今話に出ているように、尖閣諸島のことですとか、北朝鮮の核開発・ミサイルの問題もありますよね。日本の安全保障をめぐる環境が様変わりしている、ということになっている訳ですね。」

司会B「はい、そうした中でニッポンの平和をどう守っていくのかということで、今、日本の防衛力のあり方が大きく問われていると思います。先ほどもお伝えしたように、自衛隊の防衛力を増強したほうが良いという人が増えています。そして市民の方々の討論では防衛力を強化すべきかどうかを巡って非情に議論が白熱して、市民の意見が大きく分かれたんですね、土井さんご自身はその当たりをどうお考えですか。」

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土井「まあ分かれるのは、現在日本の置かれた状況、特に中国、北朝鮮と対峙している状況を見れば、しょうがないというか、そういうことなんだろうなと思います。ただ日本人が一致できる点もある。しつこいようですが、戦火を交える軍事力の点よりもっと前に、衝突に至る前。社会状況、日本の今の社会の問題もありますよね、中国の社会もものすごい問題を沢山抱えていて、だからこそ反日、そして場合によっては衝突に向かう世論が盛り上がる状況がある。その予防のために日本の外交力を使うということに関しては、多分皆一致できると思う。そこから始めなくてはいけない。そこの議論を是非始めて欲しい。日本は素晴らしい人権、私の専門とする分野ですが人権、民主主義の基本的なベースがある国、中国や北朝鮮と比べればですね、その点をもっとしっかり全面に出して、北朝鮮や中国の人々の欲する社会を作る手助けをできると思う。それが平和につながると思う。」

司会A「対話のようなことを重要視して交流とか、そういうことなんでしょうか?」

土井「対話だけではないですね。様々な世論に対する働きかけは必要ですね。」

司会A「半藤さん、防衛力を強化すべきだという人は増えています。どうお考えですか。」

半藤「僕は猛反対です。防衛力を強化する必要は全くありません。日本は、いいですか、守れない国だから、日本を守るために過去の歴史は、外へ外へと行って守ったんですよ。防衛線を外に持って行ったんですよ。いいですか、当時の明治の人達も昭和の人達も侵略だとは思っていなかったかも知れません。自分たちの国を守るために外なんですよ。外へ外へと、北ばかりではなく南もそうです。東南アジアの人たちも。ですから日本という国は侵略主義的な国家だと思われているんですよ。日本は自分の国を守りたいために外へ外へと防衛線を引いたんですよ。引かざるを得なかったんですよ。そのためにすごい軍隊を作ったんですよ。それが世界の国々に日本は侵略主義の国家であると見られたんですよ。私たちのリアリズムは、この国は守れないんだから、外交力とか文化力を発揮して、なんとか戦争にもっていかないようにしなければダメなんだということをきちっと認識しなきゃいけないですよ。」

司会A「外交の力が大事だと。」

半藤「そうです。外交の力が一番大事です。」

司会A「その外交の力は戦後どうでしたか。」

半藤「戦後ではなくて、日本は昭和8年に国際連盟から脱退して以来、外交力というのは全く勉強していないですよ。ですから戦争中の外交なんてないですよ。戦後もですね、岡本さんに悪いけど、戦後も6年間は占領下ですよ。やっと独立して昭和27年から戦後日本が始まった。その戦後日本は安保条約の傘のもとにずーっとやってきたんですよ。ですから外交力なしなんですよ。」

司会A「外交力なしという指摘が、岡本さん・・。」

半藤「外交がないということではないですよ、洗練された外交力を日本の国は持っていない、残念ながら。」

岡本「それは耳の痛いところもありますよね。外交戦略をきちっとしたものを持っていたか。でもね、一番正しかったのは、岸信介さんがもう日本中の学生全員が反対した中を日米安保条約を改定して、今の安全の基礎を作ったということだと思うんですね。外交が大事なのはもちろんですね。だけど防衛と外交は二者選択ではなくて、まず外交でやるべきですよね。危なくなった時のセーフティーネットとして防衛力がある、抑止力がある。抑止力とは何かというと、端的に言えば、例えば、横須賀に置いてあるアメリカの第7艦隊ですよ。あれはジョージ・ワシントンという航空母艦を含めて全体が3~4兆円のお金がかかっているんですね。もっとかも知れません。そういう巨額の金を投じた艦隊が日本の首都のすぐ隣に置いてあるということが、周辺諸国に対して自分たちは日本を守るぞという強い決意になっている。だから、仮にどっかの国が日本の自衛隊は怖くないと言って来たって、アメリカと戦争する、アメリカから報復されるのはいやだからどこも日本にチョッカイをださない。そういうメカニズムがある。」

司会A「そういう力があって現実的な外交、対話が成り立ちうるということですね。」

岡本「私はそう思います。」

司会A「伊勢崎さん、どう思われますか」

伊勢崎「ここで気をつけねばいけないのは、先ほどの中で、西側諸国では自分の国を自分の国だけで守るという発想で運営している国はないですね。だから、お仲間を作ろう。それが軍事同盟であり、NATOですね。仲間をつくらないと皆守れない、どの国も。その仲間をどこまで拡げるか、違う仲間と敵対関係にあるのかないのか、仲間自体がどれだけの信頼に足るものなのか、それを見極めないといけない。多分、NATOとか米英は僕の知る限り、(僕もテロとの戦いをアフガニスタンで経験したが)、NATOも米英も苦しんでいる。お仲間のボスが苦しんでいる。その仲間を日本としてどこまで拡げるのか。違う仲間と垣根をとることも日本の役目ではないか。基本的には半藤先生の御意見に賛成ですが。

司会A「多分、徹底的な対話に基づく信頼を基にした外交、それに対して岡本さんは「力もある現実的な話し合い」だと思いますが、どうですか宇野さん。」

宇野「皆さんの議論を聞いていると、テレビを見ている人は保守側の人達の言説に共感する人が多いと思います。実際問題、世論調査もそうだし。何故かと言えば具体案の不足だと思います。保守の人達は軍備の強化という答えを持っている。僕はそれは良いとは思いませんよ。軍備の強化とかいやだな怖いなと思う人たちは、土井さんの言われるように 他のどんなカードで日本の安全を守るのかとか、軍備の強化や憲法改正以外にはこんなアイデアがあるとポジティブな提案が必要。そのためには国家には軍隊が必要だとか防衛力が必要ですという前提に立った上で、じゃあ具体的に日本の安全を守るためにどうしたら良いですかというときに、タカ派憲法をやったり軍備の強化が一択ではないぞと見せていかないと誰も話を聞かないと思う。」

司会A「具体的に平和をどうしていくかを考えるときに、岡本さん、これはアメリカを抜きに議論することはできませんよね。」

岡本「ああ結局ね、いろんな具体的な選択肢、さっき伊勢崎さんも仰ったけど、独力で自分を守るか、どっかの国と一緒に守るか、その二つの選択肢しかないんですね。それでなければもう非武装中立、相手の国が攻めて来たら我々は降参します。これは日本の国民の数%しか指示する人はいない。守らないといけないという現実に立てば、日本が独力で守るためには核武装をしなければならないし、今の自衛隊も3倍くらいにしなければいけない。そんなことは出来ないし、するべきでもないと思いますから、どっかの国と一緒にやっていかねばいけない。じゃあ中国と一緒にやるんですか、ロシアと一緒にやるんですかと言ったら、やはり自由と民主主義という価値を一緒に持っているアメリカしかないと、そういうことだと思います。」

司会A「はい、ここで日米同盟を巡る両国の最新の動き、そしてそれを受けた市民の討論をご覧いただいて、再び話をしようと思います。」