Tsuny'sブログ

老人が感じた日常生活を気ままに綴ったあれこれ

「アール・ブリュット」展

2008-01-16 23:27:14 | インポート
久しぶりの晴天でまぶしい朝9時、旭川美術館で「アール・ブリュット」展が今日から始まるセレモニーがありました。

オープニングに参加したのは、主催が特定非営利活動法人「ラポラポラ」 のためか、いつもとは全く違う顔ぶれなのです。

スイスの美術館「アール・ブリュット・コレクション」所蔵の外国人の作品57点も展示されているので、ローザンヌ市から出席の館長の短いスピーチがありました。



滋賀県近江八幡市の「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」所蔵の国内作品79点と合わせて136点は、精神や知的障害のある人の作品が多く、心のつぶやきや叫びが、人間の存在理由を根源的な枠にはまらない生の表現で、鑑賞者に訴えているようです。

たしかに現在の美術と呼ばれる諸々の作品は、その時代の文化潮流に影響され、伝統を重んじ類似に流されている傾向が一般的に思えます。

社会的規範とか規則や専門的な美術教育など、ある意味で作り手を束縛している中での創作ではなく、素直な動機・衝動・直感などの表現作用が起こる精神性の源を感じます。

フランス語の「アール・ブリュット」は「生の芸術」の意味で、障害の有無に関係なく、当たり前に身の回りに存在する美術なのだと思います。

旭川市内で、ときどき催される障害を持った方々の展覧会を見ることがあります。「生の芸術」は区別や偏見で線引きできないもので、全ての人々が本来抱えている自由な表現意欲の発露だと思うのです。

社会情勢・国籍・人種・所在地などに関係なく、何時でもどこでも作品を鑑賞できるのが「生の芸術」で、一般のいわゆる「美術展」はその一部なのかも知れません。

「アール・ブリュット」展は2月17日までです。

(上弦になりかけの月が、寒空に輝いていましたが、雲に見え隠れしています。現時マイナス15℃が明日は20℃以下に冷え込むでしょう。)