稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

祝いの花を贈られし友と再び

2017年01月24日 | 日々
 多くの勤め人が働くなかで、節目のひとつとなるのが昇進。

 ぼくも幾たびかそのうれしさとそれに伴う重圧を味わってきた。

 もちろん、時がたてばそんな重圧も過去の話となってしまいはするものの。
 が、それでも渦中にあるときの緊張はひととおりではない。

 ぼくにとって、最後の昇進のときほど緊張したことはなかった。

 着任の日、ひとときも待ってはくれない仕事の回転、その合間をぬってのあいさつ回り、
まだなじみの薄い同僚や上司たちとのやりとり。

 初日の仕事が終わり、帰宅したときにはぐったり。

 ところが玄関を開けるとそこに花束。

 家族に尋ねると、昼間に配達されたという。

 花束には久野(仮名)さんからの「おめでとうございます」のメッセージ。

 久野さんはかつての職場のやや年輩の同僚。

 一日の疲れが吹き飛ぶようにうれしかった。
 あたかも久野さん、ぼくの初日の苦労をすべてわかってくれているかのようで。

 このままでは花束がしぼんでしまう、もったいない!と撮っておいた写真がこれだ。

     

 久野さんには早速お礼の電話を入れておいた。

 最近、ぼくは郷里の墓じまいに続いて、実家の処理を終えたあと、
自分の半生で忘れえぬ人たちともう一度会っておくことにしている。

 今日、その久野さんにお会いした。
 年賀状のやりとりを別とすれば、お会いするのは十数年ぶりだ。

 お体はあまり丈夫ではなかったようだが、とても元気そうだった。

 退職後の今もマンション管理などの仕事をされているらしい。

 改めてあの花束のお礼を伝え、昔話に花を咲かせた後、お互い元気でと言い合ってお別れした。

 こんな友にめぐまれてよかったとしみじみかみしめた雪の日。
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