稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

映画「ビルマの竪琴」から

2015年08月15日 | 日々
 映画「ビルマの竪琴」(1956)をみる。

        

 ビルマ(現 ミャンマー)で終戦を迎えたものの、山野に散らばる日本兵の遺骸を放置できないと残留を決意する水島上等兵の物語。

 中学時代、同名の原作(竹山道雄 著)を読んでとても感動したことを思い出した。

 もっとも、今から思えば、そもそも軍隊が本格的な合唱などするのか?
 遭遇した英軍と戦闘せずに歌い合えるのか?
 といった非現実性を想わざるを得ない。

 著者は実際の従軍経験もないそうで無理からぬことかもしれないが。

 が、その作戦路が「白骨街道」と呼ばれたインパール作戦。
 その悲惨さを思えば、こういう物語の舞台をビルマに設定したのもうなずけなくはない。

        

 さりながら、過日「永遠のゼロ」でも触れたように、日本人のこうむった悲惨さだけに目を向ける「内向き」の姿勢という印象はここでも否めない。

 日本がビルマ全土を占領し、そこに布いた軍政。
 泰緬鉄道工事へのビルマ人の徴用、多くの死等々・・・。

        

 ビルマについて語るとき、ぼくはそのことを忘れたくない。
 そして、一人の日本人として謝罪の気持ちも併せて失いたくはない。
 戦後に生まれ育った世代ながらぼくはそう思う。

 
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