稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

久本さんから届いた最後の年賀状

2019年01月03日 | 日々
 昨年暮れ、いわゆる「終活年賀状」が話題になった。

 元日、そんな年賀状がぼくにもきた。

 「高齢となり・・・今年でもって・・・」と印刷されていた。

 久本さん(仮名)。
 現役時代、人付き合いの悪い人だったが、ぼくには親しみ深い先輩だった。

 が、このように書かれるともう出せなくなってしまう。
 そう思うと何か遠い世界の人になってしったようでとてもさびしい。

     

 一方、かつての上司で、気心の知れた先輩がおり、
ぼくはこの人とも長く年賀状を交換してきた。

 仕事上のやっかいな問題に協力し合って取り組んだ思い出は今も忘れがたい。
 
 ところがある年の正月過ぎ、その人から少し遅れて年賀状が届いた。

 「早々に賀状ありがとうございます・・・」とあった。

    ? ?

 従来のような交換ではなく、明らかに返信だった。

 これは「もう結構です」という遠回しの意思表示では・・・。

 ぼくはこの人とはおそらく一生年賀状をやりとりするはず
と思い込んでいただけにとても衝撃だった。

 その人との年賀状はその年で終わった。

 さびしいというより切り捨てられたようなわびしさ・・・。

 そう考えると、「終活年賀状」というスタイル。
 あいまいさや落胆させることのない、すっきりした終わり方なのかしれない。

 久本さん、おおきに、いつまでもお元気で。
コメント
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