稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

コメづくり 今昔

2011年10月26日 | 日々
 甲山さん
 ぼくの知り合いで甲山(仮名)さんという人がいる。
 自称、京都でも数少ない専業農家だという。
もう80歳になろうかというのに、長身の背筋はピンと伸び、元気そのもの。
 ぼくも仕事でお世話になったことがあり、20年以上の付き合いだ。

 その甲山さんと9月に出会い、新米の収穫の話が出た。
 そのときの話で、新米をわけていただきに訪問。



 田植えと収穫
 「9月の収穫、早いんですね」と言うと
 「そらそうやで、5月の連休に植えてしまうんやから」

 「5月の連休に植えるのは早いんですか?」
 「そら昔に比べたら早いわな。
昔は種モミまいて、苗をつくってから田植えや。
普通なら6月にならんと田植えはできんかった。
 そやから収穫は10月、場合によっては11月が普通やったなあ」と。

 渓流釣りに通っていると、5月の連休の頃、あちこちで田植えの風景を目にする。
 若手の都市部への流出、兼業農家という事情など、連休は田植えにもってこいの休みなのだろう。
 なんとなく「ぼくばかり遊んでスンマセン」という気になってしまうからおかしなもの。

 苗づくり
 「今の時代は連休の時期に合わせて苗をつくらなあかん。
光、温度などを調節して。
 それに苗が不ぞろいではあかん。均一でないと田植えの機械にうまいことおさまらへん。
1本1本手植えの昔ならともかく」と。
 なるほど、なるほど。

 うまいコメ
 「この一帯のコメは山からの冷たい水でつくる。そやからうまい。
水温が低い分、収穫量は減るけど。あっち側のコメは落ちる。」
と甲山さん、西方面を指して胸を張る。


 
 食べるのが楽しみ。
 しかし、コメという身近なもの、ぼくらは知らんことだらけやなあと情けなくも感心しきり。
 
コメント
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