東野としひろ活動NEWS

東野としひろの活動報告やメッセージをお届けします。

令和元年度第3回 市町村議会議員特別セミナー

2020-03-22 05:53:40 | 市議会活動
 1月27日・28日の2日間、大津市にあるJIAMの研修(令和元年度第3回 市町村議会議員特別セミナー)を受講してきました。



 変わりゆく国内外の情勢の中で、地方議会の議員には、様々な行政課題について学び、 施策を提案していくことが求められています。市町村議会議員特別セミナーは、そうした課題に焦点を当て、講義形式での研修が年3回企画されています。
 今回の研修では、「福祉」という共通テーマのもと、各分野で活躍している講師の方からの4つの講義でした。
 講義①「社会福祉と財政システム 」 京都大学教授 諸富 徹 氏 
 講義② 「超高齢社会の現状と地域包括ケアシステムによるまちづくり 」 東京大学特任教授 辻 哲夫 氏
 講義③「子ども家庭福祉の現状と課題 」 関西大学教授 山縣 文治 氏
 講義④ 「障がい者の就労と暮らしの支援について 」 東近江圏域働き・暮らし応援センター野々村 光子 氏

 その中で、特に考えさせられた2つの講義の所感を述べます。
 講義②「超高齢社会の現状と地域包括ケアシステムによるまちづくり」
 辻哲夫氏は、人類が経験したことのない超高齢社会の到来しており、人生100年を迎える個人の長寿化にどう対応するのか、社会全体の高齢化・高齢者一人暮らしにどう対応するか、認知症高齢者の増加に伴い共に暮らす社会をどう創っていくのか、高齢者数が最高となる2040年までが日本の正念場になると警告をされました。
 その際、地域を高齢者が支える仕組みづくりが必要であり、定年後これまで培ってきた経験・能力を活かし肩書を捨てて地域で個人として生きる自覚が必要であることを述べられました。また、元気に社会貢献や生きがい作りをするためにも、生活習慣病の予防とフレイル予防が大切であることを力説されました。
 最後に、すべての人の尊重と共生社会の実現のためには、障がいについての理解と子育て支援が必要であり、今後の負担増は国民の助け合い精神が求められると述べられました。

 講義④「障がい者の就労と暮らしの支援について 」
 野々村光子氏は、16年前に東近江圏域働き・暮らし応援センター“Tekito-”を立ち上げられました。
 野々村氏は、障がいのある方の就労実現を行うため、多岐にわたる他機関との連携を含め、必要な生活支援の実施と共に、障がい者の就労ニーズと企業の雇用ニーズをマッチングさせ、就労の促進を粘り強く進めて来られました。野々村氏の個性的で精力的な取り組みにより、現在、Tekito-のワーカーが8名、利用者が819人にまでになっています。
 野々村氏が力説されたことは、10年後を見つめた就労支援を行うことでした。就労支援を看板に掲げながら、目先の就労を目標とせず、利用者の方の生き方を大事にすることが大切だと話されました。また、企業に対し、企業にしかできない応援を求め、「遠慮はいらん、配慮をください」という説得で、企業と利用者・関係団体との連携を作り上げていかれたとのことでした。
 障がい者の就労支援を具体的に行うために、働き・暮らし応援センター“Tekito-”とは別に、『TEAM困窮』を立ち上げられました。『TEAM困窮』は、様々な仕事の受け皿を作り、障がい者一人ひとりの得意を発見し、仕事と障がい者を結びつけていっていきます。田畑のあぜ道の草刈りや公園の草引き、薪割り、封筒入れ、企業からの内職、工場への時間勤務などなど。
 地域の中で、地域が回る仕事の中にいる仕組みを作り、障がい者が仕事を通じて自信を付け、人生の経験を積んでいく。そして、そのことが地域を救う力、人材不足を補うことにつながると話されました。野々村さんは、そのことを「未来への下ごしらえ」とよばれたことが特に印象に残っています。
 西脇市においても、障がい者の方の困り事や就労等の相談窓口を「ウィーブネット」や「パレット」に委託されています。障がい者の方が、地域の一員として、地域の仕事に係り、地域の企業にも貢献できる取り組みを粘り強く続けていくことが必要だと考えています。
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