人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウェン・ムーイエ監督 中国映画「薬の神じゃない」を観る ~ 中国の医薬業界に激震を起こしたジェネリック薬事件の実話に基づくエンタメ映画

2020年10月24日 07時19分44秒 | 日記

24日(土)。わが家に来てから今日で2214日目を迎え、米国の1日あたりの新型コロナウイルスの感染者数は10月下旬にインドを抜き再び世界最多になったで中、米南部テネシー州ナッシュビルで22日夜に開かれた大統領選に関するテレビ討論会で、現職のトランプ大統領は「全米各地での感染拡大は峠を越え、収束に向かっている。ワクチンを数週間以内に配布できる。ウイルスは消えてなくなる」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     この男はいまだに自国の実態が把握できていない  驚くべき無能! もう終わったな

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」「生野菜とワカメのサラダ」「ワカメの味噌汁」を作りました あとは娘が漬けた「キュウリのぬか漬け」です。「唐揚げ」はほぼ2週間に一度に定着しました

 

     

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でウェン・ムーイエ監督による2018年製作中国映画「薬の神じゃない」(117分)を観ました

上海でインドの強壮剤を販売する小さな薬屋を細々と営むチョン・ヨン(程勇)は、店の家賃も払えず、妻にも見放され、人生の目的を失っていた ある日、血液のガンである慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイ―(呂受益)が店にやってくる 彼は国内で認可されている治療薬が非常に高価なため、安くて成分が同じインドのジェネリック薬を輸入してほしいとチョンに持ちかけてくる 最初のうちは申し出を断っていたチョンだったが、金に目がくらみ、インドに赴き代理店契約を結びジェネリック薬の密輸・販売に手を染めるようになる そして、より多くの薬を仕入れるため、チョンは輸入グループを結成する 白血病の娘を持つポールダンサーで、白血病患者が集まるネットコミュニティ管理人のリウ・スーフェイ、中国語なまりの英語を操るリウ牧師、力仕事が得意な不良少年ボン・ハオなどが加わり、密輸・販売事業はさらに拡大していく やがて警察に密輸として目を付けられ始め、チョンは逮捕を免れるためグループを解散し同業者に販売の権利を譲る しかし、安価な薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びを聞き、チョンは患者の負担を軽くするため仕入れ価格よりも安い価格で再び薬を売り始める ところが 最後には警察の抜き打ち捜査を受け、証拠の薬を押収・逮捕され、チョンは裁判にかけられる

 

     

 

この映画は、インドから安価なジェネリック薬を輸入していた慢性骨髄性白血病患者の陸勇が、2014年に逮捕されるも、裁判撤回の市民デモが発生し、翌年に釈放された「陸勇事件」を基に製作されています この事件と映画公開をキッカケに中国医薬業界に改善に向けた大きな変化が起こったと言われています

この映画を観て真っ先に思ったのは、情報統制の厳しい中国でよくもこうした医薬業界と無策な政府を告発する内容の映画が上映されたものだ、ということです さらに、この映画が2018年7月に中国で公開されると、3日間で9億元(約146億円)、最終的には30億元(約500億円)を超える爆発的なヒットを記録したということです 中国ではそれほど医薬品、特に慢性骨髄性白血病の治療薬が高価過ぎて、人々の間に不満が渦巻いていたということでしょう

主人公のチョン・ヨン(程勇)は、最初のうちは髭もじゃのしょぼくれた中年オヤジの風貌ですが、グループを解散した後、患者たちの苦しみを知り、自腹を切ってまで安価なジェネリック薬を売ろうと決意してからは、髭も剃り、すっきりした”実業家”の顔に変貌を遂げています。「男の中身は顔に現れる」と言っているかのようです

同業者がチョンに語る言葉が印象的です

「この国で一番の病気は”貧乏”だよ」

GDP(国民総生産)がアメリカに次いで世界第2位と言われる中国ですが、その実態は「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」二極分化が進んでいるのでしょう

こういう映画をもっと撮って中国の現況を知らせてほしいと思います

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