人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

湯浅卓夫 ✕ 新交響楽団でシベリウス「交響曲第1番」&「カレリア」組曲、芥川也寸志「交響三章」を聴く ~ コロナ禍を乗り越えて演奏会を迎えた楽団員の皆さんに敬意を表します:新響 第251回演奏会

2020年10月19日 07時19分09秒 | 日記

19日(月)。トッパンホールから11月28日(土)14時から開催予定の「ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュトゥットガルト」の公演中止の連絡があり、「ああ、助かった」と思いました。実はこの日、午後3時から東京オペラシティコンサートホールで「バッハ・コレギウム・ジャパン」の定期演奏会があるのに、手帳のスケジュール表を見間違えてチケットを買ってしまったのです 完璧なダブルブッキングです。クレジット決済だったので即契約成立でチケットが送られてきて「万事休す」だったのです 「こうなったら、どちらかのチケットを誰かに進呈するしかないな」と諦めていたところでした それで、公演中止の連絡があったので救われた思いがしたのです これで、私に関わるコンサート中止は合計116公演(うち延期7公演)となりましたが、世の中、何が起こるか分かりません。何事も最後まで諦めてはいけないという教訓を得たような気がします

ということで、わが家に来てから今日で2209日目を迎え、トランプ米大統領が17日、ミシガン州マスキーゴンで開催した選挙集会で、ホイットマー州知事(民主党)を批判した際、支持者らがホイットマー氏について「彼女を刑務所に入れろ!」と熱狂して連呼したが、トランプ氏は「全員を刑務所に入れろ!」とつぶやき、止めようとするそぶりはせず、その後も集会で「彼女に注意せよ」などとホイットマー氏への攻撃を続けた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     刑務所に入るべきはトランプだということが 大統領選で負けて明らかになるだろう

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団 第251回演奏会を聴きました     プログラムは①シベリウス「カレリア」組曲、②芥川也寸志「交響三章」、③シベリウス「交響曲 第1番 ホ短調 作品39」です   指揮は湯浅卓夫です

主催者側が指定したのは1階M列13番、センターブロック左通路側の理想的な席です 会場は前後左右が空席の市松模様の配置です

 

     

 

オケのメンバーが配置につきます 弦楽器は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新響の並びです    いつもは堀内真美さんと内田智子さんが前半・後半で交替してコンミスを務めていますが、この日は男性のコンマス(名簿によると小松篤司さん?)が努めます 演奏者をざっと見渡すと、いつもいるあの人この人が見あたりません この半年間のコロナ禍の元 それぞれの事情があったのでしょう 各人が仕事を持ちながら練習を重ねて本番に臨むというアマチュア・オーケストラならではのご苦労があったのだと思います

現在、東京藝大名誉教授を務める湯浅卓夫氏が指揮台に上がり1曲目のシベリウス「カレリア」組曲 作品11の演奏に入ります 

この曲はジャン・シベリウス(1865-1957)が1893年に作曲、同年ヘルシンキで初演されました 「カレリア」とはフィンランド南東部とロシア北西部に広がる森と湖の地方のこと。作品は第1曲「間奏曲」、第2曲「バラード」、第3曲「行進曲風に」の3曲から成ります

「間奏曲」ではホルンが何とか踏ん張りました 「バラード」ではコーラングレの哀愁を帯びた演奏が心に沁みました 「行進曲風に」は一転、明るく元気になるような曲想で、思わず足で拍子をとっていました。軽快な演奏でした

2曲目は芥川也寸志「交響三章」です この曲は芥川也寸志(1925-1989)が1948年に作曲、1950年10月に尾高尚忠指揮日本交響楽団(現・N響)により公開初演されました 第1楽章「カプリッチョ:アレグロ」、第2楽章「ニンネレッラ(子守歌):アンダンテ」、第3楽章「終曲:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

第1楽章はファゴットから入り、クラリネットのアイロニカルな主題を経てフルートに受け継がれます 躍動感にあふれた軽快な音楽に引き込まれます 第2楽章では、中間部のオーボエ独奏による主題が美しく響きます 第3楽章は、芥川の師匠である伊福部昭譲りのリズム感に満ちたオスティナート(執拗な反復)による躍動的な音楽が展開し、このオーケストラの創立者でもある芥川の音楽の特徴を前面に押し出します 胸のすくような爽快な演奏でした

 

     

 

プログラム後半はシベリウス「交響曲 第1番 ホ短調 作品39」です この曲はシベリウスが1899年に作曲、同年4月に作曲者自身の指揮により初演されました 第1楽章「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ・エネルジーコ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ ~ アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

第1楽章冒頭はティンパニのトレモロに乗せてクラリネットが重心の低い序奏を静かに奏でますが、アマチュアにしては素晴らしい演奏です その後に入ってくるヴァイオリンのテーマはいつ聴いても感動的です ティンパニが素晴らしい 新響の演奏を聴くと、いつもこのティンパニの男性の演奏に魅了されます。中高年の星です 第2楽章はホルンのアンサンブルが素晴らしかった 第3楽章の力強い演奏に続いて 間断なく第4楽章に入りますが、冒頭の弦楽器の総奏が力強く かつ 美しい    木管楽器群も頑張っています    この楽章はオケ総力を上げての渾身の演奏でした

新響は当初、ストラヴィンスキー「春の祭典」を取り上げる予定だったそうです しかし、コロナ禍のもと大規模編成による作品の演奏は困難であることから「古典への回帰」を目指し、シベリウスを選んだとのこと コロナ禍のこの半年間、練習会場の確保やら楽団員の日程調整やら、何より感染しないように3密を避けて練習を重ねる必要性やら、いろいろなご苦労があったと思います それらのハードルを乗り越えて この日の本番を迎えられた新交響楽団の皆さんの奮闘に敬意を表します そして素晴らしい演奏をありがとうございました 次のコンサートでは市松模様を脱し、通常の座席配置によるコンサートが開かれることを切にお祈りしています

         

【コンサート余話】

休憩時間にロビーでプログラムを読んでいたら、「失礼ですが、toraさんですか?」と男性から声を掛けられました 「そうです」と答えると、「ままはは です ブログに1階M列と書いてあったので、もしかしてトラさんかと思いました。私は同じM列の近くの席です」とおっしゃいます ままはは(ブログネーム)さんは時々toraブログにコメントを寄せてくださる方です 名刺をいただきましたが、珍しいお名前で、金融機関を退職され、現在は川越で経営労務事務所を営んでいらっしゃるとのことでした 立ち話での音楽談義に花が咲きましたが、とても時間が短いので「そのうち飲みましょう」と言ってお別れしました    いつになるか分かりませんが、楽しみが一つ増えました

コメント (2)
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