人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川久保賜紀+東京ニューシティ管弦楽団でコルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」を聴く

2015年05月17日 09時10分12秒 | 日記

17日(日).わが家に来てから220日目を迎え,白ウサちゃんに内緒話を持ち掛けるモコタロです 

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋の東京芸術劇場で東京ニューシティ管弦楽団の第99回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「バレエ音楽”プロメテウスの創造物”から4章」,②コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」,③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」.指揮は曽我大介,②のヴァイオリン独奏は川久保賜紀です

 

          

 

定期会員として東京ニューシティ管弦楽団を聴くのは今回が初めてです.予想以上に聴衆が入っていたのにはちょっとビックリ 会場の後方が空いているのは他の在京オケも同じこと.在京オケで最少人数の楽団としては大したものと言うべきかも知れません

ということで,プログラムの最初のページにあるメンバー表を見て「あれっ?」と思いました.「本日の出演者」として第1ヴァイオリンに山口裕之とあり,名前の前に〇印が付いています.脚注を見ると「〇印は本日の首席奏者」とあります.山口氏は元NHK交響楽団のコンマスですが,今はフリーの立場なのであちこちから声がかかるのでしょう そこまでは分かります.他のオケだってコンマスの客員は珍しくありませんから.しかし,他のパートを見ると弦楽器も,管楽器もほとんどが最初の奏者に〇印が付いているのです これはどうい解釈すれば良いのでしょうか?このオケには首席はおらずその都度,客員として外から迎えるということでしょうか?それとも「本日の首席奏者」とあるので,楽員の中で交替で首席になるのでしょうか.よく分かりません

オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラという態勢をとりますが,コントラバスは後方の壁に沿って横一列に並んでいます.十数年前,ロイヤル・フランダース・フィルがすみだトりフォニーホールで演奏会を開いた時にこの態勢を見て新鮮に感じたことを思い出しました

1曲目はベートーヴェンのバレエ音楽「プロメテウスの創造物」から「序曲」「嵐」「パストラーレ」「フィナーレ」が演奏されます この曲はイタリアの天才的舞踏家でウィーン宮廷バレエの監督でもあったサルヴァトーレ・ヴィガーノの依頼により,1800年~01年にかけて作曲されました 序曲の冒頭は力強い和音から入りますが,ベートーヴェンは冒頭から聴く人の耳を釘づけにする術をこの時すでに身に付けていなます そして,フィナーレでは交響曲第3番”英雄”の第4楽章の有名なテーマが流れます 初めて聴きましたが,良い曲です

2曲目はコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲です.ソリストの川久保賜紀が鮮やかなブルーのドレスで登場 指揮者の合図で第1楽章に入ります.出だしからロマン溢れる曲想を流麗に演奏します コルンゴルトはマーラーにも認められた神童作曲家で,ナチスの台頭によりアメリカに渡り,ハリウッドで多くの映画音楽を書きました

川久保賜紀は楽譜を見ながら演奏しましたが,この際,暗譜で弾くかどうかは重要ではありません.要はコルンゴルトのロマン性が伝わってくれば良いのです.その意味では,彼女は独特の”艶”のある音色でロマン豊かに演奏していました

演奏後,右サイドにあったハープが指揮台の前に運ばれ,ハープ奏者は舞台袖に引き上げました.何事が起こるのか・・・と思っていると,川久保とハープ奏者が舞台に登場して,アンコール曲の演奏に入りました マスネの「タイスの冥想曲」です.この曲でも川久保の艶やかな音色が生きていました 演奏の間,指揮者の曽我大介は指揮台に座り込んでリラックスしています.どうも指揮台に座り込むのはこの人の癖のようです 去年のフェスタ・サマー・ミューザでは演奏中に指揮台で寝ころんでいました.あれは明らかに優位的立場を利用した職場放棄で,本来なら機動隊を導入して改心するまで説教するところです

休憩後はブラームスの交響曲第1番ハ短調.オケの規模が拡大します.このオケ本来の楽員は極めて少人数のはずなので,多くのエキストラが動員されたと思われます

演奏は指揮者・曽我の情熱が,コンマスの山口裕之氏を通して楽員に伝わった熱い演奏でした 細かいことを言えば,何度か1人弦がハズレたり,管の入りが遅れたりといったところがありましたが,そうしたことを気にしていたら楽しくなくなるので聴き流しました

他の在京オケの聴衆と客層が違う,若い人が比較的多いのではないかという印象を受けました

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする