人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ショスタコーヴィチ「交響曲第7番」を聴く~読売日響第548回定期演奏会

2015年05月14日 07時01分13秒 | 日記

14日(木).わが家に来てから217日目を迎え,小さい風船では物足りないモコタロです 

 

          

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  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊に,ベルリン・フィルの首席指揮者選任を巡るニュースの続報が出ていました 同紙のベルリン特派員と吉田純子編集委員の共同執筆の形をとっています.この中で,今回のラトルの後任首席指揮者選びの候補者の一部が挙げられています クリスチャン・ティーレマン(56),ダニエル・バレンボイム(72),アンドリス・ネルソンス(36),グスターボ・ドゥダメル(34)らです.記事は,音楽評論家の諸石幸生氏の『グローバル時代の先頭に立とうとするあまり,守るべきアイデンティティーを見失い,どんな”監督”が必要か見えなくなっている』というコメントを紹介しています 一方,ドイツの有力紙は『楽団の方針を巡る複雑な内部抗争が背景にある』と報じているとしています.1年以内に再投票で決めるとしていますが,さて,誰がサイモン・ラトルの後を襲うのか・・・気になります

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで読売日響の第548回定期演奏会を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453」,②ショスタコーヴィチ「交響曲第7番ハ長調”レニングラード”」です.指揮はエイヴィン・グルベルグ・イェンセン,①のピアノ独奏はアンドレアス・シュタイアーです

 

          

 

指揮者のエイヴィン・グルベルグ・イェンセンは1972年ノルウェー生まれで,レオポルト・ハ-ガ-等に師事しています 経歴を見るとオペラでの活躍が目立ちます 今年11月には新国立劇場のオペラ「トスカ」にデビュー,2017年にはウィーン国立歌劇場にデビューが予定されているとのことです

ステージ中央にはグランド・ピアノが置かれています.オケのメンバーが入場,次いで拍手の中コンマスの長原幸太が登場します

1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453」です.モーツアルトは1784年(28歳)にピアノ協奏曲第14番(K.449)から第19番(K.459)までの6曲を一気に書いています 第14番と第17番は当時ピアノの弟子だったバルバラ・ブロイヤーのために作曲した作品です

ソリストのアンドレアス・シュタイアーが指揮者イェンセンとともに登場します 初めて生で見た黒メガネのシュタイアーは”ちょっと見”フリードリヒ・グルダに風貌が似ていると思いました 彼はどちらかと言うとピアノ奏者というよりもチェンバロ奏者としての方が名前が知られています

この曲の第1楽章はオーケストラによる序奏から入って,後からピアノが登場するのですが,モーツアルト自身がやっていたかも知れないように,序奏の音楽に合わせてアドリブでピアノを弾きます とは言っても,メロディーを弾くと言うよりは,音楽の第1拍目をポン,ポンと弾く程度です.しかし,これがシュタイアーというピアニストの特徴なのだと思います メロディーの部分に入ってからも,どちらかと言うとチェンバロを弾いているような演奏スタイルが見受けられました.それが返って新鮮に響きました

シュタイアーはアンコールにモーツアルトの「ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330」から第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」を彼独特のスタイルで演奏しました

 

          

 

休憩後はショスタコーヴィチ「交響曲第7番ハ長調”レニングラード”」です.なぜこのようなサブ・タイトルが付いたのかと言えば,ショスタコーヴィチが「この交響曲はファシズムとの戦い(中略),そして我が故郷レニングラードに捧げる」と述べたからです ショスタコーヴィチはサンクトぺテルベルク(⇒ペトログラード⇒レニングラードに名称変更)に生まれ,1917年に2月革命,10月革命を経験しています 1941年にはナチス・ドイツのソ連侵攻による大祖国戦争(独ソ戦)が始まります.その時に書いたのがこの交響曲で,全15曲ある交響曲の中で最も長い曲(約70分)です

前半のモーツアルトからオケの規模が拡大し,フル・オーケストラで臨みます ホルン8人を見るとさすがに偉容を感じます.イェンセンのタクトで第1楽章が開始されます.出だしの演奏を聴いた時,「あれ?この曲はこんなに軽く明るい曲だったかな?」と感じました しばらくすると,小太鼓のリズムに乗って「戦争の主題」が12回繰り返されます.主題を奏でる楽器が変わり,次第に音量が増し,クレッシェンドしていく手法は,ラヴェルの「ボレロ」のアイディアを拝借したと言えるでしょう 「ボレロ」と同じように,聴いていると気分が高揚していきます

スゲルツォ的な第2楽章を経て第3楽章のアダージョに移りますが,ここでは読響の弦楽器の美しいアンサンブルが聴けます 第4楽章へは続けて演奏されます.管楽器,弦楽器,打楽器を総動員したフィナーレは圧巻そのもの レニングラード攻防戦におけるソ連の勝利を高らかに歌い上げます

マーラーにせよ,ブルックナーにせよ,今回のショスタコーヴィチにせよ,フル・オーケストラによる大管弦楽曲はやっぱり生演奏に限ります アイ・フォンや家のオーディオ装置でチマチマ聴いて満足する音楽ではありません

 

          

 

休憩時間に読響会員特典CDをもらいました カンブルランか小林研一郎かを選ぶことが出来ますが,収録曲を見ないでカンブルランを選びました  ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界から”」で,今年2月15日に東京芸術劇場でのライヴ録音でした.あとでゆっくり聴こうと思います

 

          

          

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