人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東川篤哉著「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」を読む~読んで楽しいミステリー

2015年05月13日 07時01分07秒 | 日記

13日(水)。わが家に来てから216日目を迎え、大好きな風船に囲まれて仁義を切るモコタロです 

 

          

                    人呼んで フウセンのトラと申します 以後 お見知りおきを

          

  閑話休題  

 

昨日の朝日夕刊に「ベルリンフィル 異例の再投票へ 首席指揮者選考『1年以内に』」という見出しの記事が載っていました 記事によると

「ベルリン・フィルの幹部は11日夜,楽団員による選考会議で,2018年に任期切れとなる首席指揮者兼芸術監督サイモン・ラトル氏(60)の後任を協議したが,結論を出せなかったと発表した 1年以内に再投票を行う.団員代表のペーター・リーゲンバウアー氏は会議後,『楽団の方向性を話し合ったが,根本的に異なる意見があった』と説明.候補者を絞り込むため何度も投票が繰り返されたが,『大多数の支持』を受ける1人に決められなかったという 楽団員が首席指揮者を選ぶのは同楽団独特で,『帝王』と呼ばれたカラヤン氏の後任を選ぶ1989年に初めて導入.今回が3回目で16年ぶり.音楽関係者によると,結論が先送りされたのは初めてという

この記事を読んで,クラシック音楽好きは「いったい誰が候補になっているのか?」と興味を抱きます 日経の夕刊にも同様の記事が載っていましたが,日経にも候補者の名前が一人も書かれていません 指揮者中心の巨匠の時代はとっくの昔に終わり,オーケストラとうまくやっていくニュートラルでインターナショナルな指揮者が中心的な存在になって久しくなります

カラヤンの後を襲ったのは楽員投票でロリン・マゼールを破ったクラウディオ・アバード(イタリア人),その後がダニエル・バレンボイムを破ったサイモン・ラトル(英国人)です 団員の顔ぶれを見てもベルリン・フィルは今やインターナショナルなオーケストラの代表みたいな存在です さて,1年以内に再投票で選ばれるのは誰か・・・・個人的にはパーヴォ・ヤルヴィかチョン・ミュンフンが面白いと思いますが,皆さんはどう思われますか? 二人とも世界中で引っ張りだこの指揮者なので難しいでしょうが

 

  も一度,閑話休題  

 

今夕、読売日響の定期演奏会でショスタコーヴィチ「交響曲第7番”レニングラード”」を聴くので、昨日CDで予習しておきました 演奏はベルナルド・ハイティンク指揮ロンドンフィルです。「ショスタコーヴィチ交響曲全集」13枚組の1枚です。久しぶりにショスタコの”レニングラード交響曲”を聴きましたが,第1楽章のあのリズム感がたまらないですね 今夕の本番が楽しみです

 

          

 

  最後の,閑話休題  

 

東川篤哉著「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」(文春文庫)を読み終わりました 東川篤哉は1968年広島県尾道市生まれ.「謎解きはディナーのあとで」が2011年本屋大賞を受賞し一躍有名人になりました.当ブログでも何冊かご紹介しましたね

 

          

 

若手の独身刑事・小山田聡介は「八王子署の椿姫」こと椿木綾乃警部(39歳独身)の部下 彼は椿姫に足蹴にされることに快感を覚えるドMだが,実はなかなかのやり手 一方,目の前に立ちはだかる難事件の現場に,何故か必ず現れる謎の家政婦(とはいえ美少女) 彼女こそ難事件の解決にヒントを与える重要人物.実は魔法使い「マリィ」

この本は「魔法使いとさかさまの部屋」「魔法使いと失くしたボタン」「魔法使いと二つの署名」「魔法使いと代打男のアリバイ」の4つの短編から成りますが,共通点は,最初から犯人が判っていて,二人の刑事が犯人のアリバイを崩していく過程が書かれています 謎解きの過程で”普通のミステリー”では登場するはずのない魔法使いが登場し,結果的に犯人逮捕に貢献することになります 本格派ミステリーの立場から言えば,「それってルール違反じゃん」というところですが,そこはユーモア・ミステリーの第一人者・東川篤哉.笑いに包んで事件を解決していきます

ミステリーですから,どういう仕掛けを用意しているかに興味が湧きますが,それと同じくらい期待するのは事件とは直接関係のない人物描写や情景描写です 例えば,椿姫の描写は次の通り

「光沢を放つグレーのスーツ.腰に張りつくタイトなスカートは,ギリギリ膝頭が覗く長さ,そこから伸びる二本の脚は見事な脚線美を描き,引き締まった足首は鍛えられた一流のアスリートのよう 実際,聡介の同僚の中には,彼女の逆鱗に触れた挙句に,渾身のローキックの餌食になった者が数名.それはそれで羨ましい いっそ自分もあの脚に蹴られたい,と密かに倒錯した願望を抱く聡介は,変態でしょうか.いいえ,誰でも

一事が万事で,こういった感じの語り口で読者を笑いに誘いながら,いつの間にか難事件を解決していきます 文句なしに読んで楽しいミステリーです.お薦めします

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする