ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『ワッハワッハハイのぼうけん』

2006-01-30 09:00:26 | 息子が一人で読んだ本

『ワッハワッハハイのぼうけん』
谷川俊太郎・作 /和田誠・絵

毎晩の読み聞かせが、定番『かいぞくポケット』に入ったので、今日は、最近の息子のお気に入りを2冊、記しておこうと思う。
まず一冊目。

この難解な題名の本が我が家にやってきたのは、去年のクリスマス。
知人が、息子にプレゼントしてくれたのだ。
しかし、早々に、母は白旗をあげてしまった。
げ~!ナンセンス絵本だ~!!

なにを隠そう、私は、ナンセンス本が苦手。
かの有名な長新太さんの本も、ごく最近まで、全く読んだことがなかったのです。
それが、配本サービスから『ノンビリすいぞくかん』という本が送られてきて以来、その独特な魅力にとりつかれてしまい、絵本も手に取るようになりました。

他にも、メルヘンチックな絵・アニメのような絵の本が苦手です。
けれど最近、ブログで絵本紹介の記事を読むようになり、考え方に変化が・・・
今まで、苦手、苦手と言って、良い本と出会う機会を逃してきたんじゃないか?
しかし、このワッハワッハハイは、その思いをも砕くナンセンスなんだな~

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である。ワッハワッハハイは男である。
年は、5さいより上、15さいより下である。きみが、きょねんこの本を読んでたら、ワッハワッハハイは5さいだった。ことし読んでるとすると6さい、来年読むとすると7さい、さらいねん読むとすると8さい…というぐあいだ。だから、9年いじょうたってからこの本をよまないでくれたまえ・・・

はあ~?
白旗をあげてしまった母に、けなげに読み聞かせしてくれる息子。
しかし、読んでいるうちにゲラゲラ笑いだし、最後には、笑いすぎで泣きだしてしまうのです。
何が、そんなにおかしいんだ~!
おまけに、笑いすぎで疲れてしまうのか、3章くらい読むとやめてしまいます。
普通なら、次は、この続きから。けれど、違うんです。

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である・・・

また~!?
けれど、
息子は、延々と繰り返します。
もう、一ヶ月読み続けているのに、未だに読み終わらない。
つまらないならともかく、自分で本棚から出してきて、楽しそうに読んでいるのに・・・
何故か読み終わらない!
誰か止めて~!
そしてとうとう・・・今月の半ば位から、最初の部分を暗記してしまいました。

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である・・・

やめて~!
・・・とうとう、覚えてしまいました。私も。

もう、谷川ワールドの迷宮に、迷い込んでしまったとしか思えません。
怖いもの見たさに、読んでみようかしら?と、思うこともシバシバ。
けれど、どうしても、まだ開く勇気が出ないのです。
「どうしようかな?・・・いや、無理。」
ある意味、親子で迷い込んでます。


『鬼のうで』

2006-01-30 06:53:48 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『鬼のうで』
赤羽末吉


京の都での鬼退治の話。
昔、京に程近い、丹波の国の大江山で、恐ろしい鬼が暴れまわっていました。
そこで、源 頼光という武勇のすぐれた侍が、この鬼達を退治したはずだったのですが、一匹だけ、逃げ出した鬼が・・・
この鬼を退治しようと、頼光の家来の渡辺綱が勇ましく出かけていきます。
そして、とうとう腕を切り落としてしまうのです。
怒った鬼は、腕を取り返そうと、あの手この手を尽くし・・・。

赤羽さんならではの、表紙から、ぐっと惹きつける絵。
怖い話大嫌いの息子は、「これ怖いんじゃないの。」と怪訝そう。
でも、図書館で借りてきた本の山は、後わずかで、もう、読んでしまうしかないと腹をくくったようでした。

私は、赤羽さんの絵が大好きです。
昔話で、同じ題材の本が何冊かあれば、迷わず「赤羽末吉画」の方を選びます。
ちゃんと中を読んで・・・と言われても、もう、好きなんだから仕方ない。
私が読んできた中では、話は別の方が書いておられることが多いのですが、赤羽さんが組んで仕事をするんだから、間違いない!と思ってしまう訳なんです。

この本の絵は、特に、迫力がありました。
まるで、鬼が、絵本を飛び出してくるような勢いがあります。
おまけに、「そうれ それそれ そのむかし」や「たいじしてござる」というような、舞台でも見ているような語り口調。
いつの間にか、ノリノリで読んでいる母なのでした。

以前、あまり演劇がかった口調で読み聞かせるのはヨロシクナイ!という講演会をきいたことがありますが、でも、この迫力!どうにも止めることができません。
「ちからの かぎり きっぱらってござる~。」
ほとんど自己陶酔の域に入っている母。
でも、息子は、意外に冷静に物語を楽しんでいたようでした。

渡辺綱が鬼の腕を切り落とす場面では、よほど怖かったのでしょう。
「あっ!」と、思わず声をあげてしまい・・・
源頼光が、まんまと鬼の策略にのってしまう場面では、「違うのに!」と、悔しそうな声。
母と息子。たぶん、別々のところではありましたが、十分すぎる位、楽しめた一冊でした。

『きんぎょのうんどうかい』

2006-01-29 08:03:42 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『きんぎょのうんどうかい』
高部晴市(作/絵)

フーちゃんの家で飼っている、金魚のアカさんが、小学校の運動会に連れて行ってもらいます。
そして、障害物競走に出ることになるの!
ケンタロウ君の家の金魚のシロくん、校長先生のクロくん、応援に来ていたブチくんとデメキンのデメクロくん。
金魚くんたちの障害物競走のお話です。

・・・な~んて、ストーリーを紹介するのは、なんだか無粋な気がしてしまうような絵本です。とにかく、おもちゃ箱をひっくり返したような絵。
読み聞かせをしていて、「これは、読み聞かせより、一人で読ませた方が良かったかな~」と思うくらいに楽しい絵でした。
観客の中には、何故か、だるまさんがいたり、タコがいたりね。
でも、読み進めるうちに、私がストーリーを読んであげる方が、息子が絵を楽しめるのかもしれないと思いなおし、いつもの3倍くらいの時間をとって、ページをめくることに。


それにしても、私が小学校の頃の運動会は、こういうおじさん、おばさんばっかりだったなぁ~。
でっぷりしたおばさんや、今にも喧嘩始めてしまいそうなおやじ。
今のお父さんやお母さんは、みんなキレイでおしゃれだもんね。

両手を振り上げて応援なんて、今じゃ見られない光景で、みんな手にはビデオカメラだし、自分の子が出ていないときは、おしゃべりに夢中だしね・・・。
なんだか、親として反省しちゃう。
私自身、こうやって夢中になって、学校の子どもたち全体を応援したことあったかな~なんて・・・

これだもの、今の子が他人に無関心なんて、偉そうに言えないですよね。
大人自身が、この絵本のような楽しみ方ができなくなっちゃってるんだな・・・
なぜか、息子が先日もらってきた「授業中のおしゃべりは、学習の妨げになりますので、おつつしみください。」と書かれた「授業参観のお知らせ」を思い出した母なのでした。


息子は、この絵本の観客達を、どう思ったんだろう。
こんな運動会、楽しそうだな~と思ったかしら?



『ウルスリのすず』

2006-01-28 07:19:41 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『ウルスリのすず』ゼリーナ・ヘンツ文 アロワ・カリジェ絵 大塚勇三訳 岩波書店

スイスの山奥の小さな村に住んでいる、小さい男の子、ウルスリのお話。
村では、三月になると春まつりが行われます。
男の子たちが、牛が首に下げる鈴を手に村中を練り歩き、冬を追い払って、お菓子や肉、木の実をもらうのです。
その行列の先頭を歩くことが出来るのは、一番大きな鈴を持った男の子。
小さな鈴しか手に入れられなかったウルスリは、山のてっぺんに建っている、夏に訪れる小屋の壁に、大きな鈴がかかっていたのを思い出します。
険しい道、深い谷間を進み、雪を掻き分けながら小屋へ登っていくウルスリ。
そして、お祭りの日!!!

以前読んだ『大雪』の作者の本。
あの澄んだ美しい絵が忘れられずに、図書館で探してきました。
その期待を裏切らない絵と、静かに語られる文章。読んだ後、深いため息をついてしまった私です。
私は、海育ち(太平洋側の)なので、山への憧れが強いのかもしれません。
ちなみに、新婚旅行はスイスでした。
他に候補にあげた国々が、あまりにマイナー(および辺境)すぎて、旦那がこの国を選んだという経緯があるんですが、本当に素敵な国でした。
憧れの気持ちと共に、この作者の世界を堪能しました。

もちろん、息子にとっては、知らない国・スイスですが、自分たちの暮らしとは違う、静かな山間の小さな村での営み、そこでの子どもたちの小さな喜びを、静かに想う夜になったのではないかしら・・・


図書館での『おはなし会』

2006-01-27 15:22:12 | お話し会のこと

一ヶ月ぶりの図書館での『おはなし会』。
天気が良かったので、お客さんは少ないかな~と思っていたのですが、寒いせいでしょうか?
小さなお話しの部屋が、一杯になる位のお客さんの数でした。
プログラムは・・・

1.ここは、ここは(手遊び)
2.『おおきくおおきく おおきくなあれ』 まついのりこ 作 ・童心社
3.『しろくまちゃんのほっとけーき』 わかやまけん 作 ・こぐま社
4.ケーキをつくろう(手遊び)
5.『てのなかなーんだ? 』きうちかつ 作 ・ やまうちふじえ 絵
6.手袋人形の作り方紹介
7.『このゆきだるま だーれ?』 岸田衿子 文 ・山脇百合子 絵 ・福音館
8.『まんまるちゃん』(パネルシアター)
9.ここは、ここは(手遊び)

私は、『しろくまちゃんのほっとけーき』と『このゆきだるま だーれ?』。それから、覚えたての『ケーキをつくろう』の手遊びうたと、『まんまるちゃん』のパネルシアターを担当しました。

『ケーキをつくろう』は、リトミックの教材にのっていたものを、職場で(組んで仕事をしている指導員と)勉強したのです。
「ケーキをつくろ~!ケーキをつくろ~!小さな(大きな)ケーキを~!」とうたいながら、手のひらにのっているハズのケーキに、クリームをぬったり、いちごをのせていきます。

仕事では、重度の障害の方に対して行うので、職員が、リズミカルに利用者の方の身体を触っていく形でやりましたが、ここでは、まさにリトミックの教科書通り。
教科書通りにやる方が緊張するというのは、なんだかおかしい話なんですが・・・
障害のある方と一緒に歌う経験の方が長いので、仕方ないですね。

お母さんに、大きなケーキを作ってあげるシーンでは、恥ずかしくてあげられない子が一人いましたが、私が、代わりにプレゼントしたら、嬉しそうに笑っていてくれて、こちらまで嬉しくなってしまいました。
プレゼントをもらったお母さんが、モグモグとおいしそうに食べてくれたおかげ。
本当に、お客さんたちに育ててもらっているなぁと実感します。

子どもたちの笑い声のおかげで、寒さも少し緩んだようでした。


『ワニのライルは、会社のにんきもの』

2006-01-27 06:43:03 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『ワニのライルは、会社のにんきもの』
バーナード・ウェーバーさく  小杉 佐恵子やく


『クロコダイル・ワニのライルは、愉快なワニです。』で始まる、おなじみライルシリーズ。
我が家では、これが6冊目となるライルくんだ。

ライルがいるだけで、
誰もが楽しくなってしまうものだから、公園やスーパーで働いてくれないだろうか?歯磨きの広告に使わせてくれないだろうか?と、ライルは引っ張りだこ。
けれど、『ライルは、今のままが幸せだから』と、どれも、プリムさんは断ります。
そんなある日、ライルは広告会社のプリムさんの会社に行って、仕事をいろいろ手伝ううちに…。


この本は、本当に不思議。
ライルには、ちっとも台詞がない。台詞があって、性格づけがしっかりされているのは、一緒に暮らすプリムさんたちだけ。
けれど、何故か、物語に出てくる人々と同じように、強烈にライルくんに惹かれてしまうのです。
何か訴える訳でもなく、何かを感じさせる訳でもない、笑わせたり、ヒヤヒヤさせることもない、この物語。
でも、読んでいると、なんだかアッタカイ気持ちになるんだなあ。
たまには、こんな物語で、親子でほっと一息。
笑顔で、温かい気持ちで眠りにつくためには、欠かせない本の一つです。

 


『ゆうかんになったユージン』

2006-01-26 06:51:25 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『ゆうかんになったユージン』
エレン・コンフォード 文  ジョン・ラレック 絵
矢川澄子 訳

またまた、ランドルフの姉妹本。今日は、弟、ユージンが主役だ。
ある日突然、暗闇が怖くなったユージン。
みんな、心配でたまりません。
なんて言ったって、ふくろねずみは、夜にご飯を食べにいく動物なんですから!

ランドルフは、相変わらず、優しい男の子で、「そんなことでどうするんだ!」というお父さんから、さりげなく弟をかばってみたり・・・
けれど、姉さんのジェラルディンときたら、ちょっぴり意地悪で、からかってみたり、知らん顔をしてみたり。
そんなある日、
姉さんのジェラルディンが、ユージンの特訓を始めます。
ところが、その時、姉さんが大怪我。
暗い森の中でユージンはどうする???

なんといっても、意地悪に見えるジェラルディンが、実は、とっても優しいのがうれしい。
かける言葉から何から、なんでも優しいランドルフみたいな子もいるけれど、乱暴で、ちょっと意地悪そうに見えるジェラルディンみたいな子の、遠回りな優しさもある。

読み終わったあと、
「ああ、おもしろかった~」という息子の言葉が、まぶしかった。
なにしろ、息子は、どちらかというとランドルフ系で、ジェラルディンのような子が大の苦手だった。
いつも、その心を図りかねて、戸惑っていることが多かったのだ。
入学当初は、泣いて帰ってくる息子に、よく、喧嘩の仕方を教えたっけなあ。
今では、元気よく大立ち回りをして、帰ってくることもある位の男の子になった。
でも、心の中では、まだ図りかねていることがあるのかも?・・・なんて、この本を読みながら思った。

正直に言うと、このシリーズの様な「なんだか作者の意図が透けて見えるような話」は、好きじゃない。
知育絵本のようなものとか・・・つい、だから何がいいたいの?と、言いたくなっちゃう。
でも、このシリーズ、息子を引きつけてやまないようなのだ。
何なんだろうな?すごく不思議だ。
子どもの感性には、いつも驚かされる。




『これならおとくいジェラルディン』

2006-01-25 05:50:41 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『これならおとくいジェラルディン』
エレン・コンフォード 文 ジョン・ラレック 絵
岸田衿子 訳

息子の学校の国語の授業で、友だちに紹介したい本を持ち寄って、自分で書いた帯をつけて展示するという課題があった。
息子が、本棚から選んできたのは『やればできるよランドルフ』
これが、読んできた本の中では、おとなしい、読み物といった本。
大喜びして読んだ本ばかりが、心に残る本という訳ではないのだな・・・と、改めて本の魅力にふれた出来事だった。

この本は、そのランドルフのお姉ちゃん、ジェラルディンの物語。
おてだま遊びが大好きなジェラルディン。
けれど、お父さんとお母さんは、もっとしとやかな女性になるようにと、おけいこ事に通わせることに決めてしまうのです。
バレエ、織物、彫刻・・・けれど、どれもうまくいかないの。

お父さんとお母さんは、大丈夫、とっても上手よ!と励ますけれど、上手くない、上手くなれそうにないってことは、本人が一番よくわかっているのです。
すっかり落ち込んでしまうジェラルディンに、弟たちは、彼女が、何が得意なのかってことを教えてくれます。
自信をとりもどしたジェラルディン。
そして、最後に、彼女が思いついた最高の教室は!!!

う~ん。と、考え込んでしまったのは、何をかくそう母の方。
我が息子の習い事について、改めて考えてしまいました。
本人が「やりたい!」と言って始めたものばかりだけれど、彼が「やめたい!」と思ったときに、にっこり「わかったわ。」と言ってあげられるかしら?
彼にとって、一番大切なことを見失わないようにしたいな・・・

息子は、この話をどう思ってきいていたのだろう?
いつか大人になったときに、話してみたい。うわあ、楽しみ!
それを楽しみに、今は、目の前の彼としっかり向き合っていたいと思う。



『おばけリンゴ』

2006-01-24 06:10:16 | 息子と読んだ本のこと・絵本

『おばけリンゴ』
ヤーノシュ作・やがわすみこ訳


おはなし会の先輩が、この本を題材にした舞台のリーフレットを紹介してくれました。
絵本の表紙がそのまま印刷されたリーフレットだったのですが、その絵の魅力に、すっかり取り付かれてしまいました。
可愛いのに、なんだか不思議な絵。
残念ながら、舞台の方は、用事があって行けなかったのですが、絵本を借りてくることができました。

息子は、「なんで、エーミールやプーは、もうないの?」と不満気でしたが、昨晩、ようやく(本の山から)この可愛い絵を選んでくれました。

貧乏なワルターは、りんごの木を一本だけ持っています。
でも、りんごの木は、一度も花や実をつけた事がないのです。
すずなりになっているよその庭のリンゴの木が、うらやましくて仕方ないワルターは、ある晩、ベットの中で祈りました。
「ひとつでいいからうちの木にもりんごがなりますように。」 
願いは叶えられ、りんごがひとつなりました。
ところが、そのりんごときたら、どんどん大きくなり・・・!!

ちょっととぼけた顔のワルターが、なんとも言えず魅力的。
なにより、赤い屋根が印象的なワルターの家と、独特な風貌のリンゴの木は、目にやきついて離れません。

一番のお気に入りの場面の言葉。
「ほんの ちいさなおねがいなのに、うんと 
こころをこめて いのったのですもの、かなえられるのが あたりまえですね」
美しい、魅力的な夜の情景が描かれていました。
息子には、どんな風に届いたんだろう。
特別なメッセージはないけれど、
ちょっと不思議な話で心に残る、素敵な絵本でした。


『プーあなにつまる・ふしぎなあしあと』

2006-01-23 06:11:12 | 息子と読んだ本のこと・児童書

『プーあなにつまる・ふしぎなあしあと』
クマのプーさんえほん2 A.A.ミルン文 E.H.シェパード絵 
石井桃子訳

プーって、最高におもしろいクマ!
昨日は、2巻目ということで、プーとクリストファーロビンの関係(本当は、プーはロビンの持っているぬいぐるみってこと)や、物語は、ロビンのお父さんが創作したものという前置きは、なし。
最初から最後まで、プーとロビンと森の仲間との楽しい物語。
おかげで、息子も大いに楽しめたようで・・・母と二人、ゲラゲラと笑い通しでした。

まずは、欲張って食べ過ぎたプーが、うさぎの家の玄関から出られなくなるお話。
アニメでも定番のお話だけれど、文章の方が、断然おもしろい。いやもう最高!
我が家は、下品な笑い声で一杯になってしまった。

二つ目のお話は、挿絵で有名な雪の日のお話。
プーが友だちの子ブタを連れて、雪の上の足跡を追跡する物語なのだが、足跡の正体は、何のことはない!!!またまた大爆笑でした。
しかし、
最後の最後まで、息子は足跡の正体がわからず、途中で何度も、「あれ?もしかして?」「あれ?あれじゃない?」と、首をかしげていた。
本当に、鈍いったら!
うふふ。そこが、かわいいんだけどね。

電気を消してからも、興奮さめやらぬ息子。
「ぼくさあ、アニメより、こっちの方が好きだよ~。だってさあ~、プーの足をさあ。」
はいはい。わかりましたから、もう寝ましょう。


『プーのはちみちとり くまのプーさんえほん1』

2006-01-22 06:25:32 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『プーのはちみちとり くまのプーさんえほん1』
A.A.ミルン文 E.H.シェパード絵 石井桃子訳

エーミールの本を返しにいった外国文学の棚で、『プー横丁にたった家』という、分厚い本を見つけました。
昔から、分厚い本を見ただけで、読書虫がお腹の中でウズウズしてしまう私ですが、ここは、ぐっとがまんして、となりに置いてあった絵本の方を借りてみました。
息子に読み始めるには、こちらの方が、興味がわきやすいかな?思ったのです。

その場で調べてみたら、全く、内容が同じ。
訳している人も同じだから、一語一句違わないようでした。
しかも石井桃子さん!この方の訳が、好きなのですよ。
日本語がキレイなんですよね~。
絵も、挿絵がカラーになって、大きく印刷されているだけでした。
一章が、絵本の一冊分になっているようです。

そんなこんなで読み始めましたが、なかなかどうして。
理解するのが難しくて、大変でした。

まず、ディズニーのアニメでついた先入観が、息子を混乱させたようでした。
「プーは、人形だったの!?」
最初のページから、質問の嵐。

さらに、内容までもが理解できない。
クリストファー・ロビンとぬいぐるみのプーを主人公にした物語を、ロビンのお父さんが創作して、ロビンに語ってきかせるという話なんですが、この設定が、なかなか理解できない。
というのも、ロビンが、わからない言葉などを、お父さんの語りの途中、途中で質問するのです。
しかも、プーがわからないから教えてやって!という、遠まわしな言い方で。
これで、さらにこんがらがる息子。

全部読み終わってから、この本の人物設定と場面設定を説明したら、「なんだ。そういうことだったのか。」だって。
ふぅ。本当に理解できたのかしら。
それでも、お父さんの作った創作物話は、最高におもしろくて、そこは、設定なんて気にせず大笑いしてました。
そこが楽しめたのなら、ま、よしとするか。

『エーミルのクリスマス・パーティー』

2006-01-20 06:04:18 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『エーミルのクリスマス・パーティー』
アストリッド・リンドグレーン作 ・ さんぺい けいこ 訳

いよいよ最後のエーミール。
大爆笑の昨日の物語とは、ちょっと違って、エーミールの優しさが、ほんわか伝わる物語。
最後にふさわしい物語だったかもね。
これで、大爆笑で終わってしまったら、明日が、寂しくてしょうがないもの。

スウェーデンでは、各家々、持ち回りでパーティをするのが習慣なのか、エーミールの中でも、何度も、そういう物語が出てきます。
今回は、パーティにやってきた学校の先生が、大騒動を巻き起こします。
まずは、みんなで雪合戦をやることを提案。
お次に、部屋の中で、キスゲーム。

目隠しした人に、「あなたの恋人はこの人ですか?」と質問していき、イエスと答えたところで、目隠しした人がその人とキスする!というもの。
厳格なお父さんは、不機嫌。でも、村中の人は、大喜びでゲームに参加。

ゲームが進む中、足が不自由で不恰好という設定の牧師さんの奥さんと、キスすることになった、ある村の男の人が、「いくら払ってもいいから、キスするのは嫌だ」と言います。
恥ずかしくて、悲しい牧師さんの奥さん。

けれど、彼女は、最後にまた、キスの相手に選ばれてしまうのです。
それも、エーミールに!
エーミールの優しさで、牧師さんの奥さんは、すっかり幸せな気持ちになり、村中の人々も、幸せな気分になってゲームはおしまい。パーティもおしまい。

雪合戦で大爆笑していた息子は、キスゲームが始まった瞬間に、布団にもぐりこんでしまいました。
あらあら。難しいお年頃になったものだわ。
「おしまい!」で隣を見てみると、顎のところまで布団を引き上げ、目をキラキラさせている息子。
本当に、難しいお年頃だわ。

『エーミルのいたずら325番』

2006-01-19 05:58:12 | 息子と読んだ本のこと・児童書
アストリッド・リンドグレーン作
さんぺい けいこ訳

期待を裏切らないエーミールくん。
雰囲気の違う文体を気にする暇もない、おもしろさでした。
名前がエーミルになっていても、地名の表記が違っていても、そんなの関係ない!
母は、あんまり笑いすぎて読めなくなり、息子の方が、引いてしまう程でした。

あまりにハエが多いので、ハエとり紙を買ってほしいお母さんと、値段の高いハエとり紙を買わせたくないお父さん。
「そんなもん買ったら、家族でこじきになってしまう!」
お父さんのそんな大げさな言葉を信じて、なんとかしようとするエーミール。

ここで、ハエを捕まえる方法を考えるのが普通だけれど、ハエとり紙を買うためのお金を集める方法を考えるのが、エーミールなんだな。
まんまと、牧師さんの奥さんを騙してお金をもらい、ハエとり紙を買うエーミール。
台所中にハエとり紙をつるして、大成功!となるところだったけれど、もちろん、それにひっかかるのは、ハエではなくて、お父さんたち。
見事にカミナリが落ちて、牧師の奥さんにお金を返しにいって、話は終わった。

さあ、残りは、とうとう一冊。
早く読みたいような、読みたくないような・・・

『エーミルと小さなイーダ』

2006-01-17 05:32:05 | 息子と読んだ本のこと・児童書
『エーミールと小さなイーダ』
アストリッド・リンドグレーン作
さんぺいけいこ訳

青い鳥文庫のエーミールとは、全くと言って様子が違う・・・。装丁もなにもかも!
版権が移ったのだろうか?こちらは岩波書店版。
今は、こちらを買うことしか出来ないようだ。(青い鳥文庫の方は、絶版らしい)

訳も小野寺百合子さんの古めかしい訳とは、180度違う。
どちらの訳がよかったか?なんて、比べる訳にはいかない。
なにしろ、あんなに違和感で一杯だった小野寺訳に、慣れ親しみすぎてしまっていたから・・・
ニワトリが先か?タマゴが先か?そんな感じ。

とにかく、すっかり様子が変わったエーミールに、母は呆然。
なんとなく寂しい・・・というのが、正直な感想かな・・・
そして、改めて、日本語のすごさ、日本語の妙を感じた。
もちろん、装丁が違うだけで、こんなに違う雰囲気の作品に仕上がるということもびっくりだ。

しかし、隣の息子は、ちっとも気にしていない様だった。
すっかり、エーミールの虜になっている彼は、最初から最後まで、目を輝かせ、ゲラゲラと笑い続けていた。
出版社が変わろうと、新しい装丁になろうと、訳が変わってカタカナ表記が、全く違うものになろうと、エーミールくんのイタズラは相変わらず!

雄羊を逃がしてしまい、マイヤばあさんは、雄羊に追われて塀にのぼって降りれなくなってしまい、なんとかしようと努力するけれど、最後には、雄羊を深い水溜りにはまらせてしまうエーミール。
パパは、相変わらず怒鳴り散らしているし、アルフレッドは、作男から、農場で働いている人に表記が変わったけれど、相変わらずやさしくて、かっこいい。

ただ一つ、息子が気に入らなかったことは、一冊で完結というスタイルだったらしい。
「これで、おしまい!?あと、何冊あるの?何冊で終わっちゃうの?」
心配そうに、図書館から借りてきた本の山をのぞきこんでいた。
残念ながら、あと二冊しかないの。
この気持ち、わかるなあ・・・・。
私も、大好きな作家の新刊を読み終えるとき、こんな気持ちだもの。

『シンデレラ または、小さなガラスのくつ』

2006-01-15 23:46:44 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『シンデレラ または、小さなガラスのくつ』
シャルル ペロー 著 エロール ル・カイン 絵
中川 千尋 訳

私は、小さな福祉施設で働いている。
そこのクリスマス会で、去年、白雪姫の劇をやった。
劇好きな先輩職員が、自分で台本を書いて、一人劇で演じたのだ。
私は、勢いでお手伝い。
通常の仕事をやらない訳にはいかないので、当然、勤務外での活動となってしまう。それぞれ、子どもを連れて、夜や休日に集まって練習。
私も、息子を連れて行ったのだが、そこでの息子の言葉に驚いた。
「白雪姫ってなに?」

息子が7ヶ月の頃から、絵本を読み聞かせてきたけれど、そういえば、昔話などを読んだ覚えが、あまりない!
特に、外国のものは、皆無と言っていい。
白雪姫もシンデレラも、ヘンゼルとグレーテルも、ジャックも、彼は知らない。

私は、どうして知ってるんだろう・・・
考えてみたけれど、思いつかない。本を読んだ覚えもない。
ああ、私の知っている物語も、ディズニーアニメで語られるようなストーリーだ。
ううむ。

そんなこんなで・・・少しずつ読んでみようと思い、年末に借りてきた。
年末年始の特別貸しで、今日までが貸し出し期限。
たくさん借りてきた中から、息子が選んだ順番に読んでいくのが、私たちのルールなのだが、ついに、最後になってしまったシンデレラなのだ。

このシンデレラは、ディズニーアニメのような、お目目ぱっちりのお姫様ではない。なんて繊細な絵。
数々ある『シンデレラ』の中から、この繊細な絵にひかれて借りてきた。
進められる物語は、決して、華やかでも、ドラマチックでもない。
でも、とても素敵。
母に付き合って読んだという感じだった息子も、じっと見入っていた。

シンデレラが、灰まみれの娘という意味だということも、初めて知った。
シンデレラが、最後に、意地悪なお姉さんたちもお城に呼び寄せて、幸せにしてあげるというのも新鮮だった。
先輩の一人芝居のシンデレラしか知らない息子は(その前の年は、シンデレラの劇だったので)、すんなりと受け入れたようだったが、母は、すべてが驚きだ。

さあ、次は、何を探してこようかな。
息子が飽きない程度に、少しずつ選んでこようと思う。