ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『ワッハワッハハイのぼうけん』

2006-01-30 09:00:26 | 息子が一人で読んだ本

『ワッハワッハハイのぼうけん』
谷川俊太郎・作 /和田誠・絵

毎晩の読み聞かせが、定番『かいぞくポケット』に入ったので、今日は、最近の息子のお気に入りを2冊、記しておこうと思う。
まず一冊目。

この難解な題名の本が我が家にやってきたのは、去年のクリスマス。
知人が、息子にプレゼントしてくれたのだ。
しかし、早々に、母は白旗をあげてしまった。
げ~!ナンセンス絵本だ~!!

なにを隠そう、私は、ナンセンス本が苦手。
かの有名な長新太さんの本も、ごく最近まで、全く読んだことがなかったのです。
それが、配本サービスから『ノンビリすいぞくかん』という本が送られてきて以来、その独特な魅力にとりつかれてしまい、絵本も手に取るようになりました。

他にも、メルヘンチックな絵・アニメのような絵の本が苦手です。
けれど最近、ブログで絵本紹介の記事を読むようになり、考え方に変化が・・・
今まで、苦手、苦手と言って、良い本と出会う機会を逃してきたんじゃないか?
しかし、このワッハワッハハイは、その思いをも砕くナンセンスなんだな~

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である。ワッハワッハハイは男である。
年は、5さいより上、15さいより下である。きみが、きょねんこの本を読んでたら、ワッハワッハハイは5さいだった。ことし読んでるとすると6さい、来年読むとすると7さい、さらいねん読むとすると8さい…というぐあいだ。だから、9年いじょうたってからこの本をよまないでくれたまえ・・・

はあ~?
白旗をあげてしまった母に、けなげに読み聞かせしてくれる息子。
しかし、読んでいるうちにゲラゲラ笑いだし、最後には、笑いすぎで泣きだしてしまうのです。
何が、そんなにおかしいんだ~!
おまけに、笑いすぎで疲れてしまうのか、3章くらい読むとやめてしまいます。
普通なら、次は、この続きから。けれど、違うんです。

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である・・・

また~!?
けれど、
息子は、延々と繰り返します。
もう、一ヶ月読み続けているのに、未だに読み終わらない。
つまらないならともかく、自分で本棚から出してきて、楽しそうに読んでいるのに・・・
何故か読み終わらない!
誰か止めて~!
そしてとうとう・・・今月の半ば位から、最初の部分を暗記してしまいました。

ワッハワッハハイの話をしよう。ワッハワッハハイは人間である・・・

やめて~!
・・・とうとう、覚えてしまいました。私も。

もう、谷川ワールドの迷宮に、迷い込んでしまったとしか思えません。
怖いもの見たさに、読んでみようかしら?と、思うこともシバシバ。
けれど、どうしても、まだ開く勇気が出ないのです。
「どうしようかな?・・・いや、無理。」
ある意味、親子で迷い込んでます。


『鬼のうで』

2006-01-30 06:53:48 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『鬼のうで』
赤羽末吉


京の都での鬼退治の話。
昔、京に程近い、丹波の国の大江山で、恐ろしい鬼が暴れまわっていました。
そこで、源 頼光という武勇のすぐれた侍が、この鬼達を退治したはずだったのですが、一匹だけ、逃げ出した鬼が・・・
この鬼を退治しようと、頼光の家来の渡辺綱が勇ましく出かけていきます。
そして、とうとう腕を切り落としてしまうのです。
怒った鬼は、腕を取り返そうと、あの手この手を尽くし・・・。

赤羽さんならではの、表紙から、ぐっと惹きつける絵。
怖い話大嫌いの息子は、「これ怖いんじゃないの。」と怪訝そう。
でも、図書館で借りてきた本の山は、後わずかで、もう、読んでしまうしかないと腹をくくったようでした。

私は、赤羽さんの絵が大好きです。
昔話で、同じ題材の本が何冊かあれば、迷わず「赤羽末吉画」の方を選びます。
ちゃんと中を読んで・・・と言われても、もう、好きなんだから仕方ない。
私が読んできた中では、話は別の方が書いておられることが多いのですが、赤羽さんが組んで仕事をするんだから、間違いない!と思ってしまう訳なんです。

この本の絵は、特に、迫力がありました。
まるで、鬼が、絵本を飛び出してくるような勢いがあります。
おまけに、「そうれ それそれ そのむかし」や「たいじしてござる」というような、舞台でも見ているような語り口調。
いつの間にか、ノリノリで読んでいる母なのでした。

以前、あまり演劇がかった口調で読み聞かせるのはヨロシクナイ!という講演会をきいたことがありますが、でも、この迫力!どうにも止めることができません。
「ちからの かぎり きっぱらってござる~。」
ほとんど自己陶酔の域に入っている母。
でも、息子は、意外に冷静に物語を楽しんでいたようでした。

渡辺綱が鬼の腕を切り落とす場面では、よほど怖かったのでしょう。
「あっ!」と、思わず声をあげてしまい・・・
源頼光が、まんまと鬼の策略にのってしまう場面では、「違うのに!」と、悔しそうな声。
母と息子。たぶん、別々のところではありましたが、十分すぎる位、楽しめた一冊でした。