ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『ぐりとぐら』

2010-01-29 12:40:28 | 娘と読んだ絵本のこと

 『ぐりとぐら』 なかがわりえこ おおむらゆりこ

物語の途中で、話し出すなんてことは、たぶん、一度もなかった息子くん。でも、娘は、違います
絵本を指さしては、おしゃべりしっぱなし。物語なんて、おかまいなし!
おまけに、舌足らずなため、時々、何を言っているのか判らず、長い間、中断します。
にっこり笑って、先に進もうとすると、私の両頬を、小さな両手で挟んで、自分の方を、無理やり
向かせようとします。それが、まあ、すごい力なのです。

おかげで、ときに、何の話を読んでいるのか、わからなくなってしまう母。
おなじみ『ぐりとぐら』も、娘と読むと、全く違う物語に感じます。

「これ、なあに?」
まずは、たまごが出てくるページから、おしゃべりは始まります。
読むたびに、「たまごだよ」って言ってるのに、絶対に聞きます。

たまごが、なかなか割れないページでは、
「どうしたのかなあ
手でわろうとするけれど、われなくて、手が痛いよう・・・。もう、知っているくせに!
答えないと、何度でも繰り返し質問します。絶対にあきらめないんだ、これが。
「手でわったけど、われなかったんだって。手、いたい、いたいって泣いてるねえ。」
それを聞いて、ようやく、満足。

そして、やってくる大好きなページ動物たちが、カステラを食べるシーンです。
好きな動物は、全部、名前をあげないと気がすみません。
先日、珍しく動物の名前を言わないので、どうしたのかと思ったら、神妙な顔で絵を覗き込み・・・

「・・・・・おかあしゃん。鳥さん、手がないから、カステラ食べえない。」

そういえば、どの動物も、みんな、手にカステラを持って食べています。
手のない生き物・・・ヘビとかカタツムリは、誰かが、カステラをちぎってあげているようです。
でも、フライパンの横のピンク色の鳥(フラミンゴ?)だけは、手前に、カステラがちぎってないのです。

「あのね、おかあしゃん。鳥さんは、手がないから、カステラ食べえないんだよ。」

「大丈夫。この鳥さんはね、フライパンのカステラを、そのまま食べてるから、平気だよ。」
そう言っても、納得しません。
仕方ないので、母が鳥になって、フライパンから食べる真似をして、ようやく納得。
・・・・・・・・・・・・・・ふう。

ちなみに、毎回、このページで満足してしまう娘は、いまだかつて、あの有名な「最後のページ」を
見たことがないのです。ありえなーい
私が、どんなに大きな声で、絵本の前から走り去る娘に向かって

「このたまごの殻で、ぐりとぐらは、何を作ったと思いますかーっ

と言っても、絶対に無視します。
先日、3回、連続で唱えたけれど、やっぱり駄目でした。ふう。

娘にとっての絵本は、物語を楽しむというより、物語や絵を使って遊ぶ、おもちゃのような存在
なのかもしれません。
最初は、「もう、黙ってて!!!」と言いたくなりましたが、この頃、このスタイルに慣れてしまいました。

娘のおかげで、絵本の楽しみ方を、また一つ、知った気がする今日この頃。
っていうか、寛容な人になっていく気がします 自分が。


『おつきさまこんばんは』

2010-01-26 13:33:42 | 娘と読んだ絵本のこと

 『おつきさまこんばんは』 林明子

はじめて、この絵本を読んであげたとき、娘は、「こわいよー」と、泣き出してしまったのでした。
お月さまの顔、そんなに怖いかな
(笑)
でもね・・・・・・・どっこい、今は、大好きな絵本!

おしゃべり娘は、ストーリーなんておかまいなしで、まずは、お家の窓の中を指さします。
「この中にはね、お兄ちゃんとお父しゃんと、おかあしゃんがいるんでしょ?」
はいはい。心の中で答えて、次のページにいこうとするも、「そうだね。」と、ちゃんと
答えてくれるまで、一歩も譲りません。トホホ。


一番好きなのは、雲がどいて、お月さまが現れるシーン。
ここでも、注目は、お月さまではなく、子どもとお母さん。
子どもが、嬉しそうに片足をあげ、その横に、お母さん。(たぶん)

「これ、僕とおかあしゃんでしょ?」(ただ今、自分のことを「僕」とよぶ娘)
はいはい。心の中で答えるも、それでは、許してくれません。

「そうだね。」
その答えをきくと、とびっきりの満足顔。
そして、絵本の中の子どもと同じポーズをとって見せます。
「ほらー!同じでしょー!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・うん。同じだね。」
そして、さらに、満足顔。おかしい。
最初こそ、絵本のストーリーが、全く無視される(全く違う方向に向かっていく)ことに、
イライラを感じましたが、最近では、もう、何も感じなくなりました(苦笑)

本を閉じた後の決まり文句は、もちろん、
「ねえ、おこっしゃま見ようよー!」(「ねえ、お月さま見ようよー。」)

本を黙って聞いていられない、おしゃべり娘。おしゃべりなのに、舌足らず。
おかしくて、おかしくて、どんなに寒くても、つい、抱っこして、ベランダに出てしまいます。
いつまで、「おこっしゃま」なのかしら。くふふ。
夏のお月様もいいけれど、冬のパリッとした寒さの中で見るお月様は、本当に美しいのですよ。
お風呂上りのポカポカの身体で、ちょっとだけ、寒い中に出てみるのも、また、気持ちよいのです。
寒い中、娘をぎゅっと抱いて、おつきさまを見上げる夜。なんて、幸せな夜

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娘の病院は、無事に終了いたしました。ご心配おかけしました。
永遠と説得し、ようやく車にのせ、永遠と説得して車から降ろす。
待ち時間中、繰り返す会話は
「いたくない?」「平気だよ。」「いたくない?」「平気だよ。」

診察室に入り、白衣の人を見た瞬間、絶叫した娘に、みなさん、キョトン。
仕方なく、耳鼻科通院のことを説明しました。
なぜか、整形外科で、中耳炎の説明から始める母。トホホ。

結果は、股関節に水が溜まっているとかで・・・
神経がつながっているので、膝に痛みが届くのだそうです。
でも、原因はわからず、治療法もなく、小さい子どもには良くあることで、放っておくしかなし。
痛がるようなら、また、レントゲンを撮りにおいでと言われました。
(痛みのために入院する子もいるそうですが、それでも、やれることはないとのこと
まあ、大抵は、自然に治りますよとのことで、一安心しました。


娘は、途中から、ここは大丈夫そうだと悟ったらしく、レントゲンなどは、看護婦さんが
貸してくれたお人形を抱きしめたまま、ピクリとも動かず。
看護婦さんたちに、「かわいい。かわいい。」と抱っこされ、得意気でした
これで少しは、病院に対するイメージが変わるかな。


眠れない

2010-01-22 22:10:31 | つぶやき

「さあ、寝よう!」
いつものように、そう言ったら、娘が言った。
ちゃん、今日、寝ないの
寝る前の絵本が大好きで、いつも、真っ先に、お布団にとびこむ娘さん。どうしたんでしょう。

「あらあ、どうして?」
「だって、寝たら、朝になっちゃうでしょ。」
「だから、寝たくないの?」
「そう。」
「そんなに、朝になってほしくないんだ。」
うなずく。
「・・・・・・・。どうして?朝が、嫌いになっちゃったの?」
うなずく。

この問答を数回繰り返した後、ようやく、その理由が判明しました。
朝になってほしくない理由。それは、数時間前の私と旦那の会話だったのです。

ここのところ、膝が痛いと言うことが多い娘。
ずっと言っている訳ではないけれど、決まって、左膝が痛いと泣くのが気になっていて、
心配しているなら、一度、病院に行ったほうが良いね、明日、行こうか・・・そんな会話を
交わしたのでした。

「そうかあ。病院に、行きたくなかったんだ。」
「あした、病院いかない?いかない?いかない?」

そう、涙目で繰り返す娘。
どうやら、耳鼻科での体験が、トラウマになっている様子。困ったなあ。
強情娘は、私が「行かない」と言うまで、絶対に布団には入らないだろう。
でも、この娘に嘘をつくのは、どうなんだろう?きっと、覚えているよね。明日も。
・・・・・・・・・・・出した答えが、「あしたの朝、考えよう!」

そんな誤魔化しで、納得するわけもなく、その後も「あした、病院いかない?」を繰り返す娘。
こちらも、「あしたの朝、考えよう!」で、一歩もひかず。
押し問答がしばらく続いたのだけれど、とりあえず「あしたの朝考える」んだから、ということで、
泣くことをやめた娘さん。そのうち、眠さとオッパイに負けて、寝てしまいました。ホッ
この理解力で、未だに、オッパイがやめられないんだから。まいっちゃうよね。

それにしても、
親の会話を聞いて、何の話をしているのか、理解できることに、びっくり。
だから、「朝になって欲しくない」。だから、「夜、寝ない」。
そういう発想に、持っていけるところが、びっくり。
2歳児が、こんなことを考えられるのだということに、びっくり。

やっぱり、男の子と女の子は、脳ミソの作りが、根本的に違うんだなあ。
驚くやら、感心するやら、呆れるやら。
さあ、明日の朝、どう切り出して病院へ連れていきましょうか。

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そして、もう一人、眠れない夜を過ごしている人が・・・。
中学一年生。男子。
小学生の頃と、全く、変わっていないと思っていたのだけれど、どうやら違うらしい。
今まで、のびたくんも真っ青の「10秒あれば寝れる男」が、ここのところ、寝つきが
悪く、「眠れない。」「眠れない。」と、12時ぐらいまで、うなっています。

「ちくしょー。眠れない!」「うぉー!」

おいおい、そんなに怒ったら、なおさら眠れんだろう。
隣の部屋で、突っ込む母。

6時起床で部活。帰ってくるのは、本日、19時過ぎなり。
疲れているはずなのに、ね。・・・・・・そんなお年頃になったのだね。君も。
青春って、眠れないものだよねー。何でだろう。

夜って、まことに不思議な時間です。


『心をゆさぶる平和へのメッセージ~なぜ、村上春樹はエルサレム賞を受賞したのか~』

2010-01-21 20:11:19 | わたしの読書
 『心をゆさぶる平和へのメッセージ
                       ~なぜ、村上春樹はエルサレム賞を受賞したのか?~』

昨年、最後の読書は、実家の妹の本棚の本でした。
ずっと、春樹さんの授賞スピーチの全文を読みたかったのです。嬉しい。
英語と日本語訳が、両方載っています。

自分の無知さを痛感し、歴史の悲惨さに打ちのめされ(どちらの側に対しても)、
それなら、私に、何ができるのか?と、問い続けた一冊でした。

どんなに壁が正しくても、私は、卵の側に立つ。

その言葉が、大きく、大きく、心を揺さぶります。
自分達の作り出したシステムに支配される恐怖。どうしたら、自分の立ち位置を、いつも
冷静に、見つめることが出来る人になれるのだろう。
どうやったら、どんな時でも、自分を見失わないで、生きていけるんだろう。

ああ、今年こそ、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読み返そう。
何度読んでも、いつも、荒涼とした世界と、壁のイメージだけが残る本。
今度は、きっと、感想を書き記しておこうと思いながら。

『武士道シックスティーン』

2010-01-19 20:22:48 | 息子が一人で読んだ本
『武士道シックスティーン』 誉田哲也

息子くん。年が明けてから、突然、とり付かれたように読み始め、食べることも、寝ることも、
ついでに、宿題も忘れ、(中学は、冬休みにも宿題が、たっぷりあります)
読み続け、読み続け、あっという間に読み終えてしまいました。
帰省中の車の中でも、読んでいました。クルマ酔いするので、赤信号の時だけ。
そこまでして、読みたいかっ!

3日ぐらいで読んだかな?
いくら面白かったとはいえ、これだけの量の本を、これだけの短時間で読めるとは、驚きです。
2年ぐらい前まで、一人で本を読むことすら出来ず、母が、いつまでも、読み聞かせをしている
せいだと言われたこともあったのにね。いやあ、くるべき時は、くるのですね。しみじみ。

この本、教えて頂いたときは、近くの本屋さんでは、お目にかかれませんでしたが、
先日、本屋さんに立ち寄ったら、山積みになっていました。
どうやら、映画化されるらしいです。
書道に続き、剣道ブームもきたりして。うふふ。

息子曰く、
「この本は、剣道をやってる人が読まないと、本当には楽しめない。」
んだそうです。剣道のルールとか、規則とか、精神とか。
体験してないと、わからないことがイッパイ出てくるのだと、勝ち誇ったように語っていました。

「ふーん。例えば?」
「色々あるけど・・・まずは、この栞の紐かな。」
「ただの栞でしょう?」
「駄目だなあ、母さんは。普通は、一本しか付いてないじゃん。」
「あー。そういえばそうだ。でも、二本付いてると、なぜに剣道なの?」
「色見てよ。これは、作者の遊び心でしょ。試合の時の、たすきの色じゃないの。赤と白。」
「あ!そうか!」

いやあ、息子の口から、「作者の遊び心」という言葉が出てくるとは思いませんでした。
まいった。まいった。

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本日、「・・・エイティーン」まで進みました。
いったい、いつ読んでいるんだろう?
学校に持っていっているのが、とても気になっていて
「授業中に読んでないだろうね?」と、念を押す日々。

本人曰く、休み時間をすべて読書に使っているそうです。
お弁当も、読むために、一気に食べてしまうのだとか。友だちなくすぞ、おい。

ちなみに、同じクラスの剣道部の友だちに貸したら、彼もあっという間に読んでしまい、
今は、同じ本を二人で読んでいるのだとか。
赤の栞が息子。白が彼。

どうやって、二人で読むの?と聞いたら、
「オレが、本を読んでいい時間に読んで、あいつは、読んじゃいけない時間に読む。」
と答えました。
読んじゃいけない時間って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

二人で、映画も行く約束をしたそうです。
恐るべし、中学生の集中力。のめりこみ力。

『絵本と私』

2010-01-16 14:22:16 | わたしの読書
 『絵本と私』 中川李枝子

これも、昨年末に読んだ本。

絵本を紹介した本って、あまり読んだことがありません。
この本も、表紙は知っていたけれど、実際に、手にとったことは、ありませんでした。
だから、娘のお友だちのママが貸してくれなければ、たぶん、読むことは、なかっただろうな
と思います。ああ、なんてラッキー!
こんな素敵な本を知らないままだったかも?と思うと、ラッキー!としか言いようがありません。
やっぱり、読まず嫌いは、いけません!と、改めて思った一冊でした。

中川李枝子さんの好きな絵本が、中川さんの大切なエピソードと共に紹介されています。
紹介というより、エピソードの中に、絵本の題名が、さりげなく載せられているという感じ。
開くと、左のページに絵本の一ページ、右のページに、文章。このスタイルが、また良いです。

なにより、ずっと知りたかった、中川さんの勤めていた保育園のことが、たくさん、たくさん
描かれていて、それは、それは、楽しくて
ああー。みどり保育園に入ってみたかったなあ。
ああー。わが子を、みどり保育園に入れてみたかったなあ。

私は、保育園が大嫌いな子で、しょっちゅう仮病をつかっては休み、行っても
大抵、お腹が痛くなって、保健室で寝ているような女の子だったのです。
ちなみに、妹は、「保育園やめる!」と言って、転園したのでした。
もしも、こんな保育園だったら、わたしの人生、どんなだっただろう?

なかまの中で、育まれる心。
絵本とともに、育まれる心。
自然の中で、育まれる心。

その大切さを、再確認した一冊でした。

『ころ ころ ころ』

2010-01-13 14:28:43 | 娘と読んだ絵本のこと

『ころころころ』 元永定正

「まあるいの の ほん よんで!」
何のことかと思ったら、この本でした。それから、毎晩、かかすことなく読み続けています。
お正月の帰省を挟んだので、忘れているかと思ったら、心配御無用 ちゃーんと覚えていました 
今では、「ころころころ読んで!」と言えるようにもなりました。

ころころころと、小さなたまが、走り続けます。
あかいみち。かいだんみち。でこぼこみち・・・・・・・。

おしゃべり娘は、まずは、でこぼこみちでストップ

「でこぼこみちはね、ころころ出来ないんだよ!」

何故か、かならず、そう、勝ち誇ったように言わずには、いられません。おかしい。
次に、山の道。
何故か、娘には、坂の一番手前の水色の玉だけが、止まって見えるらしいのです。

「青の玉、ころころ出来ないよ。どうしたのかなあ。」

山を上っていく玉や、降りていく玉は、ころころと転がって見えるらしい・・・
でも、手前の玉だけが止まってみえるのだそうで。なんでだろう。
子どもの感性は、大人が、どんなに想像を膨らませてみても、理解できるものではありません。
おもしろいな。


実は、この手の絵本は、大の苦手でした。・・・・・・だって、ストーリーが、ないじゃん!
いやいや、私が、間違っていましたね。
この本には、壮大なストーリーが、隠されているのです。知らなかったなあ。

娘と読む『ころ ころ ころ』は、本当に、楽しくて。面白くて。心地よくて。
雲の中を転がっていくときは、本当に、天にまで昇れちゃうような気持ちになります。
自分の読む「ころ ころ ころ。」の言葉が、風に吹かれて、飛んでいくような錯覚さえ覚えます。
(ちょっと、ナルシスト・・・?

がいなかったら、知ることのなかった『ころ ころ ころ』の世界。
娘さん、どーも、ありがとう。

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娘さん、はじめての「中耳炎」になり、ただ今、耳鼻科に通院中。
年末の高熱のせいでしょうか。
口が悪くて、怖いと評判?の先生のところに通っています。でも、腕はいいのです。
息子は、どんなに痛くても、耐える男だったので、先生に怒られた経験は皆無でした。
でも、娘は・・・・・・・・。

「やめてよーっ!」
叫ぶ娘に、「やめてよじゃない!」と、先生一喝
すかさず、看護婦さんが二人登場し、顔を固定。私が、腕を押さえ、身体を固定したの
だけれど、なんと、娘さん、先生にキック!キック!キック!足が出ると思わなかった

「先生、すいませんっ!」
謝る母、泣き叫ぶ娘。
「もう、治ったー!治ったんだかりゃー!おわりー!おわりー!」
「おわりじゃない!」 と、先生。
・・・・・・・・・・凄まじかった。

怖いと評判の先生ですが、キックされても、文句一つ言わずに診て下さいました。
感謝、感謝です。
病院中が息を呑んだ修羅場の診察の後は、他の患者さんたちの「がんばったね。」の
温かい言葉で幕をとじました。
2歳の子どもの生意気な物言いは、笑いのツボを刺激するようで、みなさん、くすくす。
まるで、花道を通るように、みなさんにお辞儀しながら会計へ向かいました。
恥ずかしいやら、嬉しいやら。
子育ては、みんなに支えられているなあつくづく。


『うそつきの天才』

2010-01-08 14:53:42 | 息子が一人で読んだ本
『うそつきの天才』ウルフ スタルク(著)はた こうしろう(画) 菱木 晃子(訳)

年末、いくら呼んでも、息子が夕飯におりてこないので、頭に角を生やして二階にあがったら、
この本に、夢中になっていました。
いくつになっても、夢中になると、他のことが何も出来なくなる息子です。困ったものだ。

それから、一時間もしないうちに、「母さーん。」と、やってきた彼。
「なに?」
「読み終わったよ。スゲエ面白かった。」
どうやら、面白くて、報告せずにはいられなかったらしいです。

「それに、役立つ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。ぷっ。思わず、噴出してしまいました。
「あはは。なにに、役立つのよ。」

「あのさ、例えばね、主人公がさ、テストで悪い点とるわけ。でね、先生が、親のサインをもらって
きなさいって言うんだけど、お父さんの字の癖を真似て、自分でサインしちゃうんだよ!うまいこと
かんがえるよなー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。ぷっ。
どんなにうまいことでも、母さんに話しちゃったら、役にたたんだろう。

『シモンとクリスマスねこ』

2010-01-08 14:52:51 | わたしの読書

 『シモンとクリスマスねこ』
                   レギーネ・シントラー 文 ジータ・ユッガー 絵 下田尾郎 訳

年末に読んだ本の記録。(だから、クリスマス

少年シモンの、クリスマスまでの24日を描いた本。
シモンと、その家族が、クリスマスを大切に待っている様子が、一日、一話という形で、丁寧に
描かれています。
ああ、こうやって、心静かに、穏やかに、クリスマスを待つ日々の素晴らしさ!!!
日本のクリスマスは、華やかさだけが、クローズアップされがちですが、本来の意味は、
そうでは、ないのですよね。じわりじわりと、心にしみてきます。

クリスマスは、ただそれだけで喜びなのだということが、伝わってくるお話。
ああ、5年前に読みたかったなあ。
中学生の息子に、読んであげられなかったことが、とても残念。
でも、娘が大きくなる前に、この本を知ることができて良かった。

読んであげるなら、小学生以上でしょうか。
娘は、小学生でも、読み聞かせを楽しんでくれるのかしら?
早々と卒業して、一人で読むのかな?
そんな、先の先の先のことまで考えて、また、じーんとしてしまったのでした。


トラの年!

2010-01-04 13:52:46 | つぶやき

 『とらたとおおゆき』 なかがわりえこ なかがわそうや 

あけまして おめでとう ございます!

トラファンの息子が、「よしきた、虎年ー!優勝だー!」と、ノリノリで迎えたお正月。
おちゃトラさんも好きだし、さんぼも好きだけれど、やっぱり、私の好きな トラの絵本 と
言ったら、一番に、とらたくんです。

職場の本棚で見つけた絵本。そこで、はじめて出会いました。
すっかり気に入って(私が)、よく読んだものでした。
みーんな元気かなあ・・・・・。変わらず年賀状を送ってくれる、かつての仲間や上司に
ほっこり温かい気持ちをもらいながら、「復帰は?」の言葉に、ゆらゆらと
揺れる心を落ち着かせながら、かわいい「とらたくん」に想いを馳せました。

本当は、『とらたとまるた』が一番好き
けれど、残念ながら絶版で、退職したときに本屋さんを探したのだけれど、手に入れる
ことが出来ませんでした。
せっかくだから、古書で手にいれようかな・・・。
でも、今年は、トラ年だから、復刊するかな?
なーんて、正月から、考えるのが絵本のことばかりで、我ながら呆れます。

今年は、旦那と息子が、年越しキャンプに出かけたので!!!!!
お節作りもほどほどに、娘と二人、実家に泊まって、色々と考えながら迎えた年でした。

4月からは、いよいよ、娘も幼稚園。
悩みながらも選んだ3年保育は、娘にとって、私にとって、どんな一年になるのでしょう。
自分のために使える時間も増えるかな?と、今から、ちょっぴりドキドキワクワク。
中学校のPTA役員を引き当ててしまったから、そうはいかない・・・かな。

それでも、少しずつ、お休みしていたことを再開できたらいいな。
新しいことにも挑戦したいし、本もたくさん読みたいな・・・と、心が逸ります。
逸りすぎて、周りが見えなくならないように、気をつけなくては。
長田弘さんの『散歩』を、一人、じっくりと読みかえしました。

ただ歩く。手に何ももたない。急がない。気に入った曲がり角がきたら、すっと曲がる

大好きな詩を心に持って、今年をはじめることが出来る幸せ。
大切に、大切に。

どこかへ何かをしにゆくことはできても、歩くことをたのしむために歩くこと。
それがなかなかにできない。
この世でいちばん難しいのは、いちばん簡単なこと。

昨日、まど・みちおさんの特集をテレビで観て、さらに、このことを再確認したのでした。
だって、まどさんは、とても、歩くことを楽しんでいるように思えたから。
老夫婦をうたった詩が最高で、こういう夫婦になれるように、今年も一年、ぼちぼちと
歩いていこうと思ったのでした。