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ぼちぼち日記

大切な日々のこと

新しい年に

2015-02-11 08:42:18 | わたしの読書

新しい年を楽しむ間もなく、気付けば、節分行事も終わってしまいました。
今年の節分は、お仕事で「♪オニのパンツ」リーダー?として、何度もオニのパンツを歌って踊って・・・。
なんだか、楽しい節分でした。

夜、娘と予習・復習もした「♪オニのパンツ」は、
「オニのパンツは いいパンツ」というところより「いくらはいても やぶれない」のところが盛り上がるということを発見。
勝手に、おしりフリフリのアドリブで、パンツが破れない強さを表現してみました(笑)
音楽は、やっぱり楽しいなあ。

相変わらずの体調で、声がかすれて出にくい状態が続いていて、なかなか思うように歌えない
ことが悲しいけれど、もう、身体のことをクヨクヨ考えるのはやめようと決心。
でも、考えないようにするには、忙しくするしかなくて、毎日、時間に追われているのが今の課題です。
もう少し、うまく身体と付き合っていきたいな。

そんなこんなで、1月に読んだ本。
私にしては、なかなかムラなく読めた月でした。
西加奈子さんに出会えた、記念すべき月でもありました。

 

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1666ページ
ナイス数:60ナイス

秘密の花園 (新潮文庫)秘密の花園 (新潮文庫)感想
初めてこの本を読んだのは中学生の時。学校の図書室の一番奥の棚に並んでいたことを、今でも、はっきりと覚えている。「秘密」という言葉の魔法にかかったのは、メアリとコリンだけでなく私も同じ。こっそりと、大人の本を読んだと思っていたし、今の今まで、そう思っていたのだけれど、この再読で、まさに児童文学らしい、幸せと希望に満ちた物語であったことを知る。これをこっそり読んだとは、私ってば、なんと可愛らしい中学生だったこと(笑)ああ・・・これは、同時期に読んだ「ジェーン・エア」と「嵐が丘」も再読せねばと思いながら読了。
読了日:1月28日 著者:フランシス・ホジソンバーネット
窓の魚窓の魚感想
四人それぞれの孤独やコンプレックスや抱えている闇が痛々しく迫ってくる。何も解決しないし、誰も救われない。でも、そんなもんだ人間って。コンプレックスや闇を抱えて必死に生きている。誰かに嫉妬したり、誰かを蔑んだり、誰かを嫌悪したりしながら、それでも肩寄せ合って生きている。自分の傷がジクジクと痛み出すようで、読んでいて辛かったけれど、面白かった。
読了日:1月17日 著者:西加奈子
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)感想
恐ろしいというより、おぞましい人々の姿に、吐き気を覚える読書。もう読むのをやめよう。いや、読もう。やめよう。いや・・・そして読了。ああ、こんな小説があろうとは!物語は、最後まで、誰の感情も言葉で表現しないまま終わる。だからこそ、そのおぞましさは際立ち、心にグイグイと食い込んでいく。でもきっと、これが戦争という現実なのだ。それにしても、感情表現がないのに、双子や祖母の「心」を感じることが出来るのは何故だろう?双子は、なぜラストの選択をしたのだろう?文章への興味とラストへの疑問は、続編への強い気持ちに変わる。
読了日:1月10日 著者:アゴタクリストフ
オウリィと呼ばれたころ―終戦をはさんだ自伝物語オウリィと呼ばれたころ―終戦をはさんだ自伝物語感想
佐藤氏の物語の横に遠慮がちに並んでいる、もう一つの小さな自伝物語を追いながら、おちび先生との出会いが小学生の私にとってのドキドキの恋愛小説だったことを思い出して、胸が熱くなった。せいたかさんのようになりたくて、不思議な目をした男の子にジェラシーを感じて、ひたすら素早く後ろを振り返る練習をした小学生の私(笑)。コロボックルがいなければ、あの時代をどう過ごしていたのかさえ想像できない。そう考えると、この自伝物語が、自分の人生にも繋がっている気がして、なんだか不思議な気持ちになった。
読了日:1月8日 著者:佐藤さとる
ジェニィ (新潮文庫)ジェニィ (新潮文庫)感想
大好きな「猫語の教科書」の作者さんの不思議な物語。物語に入り込むような読書は出来なかったけれど、面白く読みました。ラスト「ジェニィと幸せに暮らしましたとさ」で終わらなかったことが驚きではあったが、人間に戻ったピーターが恋するジェニィと暮らせる訳もなかっただろうから当然か。ジェニィのその後を想いながら読了。
読了日:1月3日 著者:ポール・ギャリコ,PaulGallico

読書メーター


9月のわたしの読書記録

2014-10-03 08:44:59 | わたしの読書

気が付けば、秋の風・・・と、あっという間の9月でした。
それでも、ことり文庫に出かける日を作れて良かった。
10月も、娘のダンスサークルの役員の仕事でイッパイイッパイで、あっという間に終わる予感。
時間の波に飲み込まれないように、がんばろう!

2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1038ページ
ナイス数:63ナイス

ツバメの谷 (アーサー・ランサム全集 (2))ツバメの谷 (アーサー・ランサム全集 (2))感想
寄り道が過ぎて、ようやくの読了。大好きなティティが主人公のような展開で嬉しかったけれど、私は、やっぱりスーザンに感情移入。スーザンほど完璧なお姉さんじゃなかったけれど、長女としては、わかるなあー…どんなに楽しくても、はっと土人的思いに取りつかれてしまところ。さあ、ようやくヤマネコ島に戻ってきたけれど、海にでましょうか。
読了日:9月24日 著者:アーサー・ランサム
ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)感想
再読による再読で、ようやく最後まで読み終わる。シーモアの自殺の場面の「突然突き放された感」が、癖になりそうだと気づいたのは、「笑い男」に入った頃だろうか。そこからは、とにかく面白くてたまらなくなり、「テディ」でノックアウト。今はもう、1話目から読み返したくて仕方がない。物語の示唆するものや謎について考える余裕も、その鮮やかな物語の運びについて考える余裕もなく、ただただ、9つの物語を心から楽しんだ。次に読んだ時には、テディに隠された作者の想いを感じ取ることが出来るだろうか?それを考えるだけで、わくわくする。
読了日:9月18日 著者:サリンジャー
自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心感想
NHKのドキュメンタリーを見て購入。今まで、私は何を勉強し、何を見て仕事をしてきたのだろう。障碍児・者福祉にずっと携わってきた者として反省するとともに、素直に感動しました。直樹さん、私は、この本を読んで、自分の仕事をもっと好きになれました。ありがとう。
読了日:9月16日 著者:東田直樹

読書メーター

10月は、ツバメ号を引き続き読む予定。
編み編みの季節も到来だし、やりたいことが沢山です。


4月に読んだ本

2014-05-01 22:01:34 | わたしの読書

4月から、旦那が夜勤アリの部署に移動になりました。
1年かけて、仕事と子育てと家事、趣味の時間のバランスを上手にとれるようになってきていたのに、
全部、ひっくり返されてしまった感じ。生活リズムが崩れて、意味もなく、くたびれ果てています。

それでも、その前の流れにのって、なんとか読書できた4月前半。
後半は、流れが滞ってきました。
5月。ぼちぼちと読んでいこう。

2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1157ページ
ナイス数:54ナイス

すべてきみに宛てた手紙すべてきみに宛てた手紙感想
まずは、「黙されたことば」の冒頭に収められているという「はじめに・・・」という詩が素晴らしく、言葉を失う。手紙39、「痛み」への手紙も好き。長田さんの素晴らしい文章の中で、エミリ・ディキンソンの詩がきらりと光っている。後記もいい。「書くというのは、二人称をつくりだす試みです。書くとことは、そこにいない人にむかって書くという行為です。文字をつかって書くことは、目の前にいない人を、じぶんにとって無くてはならぬ存在に変えていくことです。」書くって、なんてすごいんだろう。子ども達に伝えたい言葉になった。
読了日:4月26日 著者:長田弘
つぶやきのクリーム The cream of the notesつぶやきのクリーム The cream of the notes感想
上司に説教されたり、飲み会で話を聞くって、こういう感じなのかなーと思いながら読んだ。そして、時々、眠たくなった。説教されるって眠くなるんだ!新しい発見だった。思えば、上司に説教されたことのない人生だったな。バブリーな時代に、一年だけいた一般企業は、お飾り・事務だったし、その後は、先輩も後輩も同等というような価値観の世界に転職してしまったから・・・。76の『「何故二番ではいけないのか?」と問われ、冷静に理由に答えられないのなら・・・』が、一番、大きく頷いた「つぶやき」だ。あの時、私もそう思ったんです!部長!
読了日:4月13日 著者:森博嗣
東京百景 (ヨシモトブックス)東京百景 (ヨシモトブックス)感想
うわー。こういう人好きだな~と、年甲斐もなく片思いしてみたり、凄すぎる~と、一歩ひいてみたり(笑)しながら読んだ。家族が寝てしまった夜中のリビングで、一人、くっくっと笑い声を抑える自分がおかしくなって、もっと笑ってしまったりもした。面白すぎるー。面白いんだけれど、薄っぺらくない。太宰が根底に流れているからなのか?読んでみようかな、敬遠していた太宰治。(太宰をお腹に入れたくて・・・の件は、もちろん大笑い)あー。今年の誕生日の自分へのプレゼント、この本にしちゃいそうで怖い!
読了日:4月9日 著者:又吉直樹
ナーダという名の少女ナーダという名の少女感想
内気で、一人で悩みを抱え込んでいる女の子の成長物語は、児童文学の王道だけれど・・・こんな物語、はじめて!!!場所から、人物設定から何からなにまで、今までにない読書体験。面白かった!!!ナーダの秘密がわかりかけてきた頃から、涙が止まらなくなる。あちらの世界の人に寄り添ってもらうことで、強く生きることができるという価値観は、私には、すごく理解できるものだった。何より、希望に満ちたラストがいい。ポルトガルに行ってみたくてたまらなくなった。
読了日:4月5日 著者:角野栄子
レインツリーの国 (新潮文庫)レインツリーの国 (新潮文庫)感想
フツ―の恋愛小説すぎて物足りないと思うのは、村上春樹と小川洋子、時々、いしいしんじ・・・の偏った読書癖のせいだろうか。いや、物足りないというか、きっと、そういう淡い気持ちに縁遠いんだろうな。今の私が。恋愛小説は苦手で、映画すら観ないので、もしかしたら、フツ―の恋愛小説なんて、中学生のときのコバルト文庫以来かもしれない。なんだか、氷室冴子が好きだった頃の自分を思い出して、おばさんになったなあ・・・とシミジミ思い知らされた。いやあ。年は、とりなくないですね。
読了日:4月2日 著者:有川浩

読書メーター


1月の読書

2014-02-02 10:50:12 | わたしの読書

先週、インフルエンザにかかりました。

私と旦那がA型で、息子がB型。型は違えど(笑)家族みんなで、仲良く週末に発症し、一週間、自宅療養。
途中、娘が、学級閉鎖で家におりましたので、まるで、正月休みがやってきたかのようでした。
息子が、「こんなことなら、ハワイに旅行に行けた。」と言ったので、なんだか、せっかくのチャンスを逃した気になって、
悔しくなったのが、我ながらおかしかったです。
(ハワイなんて、休みがとれても、お金がないから行けないのにね!)

ちなみに、娘は、どこかでかかっているはずだけれど(私と一緒に寝ているんだから、うつらないはずがない)気づかれない
ほどに軽く済んだ・・・、もしくは、軽く済んだ娘に夫婦でうつされた・・・と、これは、後日の想像です。
それにしても、大人のインフルエンザは、後にひきます。
体力がないからなのか、持病のぜんそくのせいなのか。体力消耗はなはだしい。


そんなこともあり、まあ、1月の読書の進んだこと(笑)
嬉しいような、嬉しくないような。
でも、せっかくだから、久しぶりに、読書メーターのまとめをしてみることにしました。
病気でふせっていても楽しいことがあるのだから、これは、読書が趣味の人の最大の利点ですね。


最近、小川洋子にハマっています。
その毒に魅せられて、他の本が、すべて物足りなく感じてしまうという状況に。
それでも、やっぱり面白かったリンドクレーンは、さすがです。
もう、そういうのを超えちゃってるんだな。きっと。

リンドグレーンのおかげか、村上春樹の選んだ短篇が良いのか、今読んでいる村上春樹の
「恋しくて」も良いです。
インフルエンザのおかげで、スキーの予約をキャンセルしてしまったので、今週末は、
布団に入ったり、出たりしながら、どっぷり、村上春樹訳の「恋しくて」にハマっています。
昼間に布団に入れるって、ちょっと幸せだなあ。
ま、インフルエンザに耐えながら、みんなが回復するまで料理をし続けたんだから、土日くらい
こんな幸せくらい感じてもいいよね。

*小川洋子さんに傾倒しすぎて、あの展覧会のトークショー、申し込んじゃいました。
当たるといいな。お願い、世田谷文学館!

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2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1354ページ
ナイス数:30ナイス

やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)感想
リーサとアンナの買い物の話を読みながら、よく、妹と買い物に行ったことを思い出した。妹と2人、豆腐を空中キャッチさせながら帰ってきて、家に着いたら、ぐちゃぐちゃになってたこととか(笑)。バカだったなー。でも、どうしてだろ?怒られた記憶がない。私たちが、どれだけ、のびのびと愛され育てられたかということを考えさせられる。いつも忙しかった母。実は、すごい母だったのかもしれない。私は、そんなお母さんになれているだろうか?反省とともに、読み終える。
読了日:1月28日 著者:アストリッドリンドグレーン
やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))やかまし村の子どもたち (岩波少年文庫(128))感想
インフルエンザになりました。イナビルのおかげで、すぐに良くなり読書が進んでいます(笑)。最近、娘に読んだ本を布団の中で、サクサクっと再読。私の中での児童文学のトップは、やはり、リンドグレーン作品だということを再確認しました。本当に、家庭と学校での日常しか描かれていないのに、どうして、こんなにも面白いんだろ?天才です。布団の中で、自分の子ども時代を思い出し、幸せな気分になりました。子どもの頃に、どれだけ豊かな時間を過ごしたか。それが、今でも私の軸なんだということが、はっきりとわかります。
読了日:1月28日 著者:アストリッド・リンドグレーン
とにかく散歩いたしましょうとにかく散歩いたしましょう感想
以前、一度エッセイを読んだことがあるのだけれど、あまりに普通で、私の「小川洋子像」とかけ離れていることにショックを受け(笑)、それ以来、エッセイは一度も読んだことがなかった。今回、手にとったのは、『ことり』が、とても面白かったこと、未だチビチビ読み続けている『偏愛短篇集』がツボすぎること、洋子さんと愛犬との日々が描かれていると書いてあったことが理由だ。面白かった。『偏愛短編集』に添えられた文章ほどではないけれど(笑)そこまでいっちゃったら、お近づきになるのが怖いから、この位がファンです!と言えそうでいい。
読了日:1月26日 著者:小川洋子
とびらをあければ魔法の時間 (新・童話の海)とびらをあければ魔法の時間 (新・童話の海)感想
小学生の頃、図書館で借りてきた本を夢中で読んでいて、はっと気が付くと、夕暮れに向かう頃、薄いベールがかかったような「あの不思議な時間」だった。今でも、あの雰囲気をありありと思い出せる。物語の世界から、現実に戻ったときのあの瞬間。まるで魔法がかかったような瞬間。物語自体は単純で、大人にとっては(私には)物足りなさが残るけれど、あの素晴らしい瞬間を生きている子ども達が読んだらどうだろう?「霧の向こうのふしぎな町」を読んだときのような感じかな?そんなことを思ったら、わくわくした。数十年ぶりに再読してみようかな。
読了日:1月26日 著者:朽木祥
サンタのおばさんサンタのおばさん感想
初・東野圭吾。初がこれ?と、高校生の息子に怒られそう。力が抜けきった、「遊び」で書かれたような作品で、それが、まあ、普通に面白かった(笑)。何にも考えないでサックリ読めて、最後、ほのぼのとした気持ちになれる。そんな本だって、たまにはいい。
読了日:1月26日 著者:東野圭吾
花びら姫とねこ魔女花びら姫とねこ魔女感想
御姫様ものは、あまり好みではないのだけれど、これは、とても素敵だった。魔法を解く鍵が、猫ってところがいい(これは、個人的な趣味として)。そして、猫が御姫様を慕う理由が、何か特別な出来事でなく、助けてもらったあの瞬間だということが、また良かった。幸せって、そういう日常の「ささやかな」一コマの中に隠れているものだよね。
読了日:1月26日 著者:朽木祥
刺繍する少女 (角川文庫)刺繍する少女 (角川文庫)感想
他の短篇と比べ毒は少な目で、鬼気迫る、あの独特の緊張感もサラリ。だから、カバーの「残酷物語」という評には首をかしげてしまったが、別の面白さに富んだ、とても好きな短編集でした。物語そのものをシンプルに楽しめたし、少し盛られた毒がピリリときいて心地よい。洋子さんの短篇を読むといつも思うこと。実は、私の生きているこの現実も、別の角度から削ったら、違う世界が広がっているのではないか?もしくは、踏み出した先には、ぽっかり穴があいていて、明日にでも、その暗闇に落ち込んでしまうのではないか?そのスリルがたまらなく好き。
読了日:1月7日 著者:小川洋子
ロブロィエクの娘ロブロィエクの娘感想
今年の初読了本。シリーズをまだ2冊しか読んでいないことが、悔しくてたまらなかった。読んだ本を読み返したくてたまらなくなった。ああ、このシリーズを全部揃えてくれる図書館が、足を運べる場所にないのだ。もう買うしかないのかもしれないと思いながら、読了。本当に、面白かった。暗く厳しい激動の時代の中にあっても、力強く、明るく、軽快に生きていく人々の織り成す物語に、パワーと爽快感をもらった。こうやって、自分の足でしっかり立って、自分の言葉で話して、力強く、明るく、軽快に生きて行こう。そんな一年の誓いと共に。
読了日:1月5日 著者:マウゴジャタムシェロヴィチ

読書メーター


しあわせのかたち

2013-12-17 23:03:54 | わたしの読書

 

ところどころに、粗削りで、ちょっと強引さが目立つ物語、文章。
でも、それが佐野洋子さんらしくて、とても好きだ。

人は、いつか年をとる。どんなシワクチャなおばあちゃんだって、昔は、若かった。
ほろ苦くて切ない思い出があり、恋だってあった。
そういうものと向き合いながら生きるって、どんな感じだろう。
こんなおばあちゃんを素敵だと思うのは、どうしてなんだろう。

同じ頃に、NHKで、独居の認知症の方の問題についての報道を見た。
ぼんやりと口についた言葉が、「余計なお世話だなあ・・・」。
一人暮らしの老人の家に、ずかずかと上り込む福祉の人。そんな風にしか見れなかった。

一人でいる権利は、ないのだろうか。
よく、ニュースでは孤独死が騒がれるけれど、一人で死ぬのは、悲しいことなのか?
孤独は、悪いことなのか?その人は、本当は、何を想って生きていたのだろうか?

その想いは、ずかずかと上り込む側で働く者として、ものすごく重くのしかかった。
今まで、仕事をしていく上で、自分の根っことなっていたものが、ぐらぐらと揺り動かされた。
そして、そうとは知らずに手にとった本が、小川洋子さんの「ことり」。


素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい。
まさに、耳を澄ますように、大切に大切に読みました。

「幸せな人生」ってなんだろう。ことりの小父さんの人生を想いながら、何度も自分に問いかけた。
誰にだって、どんな人にだって、それぞれの幸せがあり、人生がある。
それに想いを馳せる想像力、忘れないでいようと思う。

「一人にさせない」ことが目的になってしまったら、それは、もう、ただの「有難迷惑」。
自分の仕事を一つ一つ振り返る。
まだ、ちゃんと言葉には出来ないけれど、何か答えが見つかるような気がした。

そんなことは置いておいても、素晴らしい物語だ。
小川洋子さんの紡ぐ物語は、いつも、こういう人たちが主人公だなと思う。
だから、好き。と、再認識。

 

佐野洋子「あの庭の扉をあけたとき」のおばあさんから、小川洋子「ことり」の小父さんへ。
そして、小父さんのポーポー語から、この本へと読み進んでいったことは、奇跡だと思う。
本の神様は、やっぱりいるなーと思った一冊。

ポーポー語を知っていなければ、この本を、こんなに興味深く読むことは出来なかっただろうと思う。
こういう世界って、あるんだなー。すごいなー。
どんな個性をも受け入れられる社会で(私で)、あれたらと(あろうと)願いつつ読了。

作者は、この世の中で天才と言われる人だから認められ、本となる。
でも、そうでない人は・・・。
どんな個性をも受け入れるって、実は、とんでもなく難しいことなんだろうと思う。

小説以外の本には、あまり興味のない私に、この本を貸してくれた友人に感謝!
友人がいなければ、たぶん、手にはとらなかった本だった。


  
小川洋子さんの描く人たちが、本当に好きだなーと思う。
最近読んだ、小川洋子さんの本、もう一冊。

この方の短篇を読むたびに思う。
この作家さんの目には、この世界は、どう映っているんだろう?
そして何故だか、知らない誰かを好きになれる気がしてくるのが不思議。


読書

2013-11-13 14:14:14 | わたしの読書

しばらく、いやいや、かなり前から・・・自分の読書をしていなかった。
あまちゃんから始まって、今は、リーガルハイ!に、アメリカのテレビドラマのDVDと、テレビドラマを
見ながら編み物をすることに夢中になっていて、本を読みたいという気持ちはあっても、
以前のような「読まずにはいられない!」という衝動のようなものが、消え失せてしまっていた。

もう、さすがに友達に返さないといけないという本があって、半ば、仕方なく本を開いたのが、つい最近。
随分遅い、読書シーズンの到来です。(あっという間に冬だし)


映画の原作?本。(DVDを借りて、続けて本も借りました)
映画の脚本家の方が書いた小説版だから、映像を観ているみたいにサクサク読めて・・・。
しばらく活字から遠のいていた私には、調度良いリハビリみたいな本だった。

映画ではわからなかったイロイロなことが、すとんすとんと落ちてきて、大好きだった映画が、もっと好き
になれたような気がした。
小学生の女の子の表現には、無理があるように感じたけれど(これって大人の思考回路?という脳内ツッコミ)、
それを差し引いても面白かった。
映画では好きになれなかった香織が、身近で愛おしく思えたし、お風呂屋さんの夫婦の話には、もっと深く想いを
寄せることができた。これは・・・映画とセットで一つの作品かも!?

それにしても、最後に、りえさんがマーニが見つけてくれて、本当に良かった!
やっぱり、りえさんは、原田知世だよー!と、うなりながら読了。
また、映画が観たくなりました。



「しあわせのパン」の後、久しぶりに「読みたい!」モードにスイッチが入って、
図書館から借りて、永遠と延長し続けていた本を読み始めました。

久しぶりの いしいしんじ さん。
高校生の息子が、「ぶらんこ乗り」を読んでいるのを見て、私も、久しぶりに読んでみようかと、図書館で
一番新しい いしいしんじ本を借りたのでしたっけ。(今では、2番目に新しい)
四とそれ以上の国」を読んで、途中、具合が悪くなって読み進められなくなり、挫折して以来のしんじさんです。

面白かった。

足をふんばって、歯をきりきりいわせて読んだ。
生まれるって、生きるって、こういうことなんだと思った。
生きよう。
私も、足を地につけて、ふんばって、歯をきりきりいわせて、一歩、一歩、歩いていこう。
最後の最後まで、生きよう。

この人の描く世界は、やっぱり凄いと思いながら、だからこそ残念だったのは、この世界を、以前のように、
自分の中に取り込めていない自分。
うまく言えないけれど、あまりに読書しなかった時期が長すぎたからか、テレビドラマの見すぎか、私の中の
物語を受け止める部分が感度不良で、活字をうまく取り込めていない・・・気がした。

しかし、感度不良の今なら、「四とそれ以上の国」を読めるかもしれないなーなんて思ったり。
いしいしんじ。本当に、面白い作家さんだなあ。


『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』

2012-12-20 22:07:27 | わたしの読書

『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』 村上春樹

春樹さんのエッセイが好き。
この「ゆるさ」というか、「どーでもよさ」が好き。

嫌なことや、落ち込むことがあって、胸が、かっと熱くなったとき、いつでも、春樹さんのエッセイを
読んだときの、この感覚を思い出すようにしています。そして、

ま、こういうこともありますよね。
だって、どーにもならないことって、世の中、沢山ありますから。
どーでもいいことも、沢山ありますけど。

と、心の中で、一人、ぶつぶつとツブヤイテ、落ち着きを取り戻します。
今の私が、こうやって、まともに生きていられるのは、もしかしたら、春樹さんのエッセイのおかげかも?
とか思うのですが、どうでしょうか。

そんな大好きなエッセイを、毎日、少しずつ、永遠と読み続けました。
薄い本なのだけれど、時間のあるときにコツコツ読むだけと決めていたので、結構、永遠と読めました。
ああ、楽しかった。あんまり、読み続けていたので、1か月ぐらいたった頃、とうとう、息子に

「それ、ずっと読んでるよね?」

と質問されてしまいました。

「そうだよ。面白いよ。ま、気楽に生きていきましょうよって、気になれるよ。」

と答えたら、先日、(高校の)テストが終わった日に、「貸して。」と頼まれました。
今回もまた、大好きな数学が、なぜか、自信があったにも関わらず、振るわず落ち込んでいた息子くん。
相当、ストレスがたまっていたのか、相当、「どーでもよさ」パワーを得たかったのか、一日で読み終えて
しまいました。

私の勧めた『ノルウェイの森』を挫折していた息子くん。
あんなに「春樹本をどの本から勧めるか?」で悩んでいたのに、このノリで、あっさりとデビューを果たしました。
初・村上春樹が、この本か。・・・・・・・・・・・・・・・息子らしい。

よっぽど気に入ったのか、この本を読み終えた夜、『ノルウェイの森』を再開したんだと言っていました。
ただの、現実逃避(テスト結果逃避)かもしれないけど。
でも、現実逃避できる術を持つことって、案外、人生において、一番大切なことじゃないか?と思う訳です。
春樹さんがいてくれる世界に生まれて、本当に良かった。
(ファンじゃない人が聞いたら、ただの阿呆発言ですね。あはは。)


『第2図書係補佐』又吉直樹

2012-10-21 20:00:20 | わたしの読書

 『第2図書係補佐』又吉直樹
 

「昨日のアメトークを見ましたか?」というメールをjasuminさんからもらって、
「アメトークって、何?」「又吉って??」と返したのは、ほんの数か月前のこと。
拝啓、jasuminさま 私は、あれから、アメトークを録画までして観ていますよ
(読書芸人は、まだ、レンタルできず、見ていませんが)
そして、とうとう、又吉さんの本まで借りてきましたよ。おほほ。

妹の「読書メーター」のページで、この本を知り、読書芸人が、どんな本を読むのか?という、
ただの「興味」で借りてきた本。題名と表紙から、本の紹介本だと信じて疑わず。

・・・・で、かなり本気で裏切られました
全然、紹介本じゃないじゃん

まあ、勝手にイメージを持ったのは、私なんですけど。
これは、本にまつわる自らのこと、エッセイみたいな本なんです。

正直、最初は、文体にも慣れないせいか、裏切られた感の方が大きくて、
「なんだ、あんまり面白くないじゃん。」と思いながら、読んでいました。
とりあげられる本が、ことごとく、私が、今まで読んだことがない本ばかりだし、おまけに、
読みたいと思える感じの本でもなくて、「あーあ。」でした。

そういう時に、私が使うのが、とばし読み。
目についた単語だけをを拾って、「面白そうだな」と思う所だけ読んでいくと、一応、最初から
最後まで、何が書いてあるか大体把握できるという読み方です。
おかげさまで、あっという間に読了。「まあ、所詮、芸能人の本だから、仕方ないね。」という感じで。

でも、何だろう?何かひっかかって、何か気になって・・・翌日、最初から、読み返してみることにしたのです。

いやあ、そこからハマりました。面白くて、面白くて。
声をあげて笑い出してしまう位に面白いものだから、息子が、「テスト終わったら、貸して。」と。
すみませんねえ。テスト中に誘惑してしまって。
病院の待合室で読んだ時も、我慢しきれずにふきだしてしまって。いけない、いけない。

それにしても、面白い人だなあ。
小学校のときの話は、どれもこれも爆笑ものだし、スポーツが出来る印象が、これっぽっちもなかったから
ちょっと、驚きの「かっこいい!」もあったし、とにかく、面白い、面白い。
そんな、何の関係もないように思える過去のエピソードが、ぴたりと本の内容に結びついたり、本を読むことに
至るエピソードだったりするから、すごい。
いつの間にか、「この人、私が読みたいと思う本を一冊も読まない」が、「あれもこれも読んでみたい。」になっていました。

これって、新手の「本の紹介本」なんじゃないか?

しかしまあ、図書館の本を全部読んでみたいという、子どもの頃の夢(欲望?)は、たぶん、叶わないことを
40代にして、ようやく確信しました。
まだまだ、知らない世界があるなあ。深すぎる。

そして、当たり前のことだけれど、本って、それぞれが、違う想いで、違う状況(場面)で、違うことを考えて、
違うことを想像して読むんだよなあ・・・と、つくづく思ったのでした。
それって、なんか不思議で、なんか凄いことですよ。本が好きって、やっぱり素晴らしい!
読書って、もしかしたら、共通言語を獲得しているようなものなんじゃないかな?とか、訳のわからないことを
考えてしまったのは、この本のせいでしょうか。

ちょっと、私ったら、すっかりファンになったかも。


『3~6歳能力を伸ばす個性を光らせる』

2012-10-11 23:23:59 | わたしの読書

今年度の幼稚園の講演会の講師は、汐見先生でした。
私は、恥ずかしながら存じ上げなかったのだけれど、とても有名な先生なんだそうです。
お友達のママが、以前から先生を知っていて、本も持っているというので、貸してもらいました。

子育て本は、あまり得意じゃないけれど、講演会がとても良かったので、興味深く読みました。
早期教育への警鐘や、絵本の読み聞かせの大切さ、外遊びの大切さ、テレビやゲームに頼らない
子育て、子どもと一緒に日々の生活を楽しむ・・・など、3人目のママとしては、もう、わかってる!
と思うことが多く、感激する!とか、目からウロコ!という感想は、なかったけれど、それでもなお、
講演会を聞いてよかった、本を読んで良かったと思いました。

日々の子育ての中で、ついつい、流されたり、心配になったりして、揺れ動く母の心。
そんな母に、「ほら、あなたの教育方針は、こうだったでしょ?」と、思い出させてくれました。
何より、何があっても、この原点がぶれるようなことがあってはいけないと、改めて思ったのでした。
その先は、ぶれぶれだって仕方ないけれど、やっぱり、原点は、しっかりしてないとね。

講演会や本の言葉で、印象に残ったこと。

まずは、学力低下の話。
子ども達の学力低下が問題となっているけれど、昔の子どもより、今の子どもの方が、ずっと、ずっと、
勉強している。読み書き計算だって、ずっとずっと、今の子の方がやっている。
じゃあ、どうして学力低下か?という話。

問題は、子どもの「経験のなさ」なのだと、先生は、仰いました。

漢字をいくら覚えても、計算が、いくら早くなっても、それだけでは、ある一定のところで、絶対に、
学習は止まってしまう。覚えたら、出来るようになったら、その先に必要なのは、「自分で考える力」。
その力は、どうやって作ることが出来るのか?
それは、「子どもの時に、どれだけ沢山の経験をしたか。」なんだそうです。

討論だとか、そういう経験じゃなくて、もっと単純に、自然の中で遊ぶとか、音楽会に行くとか、
友達とプールに行くとか・・・。そういう実体験。
子どもの頃に、どれだけ沢山の経験をしたか。それこそが、考える力になるのだそうです。
そうかあ。確かに、そうかもしれないなあ。

ちなみに、家に帰ってきてから、息子に、この話をしたら、「じゃあ俺とTは、将来、天才かも。」と、
言いました。小学校の頃、まさに、毎日のように、Tくんと野山を駆け回ってたもんねと、二人で笑いました。
地図帳持って、自転車で旅に出たこともあったしねえと、思い出話。
・・・・・・・・・・・・しかし、「将来、天才」って・・・。それ、何か違うでしょうよ。


もう一つ、印象に残った話。

その子にとって、マイナスだと思っていることは、逆に言えば「個性」。大切にしてあげて欲しいという話。
大切どころか、先生は、セールスポイントにしてしまおう!と仰いました。
例えの一つが、まるで、息子だったので笑ってしまったのですが、
「この子は、何をやってもノロイ。」という子、それも、個性だと言うのです。

将来、「私は、何をやっても遅いけれど、じっくり、コツコツやるタイプですので、仕事は、丁寧ですんで、
遅いところは、まあ、ちょっと目をつぶって下さい!」と、その子が、自己紹介してしまう位に、その個性を
前向きに、大切に、認めてあげて欲しい。。。と。

実は、講演会の日の朝、まさに、「のろすぎる!」と息子を怒鳴り散らしてきたので、本当に、心が痛みました。

思えば、ずっとずっと、この「ノロイ」で怒ってきたけれど、怒鳴ったからといって改善したとは、到底思えず。
っていうか、高校生になっても、同じことで怒鳴ってるぐらいだし。
先生の仰る通り、ノロイけれど、仕事は丁寧だし、じっくり取り組む人だよなあ。
母としては、こんなにノロノロやっていたら、仕事についてから困る!と心配してのことなんだけれど、
余計なお世話なんだね。きっと。

「子どもを信じる。」

これが、先生の講演のしめくくりのキーワードでした。


3月の読書

2012-04-10 10:27:02 | わたしの読書

あっという間の3月が終わり、たぶん、あっという間に終わるであろう4月に突入。
毎日、カレンダーとにらめっこしながらの生活を送っていましたが、なんと、
人生初の「ぎっくり腰」で、強制的に休養することになった、先週末でした。

ぎっくり腰って、本当に、痛いんだなーっというのが、正直な感想。
今まで、旦那の腰痛の苦しみを、これっぽちも理解してあげてなかったと反省しました。
寝返りもうてない、階段がのぼれない、モノが拾えない。やろうものなら、激痛が!
世の中の腰痛のみなさん、本当に、お辛いですね。
月曜日から、ようやく、普通に歩けるようになり、寝返りもスムーズにうてるようになりました。
まだ、腰をひねると激痛が走るので、車の運転だけは、キツイのですが・・・。

そんな4月のスタート。
息子は、高校生になり、娘は、年長さんになりました。
娘さん、持ち上がると信じていた大好きな担任の先生と別れることになり、始業式の朝、
下駄箱前で固まっていました。
その後、「○○先生が良かった。○○先生が良かった。」と、小さい声で・・・。
小さい声というのが、一応、新しい担任の先生への気配りでしょうか(苦笑)
新しい担任の先生は、ベテラン先生なので、心配はしていないのですが、
慣れるのに時間がかかる娘なので(納得しないと前に進めない5歳児)、
これからしばらく、親子ともども、大変になるかもなあ・・・
こんなビックリ!もあるのが、4月ですね!

さてさて、3月の読書のまとめです。
忙しかったわりに、トントンと読み進められた月でした。
3月も、新しく読む本と、再読の二刀流でいきました。再読は、もっぱら村上春樹。
高校・大学時代を思い出しては、しみじみした1ヶ月でした。

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3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1597ページ
ナイス数:38ナイス

赤毛のアンの贈り物赤毛のアンの贈り物
記憶の彼方から、物語があふれ出してくるかのようだった。たった数行の言葉を集めただけなのに・・・。涙があふれた。絶対にアンを再読する!
読了日:03月29日 著者:ルーシー・モード・モンゴメリ
犬は神様犬は神様
猫としか暮らしたことのなかった私が、子どもにせがまれて犬を飼った。毎日の散歩、トイレのしつけ、いつでも一緒にいたい!遊んでほしい!のアピールに、犬って、面倒な動物だなーって思ったりもした。「犬は神様」ですかー。この先、こーんな関係になるのかな・・・うふふ、その時は、私もいい年だろうな。犬って、つくづく、不思議な動物だなあ。それにしても、ルーカスかわいい♪
読了日:03月25日 著者:山本 容子
記憶の小瓶記憶の小瓶
作者のあとがきにもあるように、読みながら、何度も自分の幼い頃を思い出し、とても幸せな気持ちになった。変わった子?だったので、思い出すことには事欠かない(笑)。本を読み終わり、しばし、幸せを噛みしめた後、石井桃子さんの書かれたメッセージを思い出し、引っ張り出してきた。「子どもたちよ子ども時代をしっかりとたのしんでください。おとなになってから老人になってからあなたを支えてくれるのは子ども時代の『あなた』です。」親が子どもにしてあげられることは、この時代を守ってあげることだけなのかもしれない。
読了日:03月25日 著者:高楼 方子
メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)
正直に言うと、表題となった物語『メモリー・ウォール』は、挫折しそうになった。独特の文章?言い回し?に慣れるのに時間がかかったのかも。でも、その後は、あっという間だった。特に、最後の二つの物語は素晴らしかった。目を閉じると、私にもエスターの頭の中の情景が見えるような錯覚さえ覚えた。「どんなものだって、それぞれの頭の中でしか現実ではないのよ。」一番心に残った言葉。それにしても、短文をつなぎ合わせたような、この不思議な文章は何だろう。原書はどんななの?久しぶりに、英語が読めたらどんなに良いだろうと思った。
読了日:03月21日 著者:アンソニー ドーア
チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)
プレゼントに頂きました。テンポ良く面白かったのですが、なかなか前に進めず、半年かけて、ようやく読了しました。一章ごとに話がまとまっていたので、途中で本を置き易かったせいかな。ハッピーエンドが嬉しいけれど、蜘蛛の配達人が食べられちゃうのは、どうしても納得いかなかったなー。「え!?」という所が結構あって(金魚が死んじゃったり)、大人はつい「それって、必要なの?」等と、野暮なことを思ってしまうけれど、子どもは、大笑いしたり、「あーあ。」ってガッカリしたり、楽しく読んでくれるような気もします。
読了日:03月18日 著者:ジャンニ・ロダーリ
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)
一気に駆け上がった上巻から下巻へ。しかし、目指していたはずの頂上が、突然、姿を消してしまう。静寂?混沌?それでも、読み続けない訳にいかない。謎を残さないラストは、最近の長編に慣れていた私には、逆に新鮮だった。変わりに残されたのは、圧倒的な喪失感。ガールフレンドについての鼠の答えが頭から離れなくて、私の中で失われてしまったものについて、とりとめもなく考える。この本が好きでたまらなかった高校生の私は、この喪失感をどう受け止めたのだろう。失うことなんて、ちっとも怖くなかった頃、この物語は、どう響いたのだろう。
読了日:03月11日 著者:村上 春樹
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)
再読。高校生の時、この本が好きで好きで、以来、春樹ファンになったのでしたっけ。あれから・・・長い長いファン生活だったなあ~。しみじみ。ずっと、ハードボイルドワンダーランドとねじまき鳥が、自分の中の一番だと信じていたけれど、違うかも。面白すぎる。おーい、高校生の私、やっぱり、春樹さんは面白いぞー!と、なぜか、過去に呼びかけてみたりして。
読了日:03月01日 著者:村上 春樹

2012年3月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター


1月に読んだ本

2012-02-07 20:40:09 | わたしの読書

ホッとしたのか?体調を崩してしまった一週間。
中耳炎になってしまった左耳を、もてあまし中。
微熱まで出てきてしまったので、重い腰をあげることにしました。
明日、病院に行ってきます。とほほ。

通院の友には、どの本を持っていこう。それだけが、楽しみです。
読書の方は、集中できないモードから、読む読むモードに移行中。
私の読書は、最近、アップダウン走行です。

このところ、再読の本と新しい本を、同時進行で読むことにハマッテいて、
再読は、若い頃、夢中になって読んだ村上春樹を。
なんだろう?人生の折り返し地点かしら?なんちゃって。
あまりに読んでいるので、息子が、「村上春樹って、そんなに面白い?」と
聞いてきました。

私自身が、読みながら気持ち悪くなることもあるので、
「読んでみる?」と、気軽に言えなかったりします。
私の初めての村上春樹は、たしか、「ノルウェイの森」だったような。
今度は、これを再読してみようかな。

1月にヒットだったのは、「歳月」という詩集。
茨城のり子さんは、以前から気になっていた詩人さんだったのですが、
図書館で立ち読みしても、あまり、びびっとこないで、そのまま棚に戻していました。
今回、読書メーターの読友さんのレビューを読んで、これだ!と直感して予約。
久しぶりに、出会えて良かったと思える詩集を手にしました。
詩を読んで涙したのも何年ぶりだろう?

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1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1442ページ
ナイス数:16ナイス

歳月歳月
詩を読んで泣いたのは何年ぶりだろう?こんなにも激しく、切なく、艶かしく、哀しい・・・
恋の歌があるだろうか?「愛してる」とか「恋しい」と言う言葉が、風に吹き飛ぶように軽く感じる。
素晴らしい。本当い素晴らしい。今年、自分の誕生日プレゼントに選ぶ本は
(毎年、趣味の絵本を買っているけれど)たぶん、これに決まり。出会えたことに感謝。
読了日:01月31日 著者:茨木 のり子

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)
再読。途中、現実の生活を全て忘れて世界に入り込んでしまった。無の境地って、こんな感じ
なのかなあと思うくらい集中した。「ねじまき鳥」が、不完全すぎる!と声をあげたくなるような
終わり方で、謎が残されたままなのに対し(それは、それで素晴らしい作品です)二つの世界が、
完璧すぎる位につながり、完璧なる終わり方。なのに、やっぱりすべてが謎だ。素晴らしい。
読んですぐに、再読したくなる。でも、たぶん、この謎は一生解けない気がする。でもでも、
少しずつ近づいている気もする。それがいい。ほとんど、中毒患者。
読了日:01月25日 著者:村上 春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)
「壁と卵」のスピーチを読んだときから、ずっと読みたかった。再読。たぶん3回目。
全く意味がわからないまま、ひきずられるようにして読んだ1回目から、変わらず好きなのは
「世界の終わり」の章だ。穏やかで、慎ましやかな生活。でも、この穏やかさは作り物だと思う時の、
何ともいえない気もち。対称的に、とことん破壊的な世界「ハードボイルドワンダーランド」。
全く違う世界が、途中で、繋がった?と思った瞬間から、もう、読むことを止められなくなる。
主婦になると、これは辛い。独り身のときの読書は良かった・・・と、関係ないことを思う。
読了日:01月12日 著者:村上 春樹

贋作『坊っちゃん』殺人事件贋作『坊っちゃん』殺人事件
こんな所にツッコミ入れたり、考えを膨らませて、あの「坊ちゃん」を読む人がいるんだなあ・・・
すごいなあ・・・と感心しながら読んだ。感心しすぎて、ストーリー自体を楽しめたのかは疑問。
「坊ちゃん」を再読したくなった。
読了日:01月05日 著者:柳 広司

怪物はささやく怪物はささやく
コナーの痛みが迫ってくる。これは、昔、感じたことのある痛みだ。混乱した。混乱して、怪物の
言っていることの意味が、全く理解できなかった。3つの物語が示唆するものも、4つ目の物語を
どうしてコナーが語らなければならなかったのかも。号泣の中、迎えたラストが「救い」で良かった。
私が受け取ったバトンの続きは、こうだ。コナーと祖母は、多分、良いパートナーになると思う。
そしてきっと、小さな幸せを手に入れるだろう。
この本、いつか再読しよう。その時は、もしかすると、怪物を理解できるかもしれない。
読了日:01月03日 著者:パトリック ネス,シヴォーン ダウド

2012年1月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター


新学期

2011-09-05 16:25:14 | わたしの読書

何が忙しかった訳でもないのに、あっという間に過ぎてしまった8月。
息子の夏の大会の応援で高ぶった気持ちも落ち着いた頃、ヘルニア疑いの首を
久しぶりに痛めてしまい、まさに首がまわらない中、高校の学校説明会やらに
足を運び、心身ともに疲れ果てた夏休みになってしまいました。

首の方は、何とか痛みもひいたのだけれど、なんと、その時痛めた、右肩のあたりの筋肉?
が元に戻らず、肩より上に腕をあげることが苦痛に。
腕に力も入らず、仕事をしていても、2時間ぐらい過ぎると重くて、重くて・・・。
動かすことがやっとです。

もしかしたら、四十肩?五十肩?というヤツでしょうか?
それなら、そのうち治るんだろうか・・・
もう、福祉の仕事は、できなくなるんじゃないかという不安が、つきまといます。
息子と一緒に、私まで、人生の選択の場面にいるのかしら。ドキドキ。

そんな8月に読んだ本。
読書メーターのまとめを開いてみたら、たった2冊(苦笑)
でも、2冊とも、とても重く、深い内容の本で、実は、2冊しか読んでいないということを
開けてみるまで気づかなかったぐらいです。

『ぼくが・・・』は、ブログのお友達の記事を読んで、是非ともと借りてきた本。
『金鉱町の・・・』は、絵本やさんの店主さんが、自然の中で暮らすことを選んで引っ越していった
友達家族との別れを寂しがる私に、すすめて下さった本でした。

新学期は、読書の秋。
読書感想文を終え、楽しそうに本を選んでる息子を見ていたら、なんか、読みたくなってきた。
この際、腕が思うように動かないことは忘れて、本を読もうかな。
そんな気持ちを、本の神様が後押ししてくれたようで、昨日、朽木さんの新刊を図書館で発見。
ついこの間まで「蔵書なし」だったので、あきらめていたのに!やった!
ネット予約じゃなくて、本棚で見つけるなんて。運命?

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8月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:506ページ
ナイス数:12ナイス

ぼくが空を飛んだ日ぼくが空を飛んだ日
チャンス荘に泊まることになった辺りから、一気にラストまで駆け抜ける。ドキドキしたー。主人公が、羽と命とを結びつけて考えてしまう場面は、切なくて痛かった。子どもの頃って、こんな風に、すべての事が繋がっているように感じられるよね。本を閉じた後、自分の心が軽くなっているような気がした。前半、まどろっこしい部分もあったけれど、中盤からは、読むことを止められない程、面白かった。夕飯の支度途中で、台所に座り込んで読んでしまい、号泣している所を息子に見られた。恥ずかしかった(笑)やめられない人で、すいません。
読了日:08月20日 著者:ニッキー シンガー

金鉱町のルーシー金鉱町のルーシー
夫を亡くし、それでも、カリフォルニアに移住する夢を叶えようとする母。幼い子ども達を連れてまで、そこは、行かなくてはいけない場所だったのか?それほどまでに彼女を突き動かした想いとは、何だったのか?それは、親のエゴではないのか?そのことが、ずっとずっと、頭から離れなかった。最後の最後に、ルーシーの母という人が判ったような気がする。そして、そんな母とは違う生き方を選んだ娘の想いもまた、胸に迫った。見果てぬ夢を抱き、苦境に耐え、生き抜いた時代の強い女性達の物語。かっこいい。憧れてしまう。私は、ルーシー派だな。
読了日:08月13日 著者:カレン クシュマン

読書メーター


6月の読書

2011-07-23 22:05:33 | わたしの読書

遅ればせながら、6月の読書の覚書。
5月末からの流れをそのままに、心地良いスピードで読めた一ヶ月だった。

6月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1294ページ

西風のくれた鍵 (岩波少年文庫)西風のくれた鍵 (岩波少年文庫)
毎晩、一話づつと決めたのは、小さな異国の不思議な物語を、せめて、一晩だけでも、抱いて眠りたいと思ったから。こういう短編を集めた本って、いいなあ。いつか必ず、娘と読もう(だいぶ先でしょうけれど)。私は、本の題名となった物語が、一番好き。娘は、どれが好きだろうな。
読了日:06月23日 著者:アリソン アトリー


わたしは、わたし (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)わたしは、わたし (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
理不尽。最初から最後まで、ずっとずっと、この言葉が頭の中を、ぐるぐる廻っていた。「こんな酷いことってあるだろうか。」怒りが、何度もこみ上げてきて、熱い涙がこぼれた。すべてを失った人間でも(名前も過去も)、「わたしは、わたし」として、強く生きて生けるのだという力強いラストに救われる。希望に満ちたラストへ向かう彼らの「心」の動きは、もう少し、時間をかけて描かれても良かった気がし、少し物足りなさも感じるが、それでも、やっぱり、良かった。
読了日:06月19日 著者:ジャクリーン ウッドソン


スピリットベアにふれた島 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)スピリットベアにふれた島 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
犯罪を犯した少年の更生の物語。こういう物語は、説教臭くて苦手なのだと思いながら読み始める。少年が、読んでいて胸が気持ち悪くなる程、粗暴であることが、逆に、ひねくれ者の私を、物語に引き込んでくれたように思う。執拗なまでに描かれる島での過酷な体験も、また、然り。こんなに凶暴な加害者が、本当に更正できるのか?という疑問は、もちろん、この手の物語には、つきまとうと思う。でも、誰が何を言おうと関係ない、「自分が何を信じるか、それが大切なんだ。」と思う。私は、信じたいなと思う。人間の中の「善」というものを。
      読了日:06月07日 著者:ベン マイケルセン


見えない敵見えない敵
息子の誕生日プレゼント探しで読んだ本。行き着け(笑)の絵本屋さんから教えてもらった。「泣けない魚たち」の時と同じ、この読了感がたまらない。面白かったとか、感動したとか、そういうのとは、ちょっと違う、このすがすがしさ、爽快感。どこからか、風が吹いてきて、思わず深呼吸したくなる不思議な感じ。阿部さんの本は、いいなー。実家の海に行きたくなった。キャンプに行きたくなった。
読了日:06月05日 著者:阿部 夏丸


昭和二十年夏、僕は兵士だった昭和二十年夏、僕は兵士だった
「ちいさいおうち」の戦争を読んだばかりだったこともあり、その壮絶さに打ちのめされるようだった。ただの体験談だったら、ここまで深い想いは得られなかったかもしれない。作者は、体験談を語る5人の人となりや暮らしを丁寧に描き、添える。作者の、あの戦争を戦った人々への尊敬の念?謙虚な姿勢が、この本を、より深いものにしている。一番心が痛かったのは、戦後、兵士達が、侵略戦争へ加担した者として蔑まれたという話だった。あの戦争を、暴走した軍部が起こしたものだったと片付けてはいけないという言葉に、大きく頷いて本を閉じた。
読了日:06月03日 著者:梯 久美子

読書メーター


5月の読書

2011-06-10 16:29:36 | わたしの読書

「聖夜」からは、あっという間だった5月の読書。
ようやく、ようやく、読みたいスイッチが入ったようで、自分が止められない。
どうして、あんなに読めなかったのかわからない位、今、本が面白くて止まらない。
気になっていた本、あれこれ。梅雨の読書に突入です。

5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1180ページ

小さいおうち小さいおうち
軽快に語られる物語。薄っぺらいという意味でなく、軽く、読みやすかった。最後の方は、説明?が長くて、少々、ウンザリするところもあったけれど、それはそうとして、楽しい話だった。戦争を前にした時代が、ウキウキと弾むように描かれ、キラキラと輝いていていることに驚く。なんだか、幸せな気持ちになる。
読了日:05月29日 著者:中島 京子


わたしを離さないでわたしを離さないで
NHKの特集で、作者本人が作品について語っているのを見て(素敵だったので)興奮気味に読み始めた。驚きの設定は、描きたいことを描くためのもの。描きたいこととは「記憶」。イシグロは「記憶」の作家であるとナレーターは言った。おかげで、ストーリーそっちのけで、描かれているはずの「記憶」を探す読書に。彼が、何を描きたかったのかを、ひたすら考える読書。統制のとれたストーリー運びも、何故だろう?とかんぐって、結局、最後まで、わからず仕舞い。物語に夢中になることもできなかった。反省。テレビは読んだ後にすべきだった。
読了日:05月27日 著者:カズオ イシグロ


聖夜 ― School and Music聖夜 ― School and Music
中学生の息子への誕生日プレゼントを選ぶ為に、図書館から借りてきた。初・佐藤多佳子。息子が理解できるか?気に入るかは???だけれど、私は、最高に好きだ。読みかけの本を置き去りにして、久しぶりに、一冊を一日で読みきった。どんなに面白くても、一日で読みきれる情熱的な読書って、そうあるものじゃない。なんだか、嬉しい。祖母の告白の場面からは、熱い涙を流しながら読んだ。あー。なんか、すっきりした(笑)
読了日:05月25日 著者:佐藤 多佳子


トットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそくトットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそく
「君は大きくなったら何になりたいの」と聞かれ「生きていたい」と答えたという少女。ユニセフ親善大使の徹子さんのお話も、カマタ先生のお話も、涙なしには、とても読むことが出来なかった。日本が、どんなに幸せで、どんなに不幸せなのかについて考えた。ぐるぐるぐるぐる考えた。「みんな一緒」そう言った校長先生の言葉通り、その時のまま、今も行動しているトットちゃん。ずっとやくそく。約束できる素敵な大人と出会えることが、子どもにとって、どんなに大切なのかと思う。今の子どもは・・・と言う前に、私自身が、素敵な大人でいなくては。
読了日:05月13日 著者:鎌田 實,黒柳 徹子

読書メーター


久しぶりに・・・

2011-05-26 16:46:01 | わたしの読書

 『聖夜』佐藤多佳子

ずっとずっと、上の空で、ちっとも読書が進まない日が続いていました。
元々、「読むモード」のスイッチが入った時と、そうでない時の差が大きい人なのだけれど、
こんなに読まない、読めない期間が長かったのは、初めてではないかなあと思う。

子育ての本と、テレビの特集番組を見て「なんて、素敵な作家さんなの!」と夢中になって
読み始めた本、2冊。並んで、ゆーらり、ゆーらり、同時進行で進んでいた。
読みやすい対談集が一冊、わって入ったけれど、この2冊のペースは、速くなることも
遅くなることもなく、ダラダラと続いている。
どこかに、あまり、「読みたい」と思っていない自分がいる。
私の心って、自分が思っているよりも、繊細だったのかしらんと思ってみたり。

そして出会った、この一冊。
息子の誕生日が来月に迫り、今年も、プレゼントにどうかな?と、借りてきた。
借りてくることだけは、以前、通りなのだ。(そして、全部、そのまま返す)
どこの評判を聞いて(読んで)予約したのかも思い出せない本。
とにかく、次に予約があるからと、図書館の人が言うので、「ああ、早く読まなくちゃ。でも、読めるかな?」と
読み出した。

面白かったー。久しぶりに、一日で読みきりました。
初・佐藤多佳子。良かったー!

面白い本との出会いは、もちろん、たくさんあるのだけれど、情熱的に、読み終えてしまう本って
そう出会えるものじゃない。
それが、そのまま、心に残る作品になるかは別だけれど、それでも、そうやって読みきった本の
読んだ後の爽快感は、格別だ。

主人公の少年の屈折した心模様に、若かりし頃の自己を投影し、祖母の告白の場面からは、
涙なくしては、読むことが出来なかった。わかるなあ。この感情。
希望に満ちたラストが、また、いい。
全編を通して、音楽が流れているので、音楽に情熱を傾けたことがない人に、どう響くかは、
ちょっとわからない。そこだけが、プレゼントに選ぶかどうかの悩みどころだ。
中学生が想像だけで理解するには、ちょっと、難しいという気もする。高校生かなあ。

物語を通して語られる音楽が、本当に素晴らしい一冊だった。
もちろん、テーマは、主人公の高校生の心なのだけれど。

私も、音楽が大好きだった。
ちっとも詳しくないし、あんなに好きだったギターも、もう、コード一つ覚えてないけれど、でも
高校生のときの、あの音楽にかけた情熱は、一生の宝物だ。
そうやって、何かに情熱をかけることで、人は、大人になるのかな。
・・・・・・・・・なんて、豊かな国の戯言だろうか。

この本の前に読んだ本。ユニセフ親善大使の徹子さんとカマタ先生の対談集だ。

 『ずっとやくそく』 黒柳徹子 鎌田實

「君は大きくなったら何になりたいの」と聞かれ「生きていたい」と答えたという少女の言葉が衝撃的。
日本が、どんなに幸せで、どんなに不幸せなのかについて考えた。ぐるぐるぐるぐる考えた。
徹子さんは、すごい人だなーって思う。
自分に正直に生きる。それって、この世で、一番、難しいことかもしれない。
でも、一番、大切なことだ。

「みんな一緒」そう言った校長先生の言葉通り、その時のまま、今も行動しているトットちゃん。
ずっとやくそく。約束できる素敵な大人と出会えることが、子どもにとって、どんなに大切なのかと思う。
私は、そういう大人だろうか?