ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『ぐらぐらの歯』

2006-06-29 05:32:34 | 息子と読んだ本のこと・児童書

きかんぼのちいちゃいいもうと・ぐらぐらの歯
ドロシーエドワーズ著・渡辺茂男訳・酒井駒子絵

ましろさんのブログで見つけてきた本。
酒井駒子さんの絵に惹かれたことと、なにより、愛しいロッタちゃんを彷彿させる題名に惹かれました。
母は、もう、酒井駒子さんの絵にメロメロ。なんて、素敵なんでしょうねえ。
しかし、息子は、猛反発。「目が赤いぞ!こえ~!読みたくない!」(表紙の絵のこと。いもうとの目が赤いのです。)
え~!せっかく借りてきたのに、読もうよう~!
久しぶりに、説得してから読み始めました(笑)

きかんぼのちいちゃいいもうとは、その名のとおり、きかんぼで、泣き虫で、お母さんやお姉ちゃんを困らせるのですが、どうも、ロッタちゃんが頭の隅に残っている私たちには、物足りないというのが、最初の感想でした。
ロッタちゃんは、きかんぼというよりは、頑固で、奇想天外でしたからね。ちょっと物足りないかも・・・・・?
例えば、「洋服を着なさい」と言われて、ロッタちゃんは、気に入らない洋服をハサミでびりびりに切り刻んで、家出してしまいましたが、きかんぼの妹は、逃げ回ったり、手足を丸太のようにして「いや」と主張するのです。

けれど、こちらは、どこかにいそうな女の子。
読み進めるうちに、すぐそこで、起こっていそうな物語に、くすっ、くすっと笑いがもれ始め、おとなしい語り口調の文章にも、すっかり慣れてきました。
昨日くらいから、素直に物語を楽しめるようになってきた親子は、今晩の事件が楽しみで仕方ありません!さあ、今晩は何をしてくれるのでしょうか!


『2ひきのいけないアリ』

2006-06-26 05:43:57 | 息子と読んだ本のこと・絵本

2ひきのいけないアリ』 
クリス・ヴァン・オールズバーグ作 / 村上春樹訳

一言で言って、最高におもしろかった!
アリたちの目線で描かれた冒険。それが、こんなにワクワク、ドキドキ、ハラハラさせてくれるなんて!

砂糖のツボに続く、働きアリの長く規則正しい隊列。ところが、二匹のアリは、そこから離れ、砂糖のツボに残ることにする。「こんなおいしいものを食べないなんて!」二匹のアリは、砂糖を腹いっぱい食べて、そのまま寝てしまう。そこへ、銀色のスコップが降りてきて・・・
アリから見た世界観。見慣れているはずのものが、アリの目を通して見ると、なんてスリリングなんだろう!

息子は、目をキラキラと輝かせ、息を飲み、その恐ろしいものが何だか判った所で、「コーヒーだ!」「鼻の穴だ!」「トースターだよ!」「あ~!コンセントだ、やばい!」と、声を上げていた。
目は、絵本に釘付けで、思わず声を上げるという感じ。
物語の中では、それは、山であり、茶色くて熱いものであり、暗い穴であり、赤い色をはなつ熱い場所と表現されるものだから、息子の想像は、フル活動。と言っても、絵を見ればすぐにわかるんだけど、すぐに判る位が、ワクワク・ハラハラさせるポイントなんだなあ。
絵本を閉じると、思わず、ふ~っとタメイキをついてしまった親子。ハラハラ・ドキドキしすぎちゃったのです。本当に、おもしろかった~


『ミツバチのなぞ』

2006-06-25 09:56:10 | 息子と読んだ本のこと・絵本

フリズル先生のマジックスクールバス・ミツバチのなぞ
ジョアンナ・コール

フリズル先生シリーズ『みずのたび』が、とても楽しかったので、別の巻を借りてきました。今回は、フリズル先生と子どもたちが養蜂家を訪ね、ミツバチの謎に挑みます。
もちろん、先生と子どもたちは、ミツバチに変身!
ミツバチに攻撃されたらどうしよう?いえいえ、大丈夫。ミツバチの習性を良く知っているフリズル先生だもの、あっという間に、巣箱に進入成功!

それにしても、ハチというのは、本当に不思議な生き物なんですよね。女王蜂と働き蜂の違いは、単に餌だという事実には、改めて感動してしまいました。
以前、(またまた)NHKの深夜放送で、ハチの生活を細かく追いかけた番組を放送していて、気持ち悪くなりながら観たことがあるのですが、ハチって、ほかにも、色々と不思議なことがたくさんあるのです。

そんなハチの不思議が一杯つまったお話。今回も、息子は、「知ってる。」「知ってる。」を連発しながら聞いていました。母の方が、知らないことが多かったかな?
全く、いったいどこで知識を得ているんでしょう。母の知らないうちに、テレビや図鑑で覚えているんだろうなあ。さすが、生き物マニアだけあります。感心。感心。(算数や国語も、そのぐらい熱心に取り組んでね・・・母の心のつぶやき)
ミツバチダンスの方法もマスターできて、息子は、大喜びの一冊でした。


『車のいろは空のいろ・春のお客さん』

2006-06-24 09:00:18 | 息子と読んだ本のこと・児童書
車のいろは空のいろ・春のお客さん』 あまんきみこ作・北田卓史 絵

空いろのタクシーに乗った松井さんのお話、再び。
一巻目と同じく、温かい物語が一杯つまっている。お客さんは、たぬきであったり、きつねであったり、白鳥であったり。読み進めれば読み進めるほど、心が、まあるくなってくる気がする。不思議だなあ。
今回も、お話しの最初に、あまんさんの素敵な言葉を見つけた。

(おやっ。あの人、たぬきじゃないかしら。とりじゃないかしら。それとも・・・)
そんなことをかんがえたことは、ありませんか。
でも、それは・・・ないしょ、ないしょ

優しさって、温かさって、こんな日常の不思議、発見にあるんだろうな。そんなことを考えながら、息子と二人、4日間かけて、ゆったりと読了です。
それにしても・・・・・。この本と出会ってから、町で会う人が動物に思えたりして、思わず人間ウォッチングしてしまう、悪い癖がついてしまいました。いけないいけない

『猫語の教科書』

2006-06-23 05:02:07 | わたしの読書

猫語の教科書』 ポール・ギャリコ

これは、猫による猫のための教科書である。
いかにして、人間の家をのっとるのかについて、いかにして、おいしいものを頂戴できるかについて、いかにして、フカフカのベッドで寝れるかについて、その方法を、具体的に教授してくれている。なんと、人間についての考察では、男女の違いにも触れ、対応策が書かれている。

猫を飼っている人は、もちろんのこと、猫が好きな人なら誰でも、大笑いしながら?納得しながら?読むことでしょう。「猫のことなんて、なんとも思ってないわ」という人にもお勧め。明日には、猫と一緒に暮らしてみたいと思うことでしょう。
私は、実家の猫ちゃん達との暮らしを思い出して、大笑い。すっかり、幸せな気分にななっちゃいました。本当に猫って、魅力的~♪

よほど、楽しそうに読んでいたのでしょうね。そのうちに「なに?なに?」と息子が覗き込んできました。あんまりしつこいので、「子ども向きの本じゃないからね。」と前置きしつつ、一章を朗読。かなり長かったのですが、息子は、大喜びで聞いておりました。そして、「もっと読んで!」と。
ううむ。この量を読み聞かせするのは、ちと無理があるような気が・・・
それでも、図書館から「次に予約が入っていますから」コールがかかるまでは、借り続けてあげようかしら。それほど、魅力的な本でした(笑)。


『トリツカレ男』

2006-06-21 08:52:22 | わたしの読書
トリツカレ男』 いしいしんじ

以前、『おりの中の秘密』を読んだときに、初めてその存在を知った、図書館の隅のヤングアダルトコーナー。家庭の本棚程もない小さな、小さなコーナー。どうして、こんなに良い本が、こんな隅、漫画や視聴用のCDコーナーの向こう側に置かれているのか?については、今も納得いかないのだが・・・・・おかげで、いつでも在庫が揃っているというのが、ちょっと嬉しい。そんな訳で、その中で多くの部分を占める「いしいしんじ」氏の作品。

主人公ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」という。その名の通り、何かに「トリツカレ」てしまうと、すべてを忘れてしまう男だ。オペラ、三段跳び、サングラス集め、語学の通信教育・・・
ときたところで、どきっとした。あら、私もかなりのトリツカレ女だわ。
英会話、読書、書道、これは、今。昔、ダイエット、一人旅、自転車、水泳にトリツカレていたときもある。英会話教室に通いつめたっけなあ。7万円もする自転車を買ったっけなあ。ああ、奇異な主人公が、一気に身近に思えてきた。
さてさて、その主人公が、ある日、恋に落ちた。恋にトリツカレてしまったのだ。
恋にトリツカレたトリツカレ男。彼女のことだけを考え、彼女のためだけに行動するトリツカレ男の片思いは壮絶だ。トリツカレ男は、彼女のために、彼女の理想の男になっていく。その一途な想いは、痛々しい程だ。けれど、最後に待っていたのは・・・

一風変わった、トリツカレ男の恋愛物語。
人は、こんなにも、自分以外の人のために犠牲になれるものだろうか?決して、見返りを求めない愛。切ないけれど、愛って、トリツカレルって、なんだか素敵なことなんだなって思う。

『PICA西湖キャンプ場』

2006-06-19 05:51:33 | 旅行・キャンプ

6月17日(土)~18日(日)『PICA西湖』
お友だちのお気に入りのキャンプ場。
ずっと行ってみたかったのだけれど、なにしろ、人気があって予約がとれなかった。
だから、ようやく予約がとれたときは、はしゃいでしまいましたとも!・・・はっ!6月って、梅雨じゃない~(涙)。ああ、考えナシ。
キャンセルしようか?前日まで悩んだけれど、まあ、とにかく行ってみよう!ということに。整備された今時のキャンプ場のようだし、なんとかなるでしょう。雨の中でテントを撤収する計画も、しっかり練りつつ出発です。

                                          

西湖は、なんと!お日様も出ているではありませんか!やった~!!
キラキラと輝く湖面は美しく、母は、桟橋の上でお昼寝。息子は、湖に石を投げて遊んでいました。パパは、石が水面を何回も跳ねながら飛んでいく技を披露!息子の尊敬の眼差しをうけ、ニンマリでした。
湖には、カヌーが何隻も出ていて、気持ちよさそう!次回は、絶対に、カヌースクールに入らなくちゃ!

しかし、そんな幸せなキャンプも夕飯まで。その後は、予報通りの雨でした(涙)
タープの下にテントを張り、雨水で浸水するのを防ぐ作戦に出ていたのですが、それでも、かなりの雨量・・・バチバチという雨音をききながら、不安色一杯の母。なにしろ、ず~っと若い(独身の)頃、テントの屋根が雨の重みで落ちてくるという体験をしているので、ついつい嫌な想像が。。。なのに、息子もパパも、ぐ~ぐ~寝てる。本当に羨ましいというか、悔しいというか!
もちろん、何事もなく夜は明け、テントは、作戦通りにタープの下で、最小限のぬれで撤収。私の寝不足は、なんとなく、無意味・・・。くすん。
それでも、湖面を霧が晴れていく幻想的な風景は、朝の最高のプレゼントでした。


『ぼくの町にくじらがきた』

2006-06-17 05:39:18 | 息子と読んだ本のこと・絵本
ぼくの町にくじらがきた
ジム・ヤング=文 /ダン・バーンスタイン=写真 /偕成社

図書館で一目ぼれした本。作者が実際に体験した出来事が、架空の少年の目を通して語られる。それは、鯨が浜に打ち上げられ、亡くなるまでの3日間だ。静かで重々しい語り口調が、読むものに感動を与えてくれる。
息子は、動物が大好き。とりわけ、イルカや鯨が大好きだ。テレビに映る彼らは、美しく雄大で、息子を惹き付けてやまない。けれど、実際の自然は、美しいだけではない。
この本でもそうだ。少年を魅了した鯨は、死という悲しい結末を迎える。人間達は、ロープを使って沖に逃がしてやろうと試みるが、偉大な自然の摂理には、逆らうことができないのだ。
私たちにできるのは、自然の不思議に、ただ、耳をすませ、目をこらすこと。

とうとう鯨が亡くなったとき、読みながら涙がこぼれた。悲しいとか、そういう涙じゃない。言葉にできないのだけれど、ただ、ただ、大きな力に感動してしまったのだ。先に泣き出してしまった母の横で、息子は、黙ってきいていた。もしかしたら、素晴らしい写真に、釘付けになっていたのかもしれない。白黒の写真の中の鯨は、まっすぐ、こちらを見つめていたから。

キャンプに行く前の日に読むには、ちょっと、重すぎたかもしれないな。
けれど、きっと、この感動は、きっと心の中に残るだろう。ずっと、ずっと。


『まさ夢いちじく』

2006-06-16 05:57:20 | 息子と読んだ本のこと・絵本

まさ夢いちじくC・V・オルズバーグ 作・村上春樹 訳

ひどく神経質で気難しいビボット氏は、飼い犬のマルセルにも、ひどい仕打ちを繰り返す。彼の仕事は、歯医者さん。
その日、朝一番にやってきたのは、予定外の患者。歯が痛いおばあさんだった。
強欲なビボット氏は、予定外のお金が入るならと治療を引き受ける。ところが、おばあさんが、治療費代わりに差し出したのは、「いちじく」。なんと、食べた日に見た夢が現実になるという。
「いちじく」の魔力が本物だと確信したビボットは、自分が大富豪になる夢を見られるように、自分自身に催眠をかけることを思いつく。そして、大富豪になる夢を見ることができるようになったある夜。彼は、とうとう決心して、大切に保管していたいちじくを食べようとしたのだが・・・
果たして、強欲なビボット氏の夢は、かなうのか?可哀想な犬・マルセルは、どうなるのか???


なんと言っても、独特な色のリアルな絵が、この不思議な物語の雰囲気を盛り上げるてくれている。ビボット氏の神経質な眉毛を見ているだけで、嫌~な気持ちになれてしまうのだから、すごい魔力。そして、物語の結末のページの絵の素晴らしさ!
それより、なにより、この物語だ。不思議で、怖くて、痛快で・・・私と息子の間には、久しぶりに、ピンと緊張が走りました。読み終わった後は、二人でそろって、深い深いため息です。
オルズバーグを教えて下さった方々に、感謝・感謝の一冊でした。


『ロボット人間ポン』

2006-06-15 20:30:00 | 息子と読んだ本のこと・児童書

かいぞくポケット・ロボット人間ポン』 寺村輝夫

またまた、ポケットのはじまり!
ここまで来たら、20巻まで読み終わらないと、ね。
さて、ポケットのお話では、必ず、各章の終わりに「もしも○○だったら、次を読んでよろしい。」「△△をしたら、次を読んでよろしい。」などという、クダリがある。
そして、各巻の始めには、これから起こる冒険とからめて、読者に語りかける文章が書かれている。今回は・・・・・

きみは、おかあさんのいうことを、ちゃんときいているか?
おとうさんの、先生の・・・。でも、おとなのいうなりには、なっていないだろうな。
もしそうなら、ポケット ケポット トッポケトと三回となえるんだ。
ロボットにならないために、だ。


神妙にきいていた息子。ところが、「おとなのいうなりには、なっていないだろうな?」という所で、「うん!」と大きくうなずいた!
そ、そうきたかあ!あまりに真剣な顔でうなずいたので、笑ってはいけないと、思わず歯を食いしばった母でした。
「わかったよ。」とうなずきながら、母の小言を黙って聞きながら、彼なりに「それでも、いいなりにはなっていないぞ!」というプライドがあったんだなあ。
これには、(心の中で)爆笑しながらも、かなり驚きました。


『遊んで、遊んで、遊びました』

2006-06-13 06:53:15 | わたしの読書

遊んで、遊んで、遊びました~リンドグレーンからの贈りもの
シャスティーン・ユンググレーン著
うらた あつこ訳

すっかり、リンドグレーンの大ファンになってしまった親子に、紹介して頂いた一冊。ようやく、借りてくることが出来ました!
それにしても・・・その本を手にした瞬間のおかしさったら!なんと、おばあちゃんリンドグレーンが、木に登っているではありませんか!さ、さすが!
私の読んでいる横では、息子が、その「おばあちゃんリンドグレーン」の姿に、目をキラキラと輝かせておりました。「これ、リンドグレーン?何歳のとき?すげえ!すげえ!」と。

さて、インパクトの強い表紙をめくった先には、リンドグレーンが、どんなに幸福な子ども時代を過ごしたのか、どのようにして物語が出来たのかについてインタビューした記事が、彼女の作り出した物語の抜粋と共に書かれていました。
驚いたのは、なんと、エーミールの悪戯も、ピッピの考え出す奇抜な遊びも、すべて、リンドグレーンの経験に基づいているということ。そこには、彼女の少女時代が生き生きと綴られていて、まぶしい程でした。

一気に読み上げた後、ほっと一息ついて読んだ訳者あとがき。
彼女は、リンドグレーンの作品からは、どれも「子どもであることのすばらしさ」が伝わってくる書いています。子どもであることのすばらしさ!繰り返して読みながら、何故か、ぼろぼろと涙がこぼれました。ああ、子どもは、子どもであること、ただ、それだけで素晴らしいのだなあ!
親は、ときに手助けしながら、見守っていくのが役目。自由に、彼らの想像力にまかせ、「遊んで、遊んで、遊ばせてあげる!」のが役目。それって、当たり前で、簡単なようで・・・でも、この現代の日本では、一番、難しかったりします。


私は、リンドグレーンや、その両親のように、「危ないからやめなさい!」と言わないで見守り続けることができるだろうか?
私は、「うちの子は、遊んで、遊んで、遊ばせる!」と、いつでも、胸を張って言えるだろうか?(ああ!「ゲームを買ってあげないと、仲間ハズレにされるかもしれないわよ」と進言された時の、私の動揺っぷり!思い出すなあ~)
もしも自信がなくなったら、もしも不安になったら、また、この本を読み返そう。リンドグレーンの素敵な言葉に、また会いに来よう!


『おかあさん、げんきですか。』

2006-06-12 05:46:16 | 息子と読んだ本のこと・児童書

おかあさん、げんきですか』 後藤 竜二

マーガレットさんに紹介して頂いてから、ずっと読みたかった本。
わが町の図書館には置いていなくて、半ば諦めつつ、諦められず(ほかにも、読みたくても諦めた本が一杯あったし)・・・隣街の図書館を調べてみたところ、なんと、違う町の住民でもカードが作れることが判明!見事、借りることができました!

 
母の日の作文を学校で書かされる主人公は、テレながら、文句たっぷり、感謝の気持ちなんてこれぽっちも書いていない手紙を書き上げる。けれど、そこには、お母さんへの温かい愛情が込められていて・・・
何故か、心が、ほっこり温かくなる手紙なんだなあ。

 

「わかった?」が口癖のお母さんを描く場面では、息子は、大爆笑。
そうです。私の口癖でもあります。あはは。
息子だったら、なんて書くだろう?
「早く、早くと言わないで下さい。」と書くのは、間違いないだろうなあ~

 


『23分間の奇跡』

2006-06-11 20:48:43 | わたしの読書

『23分間の奇跡』ジェームズ・クラベル / 青島幸男 訳

『最後の授業』という物語を教科書で読んだのは、小学校、何年生の時だっただろうか?今でも、しっかりと挿絵を思い浮かべることができる。黒板に書かれた「Viva La France!」の文字。・・・不思議な位に、よく覚えている。
そう考えると、子どもの頃に読む本というのは、ものすごい影響力を持っているのだなあ。あの物語を読んだことがきっかけで、戦争を描いた本を、片っ端から読んだのだっけ。中学生になって、ヒットラーを描いた本を探して読んだのも、この本が、きっかけだったのかもしれない。きっとそうだ。それほど、強烈な印象を与えた物語だった。
そうやって、幼い頃を思い出していく作業は、なんだか、自分のルーツを探っているようでおもしろい。まさに、その鍵を開けてくれたのが、この本『23分の奇跡』。読むのには、たぶん23分もかからない。ましろさんの素敵な書評ブログで見つけた本だ。

青島氏のあとがきによれば、これは、『最後の授業』の続編であり、『最初の授業』だ。敗戦により占領下におかれ、学校が、敵国の教師に占領される。今までの価値観が、一瞬のうちに破壊される瞬間。それは、たった23分の間に起こる奇跡だ。
泣きながら教室を去る教師に代わって入ってきた、新しい教室の主。彼女は、可愛らしく微笑み、語りかけ、いとも簡単に、築き上げられてきた子どもたちの価値観を破壊してしまう。静かに、優しく、誰も傷つけず、けれど、確実に破壊する。
ここからは、きっと簡単だ。幼い子どもたちは、何の疑いもなく、その新しい先生の正義を学んでいくだろう。そして、いつかそれは、子どもたち自身の正義となり、価値観となる。
なんて恐ろしい物語なのだろう。聡明な、若い(まだ19歳の)教師の言葉が、私の価値観まで揺さぶってくる。何が正しくて、何が企みなのか?その境がわからなくなって、何度も、後ろにもどって読み返した。

本を閉じて、はたと考える。
さあ。私のこの価値観は、どこからやってきたものだろうか?


『チムさいごのこうかい』

2006-06-10 05:39:19 | 息子と読んだ本のこと・絵本

チムさいごのこうかい
エドワード・アーディゾーニ作 なかがわちひろ訳

どうしても海にでたくなったチムとジンジャーは、三日間だけという船の仕事を見つけ、乗る込むことにする。ところが、その船には意地悪な水夫が乗っていて、二人を一日中こき使うのだった。あまりのキツイ仕事に、ふらふらになる二人だけれど、それぞれに船の中に居場所を見つける。そんなとき、嵐がやってきて!
難破した船から助け出された船員の中に、チムを見つけたお母さんは、「大人になるまで海には出ないでほしい」と言います。チムは、約束を守り・・・大人になって、立派な船長になりました、で、話は終わりました。

昨日は、テレビでニートの若者たちの「働いたら負けだと思ってます!」「親が死んだら働きます」という意見をきいた後だったので、もう、チムとジンジャーが、とてもとても立派に見えましたとも!
学校で、働くことの素晴らしさを教えるための授業をしたりしているけれど(以前、私が手伝いに行っていた中学校では、職場体験実習までセットでありました)、働きたいという感情って、教えてもらって芽生えるのでしょうか。
働きたい!そういう気持ちの原点って、このチムとジンジャーの中にあるものなんじゃないだろうか?そんなことをボンヤリと考えたのでした。

さて、読み終わってから、ああ、最終巻だなあ~とシミジミ、最後のシリーズを紹介した文を読んでいると・・・なんと、この巻のあとに、『チムもうひとつのものがたり』という続巻が出ているではありませんか!それでは、なんとジンジャーがコックになるらしい。怠け者でおしゃべりだったジンジャーも、立派な海の男になるのかしら!これは、借りてこなければ~!
あと一冊、チムの冒険を楽しめると知った息子は、大喜びしていました。


『チムとうだいをまもる』

2006-06-10 05:00:13 | 息子と読んだ本のこと・絵本

チムとうだいをまもる
エドワード・アーディゾーニ作 なかがわちひろ訳

嵐の日、灯台の光が消えていることに気が付いたチムが、マクフィー船長、ジンジャー、シャーロットと共に、ボートで灯台に向かうというストーリー。灯台では、なんと、仲良くしていた灯台守たちが、縛られ、気を失っていた。
海賊たちの仕業だ。船を難破させ、そこで強盗を働くというのが、彼らの手口。嵐の中、船を難破させるために、灯台守たちを襲ったのだ。灯台守を介抱し、灯台の光を取り戻したチムたちだったが、そこに、また海賊たちが!!

最終巻も間近となって、物語の完成度が高くなった気がするのだけれど、気のせいだろうか。文句なしにおもしろかった!息子は、もちろん息をのんで聞いていた。それにしても、チムもジンジャーも、巻を追うごとに、立派になっていくなあ。息子が、チムと一緒に成長しているような、そんな錯覚に陥ったりもします。