ヴァージニア・ユウワー・ウルフ(著) こだま ともこ(訳)
抱っこでないと眠れなかった、高熱の娘と一緒に、こつこつと読んだ本。
読み終わった日には、熱も下がっていました。うふふ。
今日は、体力回復のためか、一日中眠り姫の娘。
読んだその日に、感想も書きとめてしまいました。
主人公のラヴォーンは、高校生。
大学へ行き、いい仕事について、いつか、ドラッグや犯罪だらけの、この町から、出ていくのだと、自分に言い聞かせて生きています。
けれど、母親と二人暮らしのラヴォーンは、大学へ行くお金を、自分で稼がなくてはいけません。
そんな彼女が選んだのが、ベビーシッターのアルバイトでした。
3歳しか年が違わない、シングルマザーで2人の子持ちのジョリー。ジョリーの汚れ放題のアパートで、ラヴォーンとジョリーの不思議な友情が芽生えます。
二人の少女の前に立ちはだかるのは、ずっと昔から、変わることなく存在し続けている社会の闇。
そんな闇に立ち向かい、変わっていこうとする二人の少女の力強さ、前向きな姿に、大きく、心を動かされました。
それは、まるで、レモンのような・・・さらりとした読みやすい文章。
だからこそ、この重く、暗いテーマを、爽やかに読ませてくれるのでしょう。
ジョリーが、ラヴォーンに強引に連れていかれた学校の授業で、先生から聞かされた「盲目の女性とレモネードの話」を熱く語るシーンでは、涙が溢れて止まりませんでした。
そして、その日から、ジョリーが変わっていく様にも。。。
勉強したいって気持ちは、こういうことなんだなあと思ったら、また、胸が熱くなりました。
どうしようもない社会の闇も、勝手に背負わされた荷物も、自分の力で、変えていけるのだというメッセージに、どんなに救われる少年、少女がいることでしょう。
いつか、息子や娘にも読んで欲しい本です。